世界の二輪車生産と販売 (下):ブラジルの減少が続き、パキスタン/欧州は増加

ブラジル/台湾/パキスタン/日本/欧州/米国

2017/04/27

要約

先進国の二輪車需要 本レポートは、世界の主要二輪車生産国の概況を報告するレポートの後編である。本稿では、ブラジル、台湾、パキスタンと、日本/欧州/米国の先進国の状況についてまとめる(インド/中国/アセアン諸国などの主要国の二輪車市場についてはこちらをご覧下さい)。

 ブラジルの二輪車生産台数は2011年に200万台を超えた後、経済状態の悪化を背景に減少が続いており、2016年は前年比29.7%減の88.8万台。13年ぶりに100万台の水準を下回った。販売台数についても、2016年は前年比27.9%減の85.8万台まで減少。

 台湾の二輪車生産台数は2008年の世界経済危機後の落ち込みから、徐々に回復しており、2016年は台湾国内販売が増加したことから8.8%増の122万台と、2009年以降で最高となった。台湾当局は国内販売を拡大させるため、2016年1月より買い換え支援策を導入し、2016年の販売台数は前年比18.0%増の78.8万台となった。
 
 パキスタンの二輪車生産台数(三輪車を含む)は、2016年度の最初の9ヶ月(2016年7月から2017年3月)には前年同期比21.2%増の121万台と、大幅な市場拡大が続いている。

 世界経済危機後、大きく二輪車市場が縮小した先進諸国のうち、欧州ではその後も二輪車市場の縮小が続いていたが、2014年に底を打ち、2016年は9.1%増加し131万台となった。米国では、緩やかな回復傾向が続いていたが、2016年は2.1%減少し49.0万台となり、6年ぶりに減少。日本の2016年の国内販売は、原動機付き第一種(-50cc)の販売台数の減少が続き、前年比8.3%減の37.3万台。約50年ぶりの低水準まで、市場が縮小している。

 一方、大手二輪車メーカーの母国である日本での生産台数は、2016年は前年比7.3%増の56.1万台。一部に日本生産に回帰した車種があったことが要因。


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