スチール素材の最新軽量化技術:超高張力鋼板/テーラーブランク/ハイドロフォーミング
Mubeaとthyssenkruppのスチール素材軽量化技術
2016/07/22
- 要約
- 車体骨格構造へのホットスタンプ材と超高張力鋼板の適用状況
- テーラー・ロールド・ブランクの適用例
- テーラー・ロールド・ブランク材のハイドロフォーミングへの適用例
- ホットスタンプ材(熱間成型材)と冷間成型材の将来
要約
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CFRPやアルミニウムを活用した軽量化技術が進む一方、スチール素材を使った軽量化技術も着実に進化している。今回のレポートでは、人とくるまのテクノロジー展2016横浜での展示とワークショップの講演内容から、スチール素材の軽量化技術として、ホットスタンプ材と超高張力鋼板、テーラーブランク、ハイドロフォーミング等の最新動向を紹介する。
自動車メーカー各社は、ホットスタンプ材と超高張力鋼板をキャビンまわりの骨格部材に採用を進めている。特に、ボディサイド部は、側面衝突時の変形を抑えるために、高強度のニーズが高い部位で板厚も厚くなるため、最新技術による軽量化効果の大きい部位でもある。トヨタプリウスのフロントピラーは超高張力鋼板をテーラーブランクで、下部の板厚を下げて、軽量化を行っている。
Mubeaのテーラー・ロールド・ブランク材は、ロール成形時に部位ごとに板厚を変更してシート材を作ることで、きめ細やかな板厚変更を可能にしており、VW GolfやFord FocusのBピラー等に採用されている。
また、thyssenkruppは、将来の鋼板材として、引っ張り強さと伸びの特性を両立する鋼板材を開発している。これにより、キャビン周りの変形を抑える部位で、エネルギー吸収が可能になり、また、エンジンコンパートメント等のエネルギー吸収を主体とする部位で、変形を抑える鋼板が使えるようになる。そして、車体骨格構造の開発の自由度が増し、衝突安全性能の向上や軽量化が、さらに進化すると考えられる。
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