欧米部品メーカーの中国動向(上):上海市・江蘇省など華東地域での動向

欧米自動車メーカーの販売シェア・投資拡大に対応し、パワートレイン部品の増産や現地開発能力を強化

2014/12/22

要 約

 世界最大の自動車市場である中国の2014年1-11月の累計販売台数(工場出荷)は、前年同期比6.1%増の2,107万台。乗用車販売(1-11月)は同9.2%増の1,764万台と、商用車の販売が減少する中、市場を支えた。中国自動車工業会は、通年では、2,300万台程度になると見ている。

 中国市場でシェアトップのVWグループの販売は、2014年1-11月に前年同期比16.0%増の325万台となり、シェアを15.4%へ1%ポイント以上拡大。第2位のGMも11.3%増の167万台を販売し、シェアをやや拡大し7.9%とした。他にPSA、Fordも販売を大きく増やしている。
 こうしたなか、欧米の自動車メーカーは、更なる市場拡大を見通して積極的な投資を続けている。特に、VWとGMは、中国でそれぞれ400万台を超える生産体制を整える投資を計画している。
 欧米の自動車部品メーカーも、この自動車メーカーの投資に対応するため、パワートレイン関連部品、内装部品を中心に生産能力の増強、現地での開発能力強化を行っている。

 本レポートは、中国における欧米の主要自動車部品メーカーの進出が活発な、上海市周辺の華東地域での事業動向をまとめた(2013年末から2014年12月中旬までの約1年間の動向を収録)。

その他の地域での動向は別途報告いたします。

華東周辺地図
華東周辺地図

華東地域での欧米サプライヤー動向まとめ

新会社/工場稼働 BorgWarner(ターボチャージャー)、Bosch/Mahle(ターボチャージャー)、Continental(計器/運転支援/HMI)、Cummins(ターボチャージャー)、Federal-Mogul(ベアリング工場統合移転、エキゾースト絶縁スリーブ)、GKN(粉末冶金部品)、Johnson Control(内装部品合弁会社設立)、Novelis(アルミシート)、Roechling(インテイクマニフォールドなど)、SKF(ベアリング)、Sogefi(サスペンション、エンジンシステム部品)、ThyssenKrupp(ステアリングシステム、ダンパーシステム、シリンダーヘッドカバー)、Visteon(内装/樹脂部品)、ZANINI(ホイールカバー)
生産能力増強 Bosch(高圧オイルポンプ)、GKN(ドライブシャフト)、TRW(ステアリングホイール)、Schaeffler(トランスミッション部品)
生産品目追加 Dana(メタル積層ガスケット)、Delphi(直噴用燃料ポンプ・インジェクター)、ZF(9速AT)
開発拠点 設立 DelphiEatonHarmanPlastic OmniumSKFTennecoTRW
拡張 MahleMANN+HUMMELZF
地域本社設立 IAC(開設)、Lear(開設)、ZF(拡張)
事業再編 Halla Visteon Climate Control(関連会社を子会社化)、
Johnson Matthey(工場買収)、
KSPG(独子会社株式を中国会社に譲渡)、
Visteon(現地合弁子会社売却)

 中国の部品メーカー動向関連レポート:
・日本の部品メーカー (華北/東北/西南地域) 編 (2013年8月)
・日本の部品メーカー (華南/華中地域) 編 (2013年7月)
・日本の部品メーカー (華東地域) 編 (2013年6月)

 

このレポートは有料会員限定です。 残り 4 章
無料会員登録により、期間限定で続きをお読みいただけます。