デトロイト3はともに北米では好業績だが、欧州は赤字解消できず
中国販売で、GMが316万台、Fordが94万台、FCAは5万台と大きな差
2014/03/04
- 要 約
- GM:新型車攻勢をかけるもシェアは増加せず
- フォード:「One Ford」戦略で好調を維持
- FCA:フィアットがクライスラーを完全買収
要 約
米国市場は2008-2009年の「大不況」から回復し、2013年は前年比で7.6%増の1,560万台となり、ほぼリーマンショック以前の需要レベルとなった。持続的な米国経済の回復、消費者心理の改善、古い車の買い替え需要、低金利や魅力的なリースなどで、好調な販売が続いている。 このような米国自動車市場の回復の中で、2013年の特徴は「トラックの年」と呼ばれるほど、大型ピックアップと小型・中型SUVの販売が活況を呈したことであった。特に大型ピックアップを持つ米国3社には有利な市場環境で、マーケットシェアを45.1%から45.7%へ0.6%ポイント奪回した。日本車も円安で余裕が生まれたことから、攻めの販売姿勢に転換して37.1%から37.4%へ0.3%ポイントシェアを増加させた。 米国3社の中では、フォードが「One Ford」戦略を推進して全世界で販売を伸ばし、営業利益と純利益で3社中では最も高い収益を上げた。北米地域の収益でもフォードがGMを凌駕した。GMは数多くの新型車を投入したにもかかわらず、シェアアップにはつながっていない。フィアット・クライスラーは、UAW の退職者向け信託基金 (VEBA)が持つ、残りの41.5%の株式の買い取り交渉を粘り強く続けて、2014年1月にようやく完全買収が完了した。フィアットは1月末に役員会を開催して、新統合会社(親会社)の名前をFiat Chrysler Automobiles (FCA)と決定した。 米国3社は北米で大型ピックアップやSUVで大きな収益を上げる一方、欧州では大きな赤字を抱えるという点では共通している。大きな相違点は中国での販売状況で、GMは11.4%増の316万台、フォードは49%増の93.6万台、フィアット・クライスラーは5万台弱にとどまっている。 2013年 3社損益比較表 (単位:100万ドル)
注1、EBITは利払/税引前利益(Earnigns Before Interest and Taxes)を表す 関連レポート |
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