トヨタ:販売と収益が本格回復、2013年に991万台販売を計画
2012年度連結営業利益見通しは1兆500億円、設備投資をさらに効率化
2013/01/11
- 要 約
- トヨタグループの世界販売は2012年970万台、2013年991万台
- 2012年度に、1兆500億円の連結営業利益を見込む
- 設備投資を効率化、固定費を下げ収益性を向上
要 約
本レポートは、トヨタが2012年12月に発表した2012年暦年の販売・生産台数実績見込みと2013年計画、および11月に発表した2012年度4~9月期決算と通期決算見通しを中心に、本格回復しているトヨタの販売・収益動向を報告する。
トヨタは、リーマンショック後の不況により2008~2009年に販売台数が急減し、同時に円高が進み、続いて2011年の東日本大震災やタイ洪水の影響などで販売と収益が低迷した。しかし2012年暦年はグループの世界販売が970万台へ175万台増加し、GMとVWを押さえ世界販売台数首位に返り咲いたと見られる。2013年計画は991万台。
2012年度通期の連結営業利益は、2011年度の3,556億円から1兆500億円にほぼ3倍増する見込み(2012年11月発表)。2010~2011年度に4,000億円を超える営業赤字となったトヨタの単独決算(輸出を含んだ日本での事業)の赤字額が200億円にまで縮小する(同上時点の見通し)ことが大きい。
地域別には、中国と欧州で販売減を見込むが、北米と東南アジアの拡大が補う(但し、2012年度10~3月期の連結グローバル販売台数は前年比2.1%減の見通し)。
トヨタの2012年度4~9月期の為替レートは1ドル79円、10~3月期の業績見通しは1ドル78円の為替レートを前提としている。12月後半からの円安傾向が定着すれば、収益のさらなる拡大が想定される。
以上のように、トヨタの収益は大幅に回復しているが、需要の変動に柔軟に対応するため、設備投資のさらなる効率化を進める計画。特に、今後3年間原則として既に決定しているタイとインドネシア以外では新工場を建設せず、増産投資は既存工場に限定し、固定費を下げ損益分岐点を下げる方針と報道されている(2013年1月報道)。
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トヨタ:開発・調達・生産について、多面的な収益構造改善策を計画 (2012年5月掲載)
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