ホンダの中期戦略(2):2014年以降北米からの輸出が20万台規模へ

北米とアジアの生産・販売を大幅拡大、ブラジルの開発体制を強化

2012/12/27

要 約

シビック
大幅マイナーチェンジし、2012年11月に
北米で発売したシビック

 ホンダは、2012年9月に、2016年度に成熟市場で300万台、新興国市場で300万台、世界で600万台の販売を目指す中期戦略を発表した(2012年度販売見通しは412万台)。

 本レポート「ホンダの中期戦略(2)」では、海外事業のうち、北米、欧州、アジア地域(中国を除く)、ブラジルでの販売および開発・生産体制拡充計画について報告する。

 北米は、2012年度販売見通し174万台を2016年度200万台に拡大する計画で、2016年度もホンダの最大市場となる見込み。また、円高の影響を避けるため日本からの輸出を減らし、北米を輸出拠点として強化する計画。2014年には北米からの輸出台数が日本から(北米への)の輸入台数を上回り、近い将来20万台規模の輸出を計画。このため大幅な生産能力増強を計画しており、2014年のメキシコ第2工場稼動開始により北米の生産能力は192万台に拡大し、さらなる増強もありうるとしている。

 欧州事業は、2009年度から営業赤字が続いている。ホンダは、新開発ディーゼルエンジンの投入など商品力を強化し、英国工場では次期型フィット(現地名ジャズ)は生産せずに、生産車種をシビックとCR-Vに絞って収益性を回復させる計画。

 中国を除くアジアでは、販売台数を2011年度の約20万台から2016年度120万台に大幅拡大する。東南アジアでは、タイ、インドネシア、マレーシアの生産能力を拡大し、アセアン域内での相互供給体制を確立して、各拠点の生産効率を向上させる。インドでは2013年初めからディーゼルエンジンを生産し、小型車に搭載する。

 ブラジルでは、世界6地域同時開発の一環として開発体制を強化し、ブラジル市場向け小型車はブラジルで開発するとしている。


関連レポートホンダの中期戦略(1):次期型フィットを世界6地域で同時開発(2012年12月掲載)

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