インド:乗用車販売の伸び率が2012年度は1-3%増に鈍化
各社がディーゼルエンジンの生産能力を増強
2012/11/13
- 要 約
- 乗用車の新型車投入:SUVやMPVの投入が拡大
- Maruti Suzuki/トヨタ/Renault-日産/いすゞ/Fordが生産能力を拡充
- スズキ/ホンダ/Renault-日産/現代自/Fordはディーゼルエンジンの生産体制を増強
- 日本メーカー (スズキ/トヨタ/日産/いすゞ) の動向
- インドメーカー (Tata Motors) の動向
- 欧米メーカー (Ford/Daimler/VW/Fiat) の動向
- 2012年度上期の生産は前年同期比3.1%増の197万台、国内販売は6.2%増の166万台
- (参考) インド乗用車市場でのメーカー別販売台数
要 約
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インドにおける2011年度 (2011年4月~2012年3月) の自動車生産台数は404 万台、新車販売台数は343万台で世界第6位の市場に成長した。しかし、新車販売の伸び率は、2010年度の28.3%から2011年度は7.6%、2012年度上期は6.2%と鈍化している。
インド自動車工業会 (SIAM) の予測によると、2012年度の乗用車 (SUV・バンを除く) 販売は 1-3%増にとどまる見込み (2012年10月発表)。インドの経済成長の速度の鈍化に加え、ガソリンの価格統制廃止による価格高騰やローン金利の高止まりがその理由だとしている。
インド市場では物品税率が低い全長4m以下の小型車が市場の6割を占めていたが、2012年度上期にはその比率が5割近くに下がり、中型車以上の乗用車やSUV等のUtility Vehiclesの販売が増加した。各社の新型車も、インド市場の中核である小型車に加え、中型車やSUVなど幅広い車種の投入が拡大している。
市場拡大の速度は鈍化しているが、インド市場の需要拡大の余地は大きいと見込まれ、各社が完成車の生産体制を強化している。
乗用車市場の38%のシェアを有するインド最大手のMaruti Suzukiは年産能力25万台の新工場をGujarat州に建設し、2015-16年には200万台の生産体制を整備する。トヨタは既存2工場の年産能力を21万台から31万台に引き上げ、日産はRenaultとの合弁工場の能力を40万台に増強。いすゞは2016年を目処に年産10万台の工場を建設する計画。米国メーカーでは、Fordが年産24万台の新工場をGujarat州に建設している。
また、インドではディーゼル燃料の価格統制は維持されており、燃料費が安いディーゼルエンジン搭載車の需要が高まっている。これに対応し、自動車メーカーの多くはディーゼルモデルを投入し、ディーゼルエンジンの生産能力を拡充している。
関連レポート:インドの日系部品メーカー (2012年11月)
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