クリーンディーゼル車:日本メーカーの日本・欧州での投入動向
日本市場では新たにマツダ、富士重工、ホンダがディーゼル車を投入
2012/04/27
- 要 約
- 日本市場に投入されるクリーンディーゼル車
- 日本メーカーが欧州市場に投入するクリーンディーゼル車
- 日本メーカーが投入する主なクリーンDEの特徴 (日本市場に投入する欧州メーカーのDEを含む)
- 日本メーカーのクリーンDEに関する動向
- 日本市場にクリーンディーゼル車を投入する欧州メーカー
要 約
"クリーンディーゼル車" とは、2009年から実施された排出ガス規制(日本のポスト新長期規制、欧州のEuro 5、米国のTier II Bin 5) に適合するディーゼルエンジン (DE) 搭載車である。
乗用車の販売台数の5割がDE車である欧州と比べ、日本市場では規制強化による車種減少、環境に悪いというイメージ、車両価格の高さ等により、2011年のDE車の販売比率は1%にも満たない。しかし最近では、排ガスをクリーンにする技術革新が進み、DE車の燃費性能の高さが評価されつつある。
2012年2月には、新たにマツダがクリーンディーゼル車を日本市場に投入し、富士重工やホンダもDE車投入を計画。欧州で2014年から実施される次期排出ガス規制 Euro 6が、日本のポスト新長期と同水準となることもあり、欧州メーカーも日本市場への新たなDE車投入を計画している。
日本メーカーの多くは、欧州市場では従来からDE車を販売していたが、燃費規制が強化される中、欧州ではエンジンのダウンサイジング化が進み、小排気量のDEが求められている。また、欧州で販売台数を拡大するためには、DE車の車種を増やす必要がある。今後の日本メーカーの計画では、ホンダが新開発の1.6L DE、マツダが1.4L DEの搭載車を欧州に投入する。また、トヨタはBMWから調達する1.6/2.0L DE、スズキはFiatから調達する1.6L DEの搭載車を投入する。
関連レポート:マツダ:SKYACTIVとモノ造り革新で反転攻勢へ (2012年3月)
日本・欧州・米国の排出ガス規制
日本 | 欧州 | 米国 | ||
---|---|---|---|---|
ポスト新長期規制 | Euro 5 | Euro 6 | Tier II Bin 5 | |
PM (g/km) | 0.005 | 0.005 | 0.005 | 0.0062 |
NOx (g/km) | 0.08 | 0.18 | 0.08 | 0.0435 |
規制開始 | 2009年10月 | 2009年 9月 | 2014年 9月 | 2009MY |
資料:JAMA, その他
日本市場におけるディーゼル乗用車販売台数 |
(台) |
2010年 | 2011年 | 2012年1-3月 | ||
---|---|---|---|---|
マツダ | 3,101 | |||
三菱 | 1,140 | 2,187 | 669 | |
日産 | 5,706 | 4,870 | 1,578 | |
他の日本メーカー | 9 | 8 | 3 | |
輸入車 | 2,890 | 2,007 | 633 | |
ディーゼル車合計 | 9,745 | 9,072 | 5,984 | |
乗用車合計 | 2,927,602 | 2,386,036 | 984,625 | |
ディーゼル車比率 | 0.3% | 0.4% | 0.6% |
資料:自動車登録統計情報 (日本自動車販売協会連合会) (乗用車には軽自動車を含まない)
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