日本市場の新型車装備: 衝突被害軽減ブレーキなど予防安全装備の設定拡大
燃費向上に寄与する停車前アイドリングストップ機構、フロアアンダーカバーを採用
2012/02/28
要 約
以下は、日本の自動車メーカーが2011年5月~2012年4月に国内販売する、新型乗用車の主要装備の概要である (2012年2月発表分まで)。本レポートで取り上げた新型乗用車は新モデルとフルモデルチェンジ車 (一部追加派生車を含む) で、トヨタはToyota ブランド車が5車種、Lexus ブランド車が1車種、ホンダは3車種、スズキと富士重工は各2車種、マツダとダイハツは各1車種で、計15車種 (OEM車は含まない)。
走行性能 (燃費向上を含む) 装備では、横滑り防止装置のESC (Electronic Stability Control) が小型車や軽自動車を含むほぼ全車種に標準装備されている (日本での新型車におけるESC搭載義務化は、登録車が2012年10月から、軽自動車が2014年10月から)。また、ESCと電動ステアリングの統合制御システムで、前輪だけでなく後輪も操舵するアクティブリヤステアリングが採用された。燃費向上のためには、停車前にエンジンを停止するアイドリングストップ機構や、空力性能を改善するフロアアンダーカバーが採用された。
運転支援装備では、衝突の可能性を検知すると自動ブレーキをかける衝突被害軽減ブレーキや、駐車場などでのペダルの踏み間違いによる事故を防ぐAT誤発進抑制機構など予防安全装備の設定が拡大。視認性確保では、ロービームだけでなくハイビームもLEDとしたヘッドランプやハイ/ロービームを自動切替するシステムが設定された。
快適性装備では、ハイブリッド車において、エンジン停止中もエアコンを作動できる電動コンプレッサー式エアコンの設定が増加。利便性装備では、走行中の車からのリアルタイム情報を利用するテレマティクスシステムの設定が増加している。
関連レポート: |
欧州の新型車装備 (1)(2011年9月掲載)、(2)(2011年10月掲載)、米国の新型車装備 (2011年4月掲載) |
日本の自動車メーカーが新型車に設定した主な先進装備 |
(2011~2012年2月に日本で発売した新型車) |
装備 | 設定車種 | |
---|---|---|
走行性能 (燃費向上 を含む) |
ESC | 全車種 (Suzuki Alto Ecoを除く) |
アクティブリヤステアリング | Lexus GS | |
フロアアンダーカバー | Toyota 86, Toyota Prius PHV, Toyota Camry, Toyota Prius α, Honda Fit Shuttle, Mazda CX-5, Subaru BRZ |
|
アイドリングストップ機構 | Honda N BOX, Mazda CX-5, Subaru Impreza, Suzuki Alto Eco, Daihatsu Mira e:S |
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運転支援 | 衝突被害軽減ブレーキ | Toyota Prius PHV, Toyota Prius α, Lexus GS, Mazda CX-5, Subaru Impreza |
AT誤発進抑制機構 | Mazda CX-5, Subaru Impreza | |
視認性確保 | ハイ/ロービームLEDヘッドランプ | Lexus GS |
オートマチックハイビーム | Lexus GS | |
快適性 | 電動コンプレッサー式 (インバーター一体型) オートエアコン |
Toyota Prius PHV, Toyota Aqua, Toyota Camry, Toyota Prius α, Lexus GS |
利便性 | リアルタイム情報を利用する テレマティクスシステム |
Toyota 86, Toyota Prius PHV, Toyota Prius α, Lexus GS, Honda CR-V, Honda Fit Shuttle, Subaru Impreza |
(注) アイドリングストップシステムの設定車種については、ガソリン車のみを記載した (HV, PHV は除く)。