日本メーカーの2011年度計画

秋以降大幅増産へ、為替レート再見直しも

2011/08/31

要 約

 

 日本の自動車メーカー各社は、2011年3月に発生した東日本大震災の影響を受け、3/4月は国内は前年に比べ4割程度の生産にとどまった。しか し、7月には,補助金の影響で活発化していた前年の9割程度の水準まで回復し、ほぼ通常の生産体制となった。秋以降、各社とも、前年に比べて1割から2割の増産体制に入る予定。

 全社見送られていた2011年度の業績見通しは、6月中旬より順次発表され、2011年度第1四半期決算発表時(8月初旬までに発表)には、トヨタ/ホンダが見通しを上方修正した。日本メーカー10社合わせた2011年度の見通しは、販売台数が前年度比4.5%増の2,147.7万台、売上高が同0.7%増の46.8兆円、営業利益は同23.4%減の1.47兆円。想定ドルレートは1ドル=80円。

 しかし、8月に入ってから更なる円高が続いており、8月中の為替レートはほぼ1ドル76円台後半で推移している。この水準が続けば、想定レートの見直しを迫られ、業績へ影響を与える可能性がある(トヨタは2011年度の1ドルの想定レートを、当初は82円としていたが、第1四半期決算発表時には80円と見直した)。

 

日本メーカーの2011年度計画と第1四半期決算の概況

四輪車売上台数(千台)連結売上高(億円)営業利益(億円)ドルレート (円)
2010 年度 決算2011年度2010 年度 決算2011年度2010 年度 決算2011年度通年 計画第1 四半期
通年 計画第1 四半期通年 計画第1 四半期通年 計画第1 四半期
トヨタ 7,308 7,600 1,221 189,937 190,000 34,410 4,682 4,500 (1,080) 80 82
ホンダ 3,512 3,435 547 89,368 87,000 17,146 5,697 2,700 225 80 82
日産 3,888 4,272 934 87,731 94,000 20,820 5,375 4,600 1,504 80 81.7
スズキ 2,642 2,819 594 26,082 26,100 6,073 1,069 1,100 256 80 82
マツダ 1,100 1,127 186 23,257 21,900 4,081 238 200 (231) 83 82
三菱 1,045 1,173 252 18,285 19,500 4,319 403 500 122 80 82
ダイハツ 893 892 192 15,594 15,700 3,297 1,034 850 172 80 82
富士重工 657 632 118 15,806 14,800 3,004 841 300 107 81 82
いすゞ 408 419 77 14,155 14,800 2,844 882 800 144 80 82
日野 108 128 22 12,427 13,500 2,326 289 350 46 80
10社合計 20,560 21,477 3,929 464,621 468,100 92,697 19,187 14,700 1,047 80 82
資料:各社の決算短信と決算発表資料
(注)1.
空欄は発表がないことを意味する。
2.
ドルレートの合計欄は、各社の平均値。
このレポートは有料会員限定です。 残り 6 章
無料会員登録により、期間限定で続きをお読みいただけます。