フォード F-150 Lightning 分解調査:ADAS

EVピックアップトラックのADAS(運転支援システム)~Munro社の分解調査データより

2023/05/26

要約

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Ford統合ADAS “ BlueCruise”(出典:Ford)

 本稿ではMunro社の分解調査(Zone 2:ADAS)で明らかになったフォードF-150 Lightning PlatinumのADAS技術を紹介する。

 F-150 Lightningには前方カメラと長距離レーダー、前後四隅の近距離レーダー、そして車両前後左右にカメラが装着されており、これらにより外界状況を認識しADAS機能を作動させている。ADAS機能はACC等の個々の機能に加えて、ハンズオフを実現したBlueCruiseと呼ばれる統合ADASシステムが用意されている。ADAS機能を制御しているのはADAS Moduleと呼ばれるADAS制御コントローラーである。F-150 Lightningでは中央統合型の機能配置となっておりカメラからは画像情報が送られ認識と判断はADAS Module内で行われている。例えば画像認識チップの一つであるMobileyeのEyeQ4はカメラユニット内ではなくADAS Module内に実装されている。近年画像認識の高度化に伴い画像処理チップの発熱が問題となりスペースが限られたカメラ筐体内にチップを置くことが難しくなっている。F-150 Lightningでは画像処理やセンサーフュージョン、更にそれらの通信のためのデバイスがADAS Module内に配置されており高速通信と熱問題に対応している。


 マークラインズは、デトロイトに本拠地を置く車両ベンチマークのエンジニアリング会社Munroと提携している。Munro社は各種車両の分解調査を行い、全ての部品について、重量・寸法など詳細スペック、コスト分析を実施、分析結果のレポートを提供している。詳しい情報をご希望の方は、下記へお問い合わせください。

 

フォード F-150 Lightning 分解調査レポート:
ボディ、フレーム、サスペンション、ブレーキ(2023年3月)
電動パワートレイン(2023年2月)

関連レポート:

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