Tata AutoComp Systems Ltd. 2017年3月期の動向
買収
-2017年1月、同社はTitanX(エンジンクーリングの大手グローバルサプライヤー)の買収を完了したと発表した。TitanXは商用車業界の主要サプライヤーと同時にエンジンおよびパワートレーンクーリングソリューションプロバイダーである。
-2016年8月、同社は商用車向けにパワートレイン冷却システムを供給するTitanX Engine Coolingを買収すると発表した。TitanXは米州、欧州、中国に生産拠点を保有しており、年間売上高は約200百万ドル。現在の親会社はEQT OpportunityおよびFouriertransform。買収手続きは2016年末までに完了する予定。
子会社の概況
Automotive Stampings and Assemblies Ltd
-2017年3月期の売上高は32億インドルピー、税引後利益は28.7百万インドルピー。
南京塔塔汽車零部件系統有限公司 [Nanjing Tata AutoComp Systems Ltd]
-2016年3月期の売上高は141.8百万元、税引後利益は10.2百万元。
合弁会社
Tata Toyo Radiator Ltd
-2016年3月期の売上高は52億インドルピー、税引後利益は178.9百万インドルピー。
Katcon Global
-2014年、メキシコを本拠とするKatcon Globalと、インドのマハラシュトラ州Puneに折半出資による合弁会社を設立すると発表。インドの自動車市場向けにエキゾーストシステムおよび排ガス後処理システムを生産する。乗用車、ユーティリティ車両、中型・大型商用車、バス、農業用トラクター、オフロード車向け。生産品目には、触媒コンバーター、DPF、SCRシステム、マフラー、サイレンサーモジュールなど、エキゾーストシステムのホットエンドおよびコールドエンドが含まれる。(2014年10月20日付プレスリリースより)
Magna International
-2014年、Magna Internationalと、折半出資による合弁会社を設立することで合意。インドのPuneに本拠を置く予定の同合弁会社は、インドに拠点を持つ商用車メーカーおよびバスメーカーに最新のシートシステムを納入する。(2014年9月23日付プレスリリースより)
ティラド
-2013年12月、同社とティラドの合弁会社Tata Toyo Radiator (TTR) が、HVACサプライヤーのAir International Thermal Systemsとの間で折半出資による合弁会社を設立すると発表。事業資金規模は約3億円 (約2.86百万ドル)。インドのPuneに工場を建設し、HVACシステムを主にTata Motors向けに生産する。
Johnson Controlsとの合弁解消
-2013年5月、同社はJohnson Controlsとの折半出資による合弁会社Tata Johnson Controls (TJCAL) の株式を売却。これにより、TJCALはJohnson Controlsの完全子会社になった。取引金額は未公表。
矢崎総業との合弁解消
-2012年11月、インドでワイヤーハーネスを製造する合弁会社タタ矢崎オートコンプ (TYA) の株式を売却すると発表。矢崎総業は2013年1月をめどに株式取得を完了して新社名に変更、新体制によりワイヤーハーネスの製造販売を拡充する。TYAの資本金は10億ルピー (約14億円) で、従業員数は約5,600人。
GS Yuasa International ,Japan
-2015年10月、同社とYuasa International,Japanと乗用車、MUVs、SUVs、二輪車、商用車(トラクター、トラックなど)および特殊機器など縦断的に広範囲なバッテリーを生産する、50/50のTATA AutoComp GY Batteries Pvt. Ltdを発表した。
Air International Thermal systems
-2013年12月、Tata Toyo Radiator(Tata Toyo)とAir International Thermal Systemsはインド自動車業界に暖房、換気および空調(HVAC)システムを提供する合弁事業同意書にサインをした。両社は合弁会社でイコールパートナーである。
受賞
-2016年3月期の主な受賞は以下の通り。納期および品質改善が高く評価されたもの。
授与社 | 賞名 |
Tata Motors |
"Best Supplier-Delivery"-2016年 Award Automotive Stampings and Assembles Ltd |
Tata Motors | Extraordinary contribution - 総体的実績 |
Toyota Kirloskar Motors (TKML) |
顧客満足:サービスバーツオペレーション-2014年-2015年 |
Mahindra Swaraj | "Supplier Excellence Awards" - 総体的実績 |
Tata Motors | “Preferred Quality Supplier” |
Tata Motors | "Best Supplier of the Year"- 総コストへの貢献 |
Tata Motors | "Best Supplier of the Year" スペア・カスタマーケア部門での実績 |
Fiat India | “Best Improved Supplier” - 2015年 |
Nissan Group of India | Outstanding support to Nissan - アフターセールス向け 2015年度 |
研究開発費
|
(単位:百万インドルピー) |
2016年3月期 | 2015年3月期 | |
全社 | 71.6 | 66.3 |
開発動向
-2016年3月期の主な研究開発
内装・樹脂製品部門
- エンジンスタッファーの開発完了
- シリンダーヘッドカバー、アームレスト、ファブリックインテグレーション技術、小型乗用車および小型SUV用内装・外装パッケージの開発継続
- ガスアシスト射出成形技術を採用したSUV用グラブハンドル開発、製品化
- サイドインパクトドアトリム用低圧ポリエチレンフォーム開発完了
- 海外OEM向けFSS設計およびトリム製品開発継続
- SUV用フェンダー設計継続
コンポジット製品部門
- シートモールディングコンパウンド(SMC)およびバルクモールディングコンパウンド(BMC)の性能向上に向けた開発継続
- 電気部品向けシートモールディングコンパウンド(SMC)およびバルクモールディングコンパウンド(BMC)技術の開発継続
- WebastoおよびDaimler向け色付きシートモールディングコンパウンド(SMC)開発
- ポリウレタン塗装システム用低研磨、研磨フリーのシートモールディングコンパウンド(SMC)技術開発
- コンポジット製品向けナノ技術応用研究継続
- シートモールディングコンパウンド(SMC)の品質向上に向けたポリアミド系キャリアフィルム応用開発継続
- 少量生産部品向け樹脂トランスファー成形技術採用
- 電気部品向けバルクモールディングコンパウンド(BMC)およびドウモールディングコンパウンド技術の開発継続
- 低質量シートモールディングコンパウンド(SMC)開発継続
今後の研究開発計画
内装・樹脂製品部門
- 生産ラインにおける部品一体化、プラスチック再生技術、品質向上
- エアベント、メカニズム部品生産能力確立
- センサー、ワイヤーハーネスを採用したASSY技術の開発
- 薄板製品の開発
- ホットスタンプ箔のコンピテンシー向上、および内外装トリムの軽量化技術向上
コンポジット製品
- ライン塗装可能、中・低質量シートモールディングコンパウンド(SMC)の開発
- エンジンフードの断熱、NVH性能を向上する発泡ポリウレタン技術の開発
- モーターカバー用バルクモールディングコンパウンド(BMC)技術開発
- 摩擦技術を応用したバルクモールディングコンパウンド(BMC)技術開発
- 電気コイルカバー用バルクモールディングコンパウンド(BMC)技術開発
- JD部品用緑色シートモールディングコンパウンド(SMC)の開発
- JD roof. 8用低圧成形シートモールディングコンパウンド(SMC)の開発
- CAT部品用高性能シートモールディングコンパウンド(SMC)の開発
国内投資(インド)
-2017年7月、TATA Toyo Radiator Ltdは、Sri Cityに新しい生産施設の除幕式を行った。Tata Toyo工場は初期投資10億インドルピーで国内関税地域内の土地5エーカーに造成された。工場は段階的に拡大し、約60人の雇用を提供する予定。Sri Cityの工場ではラジエターおよびコンデンサーを製造する。
-2016年3月期、2つの合弁会社に出資: Tata Auto Comp Katcon Exhaust Systems Pvt. Ltd.に4.9百万インドルピー、TM Automotive Seating Systems Pvt. Ltd.に49.7百万インドルピー
-2016年3月期、新工場設立のためにインドChakanに土地を購入した。 土地開発プログラムは既に開始しており、2017年3月期中に工場建設に着工予定。
国際投資(インド外)
-2015年10月16日、中国の江蘇省常熟 (Changshu) 市にある常熟経済開発区に、同社にとって中国で2番目となる生産拠点を開設した。新工場は、すでに奇瑞捷豹路虎汽車 (Chery Jaguar Land Rover) の「Evoque」および「Discovery」向けに生産を開始している。2016年からはJaguarのモデル向けにも納入を開始する予定。新工場への第1フェーズの投資額は20百万元で、従業員25名を雇用している。なお、Tata AutoCompは、常熟工場での一貫生産体制の構築に向けて、今後数年間で同拠点を拡張する計画。奇瑞捷豹路虎汽車をはじめ常熟に拠点を持つ顧客に納入する。