株式会社ヨロズ 2006年度の動向
ハイライト
単位:百万円 | 2007年度3月期 | 2006年度3月期 | 増減率(%) | 要因 |
売上高 | 119,310 | 109,642 | 8.8 | 主要得意先である日産向けの部品売上高は減少したが、その他の得意先向けが増加。 |
営業利益 | 4,445 | 3,631 | 22.4 | 生産革命の推進による原価低減・生産性向上活動の成果により増加。 |
経常利益 | 4,540 | 3,853 | 17.8 | |
当期純利益 | 3,035 | 2,395 | 26.7 |
地域別業績
日本:
・主要得意先である日産向けの部品売上が減少したのに加え、金型・設備売上も減少。
・売上高は対前年度比11.1%減の47,325百万円。
・営業利益は対前年度比54.7%減の1,776百万円。
北米:
・ガソリン高の影響を受けたピックアップ車向けの売上が減少したが、GM、ホンダ向けの売上が増加。
・売上高は対前年度比12.9%増の65,123百万円。
・営業利益は455百万円。
アジア:
・タイ・中国の自動車生産が好調に推移しているのに加え、新規受注部品も増加。
・売上高は対前年度比47.9%増の15,074百万円。
・営業利益は対前年度比148.4%増の1,939百万円。
受注
・ホンダが07年に発売するワールドカーのサスペンションをメキシコ、中国などで受注した。プレスおよび溶接機など増産投資を近く完了する。メキシコ工場からのホンダ向け供給はこれが初めてとなる。ホンダ向け増強投資の総額はおおむね10億円規模に達する見通し。同社は03年に日産との資本関係を解消して以降、米ゼネラル・モーターズ(GM)、ホンダなどへの拡販を進めてきたが、コスト競争力を武器にホンダの次期世界戦略車の受注獲得に成功した。ホンダから新規受注したのは、リアサスペンション部品。車名は公表していないが、07年秋に全面改良する次期「アコード」向けとみられる。(2006年12月12日付日刊自動車新聞より)
・豪GMホールデンから主力中型車のサスペンションを受注、今秋から供給を開始した。通期で寄与する07年度には約15億円強の売上高を見込む。オーストラリアに生産拠点はないが、タイ工場から供給する。豪自動車メーカーからの受注は、三菱自動車(MMAL、アデレード郊外)向けに次ぎ2社目。北米でのGM向け供給実績を評価され、同国乗用車シェアでトップのホールデンから初の受注を獲得した。ホールデンから受注したのはオペル・オメガベースの中型車「コモドア」向けフロントサスペンション。トヨタ・カムリ、フォード・ファルコンなどと並び同国での量販車種となっている。(2006年11月15日付日刊自動車新聞より)
開発動向
援助契約(2007年3月現在)
相手方の名称 | 国籍 | 契約の内容 | 期間 |
Thyssen Krupp Automotive Talent chassis | 英国 | ① GMイプシロンのフロントサスペンションで先方が受注した成功報酬をヨロズに支払う覚書 | 2000年5月- 欧州イプシロン車の生産終了まで |
③ 英国日産製造の小型乗用車(新型プリメーラ)用バークロス、ラテラルリンクの製造・組立に関する技術及びノウハウを英国内で非独占的に供与する契約 | 2001年2月 - プリメーラの生産終了まで |
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元華興業股份有限公司(Yuan Hua Shin Yeh Co., Ltd.) | 台湾 | 裕隆汽車の製造する乗用車(日産サニー/パルサー)用フロントサスペンションメンバーの製造・組立に関する技術及びノウハウを非独占的に供与する契約 | 1999年7月 - 2006年4月 (生産終了) |
㈱ユタカ技研 | 日本 | ユニパート・ユタカ・システムズ社(㈱ユタカ技研の英国子会社)が英国本田製造へ納入するSUV(新型CRV)用フロントロアアームの製造・組立に関する技術及びノウハウを英国内で非独占的に供与する契約 | 2001年2月 - 2007年2月 (終了) |
DK Austech Co., Ltd. | 韓国 | ルノーサムスンモーター社の製造する乗用車(日産名ティアナ)用フロントサスペンションメンバー、トランスバースリンク、リアサスペンションリンク等の製造・組立に関する技術及びノウハウを非独占的に供与する契約 | 2004年3月 - 対象となる乗用車の生産終了まで |
Thyssen Krupp Automotive Talent chassis | 英国 |
① 英国日産製造の小型乗用車(アルメーラ)用フロントサスペンション、ラテラルリンク、トランスバースリンクの製造・組立に関する技術及びノウハウを英国内で非独占的に供与する契約 | 2000年1月 |
Auto chassis International | フランス |
スズキが日欧で生産する乗用車(YN2/YN3)のリアビームで、ACIが部品の設計と開発を担当し、ヨロズは製造技術、量産の準備及び日本での部品の製造を担当する契約、ACIは非独占的ライセンスをヨロズに付与する。 | 2003年1月 -対象となる乗用車の量産終了まで |
スズキが中国で生産する乗用車(YN5)のリアビームで、ACIが部品の設計と開発を担当し、ヨロズは製造技術、量産の準備及び中国(YBM)での部品の製造を担当する契約、ACIは非独占的ライセンスをヨロズに付与する。 | 2005年5月 -対象となる乗用車の量産終了まで |
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Jay Bharat Maruti Ltd. | インド | スズキのYN4車リアビーム用の金型・設備などをJBMLに売却し、技術者派遣などによる技術指導を行う。 | 2005年1月 - 7年間 |
設備投資
2007年度3月期の設備投資費は、全体で10,098百万円。
設備投資
メキシコ:
・2006年度中にメキシコ工場で新規ラインを導入する。主力供給先となるメキシコ日産自動車製造(NISMEX)の増産要請などに対応する。既存ラインの見直しでスペース効率を改善したことから、工場建て屋の増築はないが、溶接ロボットなどへの投資額は3億円規模となる見通し。同社のメキシコ工場は、93年2月に設立したヨロズメヒカーナ(YMEX、アグアスカリエンテス州)。現在は200トン級9基、400トン級4基、800トン級1基が並ぶタンデムプレス2ラインに加え、鋼材を製品のサイズに応じて切削するブランキングプレス4基(200トン、400トン)、そして複数行程のプレスを1台で行うトランスファープレス2基(500トン、1500トン)で構成するプレスラインと、プレス部品同士を溶接する組立ロボット200台、電着塗装(カチオン)設備1基が稼働する。(2006年5月19日付日刊自動車新聞より)
中国:
・2007年度にも中国工場のプレスラインを増強する。日産自動車と現地自動車メーカーの合弁会社、東風汽車(東風日産、広州市花都)向けの本格供給が今年度から始まるが、これが通年で寄与する07年には、現有設備では需要に追いつかない可能性がある。このため約8億円を追加投資し、骨格部品であるサスペンションメンバーを生産するタンデムプレス機を複数台新規導入するほか、リンク・ブッシュ類などの生産設備も増強する。(2006年4月27日付日刊自動車新聞より)
・2007年度に工場を拡張するとともに800・400トンタンデムプレスラインを増設し、事業の拡大を目指す。
タイ:
・2006年度中にも43億円を投じてタイ工場の生産能力を増強する。現地日系メーカーからの受注増に対応するため工場棟を1・5倍に増築、生産ラインも新設する。日産自動車がタイで新規投入する小型車やSUVを含む数車種のサスペンションを新たに受注したことなどに対応するとともに、既存の生産設備への品質改善投資も行う。今回の能力増強投資により、タイ工場の生産量は今年度末までに約70%増となる。増産投資を行うのは96年に設立したヨロズ・タイランド(YTC、ラヨン県イースタンシーボード工業団地)。増築中の工場棟は、建屋面積でこれまでの2万1千平方メートルから約3万平方メートルに拡張する。(2006年4月24日付日刊自動車新聞より)
・タイの工場を拡張し、1,600トン3次元トランスファープレス機を増設。さらに2007年度上期中に700トン・400トンタンデムプレスラインを増設し稼動させる予定。
設備の新設予定一覧(2007年3月末時点)
事業所 | 設備の内容 | 投資予定額 (百万円) |
着手 | 完了予定 |
(株)ヨロズ | ||||
小山工場 (栃木県小山市) |
新車展開設備 | 787 | 2007年4月 | 2008年3月 |
中津工場 (大分県中津市) |
新車展開設備 | 1,174 | 2007年4月 | 2008年3月 |
庄内工場 (山形県鶴岡市) |
新車展開設備 | 732 | 2007年4月 | 2008年3月 |
子会社 | ||||
Yorozu Automotive Tennessee, Inc. | 工場設備更新 | 426 | 2007年2月 | 2007年12月 |
Yorozu Mexicana SA. de C.V. | 工場設備拡充等 | 436 | 2007年2月 | 2007年12月 |
广州萬宝井汽車部件有限公司(中国) | 新車展開設備 | 1,829 | 2007年6月 | 2008年3月 |