住友電装 (株) 2016年3月期の動向
近年の動向
アルミワイヤーハーネス
-2017年度までにアルミ電線を採用した軽量ワイヤーハーネスの販売をハーネス全体の約10%に引き上げることを目指す。アルミ製は銅電線に比べて約5割の軽量化が可能で、10年からトヨタ自動車向けに供給を始めた。当初は銅製に比べて耐振動性、耐腐食性にネックがあったが、改良を重ねて耐久性を向上。親会社の住友電気工業も16年度までにタイ工場のアルミ電線の生産能力を現状の約5倍となる月300トンに引き上げることを決めた。住友電装は日米欧のメーカーに同製品を訴求し、目標達成につなげる。(2014年11月25日付日刊自動車新聞より)
海外事業
<パラグアイ>
-2015年9月8日、同社の子会社Sumidenso Paraguay S.R.L(パラグアイ)の新工場が正式にオープンした。
-同社は2015年度をめどにパラグアイに新工場を開設する。ブラジル向けのワイヤーハーネス (WH) を手がける供給基地として活用する。他の南米諸国に比べて労務費などが高くなりがちなブラジルの周辺に生産拠点を設けることで、コスト競争力を高める。パラグアイに進出するのは初めて。南米で6カ所目の生産拠点となる。15年度前半に生産を開始する予定。ブラジルに進出する日欧の自動車メーカーにWHを納入する。当初は従業員1千人規模で量産を立ち上げ、中期的に4千人規模まで陣容を拡大する。(2014年11月11日付日刊自動車新聞より)
<タイ>
-2014年10月、住友電気工業はタイ・ラヨーン県の生産拠点で自動車用のアルミ電線を鋳造圧延工程から一貫生産すると発表した。日系自動車メーカーの需要拡大に対応し、アルミ電線の生産能力の増強も行う。同社の完全子会社でアルミ電線とアルミ棒材を生産しているSEIタイエレクトリックコンダクターに73億円を投資し、アルミ電線の生産能力の増強とアルミ鋳造圧延設備の導入を実施する。鋳造圧延工程から電線までタイで一貫生産し、グループの住友電装がハーネスに組み立てるタイ拠点に納入することで、グループ全体の生産を効率化する。(2014年10月20日付日刊自動車新聞より)
研究開発拠点
拠点名 | 所在地 |
宇都宮技術センター | 栃木県宇都宮市 |
日野技術センター | 東京都日野市 |
厚木技術センター | 神奈川県厚木市 |
浜松技術センター | 静岡県浜松市 |
裾野技術センター | 静岡県裾野市 |
豊田開発技術センター | 愛知県豊田市 |
岡崎技術センター | 愛知県岡崎市 |
刈谷技術センター | 愛知県刈谷市 |
松坂技術センター | 三重県 |
金沢技術センター | 石川県 |
大阪技術センター | 大阪府池田市 |
広島技術センター | 広島県広島市 |
九州技術センター | 福岡県宗像市 |
(株) オートネットワーク技術研究所 | 三重県四日市市 |
SEWS Mexico S.A. de C.V. | メキシコ Aguascalientes |
SEI ANTech-Europe GmbH | ドイツ Mainz-Kastel |
SUMI REMA EV Solutions GmbH | ドイツ Bonn |
SEWS-CABIND S.p.A. | イタリア Collegno |
住電電装商貿 (上海) 有限公司 [SEWS-STC Co., Ltd.] |
中国上海市 |
開封日津汽車線束有限公司 [Kaifeng Rijin Wiring Systems Co., Ltd.] |
中国河南省 |
Sumidenso Automotive Technologies Asia Corporation | フィリピン St. Clark Freeport Zone |
SEWS-Asia Technical Center | タイ Bangkok |
研究開発体制
ワイヤーハーネス/車載エレクトロニクス機器事業
-同社と住友電気工業、および両社の共同出資によるオートネットワーク技術研究所を中心に、安全・快適・環境のニーズに対応した新製品の開発を実施。
-ワイヤーハーネス:
- 次世代車載システムに対応できるハーネスアーキテクチャーを構築し、それに必要な要素技術の開発を推進している。
- 環境対応としてハーネスの軽量化に取り組んでおり、銅に比べ軽量なアルミを使ったワイヤーハーネスを量産し、さらに適用範囲拡大の取り組みを進めている。 >>>2016年人とくるまのテクノロジーに出展された「高強度アルミ電線を使用したワイヤーハーネス」
- 市場規模が拡大している電気自動車/ハイブリッド車用高圧ハーネスやコネクター、バッテリー内配線モジュール等の開発を推進している。>>>2016年人とくるまのテクノロジーに出展された「HEV用高電圧ケーブル」
-車載エレクトロニクス機器:
- 電源系、情報系のネットワーク化に対応すべく、電源制御装置や半導体デバイス、ボディ制御ECU、さらに次世代の車載LAN (Local Area Network)製品の開発を推進している。
国内投資
-2016年10月、同社の鈴鹿製作所において、電波暗室付シャシダイナモ実験設備を備えた実験棟を竣工したと発表した。延床面積は1,981平方メートルで、総投資額は19億円。新たな実験設備により、走行状態にした車両を再現し、ノイズ源が通信機器・電子機器に与える影響を測定することが可能になるという。(2016年10月3日付プレスリリースより)