テイ・エス テック株式会社 2006年度の動向

ハイライト

業績
(単位:百万円) 2007年3月期 2006年3月期 増減率(%) 要因
売上高 417,950 357,486 16.9 下記1)参照
営業利益 16,416 11,125 47.6 下記2)参照
経常利益 17,167 11,484 49.5
当期純利益 9,759 6,564 48.7

要因
1)
・新型CIVIC、新型CR-Vの受注増
・国内: 輸出仕様・軽乗用車用受注増
・中国: 武漢TS稼動開始

2)
・増収にともなう利益の増加
・高付加価値商品の売上増加


地域別業績

<日本>
・輸出増加に伴う得意先からの受注が好調に推移したことや海外子会社向けシート部品等の輸出売上が増加したことなどにより、売上高は1,770億28百万円と前年度比223億59百万円(14.5%)の増収。

<北米>
・自動車市場が不調であった一方、日系自動車メーカーの自動車販売は小型車を中心に好調に推移し、得意先からの安定した受注が確保できたことや為替換算上の増加等により、売上高は1,790億42百万円と前年度比172億98百万円(10.7%)の増収。

<中国>
・市場拡大の継続により得意先からの受注が好調に推移したことや為替換算上の増加に加え、寧波、武漢の子会社を新たに連結対象に加えたことなどにより、売上高は434億円と前年度比157億53百万円(57.0%)の増収。


受注
拡販戦略
・新たな安全装備として普及が期待されるアクティブヘッドレストを拡販する。今後の拡販活動におけるメーン商品と位置付け、改良やコストダウンに取り組み、競争力を高める。主力取引先であるホンダに採用車種の拡大を働きかけるほか、海外市場を中心に他メーカーへの売り込みも強化する。同社は、中期的な戦略として、自動車シートの生産規模を現状の年間約225万台から最大300万台レベルに引き上げることを打ち出している。(2007年2月16日付日刊自動車新聞より)

・新規事業の拡充を目的に、高級車用シート部品の拡販に取り組む。中国拠点で生産する本革製トリムカバー(シート表皮)を、ホンダ以外のメーカーに対する戦略商品と位置付け、欧州や中国、日本の自動車及びシートメーカーへ売り込む。ホンダ向け以外の売り上げは、全体の約8・4%に当たる300億円06年3月期)だが、将来的には最大30%程度の上積みを見込んでいる。ホンダグループへの依存度は、グローバルの売り上げ全体の90%以上を占め、将来的にもホンダを主力とする取引関係を最優先とする方針。ただ、自動車産業のグローバル化や部品業界における競争激化への対応するため新たな収益基盤の育成にも注力している。04年には、中国・浙江省に専門拠点を開設したほか、欧州にも営業部門を配置した。(2007年1月31日付日刊自動車新聞より)


海外展開
<中国>
・寧波出口加工区提愛思泉盟汽車内飾有限公司(中国)で2006年6月に北米グループ向けトリムカバーを供給し、日本・イギリス向けの生産および輸出を開始。
・2006年度に設立した武漢提愛思全興汽車零部件有限公司(中国)での生産が本格化、テイエス テック サン(インディア)リミテッド(インド)における増産。

<英国>
・TS TECH UK LTD.が新規受注したホンダCR-V用シートの生産を開始し、受注量が好調に推移。

<米国>
・四輪車用シート製造拠点としてTS TECH INDIANA, LLCを設立。

<メキシコ>
メキシコでのトリムカバー生産を拡大し、コスト競争力をさらに高めるため、TRI-CON DE MEXICOの第2工場を建設。生産能力は月間約3万台で、従業員数は約850名。

開発動向

研究開発費
(単位:百万円) 2007年3月期 2006年3月期
全体 11,256 10,812
四輪事業 10,432 9,921

・栃木県の技術センターが中心。また、TS-Tech North America Inc.にはテクニカルセンターを新設。
・安全技術、環境対応技術、快適技術、多機能技術及び外観クオリティー技術を基軸に展開。

1. 安全技術:
①スタテック/ダイナミックによる実験研究開発を実施。
②アウトプットされる多種多様のデータを元にコンピュータ解析及びシミュレーション解析を行う。
③後方衝突による頚部障害軽減のためのアクティブヘッドレストや、エアバッグの展開を制御するシートウエイトセンサーを開発。

2. 環境対応技術:
①材料・部品に含まれる有害化学物質の調査を実施し、設計段階でVOC(揮発性有機化合物)の低減等、有害化学物質の使用を避け、代替材料の研究開発活動を展開中。
②四輪車用シート等の易解体性向上の研究、モノマテリアル化(単一素材化)の研究 (ポリエステル繊維によるクッション材など軽量化に貢献できる新たなクッション材の研究など)。

3. 快適技術:
①着座初期の快適性向上、長時間走行における疲労低減を目的とした研究開発を実施。
②人間工学研究に基づく静的快適性、大学機関との生理学研究及び独自理論による疲労度定量評価等の研究を実施。
③将来における快適性シートの実現に向け、アクティブ機能デバイスを開発中。

4. 多機能技術:
①スモールカー、SUV車において進化が著しい多機能技術に対応できるオリジナル商品を開発中。
②デタッチャブル ハンドキャリー センターシート、チップアップ&ロングスライド機構、空調シートとリア・パワーフォールダウンヘッドレスト及びチップアップ・ワンモーション・ダイブダウンリアシート等の商品を開発し、商品化した。
③空調シートや新開発ウエイトセンサー等の電装部品との融合技術を強化していく。

5. 外観クオリティー技術:
シート構成要素別に外観寄与率の基準を定めたオリジナル技術評価をベースとした、世界TOP外観クオリティーシートの研究開発活動を展開中。

6. 内装技術:
質感の高い新加工技術、新加飾技術、照明等に取り組んでいく。

設備投資

設備投資費
(単位:百万円) 2007年3月期 2006年3月期
全体 14,201 15,071
四輪事業 13,216 N.A

<四輪事業>
・日本、北米、英国、タイにおいて量産を開始した新型CR-V及びインド、中国における新型シビックを中心とした新機種生産設備の導入や、金型投資
・栃木センターおよび北米におけるテクニカルセンターの増築
・メキシコでのトリムカバー生産を拡大し、コスト競争力をさらに高めるため、TRI-CON DE MEXICOの第2工場を建設。生産能力は月間約3万台で、従業員数は約850名。

・同社は、生産能力を大幅に増強する。2010年をめどに、現状より約3割アップの年間290万台(車両換算)以上の体制を整える。主力取引先であるホンダが打ち出している世界生産450万台を念頭に置き、製品開発や生産能力の向上に努める。設備面の増強は、2006年度中にほぼ完了する見通しで、投資額は約111億円を予定している。シート生産能力の増強は、来年度にスタートする新たな中期経営計画における重点施策として取り組む。ホンダのグローバル戦略である年産450万台体制に対応、技術、コスト面での優位性を維持しながら、必要な供給力を整えるのが狙い。同社の自動車シートの生産規模は、年間約225万台(昨年度実績)だが、10年までに同290万台から300万台レベルの能力を実現する。(2007年2月6日付日刊自動車新聞より)

設備の新設 (単位:百万円)
事業所名又は
会社名(所在地)
事業の種類別
セグメントの名称
設備の内容 着手 完了予定
埼玉工場(埼玉県行田市)
四輪事業 四輪車用シート及び内装品製造設備
2007年04月 2008年03月
埼玉工場(埼玉県川越市) 四輪事業 四輪車用内装品製造設備
2007年04月 2008年03月
鈴鹿工場(三重県鈴鹿市) 四輪事業 四輪車用シート及び内装品製造設備 2007年04月 2008年03月
TS TECH NORTH AMERICA, INC.(米国オハイオ州) 四輪事業 試験設備 2007年04月 2008年03月
TS TRIM INDUSTRIES, INC.(米国オハイオ州) 四輪事業 四輪車用内装品製造設備 2007年04月 2008年03月
TS TECH USA CORPORATION(米国オハイオ州) 四輪事業 四輪車用シート製造設備 2007年04月 2008年03月
TRIMONT MFG. INC.(カナダオンタリオ州) 四輪事業 四輪車用内装品製造設備 2007年04月 2008年03月
GUANGZHOU TS AUTOMOTIVE INTERIOR SYSTEMS CO., LTD.(中国広東省) 四輪事業 四輪車用シート製造設備
2007年04月 2008年03月