ナイルス (株) 2005年3月期までの動向

ハイライト

近年の動向

受注

-2004年8月、ゼネラル・モーターズ(GM)の中国生産拠点、上海GMからパワーウインドー用スイッチなどを受注。2005年夏から現地工場で生産し、納入する。規模は年間10億円を計画。同社の現地工場が日系自動車メーカー以外の中国生産車に部品を供給するのは初となる。こうした実績を生かして、成長が見込まれる中国での受注開拓を活発化し、事業基盤の強化に結びつける。同社は福建省に51%を出資する合弁生産拠点「福州耐力電機」(福建ナイルス)を設立、このほど複数の日系自動車メーカー向けにスイッチ類の生産を開始した。これらに、2005年夏から上海GM向けを上乗せすることにより、現地工場の売上高を2004年見込み4億円から、2006年度に27億円へ拡大する。

-2004年12月、ゼネラルモーターズ(GM)グループの韓国・GM大宇自動車から部品を初受注した。AT(自動変速機)のシフトポジションの検知用スイッチで、2005年夏から供給を開始。同部品は、上海GM向けについても受注を獲得しており、規模は2社合計で月産10万台分を予定。GM大宇とGM上海に供給するAT用ポジションスイッチは当面、宇部工場(山口県)で生産する計画。今後は納入状況をにらみながら、中国への移管を検討する。

海外事業

<米国>
-2004年8月、米国の生産体制を再編すると発表。2003年2月の現地部品メーカーの買収を機に傘下に組み入れたミシガン州とジョージア州の2工場のうち、ミシガン工場の部品生産部門を近く閉鎖し、機能をジョージア工場に集約する。機能統合により生産の最適化と効率化を図り、コスト競争力の向上に結び付ける。

<欧州>
-2004年8月、欧州事業を強化すると発表。スズキのハンガリー拠点からの新規受注を機として、2005年半ばをめどに、欧州向けスイッチ類の生産を日本からタイに全面移管する。同時に、2005年から欧州の生産体制を順次整えて、2006年末までに欧州向けを全量現地生産に切り替える。欧州生産は、現地部品メーカーとのアライアンスにより展開する計画で、現在、提携交渉が最終段階を迎えた。タイ拠点は、日本や北米向けの輸出部品の生産が中心となっている。2003年末に第2工場を完成し、生産能力を2倍に引き上げた。これにより生じた余力を活用して、欧州向けを生産する。生産規模は従来、金額ベースで14億円規模だったが、2005年には欧州向けの追加などで20億円超に拡大する見通し。

<中国>
-2004年、合弁会社Fuzhou Niles Electronic Co., Ltdを設立。

開発動向

研究開発拠点

名称 所在地
つくばテクノセンター 茨城県つくば市

研究開発体制

-製品設計と開発を受け持つ設計部門と、耐久性や環境への影響等の測定に取り組む実験部門で構成される設計開発本部を中心とした研究開発体制を確立。

研究開発活動

以下の開発に取り組んでいる。
-製品機能のモジュール化の研究開発
-安全性、快適性、利便性に関するシステム構成部品の開発
-新構造、新材料、新工法を使った高品質低コスト製品の開発
-環境負荷物質削減製品の開発