日立オートモティブシステムズ (株) 2018年3月期の動向

業績

(IFRS基準、単位:百万円)
2018年
3月期
2017年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上収益 1,001,000 992,200 1.0 1)
調整後営業利益 49,500 56,300 (0.7) 2)
調整後営業利益率 (%) 5.0 5.7 - -

要因
1) 売上収益
2018年3月期は、以下の増収要因、減収要因により前年並み。
-増収要因:中国における販売増加、為替影響
-減収要因:北米における販売減少、車載情報システムの販売減少

2) 調整後営業利益
車載情報システムの収益性悪化、北米における販売減少により減益

受注

中央网关
-スズキの全面改良した軽ハイトワゴン「スペーシア」および「スペーシア カスタム」に採用されたと発表した。複数のECU間で通信される大量の情報を中継機能として監視し、必要とされるデータのみをECUに転送することで、車載通信網における情報処理の高効率化と通信情報の高信頼化に寄与するという。 (2017年12月27日付プレスリリースより)

ADAS ECU
-日産自動車の「エクストレイル」に採用されたと発表した。ADAS ECUは車間距離制御システムや衝突被害軽減ブレーキシステム、車線逸脱警報システムなど、複数の運転支援システムを単一のコントローラーに統合できる。プロパイロット搭載車に採用されるのは、2016年8月に全面改良した「セレナ」に続き2車種目。(2017年8月31日付日刊自動車新聞より)

リチウムイオン電池モジュール
-スズキの「スイフト」のハイブリッドモデルに採用されたと発表した。電池セルと、電池セルの電圧を検知する電圧検出基板を一つの筐体にまとめ、従来製品と比べて35%軽量化した。(2017年8月23日付日刊自動車新聞より)

ホットワイヤー式スロットイン型エアーフローセンサー
-2017年3月、ホットワイヤー式スロットイン型のエアフローセンサーがトヨタの新型「Prius PHV」に採用されたと発表した。このセンサーは、高精度・高信頼を特長としており、2015年12月に発売された新型「Prius」に採用され、今回のプラグインハイブリッドモデルにも継続して採用されることとなった。 (2017年3月30日付プレスリリースより)

新会社

-ホンダとの合弁会社である日立オートモティブ電動機システムズ(茨城県ひたちなか市)は20日、中国広東省に電気自動車やプラグインハイブリッド車などの電動車両用モーターを開発・製造する「日立汽車馬達系統(広州)」を17日に設立したと発表した。工場竣工は2019年6月、量産開始は2020年をそれぞれ計画する。モーターを製造する工場の敷地面積は8万8千平方メートル。生産計画や投資額は非公表。(2017年11月21日付日刊自動車新聞より)

-電動車両用モーターの開発、製造、販売を手掛ける共同出資会社「日立オートモティブ電動機システムズ」を茨城県ひたちなか市に設立したと発表した。2019年度から生産を始める。新会社は従業員40人で業務を開始した。19年度の生産開始に向け、同敷地内に別ラインを設置する。建屋は既存のものを活用するか、新設するか検討中。2月3日の基本合意に基づいてホンダと協議を行い、3月24日に契約を締結。具体的な設立準備を進めてきた。新会社の社長には日立AMS理事の山口登氏が就任した。今後、グローバルに拡大する自動車メーカー各社の電動車両用モーターの需要に対し、両社の知見を合わせて競争力あるモーターを提供していく。新会社の資本金は50億円で日立オートモティブシステムズが51%、ホンダが49%を出資した。両社は、中国では17年10月、米国では18~19年に、それぞれ共同出資会社を設立する。米中ともに20年度に電動車向けモーターの生産を始める。 (2017年7月4日付日刊自動車新聞より)

2019年3月期の見通し

(IFRS基準、単位:億円)
2019年3月期
(見通し)
2018年3月期
(実績)
増減率 (%)
売上収益 9,900 10,010 (0.1)
調整後営業利益 600 495 1.1

-IFRS基準

研究開発費

(単位:億円)
2018年3月期 2017年3月期 2016年3月期
全社 692 706 699

研究開発活動

1フェールオペレーショナル技術
-自動運転システムの基幹部品が破損した場合でも安全にドライバーへ運転を引き継ぐ技術を開発したと発表した。2020年の実用化を目指す。今回開発したのは自動運転レベル3(システム要請時のみ手動運転)で必要となる「1フェールオペレーショナル」技術。ECU(電子制御ユニット)など基幹部品の一つが破損し、一部機能が停止した場合でも、自動運転システムを継続できるよう、機能不全回避用の緊急回路や他の部品が機能を代替できる冗長化アーキテクチャーによってシステムを構築している。自動運転用ECUの機能が停止した場合、VMC(車両運動制御装置)が自動運転ECUの車両制御機能の一部を代替し、ドライバーに運転の引き継ぎを促しながら、自動走行を10秒間維持できる。自動運転用ECUとVMCの双方で多重に軌道を確保、段階的な縮退運転への移行を実現する。(2017年11月20日付日刊自動車新聞より)

自動運転用アプリケーションの開発にリアルタイムデータベースを活用
-自動運転用アプリケーションの開発過程で発生した不具合を短時間に再現する技術を開発したと発表した。自動運転用のアプリケーション開発での品質向上とテスト工数の削減に寄与する。今回開発した技術を搭載した自動運転ECU(電子制御ユニット)とソフトウエア開発キットを11月から市場投入する。今回開発した技術は、アプリケーションの開発過程で見付かった不具合について自動運転車向けのアプリケーション開発を効率化する「リアルタイムデータベース」を活用する。アプリケーションを実行するタイミングとセンサー情報入力タイミングを高精度に記録して再現する技術を開発した。(2017年9月15日付日刊自動車新聞より)

一般道における自動走行の実証実験
-一般道での自動走行の実現に向けた実証試験を茨城県ひたちなか市の模擬市街路で実施したと発表した。交差点の右左折および通過時、障害物回避の4事例について、周辺車両や自転車、歩行者に対するセンサーの認識精度と範囲を確認した。自車が低速で大きな舵角で旋回するため、検知対象物の的確な認識が難しい交差点右左折時におけるセンサー統合機能の課題を抽出したほか、高精度地図のユニットが出力する自車位置と方位の誤差が目標値内に収まっていることも確認した。(2017年5月22日付日刊自動車新聞より)

製品開発

世界最小クラスの77GHz前方ロングレンジミリ波レーダー
-車両走行中に遠距離の障害物を検知する、遠距離レーダーとしては世界最小クラスの77GHz前方ロングレンジミリ波レーダーを開発したと発表した。新レーダーは、2015年に同社が開発した試作品と比べて50%以上小型化し、上下方向の検知も可能になった。自動運転の普及に貢献する技術として、2020年に製品化される予定。 (2017年10月3日付プレスリリースより)

マイルドハイブリッド向け48Vリチウムイオン電池パック
-出力密度を従来比1.25倍、エネルギー密度を従来比1.5倍に向上したマイルド・ハイブリッド車両向け48Vリチウムイオン電池パックを開発したと発表した。今後自動車メーカーへのサンプル供給を開始し、2019年度から量産する。製品の開発と販売は日立オートモティブシステムズが担当し、製造は自動車用リチウムイオン電池の製造会社である日立ビークルエナジーが行う。(2017年5月22日付プレスリリースより)



設備投資額

(単位:億円)
2018年3月期 2017年3月期 2016年3月期
全社 661 504 725