豊田合成 (株) 2013年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2013年
3月期
2012年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 599,615 504,518 18.8 1)
営業利益 36,706 20,415 79.8 -
経常利益 36,777 20,287 81.3 2)
純利益 21,429 8,971 138.8 -
自動車部品事業
売上高 535,295 460,292 16.2 3)
セグメント利益 34,278 18,115 89.2 4)

要因
1)
-自動車部品事業は、国内でのエコカー補助金効果や北米での主要顧客の新車投入効果に加え、外資系自動車メーカー等への積極的な拡販活動により増収。オプトエレクトロニクス事業でも、タブレット型端末のバックライト向けや照明向けのLED製品の需要増により増収。
2)
-利益では、自動車部品事業・オプトエレクトロニクス事業それぞれの増収効果に加えて、グループを挙げて合理化に努めたことから、大幅増益を達成。
3)
-売上は、震災やタイ洪水からの回復に加え、国内での上期のエコカー補助金等の効果や北米での新車効果により自動車生産台数が大幅に増加したことから、増収を確保。
4)
-セグメント利益は、増販効果や合理化効果により大幅増益を達成。

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

海外事業

-Astra Otopartsと同社は、インドネシア合弁会社Toyoda Gosei Safety Systems Indonesia (TGSSI) が生産能力を拡大すると発表。2016年に、ステアリングホイールの年産能力を現在の1.5倍となる80万本に引き上げる。また、同年にエアバッグの年産能力も現在の約5倍となる150万個に増強する計画。これに伴い、TGSSIでは800億ルピア (約8億円) を投じて、既存工場に隣接した新工場を建設する。新工場では2016年までに130名の従業員を新たに雇用する予定。 (2013年7月3日付プレスリリースより)

-中国・天津市に設置するシーリング部品の合弁生産会社天津星光橡塑の生産拠点を移転、拡張したと発表。移転は天津市の再開発に合わせたものだが、足元で生産、供給量が拡大していることを踏まえて新たな拠点を整備した。将来の能力増強に備え、建屋を従来に比べて1.5倍の4万2千平方メートル、敷地を同1.9倍の7万8千平方メートルに拡張した。豊田合成は2000年に天津星光に出資した。段階的に出資比率を拡大し、現在は51%を握っている。ウェザーストリップやガラスランなどを生産しており、トヨタ自動車を始めとする日系メーカーに製品を納入している。長城汽車など現地メーカーも開拓しており、現在は日中双方の自動車メーカー向けに供給量が拡大しつつある。天津星光の移転先は西青区中北工業園。13年末の従業員数は約1千人。12年の売上規模は約69億円だった。 (2013年6月11日付日刊自動車新聞より)

-2013年3月をめどにブラジルに生産子会社を設立すると発表。同社が南米に進出するのは初めて。サンパウロ州イタペチニンガ市で中古の建屋を購入。これを増改築して生産体制を整える。14年11月に操業を開始し、ウェザーストリップやエアバッグ、インストルメントパネル周辺の内装部品などを生産する。稼働当初はトヨタ自動車やホンダ向けに製品を供給し、段階的に納入先を拡大していく。17年までに新会社の売上高として年27億円を確保する計画だ。新会社は豊田合成が94.8%を出資して設立する。資本金は約40億円。これを設備投資などに活用し、生産体制を整備する。敷地面積は約22万平方メートルで、建屋面積は約1万平方メートル。17年までに従業員数を約140人に拡大する計画だ。 (2013年2月23日付日刊自動車新聞より)

-欧米メーカー向けの生産、供給体制を拡充する。米国でゼネラル・モーターズ (GM) 向け燃料チューブの供給が拡大していることから、現地生産会社に新ラインを設置。1月から生産を開始した。欧州では独BMWから初の本格受注を獲得した。2014年度までに英国工場とチェコ工場でBMW、MINIブランド向けのウェザーストリップを生産開始する。他社向けの受注拡大には一定以上の時間が必要になると見ているものの、今後も継続的に提案活動に取り組む考えだ。 (2013年1月15日付日刊自動車新聞より)

-2013年をめどにカナダに内外装部品を手がける新工場を設置すると発表。生産子会社TGミントコーポレーションの分工場としてオンタリオ州ストラドフォード市に建設する。投資額は約9億円。13年7月からインストルメントパネル関連やピラーガーニッシュ、コラムカバーなどを生産開始する。カナダでは5カ所目の生産拠点となる。TGミント・ストラドフォード工場として14年度までに売上高12億円を確保する。 (2012年12月21日付日刊自動車新聞より)

国内事業

-豊田合成は28日、2013年1月をめどに東北地区の事業統括会社TG東日本を設立すると発表。トヨタ自動車が東北を国内第3の生産基地として育成していることに対応し、現地に顧客窓口と調達機能を設置。顧客からの品質関連の要望に迅速に対応すると同時に、現地の調達先の指導、育成活動を強化する。TG東日本は宮城県大崎市に本社を置く。資本金は2千万円で、豊田合成が全額出資する。 (2012年11月29日付日刊自動車新聞より)

受注

-豊田合成のポップアップフード用アクチュエーターの供給が拡大している。ポップアップフードは車両と歩行者が衝突した際に歩行者への衝撃を緩和するシステム。豊田合成はフードを持ち上げるアクチュエーターを製品化し、従来はマツダ 「Roadster」 向けに供給していた。トヨタ自動車が昨年12月末に発売した新型「Crown」向けで第二弾を受注し、供給を開始した。今後は世界の衝突安全テストに歩行者保護の項目が盛り込まれる見通しで、ポップアップフードの需要拡大が期待できる。トヨタ向けの本格供給が始まり、今後の採用拡大にも弾みがつきそうだ。 (2013年3月8日付日刊自動車新聞より)

2014年3月期の見通し

(単位:百万円)
  2014年3月期
(予測)
2013年3月期 増減
(%)
売上高 620,000 599,615 3.4
営業利益 40,000 36,706 9.0
経常利益 41,000 36,777 11.5
当期純利益 24,000 21,429 12.0

開発動向

研究開発費

 (単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
自動車部品事業 23,500 21,900 21,900
非自動車部品事業 3,600 3,900 3,600
27,100 25,800 25,500

研究開発体制

-開発本部、生産本部、オプトエレクトロニクス事業部開発部・技術部および海外子会社の豊田合成ノースアメリカ (北米)、豊田合成アジア (アジア)、豊田合成ヨーロッパ (欧州) が連携し、グローバルな研究開発活動を展開。

研究開発拠点

北島技術センター 愛知県稲沢市
美和技術センター 愛知県あま市

研究開発活動

-歩行者保護ポップアップフードアクチュエーター、スピンドルグリル、高意匠ミリ波カバー、軽量オープニングトリム、軽量グラスラン、樹脂ターボ配管などの新製品・技術の開発・量産化。
-各種環境規制に対応した材料および製品、生産技術の開発。
-燃料電池自動車用オールコンポジット高圧水素タンクの開発。

技術導入契約

 (2013年3月31日現在)
相手方の名称
(国名)
契約内容 契約期間
Autoliv Development AB
(スウェーデン)
カーテンエアバッグに関する特許ライセンス 2001年2月5日 - 2016年2月20日
Stant Manufacturing, Inc.
(米国)
クイックターンフューエルキャップに関する特許ライセンス 2001年4月2日 - 2014年10月18日
Intier Automotive Interiors of America
(米国)
ウレタンスプレー表皮に関する特許・ノウハウライセンス 2002年11月18日 - 2014年5月10日
Daimler AG
(ドイツ)
ミリ波レーダー用カバーに関する特許ライセンス 2011年11月10日 - 2019年9月23日

契約期間満了により以下の技術導入契約を解除。
相手方の名称
(国名)
契約内容 契約期間
Eaton Corporation
(米国)
燃料バルブに関する特許ライセンス 1999年2月10日 - 2013年2月18日


技術援助契約

 (2013年3月31日現在)
相手方の名称
(国名)
契約内容 契約期間
Stant Manufacturing, Inc.
(米国)
導電性フューエルキャップに関する特許・ノウハウライセンス 1998年11月17日 - 2018年12月21日
Magna Steyr Fuel Systems
(ドイツ)
導電性フューエルキャップに関する特許ライセンス 2004年2月26日 - 2018年12月21日
Orbitronics Co., Ltd.
(パキスタン)
ステアリングホイールに関するノウハウライセンス 2006年12月29日 - 2014年12月28日
Pong Codan Rubber (M) Co., Ltd.
(マレーシア)
ウェザーストリップに関する技術許諾契約 2007年7月16日 - 2012年7月15日

設備投資

設備投資額

 (単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
自動車部品事業 37,400 33,100 36,100
非自動車部品事業 1,500 4,400 10,700
39,000 37,600 46,900

-自動車部品事業およびオプトエレクトロニクス事業を中心に、390億円の設備投資を実施。
自動車部品事業
-自動車部品事業においては、新製品切替、海外を中心とした能力増強投資など374億円を実施。

設備投資計画 (2014年3月期)

-全社で43,500百万円を設備の新設・拡充に投資する計画。このうち、自動車部品事業は42,000百万円を自動車部品生産設備・金型に投資。