三井金属鉱業株式会社 2009年3月期の動向
ハイライト
業績 | (単位:百万円) |
2009年 3月期 |
2008年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 427,191 | 595,463 | (28.3) | 1) |
営業利益 | (27,031) | 27,993 | - | 2) |
経常利益 | (30,310) | 41,780 | - | |
当期純利益 | (67,256) | 7,830 | - | - |
組立加工部門 | ||||
売上高 | 119,535 | 153,821 | (22.3) | 3) |
営業利益 | (4,019) | 73 | - | - |
要因
1)
-金属・環境では亜鉛・鉛をはじめとした金属価格の暴落と円高の進行。
-電子材料・自動車用機能部品では、世界的な需要減退。
2)
-半導体実装材料(TABテープ・COFテープ)事業の生産拠点集約、2009年9月末までに海外を含む全グループで約4,000人の人員削減を決定するなど、事業構造の見直しと徹底したコストダウンに努めたが減少。
3)
組立加工部門
<自動車用機能部品>
-2009年3月期の生産金額は80,000百万円。
-ドアロック等の自動車用機能部品は、世界的な自動車販売台数の減少、特に北米市場の縮小とSUV・ミニバンの需要減退の影響が大きく減少。
<ダイカスト品>
-2009年3月期の生産金額は85,000百万円。
-自動車向けアルミダイカスト品は、顧客の在庫調整と海外現地調達化により販売量が減少。
<自動車用触媒>
-製品価格の大部分を占める貴金属価格が急落したことなどから、売上高は減少。
事業提携
-英国のGentech International Ltd.(Gentech)との尿素識別センサー製品に関する提携を発表。Gentechのレベルセンサーモジュールと、同社のディーゼル車排ガス浄化向け尿素識別センサー(Senfoa(R))を一体化させたセンサー付モジュールの開発・販売が対象となる。2009年1月を目途に、サンプル出荷を開始する予定。当初は商用車向けに拡販を図り、将来的には乗用車への搭載も視野に入れた事業展開を行う計画。2015年までに年産 500,000個以上の販売量を見込む。(2008年11月20日付プレスリリースより)
2010年3月期の見通し | (単位:百万円) |
2009年3月期 | 2010年3月期 | 前期比(%) | |
売上高 | 427,191 | 320,000 | (25.1%) |
-組立加工 | 119,535 | 93,000 | (22.2%) |
設備投資 | 32,400 | 16,600 | (48.8%) |
-組立加工 | 7,600 | 6,000 | (21.1%) |
-本格的な需要回復は2010年以降。事業構造改革と人員削減を含むコストダウンで黒字浮上する。
-組立加工:拠点集約、徹底した合理化で赤字を縮小。
経営合理化の進捗状況
-グループ人員4000名削減は予定通り2009年度上期中に完遂。
-ドアロック事業は世界の生産拠点を13→9に集約。売上高3割減少でも利益の出る体質にする。
開発動向
研究開発費 | (単位:百万円) |
2009年3月期 | 2008年3月期 | 2007年3月期 | ||
全社 | 8,011 | 8,314 | 7,359 | |
組立加工 | 2,847 | 2,380 | 1,956 | |
% | 35.5% | 28.6% | 26.6% |
研究開発体制
-総合研究所およびCTO(最高技術責任者)プロジェクトの活動を中心に推進。
研究開発活動
組立加工部門
-自動車用機能部品およびダイカスト等の加工分野を中心に研究開発を行っている。
-個別の研究成果は以下の通り。
1.ドアロック等機能部品の開発と、それらを核としたシステム製品およびモジュール製品の開発
2.新規高性能自動車用触媒の開発
3.環境に配慮したアルミダイカスト品の表面処理技術の開発
-従来比5割増しのエネルギー密度を実現するリチウムイオン二次電池用の負極材「SILX(シルクス)」を開発したと発表。長寿命化が困難とされていたシリコンを用いたもので、高容量・高出力化が可能になる。電池メーカーや家電メーカー、自動車メーカーなどと協業し、2010年までに本格的な事業展開を図る。シルクスを実際にリチウムイオン電池に用いた場合、カーボンを主体とした現行負極の電池に比べ、30-50%以上高いエネルギー密度を実現でき、大きな電流を長時間流し続けることができる。(2008年4月11日付日刊自動車新聞より)
-プラチナの替わりに銀を使用した新たなディーゼル車向け新触媒を開発したと発表。従来の触媒が持つ粒子状物質(PM)を浄化する性能を維持しながら、貴金属コストを90%以上も削減することを可能にしたという。新触媒は、酸素を吸放出する能力がプラチナ触媒より高いため、触媒表面の酸素によって煤(すす)を有効に燃焼することができる。新触媒はすでに実機エンジンによる評価試験を重ねており、トラック・乗用車市場への展開も視野に入れながら、当面は産業機械用ディーゼルエンジン向けに展開していく予定。(2008年4月24日付日刊自動車新聞より)
設備投資
開発動向