三井金属鉱業株式会社 2006年度の動向
ハイライト
業績
(単位: |
2007年 3月期 |
2006年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 |
全社 | ||||
売上高 | 591,518 | 503,370 | 17.5 | 販売数量の確保、新規受注獲得。 |
営業利益 | 38,865 | 45,052 | (13.7) | 原材料価格の高騰、電子材料と自動車用機能部品での競争激化による販売価格低下が影響。 |
経常利益 | 56,585 | 50,487 | 12.1 | 銅事業に係る持分法投資利益の増加。 |
当期純利益 | 31,370 | 23,374 | 34.2 | 銅精錬事業の譲渡益など。 |
組立加工部門 | ||||
売上高 | 161,756 | 159,311 | 1.5 | *1 |
営業利益 | 1,585 | 2,883 | (45.0) | 販売価格低下、鋼材の値上がりや品質向上のためのコスト増加などによる。 |
*1:組立加工部門のハイライト
自動車用機能部品
- 2007年3月期の生産金額は106,200百万円。
- 国内および米国新車販売の減少、軽自動車へのシフト、自動車メーカーのグローバル競争激化に伴う販売価格下落などにより、売上高は前年度に比べ減少。
ダイカスト品
- 2007年3月期の生産金額は12,400百万円。
- 自動車向けアルミダイカスト品は、軽量化ニーズの高まりに伴い販売量が増加したが、マグネダイカスト品の需要低下と販売価格低下により、全体として売上高は前年度より減少。
自動車用触媒
- 新車販売の好調により、主力の国内軽自動車向け需要が増加。売上高は前年度に比べ増収。
事業計画
-自動車部品事業の強化
ダイカスト事業の強化、拡充に向け、自動車部品の開発と営業を再強化する。主力品を家電向け部品から、より付加価値の高い自動車部品にシフト、収益アップに結び付ける。特にヘッドランプ用のマルチリフレクターなど高付加価値品を中心に、大型受注の獲得や既納先との取引拡大を目指す。(2006年11月6日付日刊自動車新聞より)
自動車排出ガス処理用の触媒事業を強化する。インドの生産拠点の能力を大幅に高めるとともに、2007年秋に操業を開始する中国拠点も早期のフル稼働を目指し、2010年をめどにグローバルレベルの生産能力を、現状の2倍以上にあたる年間約1,400万個に拡大する。排ガス規制強化で、需要増加が見込める中国や東南アジアの二輪車向けをメーンターゲットとして拡販し、収益強化に結び付ける。同社の排ガス触媒事業は、国内とタイ、インドの拠点を通じて展開している。また、2006年10月には中国・広東省珠海市内に現地拠点を設立、2007年10月に操業を開始する予定。(2006年11月17日付日刊自動車新聞より)
海外事業の強化と拡充を目的に、インドで自動車用ドアロックの生産に乗り出す。既存の排ガス触媒工場内に新たなラインを設置し、遅くとも2007年秋までに生産を開始する。当面は、ホンダの現地拠点に供給するが、将来は他の自動車メーカーへの拡販にも注力する。同社は、国内と北米、タイ、英国、中国の5カ国でドアロックを生産しており、現在は、日米拠点でのモジュール化への対応や中国拠点の能力増強など、グローバルレベルで品目や生産地の最適化に取り組んでいる。(2006年11月25日付日刊自動車新聞より)
自動車部品事業の強化に向け、生産品目の整理、集約を進める。同社は日産自動車系の部品メーカーだった大井製作所を2003年に買収して以来、手持ちの排出ガス用触媒事業も含め、自動車関連事業の体制強化に取り組んでいる。扱い品目の整理は、成長が期待できるコア製品に経営資源を集中するために不可欠としており、これまでにシートレールやルーフレールから撤退している。今後もウインドーレギュレーターなど、収益性の低い部品について、撤退も含めて事業体制を見直す。一方、スライドドアモジュールや各種ドアロック、触媒などをコア製品と位置付け、グローバル対応製品などを中心にラインアップを強化する。(2007年1月23日付日刊自動車新聞より)
2008年3月期の課題
自動車用機能部品のうち、ドアロックについては中国・タイ拠点への生産集約と部品の現地調達を進めることにより、コスト競争力向上に努める。同時に、海外移転により複雑化した生産管理体制の構築を実施。
開発動向
研究開発体制
総合研究所およびCTO(最高技術責任者)プロジェクトの活動を中心に推進。
研究開発費用
(単位:百万円) | 2007年3月期 | 2006年3月期 | |
全社 | 7,359 | 6,019 | |
組立加工 | 1,956 | 1,817 | |
% | 26.6 | 30.2 |
組立加工部門
自動車用機能部品およびダイカスト等の加工分野を中心に研究開発を行っている。
個別の研究成果は以下の通り。
(1)ドアロック等機能部品の開発と、それらを核としたシステム製品およびモジュール製品の開発
(2) 新規高性能自動車用触媒の開発
(3)環境に配慮したアルミダイカスト品の表面処理技術の開発
(4)自動車部品の表面処理技術の開発
(5)ディーゼルエンジン排気ガス浄化システム用尿素水センサーの開発
設備投資
(単位:百万円) | 2007年3月期 | 2006年3月期 |
全社 | 40,300 | 45,100 |
組立加工 | 5,400 | 6,900 |
% | 13.4 | 15.3 |
組立加工部門
ドアロック等の自動車用機能部品の生産性向上、設備の維持・更新等に投資。
海外投資
中国・珠海に自動車触媒を生産・販売する新会社を設立する。新会社である三井金属(珠海)環境技術有限公司を2006年9月に設立、2007年10月から自動車触媒の本格的な生産を開始する予定。2010年までに年間約4百万個の生産を見込む。新会社の資本金は3.5百万米ドルで、同社が全額出資する。人員は当初50名を予定。(10月10日付け同社プレスリリースより)
設備の新設・改修計画(2007年3月末現在)
(単位:百万円) |
2008年3月期 計画金額 |
全社 | 47,000 |
組立加工 | 7,800 |
% | 16.6 |
組立加工部門
自動車用機能部品の生産性向上、省力化などを目的とする。