Schaeffler AG 2018年12月期の動向

業績

(単位:百万ユーロ)
  2018年
12月期
2017年
12月期
増減率
(%)
要因
全社
 売上高 14,241 14,021 1.6 1)
 EBIT 1,381 1,528 (9.6) 2)
自動車部門
 売上高 8,997 8,991 0.1 3)
 EBIT 682 951 (28.3) 4)
自動車OEM部門4事業の売上高
 エンジンシステム 2,783 2,786 (0.1) 5)
 トランスミッションシステム 4,170 4,204 (0.8) 6)
   E-モビリティ 486 416 16.8 7)
 シャシーシステム 1,558 1,585 (1.7) 8)

要因

1) 全社売上高
-2018年12月期、全社売上高は前年比1.6%増の14,241百万ユーロ。為替の影響を除くと前年比3.9%増。産業機械部門での売上高が自動車OEM向けおよびアフターマーケット部門での軟調な伸びを下支えした。

2) 全社EBIT
-2018年12月期、全社EBITは前年比9.6%減の1,354百万ユーロ。特別会計項目を除き、同社EBITは販売コストおよび為替の悪影響により減少した。

3) 自動車OEM部門売上高
-2018年12月期の同部門の売上高は前年比0.1%増の8,997百万ユーロ。為替の影響を除くと、売上高は前年比2.1%増。欧州および米州は横ばい、中国は減少、アジア太平洋地域は増加と、各地域ごとの売上高は異なる傾向を示した。

4) 自動車OEM部門EBIT
-2018年12月期の同部門のEBITは前年比28.3%減の682百万ユーロ。主な減少要因は生産コストの増加。さらに為替の悪影響により売上減を後押しした。

5) エンジンシステム事業
-2018年12月期の同事業の売上高は、前年比0.1%減の2,783百万ユーロ。為替の影響を除くと、前年比2.1%増。サーマルマネジメントモジュールの販売が売上に貢献した。

6) トランスミッションシステム事業
-2018年12月期の同事業の売上高は、前年比0.8%減の4,170百万ユーロ。為替の影響を除くと前年比1.4%増であり、主にトルクコンバーター製品群の売上が牽引した。

7) E-モビリティ事業
-新事業であるE-モビリティ事業の2018年12月期売上高は、前年比16.8%増の486百万ユーロ。同事業の全製品ラインが全体の売上に貢献した。

8) シャシーシステム事業
-2018年12月期の同事業の売上高は、前年比1.7%減の1,558百万ユーロ。為替の影響を除くと前年比売上高0.1%増。シャシーアクチュエーター製品群の伸びが貢献した。

 

買収

-ドイツKarbenに本拠を置くElmotec Statomat Holdingの買収契約を締結したと発表。買収は2019年第1四半期に完了予定。Elmotec Statomatは電気モーターの製造装置メーカーで、巻線技術の独自ノウハウを有する企業。巻線技術は、電力密度および効率的な大量生産の観点から、電動モビリティの将来の発展の主導的分野と考えられており、買収によってSchaefflerは電気モーター製造に関する専門知識を拡大し、電動モビリティ戦略の推進を図るという。(20181128日付プレスリリースより)
 

再編

ーエクセレンスプログラム「Agenda 4 plus One」の一環として、英国の事業活動を再編すると発表。この再編計画は実施までに最長2年間を要する見込み。同社はLlanelliPlymouth2工場を閉鎖し、米国、中国、韓国、ドイツの既存拠点に事業を移転する予定。Plymouth工場は現在、工業用スピンドルベアリングと機械部品、航空・防衛産業向けの特殊ベアリングを製造している。また、Llanelli工場では自動車用メカニカルタペットおよび特殊ベアリングを生産している。(2018116日付プレスリリースより)

ーグループの組織構造を再編すると発表した。取締役会は、現在内部サプライヤーとして機能するベアリング部品・技術事業部門(BCTBearing Components & Technologies unit)を解散し、分割割当を除く全工場を自動車事業部門(Automotive OEM division)もしくは産業部門(Industrial division)に組み込むことを決定した。ベアリング部品・技術事業部門の解散は全工場が自動車事業部門もしくは産業部門直下となることを意味し、より厳密に事業プロセスを統合することになるという。この再編の目的は、Schaefflerの事業プロセスをより緊密なものにし、グループ末端にまで責任を与えることだとしている。新組織は71日発足を目指し、2018年末までに再編を完了する予定。(201857日付プレスリリースより)

 

合弁事業

-2018年8月、同社はParavanとその創業者であるRoland Arnold氏と、合弁会社「Schaeffler Paravan Technologie」を設立することで基本合意したと発表した。新会社は、Paravanのドライブ・バイ・ワイヤ技術「SPACE DRIVE」を取得・開発し、モビリティシステムの開発や販売を手掛ける。Schaefflerが株式の90%を保有する。「SPACE DRIVE」は、自動車の複雑なメカニカル制御システムを電子制御システムに置き換えることで身体に障害のあるドライバーを支援する、Paravanが開発した技術。ステア・バイ・ワイヤ機能が特徴で、ステアリングホイールやステアリングコラム、リンク機構を必要としない完全電子制御により安全で信頼性の高いステアリングを実現する。ステア・バイ・ワイヤ技術は、安全で信頼性の高いステアリングが必須要件である自動運転技術の鍵となる技術。(201886日付プレスリリースより)

 

事業動向

ー2018年4月、同社は、eモビリティ、インダストリー4.0、デジタル化という将来の主要3トレンドを中心に同社が進める開発などの取り組みを共同で管理・推進していくことでIG Metall(ドイツ金属産業労組)と合意したと発表。Schaefflerは、今後5年間に50百万ユーロを拠出し、イノベーションの促進やプロジェクトの推進に役立てる。また、双方同数の代表から成る共同運営委員会を設立し、主要な問題の調整や解決に当たる。今回の合意により、同社のドイツ拠点の企業体質は強化される見通しという。(2018416日付プレスリリースより)

ー2018年4月、日本国内での事業拡大に向けて開発、営業体制の強化に乗り出すと発表。日本法人のシェフラージャパン(横浜市保土ヶ谷区)は、競争力の高い部品を開発するため、同社製部品を含むモジュール全体を評価できる試験設備を国内の開発拠点に整備する。また、エンジンやトランスミッション、シャシー、電動モビリティーといった分野ごとに技術開発や提案を行っているそれぞれのチームを事業部に格上げ、迅速にプロジェクトを進められる体制も整えた。今後、日系自動車メーカーとの取引拡大につなげる。(2018年4月11日付日刊自動車新聞より)

ー2018年3月16日、Schaeffler太倉工場は先ごろ世界初のP2ハイブリッドモジュールの生産を正式に開始した。P2ハイブリッドモジュールはSchaefflerがパワートレイン電動化のために開発したモジュール化ソリューション。このモジュールは、高出力密度の永久磁石シンクロナスモーター、乾式クラッチ、モーターアクチュエータ機構などで構成され、従来型の内燃機関とトランスミッションの間に装着される。システム全体は、25kWから80kWのモーターを統合し、クラッチを通し250Nmの高トルクを伝達する(クラッチロック後は最大800Nmに達する)。このモジュールは電気駆動による車両スタートと走行、エンジン駆動による走行、モーターアシスト、電気駆動走行中にモーターによりエンジンを起動するなど各種の駆動方式を実現するとともに、制動エネルギーを回収する。このモジュールを搭載した車両はモーターとエンジンの両方で優れた動力性能を発揮する。プラグインハイブリッド車(電動走行での航続距離50km以上)に搭載すれば燃費を少なくとも70%向上することができる。現在、初のSchaefflerP2ハイブリッドモジュールを搭載した中国国産ブランド車は2017年10月にすでに発売されている。2018年、Schaefflerの中国法人では新たに電気駆動研究センターを建設し、中国本土での研究開発能力をさらに強化する計画である。(2018年3月19日付けプレスリリースより)

ー2018年3月、未来に向けた新規プログラム「Agenda 4 plus One」を発表。プログラムに実施より、2020年に300百万ユーロの収益増を目指す。「Agenda 4 plus One」は「E-Mobility」、「Industry 4.0」、「Factory for tomorrow」、「Working Capital」など20種類のイニシアチブで構成されている。「E-Mobility」関連では、8件の生産受注と25件の顧客プロジェクトが現在進行中だという。また「Factory for tomorrow」プロジェクトの下、中国の湘潭に315,000平方メートルの最新設備を有する工場を建設中。このほか「Working Capital」戦略に従って、体系的な運転資金管理を行い、キャッシュフロー生成の最適化を図るとしている。(201837日付プレスリリースより)

 

受注

Audiの電気自動車 (EV) SUVe-tron」向けにトランスミッションの量産を開始したと発表。ドイツのHerzogenaurachBuhlで開発・生産される同製品は、高い快適性と最適な騒音抑制性能に加え、最大限の走る喜びを提供するという。e-tronに搭載されるトランスミッションは、平行軸と同軸設計の2タイプ。入力トルク400 Nm、必要とする軸スペース150mm、重量16 kgと、高入力トルクと省スペース性が特徴。Audi向けの量産は20188月に始まり、将来的には年間で最大25万ユニットの生産を見込む。また、ドイツの大手自動車メーカー向けトランスミッションの生産を2019年第2四半期に開始し、最大で年間4万ユニットをHerzogenaurach工場で生産する予定。(20181113日付 プレスリリースより)
 

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
  2018年12月期 2017年12月期 2016年12月期
全社 847 846 751
売上に占める割合 (%) 5.9 6.0 5.6

 

研究開発体制

-2018年12月期、研究開発要員の平均従業員数は7,956名。

 

研究開発拠点

-研究開発センターの拠点数:

  • 欧州 (12)
  • 米州 (5)
  • 中華圏 (1)
  • アジア太平洋 (2)

-同社は、60百万ユーロを投じて独Buhlの拠点を強化すると発表した。今回のプロジェクトでは、最新の開発棟と自動車OEM部門の本社を建設する。同社はBuhl、米国Woosterおよび中国安亭鎮に新本社が主導する電動モビリティ用コンピテンスセンターを開設した。Buhl拠点の総面積は23,400平方メートルで、約500名の従業員用のオフィススペース、食堂、会議エリア、試作製造施設、試験設備などを建設する計画。今後数年間で主に電動モビリティ分野で350名の新規雇用を創出する見込み。(2018925日付プレスリリースより)

 

技術提携

-CMBlu Projekt AG社とレドックス・フロー電池の開発および製造に関する協力契約を締結した。レドックス・フロー電池は再生可能資源に基づいており、様々なアプリケーションへの適合が可能。同社はこの電池をEV向けアプリケーションおよび持続可能なエネルギー基板の確立に使用する見通し。

ー同社は、Schaeffler Holding (China) と中国汽車技術研究中心 (CATARC) が提携の枠組み合意に署名し、新エネルギー車 (NEV) の複数の技術分野において密接に協力すると発表した。両社の先進的な資源を統合し、強い競争力を持つ協力体制を構築、技術開発や企業成長の促進を目指すとしている。(2018727日付プレスリリースより)

 

製品開発

自動運転技術「Space Drive」と「Schaeffler Intelligent Corner Module
-自動運転技術「Space Drive」を搭載した障害者用車両「Schaeffler Mover」が7km超の無事故走行を達成したと発表した。「Space Drive」はParavanとの合弁会社Schaeffler Paravan Technologieが開発したドライブ・バイ・ワイヤ技術。Schaefflerは「Space Drive」を搭載するホイールハブモーター、サスペンション、電気機械式ステアリングを組み込んだ省スペースのドライブコンポーネント「Schaeffler Intelligent Corner Module」の実演をCES 2019で行う予定。(20181214日付プレスリリースより)

CES 2019 電動化製品展示
ーCES 2019に出展する製品を発表。同社はピックアップトラック向けのハイブリッドモジュール「P2」を公開する。コンパクトな「P2」は、内燃エンジンとトランスミッションの間に装備し、既存の車両にも適合するという。また独立ユニットとしても使用でき、既存の前輪駆動または後輪駆動を四輪駆動に拡張することも可能な汎用性の高いeアクスルも出展予定。さらに電気モーター4基を使用する最高システム出力880kWのコンセプトカー「4ePerformance」も発表する。同社は2020年までに電気駆動ユニットの研究、開発、生産に500百万ユーロ超を投資する計画。(2018127日付プレスリリースより)

CES 2019 モビリティソリューション
ーコンセプトカーやスマートシステムなどをCES 2019に出展すると発表した。グループ傘下のSchaeffler Bio-Hybridは、新たな都市モビリティのバイオハイブリッド車両2モデルを発表予定。この車両のカーゴおよび乗用車バージョンは2020年に市場投入を計画。また、ゼロエミッション車「Schaeffler Mover」も公開する。「Schaeffler Mover」は、ホイールの全てのドライブおよびサスペンション部品は省スペースユニット「Schaeffler Intelligent Corner Module」に組み込まれており、90度のステアリング角度により、最小のスペースで独自の操縦性を発揮するという。このほか、eアクスルや48Vシステムやハイブリッドパワートレイン製品なども出展予定。(2018125日付プレスリリースより)

Schaefflerシンポジウムでの製品展示
ー東京で開催される第11Schaefflerシンポジウムで、同社の革新的技術を発表。内燃機関をベースにパワートレインを最適化する部品やシステムソリューション、ハイブリッド車向け自動車用駆動装置の電動化、電気自動車から、新しい車両コンセプトまで、多岐にわたる製品を紹介。セミオートマチックトランスミッションをベースに、電動ギア2つと機械ギア6つを備えた専用ハイブリッドシフトトランスミッション「DH-ST 6+2」や、ロボタクシー・都市交通車両に対応したプラットフォーム「Schaeffler Mover」といった世界初の技術も含まれるという。Schaefflerシンポジウムは40年にわたって4年に1度開催され、日本での開催は2回目。(20181031日付 プレスリリースより)

International VDI Congressでのアクチュエーター展示
ーマルチスピード電動アクスル用電気機械式アクチュエーターおよびパーキングロックアクチュエーターをドイツで開催される第18International VDI Congressに出展すると発表。電動アクスルアクチュエーター(EAA)は2018年量産開始予定。この製品はギアがかみ合うか解放されなければならない場合に限り、2つの調整モーターが制御される。最小のアイドリング電流を除いて、このアクチュエーターのエネルギー損失はほぼ皆無。パーキングロックアクチュエーター(PLA)は、電気自動車(EV)のパーキングロック機能のための効率的な作動モジュールとして開発され、重量約460gで設置スペースをほとんど必要としないという。(2018627日付プレスリリースより)

ウィーン・モーター・シンポジウムでのトランスミッションおよびプラネタリーギアコンセプトの展示
ー並列軸および同軸設計のeアクスルを39回ウィーン・モーター・シンポジウムに出展すると発表。このシステムは内燃エンジン車、ハイブリッド車、電気自動車(EV)のどの車両にも対応できるよう、顧客の要件に応じてモジュラーベースで構成することができる。また、要件スペース150mmで最大トルク400Nm1速トランスミッションも併せて発表。遊星歯車設計のコンセプトモデルで、平行軸ドライブにも適用できるという。(2018425日付プレスリリースより)

ベルトテンショナー、電動カムシャフトフェーシングシステムおよびトランスミッションベアリング
ー同社の第11回シンポジウムで、コスト効率を大幅に向上する内燃エンジンやトランスミッション、ハイブリッド向けの革新的なシステムを紹介すると発表。動作モードをダイナミックに変更できる機械式ベルトテンショナーや、油圧式システムよりも高いカムフェージング速度を実現する機械式カムシャフトフェーシングシステム、新設計の低摩擦トランスミッションベアリング「アンギュラローラーベアリング(ARU)」など、新たに開発したシステムを紹介。ほかに、Fordの量産車に搭載される予定の3気筒エンジンの気筒休止を行う「スイッチャブルフィンガーフォロワー」も披露するという。 (2018416日付プレスリリースより)

都市型コンセプト「Schaeffler Mover」
ー同社は、2018年の「Schaeffler Symposium」で、都市型コンセプト「Schaeffler Mover」を初公開した。「Schaeffler Mover」は、ドライブとシャシーを1つの小型ユニット「Schaeffler Intelligent Corner Module」に統合。ホイールハブモーター、ホイールサスペンション、電動ステアリングアクチュエーターをホイールに内蔵し、4つの車輪それぞれに搭載している。ホイールサスペンションは最大90度のステアリング角を実現し、、同期モーター設計のトラクションモーターは、同社が2013年に開発したホイールハブモーターの進化系。作動電圧300Vの電動モーターは連続出力13kW、最大出力25kW、上限トルクは250Nm。このシンポジウムで発表されたフィージビリティスタディは今後数カ月以内に開発される見通しで、キャビンとエアコン付きの道路上の使用に適したプロトタイプを年末までに製作する計画もあるという。(2018411日付プレスリリースより)

Schaefflerシンポジウムにおける技術展示
ー2018411-13日に開催される「Schaeffler Symposium」で、未来のモビリティ向け最新技術を紹介すると発表した。ガソリン車のパワートレインを最適化するコンポーネントやシステムソリューションからハイブリッド車向け電動ドライブ、電気自動車 (EV) の新たなコンセプトまで、その出展は多岐に渡る。「Schaeffler Mover」とそのカーゴバージョン「Bio-Hybrid」は、未来のアーバンモビリティ向けコンセプト。小型でフレキシブルな、自由に拡張可能なプラットフォームで、電動ホイールハブ駆動と90度のステアリング、モジュラー設計が特徴。ガソリン車、ハイブリッド車、電気自動車向けの最新技術が駆動タイプ別にそれぞれ展示されるほか、専門家のプレゼンテーションもあるという。(2018412日付プレスリリースより)

 

特許

-2018年、ドイツ特許商標庁での特許出願件数は2,383件。5年連続で出願件数国内2位となった。

 

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
2018年12月期 2017年12月期 2016年12月期
全社 1,232 1,273 1,146


ー2018年12月期における設備投資額は欧州および中国に最も投じられた。

ー欧州において、同社はエンジンおよびトランスミッションシステム事業部門、ロールベアリング事業の生産能力拡大に向けて投資。また、立ち上げに関する設備投資として、電動アクスルの開発及び製造を行うドイツHerzogenaurach拠点、ハイブリッドトランスミッションの開発及び製造を行うBuehl拠点などに投資を行った。

ー米州においては、生産能力拡大、電動ドライブコンセプトにかかわる機械設備などに向けて投資が行われた。生産能力拡大によって米州ではトルクコンバーターおよびトルクコンバーターロックアップクラッチの需要増に対応が可能となる。

ー中国では、新製品の立ち上げ、特にエンジンおよびトランスミッションシステムにかかわる製品の生産能力拡大に注力。結果として、生産能力の拡大とともにロールベアリングの物流網の拡大ももたらした。

ーアジア太平洋地域において、同社はロールベアリングの生産能力拡大のためベトナムでの新工場の建設を行った。

 

海外投資

<インド>
ーインドPune工場に生産ホールを新設したと発表した。新施設では国内および輸出市場向けにエンジンとトランスミッション部品を製造し、インドにおけるSchaeffler Groupの現地生産能力の向上を図る。また同社は、INA BearingsLuK India2社のSchaeffler Indiaへの統合が完了したことも併せて発表した。統合によりSchaeffler Indiaは従業員数約3,000名、売上高410億ルピー規模の事業体となる。2018年のインドに対する投資額は3,250百万ルピーで、今後数年間も引き続き投資を行う計画だという。Schaeffler Indiaは、エンジンおよびトランスミッション向けの広範囲にわたるモビリティ・ソリューション、シャシー部品、ボール/ローラーベアリング、ハウジングなどの製品を供給する予定。(20181024日付プレスリリースより)

<中国>
ー9月16日、Schaeffler AGの子会社舎弗勒摩擦産品(蘇州)有限公司[Schaeffler Friction Products (Suzhou) Co., Ltd.](以下、Schaeffler蘇州)のCVTチェーン生産ラインが完成した。これはSchaeffler AGにとって、中国とアジア初のCVTチェーン生産ラインである。Schaeffler蘇州は蘇州市ハイテク区滸関工業パークに位置し、乗用車用マニュアルクラッチ摩擦材料、オートマチック乾式ダブルクラッチ摩擦材料、トラック用クラッチ摩擦材料及び摩擦材料の一部原料を生産している。CVTチェーンプロジェクトは2段階に分けて実施する。年産量は67.5万本に達し、売上高は6億元を超える見込みである。生産ラインが稼働すれば、ドイツからの調達が現地調達へと変わり、物流距離を大幅に短縮できるとしている。(2018年9月18日付けプレスリリースより)

<米国>
ー米カリフォルニア州Silicon Valleyにオフィスを開設した。最新技術が集結する同地域で足場を築くのが目的。現地のディスラプター(破壊者)やスタートアップ、潜在的な技術パートナーとの関係を構築し、先進的な自動車や産業向け製品の開発に役立てるほか、あらたなツールや手法を特定・開発し、新システムの迅速な開発を支援していくという。(2018315日付プレスリリースより)