Ficosa International, S.A. 2018年12月期の動向
業績 |
(単位:百万ユーロ) |
2017年12月期 | 2016年12月期 | 2015年12月期 | |
売上高 | 1,190.0 | 1,152.6 | 1,100 |
-2017年12月期、同社売上高は前年比3.2%増の1,190.0百万ユーロ。同社は2012年より、国際化、効率化、技術革新及び事業におけるダイバーシティ拡大を戦略として掲げており、それに伴い売上高を堅調に伸ばしている。
再編
パナソニックが子会社化
-パナソニックは、所定の手続きを経て7月4日付で同社への追加出資の手続きが完了したと発表した。パナソニックは、Ficosa Inversionが保有する同社の株式20%を追加取得し、同社を発行済み株式総数69%を出資する連結子会社とした。今後同社は、パナソニックの1事業部と位置付けられる。パナソニックは、2018年度車載事業の売上高2兆円の実現に向け、両社が各々保有する技術を融合させ協業商品の開発を進めていく。電子ミラー、次世代コックピットシステム、ADAS等、今後の成長分野での事業拡大を目指す。 (2017年7月5日付プレスリリースより)
事業提携
ー自律型サイバーセキュリティソリューションを開発するKaramba Securityは、Ficosaとの提携を発表した。両社はインターネット通信時におけるサイバー攻撃からの車両保護を目的として、テレマティクスコントロールユニット(TCU)強化を図る。Karambaのソリューション「Carwall」の導入により、Ficosaは誤検知なく、またコストのかかるデータ分析やセキュリティ更新への投資をせずに、サイバー攻撃を防止する自律保護ECUを自動車メーカーに提供するという。(2018年12月5日付プレスリリースより)
受注
ーFicosaは、2018年末に発売予定のAudi「e-tron」向けデジタル・リアビューシステムを開発したと発表した。同システムは、従来のサイドミラーの変わりにカメラとディスプレイを使用し、より安全で効果的かつ快適な、まったく新しいドライビング経験を提供するという。スペインのViladecavallsテクノロジーセンターとドイツのWolfenbuttelsセンターで開発・生産される。(2018年9月28日付 プレスリリースより)
-同社は、中国市場向けバッテリーマネジメントシステム(BMS)を5件受注したと発表した。今回の契約は自動車メーカー2社からのもので、受注金額は200百万ユーロ規模、電気自動車(EV)およびPHV向け製品となる。同社のBMSはバッテリーの充電レベルを常時管理し、安全性を高める。今回受注したBMSのソフトウェア、ハードウェア、メカニクスはスペインBarcelonaのViladecavalls Technology Centreで開発、2019年から中国の太倉技術センター(Taicang Technical Centre)で生産を開始する。(2018年2月23日付プレスリリースより)
受賞
ートヨタの欧州統括会社Toyota Motor Europeから「Value Analysis」賞を受賞したと発表した。高品質の製品を生産するノウハウや能力、無駄なコストの削減、機能/コストの最適化が評価された。Ficosaは、1998年からスペインやポルトガル、トルコ、中国、ブラジル、米国、メキシコで、ギアシフトシステムやブレーキレバー、メカニカルケーブル、リアビューミラー、フロントガラスウォッシャーシステムなどの製品を開発・生産し、トヨタに納入している。(2018年7月9日付プレスリリースより)
研究開発費 |
(単位:百万ユーロ) |
2017年12月期 | 2016年12月期 | 2015年12月期 | |
全社 | 82.4 | 64.3 | 60.0 |
-同社は売上高の約6%相当額を研究開発費に充てている。
研究開発拠点
-下記の国に14カ所の研究開発センターを保有:
- ブラジル
- 中国
- フランス
- ドイツ
- インド
- 日本
- 韓国
- メキシコ
- ポルトガル
- スペイン
- トルコ
- 米国
ー電動モビリティ技術の国内および国際レベルでの先駆的な施設となるeモビリティハブを設立したと発表した。このセンターは、ハイブリッド車や電気自動車 (EV)の電動推進システムを専門としている。1,000万ユーロ超を投じてスペインBarcelonaに開設した1,200平方メートルの新センターは従業員数120名超、うち60名が新規雇用となる。eモビリティハブは、メカトロニクスシステムを開発するためのISO-Automotive SPICEを規制するASPICEによって認定された4つの新しい研究所を有する最新世代のセンターとなる。同社はここでハイブリッド車・EV向けバッテリー管理システムおよび車載充電器用のソフトウェア・ハードウェアソリューションの開発、製造を行う。(2018年10月9日付プレスリリースより)
研究開発体制
-2017年12月31日現在、研究開発に従事している従業員数は1,008人、製品工学に従事している従業員数は873人、研究室および試作品に従事している従業員数は135人。
製品開発
「CarCom」技術プラットフォーム
ーデンマークCopenhagenの「ITS世界会議コペンハーゲン2018」に、自動車向け最新の先進コミュニケーション・ソリューションを出展すると発表した。同社は、さまざまなコネクティビティ・ソリューションをモジュラー方式に統合し、セルラーV2X (車車間・路車間通信) や高精度位置測定、デジタル同期アンテナ、5G技術といった未来のモビリティ向け新技術と自動車との直接通信を実現する「CarCom」技術プラットフォームを紹介。また、ITSで重要な役割を果たすという「Flat Roof アンテナモジュール」は、複数のアンテナを1つのモジュールに統合することで個別のアンテナ数が減り、組立コストの削減や性能の向上に貢献するという。(2018年9月19日付 プレスリリースより)
テレマティクス・コントロール・ユニット
-パナソニックは、オートモーティブ&インダストリアルシステムズ (大阪府門真市) が同社と協業して開発した新製品「テレマティクス・コントロール・ユニット (TCU) 」を昨年12月から量産出荷を開始したと発表した。昨年9月に出荷開始した電子インナーミラーに次ぐ両社の協業開発製品。パナソニックがTCUを取り扱うのは初となる。(2018年1月16日付日刊自動車新聞より)
特許
ー2017年12月期、同社は685の特許を保有。
海外投資
<ポルトガル>
ーグループ傘下のFicocablesが500百万ユーロを投じてポルトガルのMaia工場を拡張すると発表した。2019年1月完成予定の7,800平方メートルの新施設は、最新技術を導入した技術オフィス、エンジニアリングルーム、研究所などを備える。Maiaの拠点には生産工場と研究開発施設があり、現在1,400名超の従業員が従事している。(2018年12月19日付プレスリリースより)
<モロッコ>
-同社は、50百万ユーロを投資し、モロッコRabatに工場を初めて開設したと発表した。700人を雇用し、2022年までに年間売上高150百万ユーロの達成を見込む。総面積は1万2,000平方メートルで、1万7,000平方メートルまで拡張可能。敷地内には、カメラの研究・開発センターも併設し、将来の自動車に不可欠とされる高度に複雑なビジョンシステムを開発・生産する。工場では、電気ケーブルセットに加え、リアビューミラーやシフター、ワッシャーなどの部品も現地市場向けに生産する予定。 (2018年3月20日付プレスリリースより)