Georg Fischer 2006年度の動向

ハイライト

事業概況
自動車部門は全体的に経済環境が好調であったことを背景として売上高は前年比+9%で19億3,000万スイスフラン(2005年度:17億6,000万スイスフラン)。特に年度の後半での販売が好調で売上に寄与。
鋳鉄品の生産量は440,000トンで、過去最高の高水準を記録した。生産量の増加は、生産能力の増強による効率向上によるもの。
軽金属部門は、ミュンヘン工場の閉鎖だけでなく、プレッシャーダイカスト工場の稼働率の上昇に見られるような需要の増加対応も必要であった。ThyssenKrupp Elevatorの買収で、エレベーターステップ製造における世界有数の会社となり、製品は、Herzogenburgと蘇州で製造されている。
蘇州のプレッシャーダイカスト工場は、操業開始の年度から利益が出ている。増加する受注に対応するため、同工場は第一期の拡張を完了させた。


企業買収
2006年12月31日付けをもって、加モントリオールにあるE.D.C. Inc.の全株式を取得。E.D.C. Inc.はプレッシャーダイカスト事業を手掛け、自動車産業、その他の産業分野向けに軽金属部品を供給している。この戦略的な事業展開によりGeorg Fischer は重要な北米の乗用車および商用車市場に直接進出する為の、新たな足がかりを構築した。
E.D.C
-1940年設立
-従業員数70名
-アルミプレッシャーダイキャストの専門メーカー
-2005年から、Georg Fischerを代行して北米顧客向けにパネル及びスライドを生産。

アルミ部品生産の集約
2005年6月21日、Georg Fischer社は、アルミダイキャスト部品の製造を集約化し、ミュンヘンの Georg Fischer Druckguss GmbH での生産をオーストリアの Herzogenburg、Altenmarkt、Gleisdorf にある工場への移転を発表した。ミュンヘン工場は高い賃金や不利なインフラなど特定の否定的要素のため、効率が際立って低いことが同社内での比較検討の結果判明したことが、移転を決定した理由。

開発動向

研究開発費用

(単位:百万スイスフラン) 2006年度 2005年度 2004年度
グループ全体 131 124 114

GF Automotive部門

58 53 52
-全社で600名が研究開発に従事。
-売上の 3% をR&Dに投資。
-4,000件以上の特許。
-年間平均 約50件の特許申請。


技術提携
2006年5月、Georg Fischer Automobilguss GmbH、 Schaeffler KG、およびKnorr-Bremse Systeme fur Nutzfahrzeuge GmbHの3社は、欧州においてトラック、トレーラー、バス用ホイールエンドを共同で開発、製造、販売する業務契約を結んだ。3社は製品の耐用年数を伸ばし、補修整備をより容易にし、ブレーキディスクとホイールベアリングをより軽量化すべく、革新的な製品開発を目指す。

設備投資

工場・設備等の投資額は2006年度で1億3,800万スイスフラン。金額全体のうち、自動車部門への投資が60%占めている。地域的には、欧州への投資は今後とも変わらず続行する。然しながら、アジアの重要性が高まっている中で、3部門ともに特に中国市場への投資が増加するものと予想される。

-海外投資
・2005年10月26日、蘇州で新しい軽金属鋳造工場を正式に開設したと発表した。工場はすでに8月半ばから操業を開始しており、今後設備は徐々に拡充されていく。全体計画では、最終的に鋳造機械24基を装備する4製造ラインモジュールに拡張されることになっている。
同工場は、納品先には既存の欧州企業を含め発展の著しい中国自動車メーカー2社も含まれる。この2社、奇瑞汽車(本社:安徽省Wuhu市)と長城汽車(本社:河北省Baoding市)が北米市場に投入する新型モデルにはGeorg Fischer社のエンジンブロックとアルミダイカスト製品が採用されている。