Foamex 2006年度の動向
ハイライト
業績
(単位:百万ドル) | 2006年 度 |
2005年度 | 変動率 (%) | 要因 |
全体 | ||||
売上高 | 1,357.2 | 1,282.9 | 5.8 | 2006年度売上高は2005年度より5.8%増加し1,357.2百万米ドル。この増加は全ての営業部門での値上げ効果によるもの。フォーム製品及びカーペットクッション製品の販売量減が一部相殺。 |
営業利益 | 120.1 | 41.5 | 189.4 | 2006年度営業利益は前年度より78.6百万米ドル増加し120.1百万米ドル。営業利益率は前年度3.2%が8.8%へ改善、これは売上総利益の増加による。販売管理費は、2006年10月30日の破産裁判所によって承認された計画に基づく不良債権処理費の減少により相殺されて前年とほぼ同水準であった。2006年度には7.9百万米ドルの工場閉鎖に伴うリストラクチャリング経費が含まれているが、一方2005年度にはゴム及びフェルトのカーペットクッション事業の売却益と35.5百万米ドルののれん償却費損が含まれている。 |
自動車部品部門 | ||||
売上高 | 429.7 | 393.1 | 9.3 | 2006年度自動車用製品売上は前年より9.3%増加し429.7百万米ドルであり、これは主に販売単価の値上げと新規事業による販売増による。 |
営業利益 | 25.6 | 17.5 | 46.3 | 営業利益は前年より8.1百万米ドル増加し、5.6百万米ドル。これは主に製品単価の値上げ(2005年当初より上昇し続けている原材料費が一部相殺してしまったが)とメキシコ工場の生産性の向上による。 2005年度営業利益率4.4%に対し、2006年度は5.9%。 |
技術製品部門 | ||||
売上高 | 143.4 | 127.7 | 12.3 | 2006年度売上は前年より12.3%増加し143.4百万米ドルで、主に販売単価の値上げによる。新製品の売上増はその他部門の売上減により大幅に相殺されてしまった。 |
営業利益 | 38.5 | 32.7 | 17.8 | 営業利益は前年より5.8百万米ドル増加し38.5百万米ドル。売上増と製造コストの削減による収益増を原料費の値上がりが一部相殺した。営業利益率は2005年度25.6%に対し2006年度は26.9%。 |
工場リストラクチャリング
カナダ、トロントのフォームポアリング工場を含む2工場の閉鎖にかかわるリストラ経費は6.4百万米ドルである。177名の従業員解雇費用の準備金が含まれる。又、第2四半期におこなったフロリダ州オーランドのフォームポアリング工場の閉鎖及び78名の従業員解雇費用が0.8百万米ドルであった。残りの0.7百万米ドルのリストラ経費は消費者向け製品のいくつかの工場閉鎖によるものであった。
展望
2007年度第1四半期の家具、ベット及びカーペットクッションの需要は弱含みであるが、年間を通した営業利益は110百万米ドルを超えるものと予測している。2007年度償却関係経費は18百万米ドルの予想。この期間の事業投資は20百万米ドルから22百万米ドルを予定し、その内8百万米ドルから10百万米ドルは補修関係経費に、残りは生産効率の改善及び拡大のための投資に活用する予定。過去債務に対する金利負担は50百万米ドルから55百万米ドルかかる見込み。2007年度は繰越損失があり所得税の負担は発生しない。同社は負債を軽減し企業価値を高めるよう株主にコミットしており2007年度中には50百万米ドルの負債を返済する予定。
開発動向
米国ペンシルバニア州Eddystoneに主要研究開発施設を保有。
研究開発費
(単位:百万ドル) | 2006年 |
2005年 |
2004年 |
2003年 |
2002年 |
研究開発 | 3.2 | 2.3 | 2.8 | 3.6 | 4.8 |
製品開発と新製品導入
業界トレンドに対応した新製品の例
-熱成形ヘッドライナー
-3層ラミネート加工
-最新の裁断技術
-衝撃吸収材
内装ソフトトリムラミネート(Interior Soft-Trim Laminates)
内装用ソフトトリム製品向けフォームロール及びラミネートコンポジットの大手サプライヤーとしてシート用ラミネート、ヘッドライナー用ラミネート、バリアーコンポジット製品の全般を生産。
Qylite防音ソリューション
特許化学組成及び処理技術による軽量な防音素材。車内の騒音レベルを低下することにより、より快適な運転環境を提供する。
多様な素材構成により騒音吸収、バリアー/ディカプラーシステム、シーリングなどの異なった防音要求に対応。
それぞれの素材は組立て及び後処理技術によりさらに効果を高めること、並びにフレームラミネーション技術によって生産された多層コンポジット内のその他素材との相乗効果も可能であるとしている。
製品応用例は以下の通り
-ダッシュボート遮音材(柔軟、熱成形性、SMT、回旋状、EA)
-ボンネットフード遮音材(熱成形性又はSMT、金型切抜き加工)
-フロアーカーペット下敷き(SMTディカプラー/吸収材)
-ドアーパネル吸収材
-ヘッドライナーラミネート吸収材
-シートストレーナー/バリアー/ディカプラー又は吸収材
-荷室防音部品
-クオーターパネルトリム吸収材
現行のQylite製品タイプ
-Qylite 100V: 極めて軽量で、柔らかいポリウレタンダッシュ遮音材ディカプラー素材。特許VPF生産工法及び特許化学配合によって生産。
-Qylite 250V: 熱可塑性ダッシュ遮音材、特許VPF工法で生産
-Qylite 400: 廉価な高性能吸音材
CustomFit Headliner Cores: "CustomFit"のポリウレタン・フォーム技術はヘッドライナー製品の基盤技術で(特許)、熱成形ヘッドライナーの芯として使われる自動車の内装用3層ラミネート加工ヘッドライナーに用いられてる。ポリエチレン、繊維、カプセル化したファイバーグラスの層からなる"CustomFit"は、従来のファイバーグラス・ヘッドライナーより軽量で加工しやすく、組付けの簡略化に貢献。"CustomFit"によりデザインの柔軟性と騒音、振動の低減も実現でき、多様化した自動車のルーフラインに対応。
Energy Absorbing Foams (衝撃吸収フォーム): ドアーパネル(側面衝突時の衝撃吸収)、インパネ(ニープロテクション)等に使用。
成形シートパッド
自動車シート製品向けの成形フレキシブルフォーム全般を生産。
製品例
-クッション
-シートバック
-アームレスト
-ヘッドレスト
二重密度/二重ILDフォーム注入、インサート成形、自社内の材料調合設備と研究所設備を保有。
技術グループ(ペンシルバニア州Eddystone)は化学合成ノウハウを保有し、家具及びベッド業界で培った経験をシート製品の快適性向上に活用する。
CPC(Continuous Platform Cutting):自動車のフロアー形状に合わせたフロアーカーペットのウレタンフォーム一体成形技術(特許)、耐久性、遮音性、組付性を向上
Lear社を通じてGeneral MotorsのBuick Rendezvous(2001年より)とPontiac Aztek(1999年より)にこの技術を利用したカスタム仕様の床下敷きを供給。
SMT(Surface Modification Technology):パターンタイプ等異なる表面形状特性をもつフォームを一体成形する技術(特許)、カーペットに使用され軽量化、遮音性を向上。
Smoothbond:ホンダのニーズにより特別開発された、VPFを元にした全く新しい特徴と質感を実現する技術。表面の品質と座り心地を向上するためのシート包装技術に用いられるシワ防止加工済みフォーム。ホンダ車全般および他社製品にも応用が期待される。
VPF (Variable Pressure Foaming) : 可変圧力成形。VPFは環境にやさしく、さまざまな密度と硬度でポリマー製品化できる他社には真似のできない技術。成形過程においてフロンガスと環境に影響を与える排出物を全廃。排出ガス規制に準拠。