Tenneco Inc. 2012年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ドル)
  2012年
12月期
2011年
12月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 7,363 7,205 2.2 1)
純利益 304 183 66.1 -
北米
売上高 3,735 3,426 9.0 2)
欧州、南米、インド
売上高 2,921 3,169 (7.8) 3)
アジア太平洋
売上高 908 804 12.9 4)

要因
1) 全社
-2012年12月期の売上高は、前年の7,205百万ドルから2.2%減少の7,363百万ドル。為替効果と触媒担体の売上を除いた場合の売上高は、前年の5,527百万ドルから411百万ドル増加の5,938百万ドルとなった。自動車メーカーの生産量増加、北米におけるアフターマーケット市場の売上増加および商用車事業も堅調に推移したことが主な要因。

2) 北米
-2012年12月期の北米事業の売上は、OE事業およびアフターマーケット事業ともに堅調であったため、前年比で増加。北米のOE事業の売上高増加の主要因は、同社が製品を供給している自動車の生産量増加が挙げられる (254百万ドル)。さらに、商用車事業の増加分も寄与した。一方、為替差損によりOE事業は1百万ドル相殺された。

3) 欧州、南米、インド
-2012年12月期の売上高は、為替差損、欧州のおけるOE事業・アフターマーケット事業の売上減少、南米における生産量減少により、前年比で減少した。為替差損を除いた場合、欧州OE排気コントロール事業の売上高は前年比で増加。同社が製品を供給している自動車の生産量の増加、および商用車向け受注の増加が売上高を73百万ドル押し上げた。欧州OEライドコントロール事業に関しては、為替効果を除いた場合、生産量の減少により前年比で28百万ドル減少。

-2012年に北米の小型乗用車の生産量が前年比で1%増加したのに対し、インドの生産量は同5%増加。為替差損を除外した場合、南米・インドの売上高は前年比で増加。南米における製品価格の上昇およびインドにおける生産量の増加が売上高を27百万ドル押し上げた。一方で、南米の生産量減少により一部相殺。

4) アジア太平洋地域
-2012年12月期の売上高は、アジアにおける売上が増加したため、前年比で増加。主に、中国において同社の製品を搭載している車両の生産が著しく増加したことが主な要因 (120百万ドル)。一方で、オーストラリアにおける自動車生産量の減少が5百万ドル売上を押し下げた。

受注

-Scaniaグループにディーゼル排気後処理システムを納入すると発表。このシステムは、2013年施行の「Euro 6」に先立って欧州仕様の大型オンロードトラックに採用されるもの。同社がScaniaからオンロード車向けに受注したのは今回で2度目。同社は現在、Scaniaに「Euro 5」対応の後処理システムを納入しており、この南米向けのシステムはブラジルのSao Paulo工場で生産されている。なお、「Euro 6」対応の後処理システムの生産は、ドイツEdenkobenにあるエミッションコントロール製品工場で行う予定。(2012年11月9日付プレスリリースより)

-中国で販売されるFordの2012年型コンパクトカー「Focus」に、エミッションおよびライドコントロールシステムの主要部品を納入すると発表。供給する部品は、コールドエンドエキゾーストシステムのほかフロントおよびリアショックアブソーバー。エキゾーストシステムの生産は中国の重慶工場で、ショックアブソーバーは北京工場で行う。また、ドイツのEdenkoben、ベルギーのSint Truiden、米国ミシガン州のMonroeとGrass Lakeにある技術センターでは、「Focus」向けにエンジニアリングサポートおよびシステム統合を行う。なお、同社は、米国・欧州・南アフリカ・メキシコ・ロシアなどの主要市場において、「Focus」のプラットフォームに関するグローバル規模での生産・エンジニアリングに貢献している。(2012年10月18日付プレスリリースより)

-Ford 「Escape」の2013年新型モデルにライドコントロール製品を供給すると発表。2012年6月より米国ケンタッキー州のLouisvilleにあるFordの組立工場に向けて、フロントストラットおよびリア用モノチューブショックの供給を開始する。リアショックの生産はカナダ・オンタリオ州のOwen Sound工場で行い、ストラットはメキシコのCelaya工場で生産する予定。(2012年6月13日付プレスリリースより)

工場閉鎖

-スウェーデンVittarydにあるエミッションコントロール製品の生産工場を閉鎖すると発表した。欧州での市場低迷により、アフターマーケット向けエミッションコントロール製品の売上が悪化したことに伴うもの。2013年の第3四半期に閉鎖する予定。現在、同工場では約120名の従業員を雇用しているが、年内にフランスLaval、ドイツEdenkoben、スペインValencia、ポーランドRybnikの各拠点へ生産を移管する計画。なお、同社は今回の閉鎖が完了する2013年末以降に、年間4百万米ドルのコスト削減を見込んでいる。(2012年9月13日付プレスリリースより)

見通し

(単位:百万円)
OE事業 予想売上高
2013年 6,400-6,800
2014年 7,200-7,700
2015年 8,300-9,000
2016年 9,000-10,000
2017年 10,000-11,000

開発動向

研究開発費

(単位:百万ドル)
  2012年12月期 2011年12月期 2010年12月期
合計 126 133 117

-2012年12月期は、研究開発費126百万ドルの内、13百万ドルを新規および未確立の製品・工程技術の研究・設計・開発に投じた。同92百万ドルは既存製品および車両プラットフォームの製造工程のエンジニアリングコストに使用された。残りの金額は既存製品および製造工程の改善・強化に投下された。

研究開発拠点

排気ガスコントロールシステムズ
-エンジニアリング、テクニカルセンターを4拠点保有。その内、3拠点はライドコントロールシステムズと共有。

ライドコントロールシステムズ
-エンジニアリング、テクニカルセンターを7拠点保有。その内、3拠点は排気ガスコントロールシステムズと共有。

設備投資

設備投資額

(単位:百万ドル)
  2012年12月期 2011年12月期 2010年12月期
北米 122 88 59
欧州、南米、およびインド 88 95 66
アジア太平洋 53 35 29
合計 263 218 154

設備投資額見通し

-同社は2013年12月期の設備投資額は260-270百万ドルと予想。

海外投資

<日本>
-同社は日本初の生産拠点「大阪工場」 (大阪府佐野市) で操業を開始、エミッションコントロールシステムの製造を始めたと発表した。まず農工機器のクボタ向けに供給をスタート、今後商用車向けのディーゼル酸化触媒やディーゼルパティキュレートフィルターなど各種のディーゼル後処理システムを製造する。工場開設に関し日本法人のテネコジャパンでは「すでに確立している製造体制をさらに強化するもので、日本の顧客に対する我々の取り組みを示したもの。優れたエンジニアリングサポートとともに、今後も日本国内の事業を強化していく」 (ジェフ・ジャレル社長) としている。(2012年9月29日付日刊自動車新聞より)