BorgWarner Inc. 2018年12月期の動向
業績 |
(単位:百万ドル) |
2018年 12月期 |
2017年 12月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 10,529.6 | 9,799.3 | 7.5 | 1) |
営業利益 | 1,189.9 | 1,072.0 | 11.0 | 2) |
エンジン部門 | ||||
売上高 | 6,447.4 | 6,061.5 | 6.4 | 3) |
ドライブトレイン部門 | ||||
売上高 | 4,139.4 | 3,790.3 | 9.2 | 4) |
要因
1) 売上高
-2018年12月期の売上高は前年比7.5%増の10,529.6百万ドル。為替および買収・売却の影響を除いた売上高は、前年比4.8%増。
2) 営業利益
-2018年12月期の営業利益は前年比11.0%増の1,189.9百万ドル。売上総利益の減少の一方、販売費及び一般管理費、その他の費用が減少したことで営業利益は増加となった。
3) エンジン部門
-2018年12月期のエンジン部門の売上高は前年比6.4%増の6,447.4百万ドル。為替の影響及び買収・売却を除くと、前年比3.6%増。世界商用車市場の好調、またライトビークル向けターボチャージャー、サーマル製品、エンジンタイミングシステムの売上増が寄与した。
4) ドライブトレイン部門
-2018年12月期のドライブトレイン部門の売上高は前年比9.2%増の4,139.4百万ドル。為替の影響を除くと、前年比6.8%増。全輪駆動 (AWD) システムとトランスミッション部品の売上増加が貢献した。
事業提携
-2018年9月、未来のスマートシティ向け交通モデルの確立に向け、中国の威馬汽車 (Weltmeister Motor Technology) と、3年間の戦略的提携を締結したと発表。BorgWarnerは、先進の電気推進技術や、電動ドライブモジュール(eDM)を含む効率的な電動化システムなどを幅広く提供。eDMは、威馬汽車の初の電気SUV「EX5」に供給される予定。(2018年9月25日付 プレスリリースより)
最近の動向
-2018年9月、コスト効率が良く、環境に優しい同社のREMANプログラムを紹介した。REMAN製品は、コスト意識の高い顧客に新品同様の性能と耐久性を提供する、BorgWarnerの厳格な品質基準に準拠した再生ソリューション。同社は、過去27年にわたって世界のさまざまな工場でターボチャージャーを生産しているが、この間、ターボチャージャーやベアリング、コンプレッサーハウジングなど、4.7百万のハウジングを再利用することで、1万4.300トンの鋳鉄と3,700トンのアルミニウムを節減。REMAN製品のラインナップには現在、ターボチャージャーとEGRバルブが含まれるという。(2018年9月11日付プレスリリースより)
受注
-特定車両モデルに供給している製品は以下の通り。
<エンジン部門>
製品 | 搭載モデル(エンジン) | 備考 |
R2S 2段ターボチャージィングシステム | BMW 「M5」, 「7 Series」 | 4 ターボチャージャー採用。低圧・高圧それぞれ2段階。 |
ウェイストゲートターボチャージャー | GAC Trumpchi 「GA8」, 「GS7」, 「GS8」, 「GM8」 | - |
R2S 2段ターボチャージィングシステム | BMW 「5 Series」, 「M5」 | 2段VTGターボチャージャー |
R2S 2段ターボチャージィングシステム | Mercedes-Benz 「S-Class」 | - |
6.35 mm サイレントオイルポンプチェーン | トヨタ 「Camry」 | NVH低減の2リンクプロファイルのデュアルリンクデザイン |
エンジンタイミングシステム | Renault 「Kwid」 | - |
エンジンタイミングチェイン、主にチェインテンショナー、ガイド、アーム、バランサーチェイン、バランサーテンショナー | 東風汽車・Renault 「Kadjar」 | - |
R2S 2段ターボチャージングシステム | Land Rover 「Range Rover Sport」, 「Discovery」 | VYG技術および水冷式コンプレッサーハウジング使用 |
ウェイストゲートターボチャージャー | ホンダ 「Civic」 | - |
ウェイストゲートターボチャージャー、VCT フェーザー, エンジンタイミングシステム | Ford 「F-150」 | 3.5L Fordエコブーストエンジンに使用 |
ファンおよびファンドライブ | Freightliner 「Cascadia」 | デトロイト DD13, DD15, DD16エンジンおよびカミンズ ISX15エンジンに使用 |
R2S 2段ターボチャージングシステム | 長城汽車 Haval 「H8」, 「H9」 | - |
EGRクーラー, EGRバルブ, 空気圧バイパスバルブ | Ford 「F-250 Super Duty」, 「F-350 Super Duty」,「F-450 Super Duty」 | Ford パワーストローク6.7L V8ディーゼルエンジンに使用 |
サイレントタイミングチェーン, ガイド, 油圧テンショナー, スプロケット, オイルポンプチェーンを含む完全エンジンシステム | GM Chevrolet 「Spark」, 「Cruze」, 「Malibu」 | 南米および韓国で製造される1.0Lおよび1.5Lエンジンに使用 |
サーモスタックバルブ | Fiat 「124 Spider」 | 冷却流量の管理によりエンジン温度を安定化するためにFiatの1.4L エンジンに使用 |
エンジンタイミングチェインドライブシステム | GAC Trumpchi 「GS4」 | 1.5Lエンジンに使用 |
カムトルク可変カムタイミング技術 | スバル 「Impreza」 | スバル 1.6- 2.0Lボクサーエンジンに使用 |
HY-VOチェイン | GM Chevrolet 「Volt plig-in hybrid」, 「Malibu hybrid」 | NVH低減のための2つのユニークなリンクプロファイル |
コンパクトなプラグトップイグニションコイル | 昌安 「CS75」 | 昌安の1.5Lおよび1.6Lエンジンに使われる複合材料から作られたもの |
サイレントチェイン | スズキ 「Solio」 | - |
フィルターセパレーター | ||
高電圧PTCヒーターテクノロジー | NIO「ES8」 | |
パッシブトーショナルアシストフェーザー(位相器) | 起亜「Forte」「K3」「Cerato」 | 現代自動車のエンジン「Gamma II」に使用 |
<ドライブトレイン部門>
製品 | 搭載モデル (トランスミッション) |
備考 |
NexTrac 全輪ドライブシステム | GAC Trumpchi 「GS8」 | 効率と騒音低減のサイレントチェーン技術 |
3L ガソリンエンジン用48-Volt マイルド ハイブリッドシステム |
Daimler含むグローバル自動車メーカーのモデル | eブースター電動コンプレッサーとiBAS統合ベルトオルタネーター使用 |
プリエンプティブ・オンデマンド・トランスファーケース | Range Rover 「Velar」 | モジュラーデザイン、軽量アルミハウジング、車両信号モニターなどが特徴 |
高電圧Hairpin 410 (HVH) 電動モーター | Scania 「Citywide」 ハイブリッドバス | 300kWと2,000Nmまで起こす650-Volt モーターとしての完全収納されたモーターあるいはローター/ステーターASSY |
トルクオンディマンド・トランスファーケース | FCA 「Dodge Challenger GT」 | センサー入力に基ずきトルクを再配分するビークルダイナミックコントロール技術活用 |
ハイスピードスターターモーター | GM Chevrolet 「Cobal」「Onix」「Spin」 「Montana」 | GM Brazilの1.0L, 1.4L, 1.8Lエンジンに使用 |
Dual Tronic クラッチ/コントロール モデュール |
長城汽車とWEYモデル | 長城汽車のウエットデュアルクラッチトランスミッションの品質改善のための高度なソレノイドバルブと摩擦材を使用 |
スプラグワンウェイクラッチ | FCA Chrysler 「Pacifica Hybrid」 | 電気あるいは伝達トルクを発生させる2次モーターを可能にさせる |
電気駆動コンプレッサーの48-volt eブースター | Daimlerを含む3 OEMのモデル | 燃料効率を5% - 10%改善 |
ねじり振動ダンパー統合のDual Tronic クラッチ/コントロールモデュール |
長安汽車 「Eado」, 「Eado XT」, "CS85" | - |
4WD トランスファーケース | 江西いすゞ 「Ruimai」 | - |
フィルターセパレーター | ||
電動ドライブモジュール | WM「EX5」 | モーターとトランスミッションを統合させることで軽量化および省スペース化を実現 |
電動ドライブモジュール | 長城汽車ORA「C30」 | |
電気油圧式AWDカップリング | Lynk & Co「01」 | 車両ダイナミックソフトウェアとECUを統合 |
電気油圧式AWDカップリング | VW「Crafter」 | |
可変ソレノイド、センターボルト油圧式コントロールバルブ | 起亜「Forte」「K3」「Cerato」 | 現代自動車のエンジン「Gamma II」に使用 |
電気機械式オンデマンドトランスファーケース | FCA「Ram 1500」 | |
トランスミッション「eGearDrive」 | 第一汽車 奔騰(Bestum)「B30EV」骏派(Junpai)「A70E」 | |
電動モーター「HVH250」、トランスミッション「eGearDrive」 | ふそう「eCanter」 | |
前輪駆動(AWD)カップリング | Volvo「XC40」 |
ー2018年10月、ある大手グローバル自動車メーカーに世界各地でEGRシステムを供給していると発表。同メーカーのエンジンに搭載されたBorgWarnerのソリューションは、複数のディーゼル車の窒素酸化物(NOx)排出量を削減し、欧州の排ガス規制基準Euro 6dといった最新規制への適合を可能にするという。BorgWarnerのEGRシステムは、排気ガスの制御可能な部分を給気に再循環することでNOx排出量を大幅に削減する、高効率でコスト効率に優れたエンジン内部のソリューション。高熱負荷に耐えうるこの一体型ソリューションは、冷却水の流量が非常に少ない条件下でも、効率性と耐久性能の向上を実現する。EGRモジュールは、EGRクーラー、バイパス、EGRバルブなど、さまざまな技術が1つのコンパクトなパッケージに統合されている。(2018年10月31日付 プレスリリースより)
ー同月、中国の自動車メーカー大手2社からハイブリッド車 (HV) 向けのオンアクシスP2ドライブモジュールと電動油圧制御ユニットを受注したと発表。2023年までに2社合計で18モデルに供給する。オンアクシスP2ドライブモジュールは、電動モーターを内燃機関とトランスミッションの間に配置した駆動部品。既存の車両プラットフォームと互換性を持たせることができるため、低コストで既存車種をハイブリッド化できる。ディスコネクトクラッチを含む最大三つのクラッチを統合可能とし、電気自動車走行用にシステムをエンジンから分離させ、燃費を向上できる。加えて湿式クラッチを駆動させる電動油圧制御システムを供給する。(2018年10月16日付日刊自動車新聞より)
ー2018年9月、欧州とアジアの主要OEMそれぞれ1社の計2社に、先進の高電圧クーラントヒーター (HVCH) を供給すると発表。2020年から量産を開始する予定。BorgWarnerのEV用サーマルマネジメントソリューション分野における幅広い経験が評価され、受注に至ったという。(2018年9月20日付 プレスリリースより)
ー2018年4月、Daimlerの欧州・中国市場向け新型直列4気筒エンジン「M260」と「M264」に、高度にモジュール化され、耐久性に優れたシングルスパークイグニッションコイル「90mJ」を供給すると発表した。ドイツと中国でそれぞれ2017年と2018年から生産され、Daimlerの量産向けガソリンエンジンと48Vハイブリッドシステムに供給される。BorgWarnerの同イグニッションコイルは、バッテリーの低い電圧をスパークプラグの点火に必要とされる最大4万Vの高電圧に変換する。双方向インターフェースとECU (電子制御ユニット) が特徴で、診断情報をECUに送って燃焼プロセスを最適化し、ガソリンとハイブリッドの両エンジンに対応したソリューションを提供するとしている。(2018年4月24付プレスリリースより)
ー2018年3月、Fordの複数の北米モデルに採用されている8速FWDミッドトルクトランスミッションに、スタート&ストップシステム向け油圧アキュムレーターおよびソレノイドバルブ「Eco-Launch」を提供すると発表した。「Eco-Launch」は、素早くスムーズな再スタートにより燃費効率の改善に貢献する。(2018年3月13日付プレスリリースより)
受賞
ー電気モーターやオルタネーター向けの「S-wind」高電圧ワイヤー加工技術が「2018 Automotive News PACE Award」を受賞したと発表。この技術により、最大350Vまでの高電圧電気モーターが量産可能になるという。すでに、現代自動車向けに同技術を用いた12Vオルタネーターが生産されているほか、2019年後半に主要自動車メーカーに採用される同社のP2ハイブリッド車向け電動モジュールに「S-wind」の300V電気モーターが投入される見通し。(2018年4月10日付プレスリリースより)
2019年12月期の見通し
-同社は、2019年12月期の本業による売上高を前年比ー2.5~2.0%の範囲と予想。99億ドル~104億ドルとなる見込み。
研究開発費 |
(単位:百万ドル) |
2018年12月期 | 2017年12月期 | 2016年12月期 | |
合計 | 440.1 | 407.5 | 343.2 |
売上に対する比率 (%) | 4.2 | 4.2 | 3.8 |
-上記3年間に研究開発費全体の5%を超える個別の研究開発案件はない。
-2019年12月期の研究開発費は売上高の約4%の約400百万ドルを計上する見込み。
研究開発拠点
-米インディアナ州ノーブルズビルにテクニカルセンターを新設したと発表。同州に設けていた複数のテクニカルセンターを新拠点に集約するとともに、試作、設計や試験能力の向上を図った。これによってハイブリッド車や電気自動車向けの製品開発を拡充する構え。新拠点では、モーターやオルタネーター、スターター製品に加え、さまざまなパワー・エレクトロニクス製品の研究開発、試験を行う。専用の音響測定室でNVH(騒音、振動、ハーシュネス)を評価するほか、金属材料の試験・分析や、3次元測定機による度量衝の確認もできる。従業員は新しいテクニカルセンターへの移動を4月から開始し、2020年までに完了する計画。 (2018年6月22日付日刊自動車新聞より)
研究開発活動
ー電動コンプレッサー「eBooster」とベルト駆動式モータージェネレータユニット(MGU)を組み合わせたソリューションを、デモカーに搭載して発表した。既存の推進システムに容易に統合でき、コスト効率に優れたこの組み合わせは、48V電動化に理想的という。エンジンのダウンサイジングやダウンスピーディング、ブレーキのエネルギー回生を組み合わせることで低速時のエンジントルク向上などを実現、燃費効率を大幅に改善できる。デモ車両の大型ピックアップトラックでは、再生エネルギーを回収し、さらなるトルクやより速いエンジン応答時間、エンジン停止オペレーションの拡大を提供するエネルギー効率の良い方法が紹介された。(2018年10月25日付 プレスリリースより)
ー米Silicon Valleyを拠点とするスタートアップ・エコシステム・アクセラレーターのPlug and Playと、米国を拠点とする世界最大級の資産運用会社Franklin Templeton Investments内の専門投資チームFranklin Venture Partnersと提携すると発表。先端技術への関与を深め、モビリティ分野におけるイノベーションを加速させるのが目的。今回の提携により、自動車産業内外の多くの初期段階にある技術やモビリティ企業に早期にアクセスできるようになるという。(2018年10月4日付 プレスリリースより)
ースウェーデンのArjeplogで開かれた毎年恒例の「Arctic Drive Winter Test」で、48Vの電源システム使用する自動車向けの最新の駆動システムの試験を実施した。BorgWarnerの48V駆動システムは、北極地方のような最も厳しい状況下でも自動車のけん引力や安定性の向上に貢献。Arjeplogでは、P2ハイブリッドモジュール、P3タイプのハイブリッド向け電動リアドライブモジュール(eRDM)、P4タイプのハイブリッド向け48VのeAWD電動モジュール、次世代の電気・油圧式AWDカップリングなどのテストも行われた。(2018年3月26日付プレスリリースより)
製品開発
「SIAT EXPO 2019」
-インドPuneで開催される「SIAT EXPO 2019」で自動車メーカーが将来の基準に適合するためのクリーンで高効率な製品の幅広いポートフォリオを出展すると発表。同社は排ガス再循環 (EGR)技術、先進的な排熱回収システム (EHRS)、可変タービンジオメトリー (VTG)ターボチャージャーソリューション、可変カムタイミング(VCT)テクノロジーなどを発表する。これらの製品により、BS-VI排ガス基準への適合支援を目指すという。(2018年12月19日付プレスリリースより)
「オートモーティブワールド2019」
-オートモーティブ ワールド 2019にて開催される「第10回EV・HEV駆動システム技術展~EV JAPAN~」において、同社の高効率なソリューションを展示すると発表。2050年までに内燃機関を段階的に廃止していくという日本の自動車メーカー各社および政府の決定を受け、新たな推進システムの必要性が高まる中、同社は統合ドライブモジュール「iDM」、高効率なP2オンアクシスハイブリッドモジュール、バッテリーやキャビンヒーターなどのサーマルマネージメントコンポーネントといった、乗用車および商用車向けの先進技術を発表する。今回の出展におけるハイライトの一つは、3つの異なるサイズ(iDM XS、iDM S、iDM M)で展開される「iDM」で、この一体型推進ソリューションには、統合パワーエレクトロニクス、効率的なバー巻線ステータ技術、パワフルなトランスミッションシステムが搭載されている。(2018年12月13日付プレスリリースより)
「CTIシンポジウム」
-2018年12月3-6日にドイツBerlinで開催されるCTIシンポジウムに、内燃機関車、ハイブリッド車、電気自動車 (EV) 向けの最新ソリューションを出展すると発表。シンポジウムでは、P2ハイブリッドドライブモジュールなどのクリーン・高効率技術やEV向け統合ドライブモジュール(iDM)に加え、モーターコントローラー「Gen5-S9」などのパワーエレクトロニクス製品も幅広く出品するという。(2018年11月29日付 プレスリリースより)
有機ランキンサイクル (ORC) 廃熱回収システム
-商用車向けとしては初となる有機ランキンサイクル (ORC) 廃熱回収システムを開発したと発表した。廃熱を電気エネルギーに変換する同システムは、3-5%の燃費向上を実現するという。BorgWarnerは、排気管と排気再循環(EGR)エバポレータ、排気フラップバイパスバルブ、タービンエキスパンダ、タービンエキスパンダ・パワーエレクトロニクス、コンデンサで構成されるシステム全体を生産・開発。燃費向上やCO2排出量の削減に貢献し、マイルドハイブリッド商用車をサポートする先進ソリューションを提供するとしている。(2018年9月13日付プレスリリースより)
高電圧クーラントヒーター
-バッテリー・キャビンヒーターシリーズの新製品として、高電圧クーラントヒーターを開発したと発表。バッテリーの作動温度を最適に保ち、バッテリーパック・セル内部の温度分布を均一にすることで、バッテリー性能を向上する。小型・軽量の新製品は、快適な車内温度と信頼性の高いバッテリーサーマルマネジメントに加え、ハイブリッド車や電気自動車 (EV) の航続距離延長も実現するという。(2018年9月12日付プレスリリースより)
デュアルボリュートターボチャージャー
-高い過渡応答特性が要求される乗用車用ガソリンエンジン向けにデュアルボリュートターボチャージャーを開発したと発表。新ターボチャージャーは、低速から加速する際に、きわめて短いエンジン応答時間を実現。デュアルボリュート構造によりエンジン排気脈動の完全な分離が可能になるため、従来のツインスクロールターボチャージャーと比べ、より多くの排出エネルギーをタービンホイール駆動に利用できるようになる。BorgWarnerは、ガソリンエンジン用デュアルボリュートターボチャージャー技術の開発を2012年に開始。現在、同社初の乗用車市場向けデュアルボリュートターボチャージャーを、OEM1社のフルサイズピックアップトラック向けに生産しているという。(2018年9月6日付プレスリリースより)
「IAA国際商用車ショー」
-ドイツHanoverで開催されるIAA国際商用車ショーに、ハイブリッド・電気商用車用ソリューションや、ガソリン・ディーゼル商用車用の最新技術を出展すると発表した。ハイブリッド・電気商用車用には、受賞歴もある最新の、電気モーター・オルタネーター用「S-wind」高電圧ワイヤー加工技術や、高電圧Hairpin (HVH) 電動モーターと先進の「eGearDrive」トランスミッションを組み合わせた電動ドライブモジュール(eDM)、高効率のパワーエレクトロニクスが特徴の統合ドライブモジュール(iDM)、エンジン冷却ソリューションにおける経験を活用したサーマルマネジメント・モジュラーシステム「48V eFan」などを出展。ガソリンやディーセル、マイルドハイブリッド車用には、電動コンプレッサー「eBooster」、車両のバッテリー再充電をアシストする「eTurbo」、燃費の向上や排出ガス低減に貢献するオーガニックランキンサイクル (ORC) 廃熱発電システムなどの幅広い製品を紹介する予定。(2018年9月4日付プレスリリースより)
ハイブリッド車・プラグインハイブリッド車用排熱回収システム (EHRS)
-ハイブリッド車・プラグインハイブリッド車用排熱回収システム (EHRS) の生産を年内に開始すると発表した。燃費を最大8.5%改善するとともに、ガス排出量を低減できる。北米の大手自動車メーカー製車両向けに生産を開始する。同システムは、排ガス再循環 (EGR) システムと排熱リカバリーシステム (WHRS) で構成する。冷間始動時に、EGRバルブを制御することにより排ガスを熱交換器に誘導し、サブシステム内の流体を加熱する。これにより、暖機時間を短縮し、燃費効率の改善とガス排出量の低減を両立する。(2018年8月1日付日刊自動車新聞より)
「北京モーターショー2018」
-中国・北京で開催される「北京モーターショー2018」に、ガソリン、ハイブリッド、電気自動車 (EV) 向けの幅広い製品を出展すると発表した。今回の出展は、「Steering to a New Era」がテーマ。ハイブリッド車向けP0とP2モジュール、電動/統合ドライブモジュール(eDM/iDM)、電気モーター、サーマルマネジメント技術、48V仕様の電動コンプレッサー「eBooster」、排熱回収システム (EHRS) に加え、2017年に買収した英国を拠点とするEV・HV車向けコントローラー、バッテリーチャージャーメーカーSevconのパワーエレクトロニクス製品も紹介するという。(2018年4月25付プレスリリースより)
「14th Auto Expo in New Delhi」
-インドNew Delhiで開催される「14th Auto Expo in New Delhi」で、自動車メーカーの排出ガス規制達成に貢献するシステムを幅広く披露すると発表した。燃焼エンジン向けには、エンジンの効率や性能を最適化し、排出ガスを削減する技術を紹介。48V仕様の電動コンプレッサー「eBooster」などのマイルドハイブリッド技術や、P3タイプハイブリッド向けサイレントチェーン、低圧EGRモジュール、電動ドライブモジュール(eDM)といったハイブリッド車・電気自動車(EV)向けシステムも紹介する予定。(2018年2月5日付プレスリリースより)
ハイブリッド車 (HV)向けトランスアクスル「P2 module」
-ハイブリッド車 (HV)向けトランスアクスル「P2 module」を北米国際自動車ショー (NAIAS)で発表した。「P2 module」は、必要なコンポーネントをコンパクトにまとめた先進ソリューション。純電気運転とストップ&スタートや回生ブレーキ、電気駆動などのハイブリッド機能の向上に貢献するほか、48Vマイルドハイブリッドにも従来の高電圧ハイブリッドにも搭載できる。(2018年1月16日付プレスリリースより)
特許
-2018年12月末時点、同社は6,930件以上の特許を保有および出願中である。
設備投資額 |
(単位:百万ドル) |
2018年12月期 | 2017年12月期 | 2016年12月期 | |
合計 | 546.6 | 560.0 | 500.6 |
売上に対する比率 (%) | 5.2 | 5.7 | 5.5 |
ー2019年12月期の設備投資額は、575百万ドルから625百万ドルの範囲となるとの見込み。
海外投資
<インド>
-インドKakkalur工場の拡張を完了したと発表した。インド市場の需要増やインドの排出ガス規制BS-VI基準に対応すべく、工場には、先進のエンジンタイミングと可変カムタイミング (VCT) システム向け最先端の生産ラインを導入、成長する東南アジアの自動車市場にも供給するとしている。工場は敷地面積4,023平方メートルで、エンジニアリング、マニュファクチャリング、オフィス、倉庫エリアがある。高度な技能を持つ社内エンジニアチームが設計から生産まで顧客をサポートし、生産の最適化や高性能なエンジンタイミング、VCTシステムを実現するという。拡張エリアでは、BorgWarnerはVCT技術向け生産ラインを稼働し、燃費や信頼性、エンジン効率の向上などで自動車メーカーをサポートするとしている。(2018年9月21日付 プレスリリースより)
<中国>
ー2018年8月28日、武漢市蔡甸経済技術開発区で新工場の開業式を行った。新工場は敷地面積4.86万平方メートルの生産、エンジニアリング、品質、販売、物流、総務・財務の業務を一体化した総合的な新しい生産拠点である。主に駆動モーター、P2モーター、コントローラと一体化した48Vスターターモーター、スターター、オルタネーター、その他の関連部品を生産する。BorgWarnerは2015年にRemy Electricals Hubei Co., Ltd.を買収し、2016年に既存のRemy Electricals武漢工場に生産ラインを増設する形で、武漢新工場の建設に着手した。新工場では300名余りの従業員を雇用したが、5年以内にこれを倍増する計画である。(2018年8月29日付けリリースより)
ー傘下のBorgWarner Emissions Systems (Ningbo) が、中国・浙江省江山市にサーマルシステムや排気システムの設計・生産工場を開設したと発表。敷地面積は5万平方メートル。建設プロジェクトの第1段階として、1万3,000平方メートルの生産施設が完成した。ガソリン・ディーゼルエンジン向けEGRシステム、イグニションコイル、排熱回収システム、高/低電圧エアヒーター、高電圧リキッドヒーターを生産し、中国国内の排気・サーマルマネジメントシステムの需要増に対応する。(2018年3月15日付プレスリリースより)
<タイ>
ータイ東部ラヨーン県のイースタン・シーボード工業団地に、ターボチャージャーの生産工場を開設したと発表した。新工場の敷地面積は6,500平方メートルで最新のターボチャージャーソリューション関連製品生産ラインを備える。同社はこの工場に4.38億タイバーツを投じ年間100万台のターボチャージャーを生産する。拡大する東南アジア市場およびそれに伴うOEMによる需要拡大に対応する狙い。(2018年3月8日付プレスリリース/2018年4月23日付 Bangkok Postより)