Autoliv, Inc. 2010年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ドル) 2010年
12月期
2009年
12月期
増減率
(%)
要因
売上高 7,171 5,121 40% 1)
営業利益 869 69 1159%  


要因

 1) 
エアバック
-エアバック製品の売上高は、企業買収による12ポイントの増加分も含め、前年比46%増の48億700万ドルとなった。このうち、本業の成長により同34%増となり、これは主要3カ国のLVP増加分よりも高い結果となった。

シートベルト
-シートベルト製品の売上高は前年比30%増の23億6400万ドル。企業買収による5%増、為替要因による1%が追加された。24%増にもおよぶ本業の成長分は世界のLVPの増加の影響によるもの。

企業買収

-同社は、エストニア子会社Aktsiaselts Norma (Norma)の株式を追加で取得し、出資比率が90%を超えると発表した。Autolivは2009年3月、同子会社を完全子会社する意向を表明している。(2010年4月15日付プレスリリースより)

-同社は、Delphiからパイロテクニック・セーフティースイッチ(PSS)事業の欧州資産を取得すると発表した。PSSは衝突事故の際にエアバッグ展開によ り作動する装置。バッテリーとスターター、オルタネーターなどを結ぶ回路を遮断することで、ショートを防ぎ発火などの可能性を軽減する。電気自動車やハイ ブリッド車では、回路配線や蓄電システムを保護する目的などで使用される。Delphiの同事業はDaimler、Audi、Porscheなどを納入先 としていた。今回の買収により、Autolivの2010年売上は約10百万米ドルの増加が見込まれている。なお、買収手続きは2010年4月末までに完了する予定。(2010年4月9日付プレスリリースより)

-同社は、Delphiから韓国と中国の乗員パッシブセーフティ(OPS)事業を買収した。この事業は現代、起亜、GM大宇、奇瑞汽車(Chery)、Tataなど を既存顧客としており、2010年の年間売上高は合計で約220百万ドルを見込む。Autolivは 2009年、DelphiからOPS事業の欧州資産および北米資産を取得済み。2010年1月には、同事業の韓国および中国資産を買収する意向を表明して いた。(2010年4月1日付プレスリリースより)

-同社は、Visteonのレーダーシステム事業を買収したと発表。ここ数年間、両社はレーダー分野で協力関係にあり、死角検知システム(Blind Spot Detection System)や後方通過車両の検知システム(Rear Cross Traffic Detection System)などを開発していた。(2010年3月4日付プレスリリースより)

-同社は、合弁会社「オートリブニチユ」の発行済み株式40%を取得し完全子会社化することで合意した。Autolivが日本に持つ5つの生産拠点のひとつで、 おもにエアバッグインフレーターを日本市場向けに生産している。会社名は、「オートリブ愛知」に変更される。年間の販売額は約3,500万ドルで、ほぼ全 量をグループ内の他社に販売している。(2010年1月20日付プレスリリースより)

開発動向

(単位:百万ドル) 2010年
12月期
2009年
12月期
2008
12月期
研究開発費 361 322 367

- 2010年度の研究開発費は361百万ドル。2008年度から367百万ドル、2009年度322百万ドルで推移している。
- 全世界で9カ国においてテクニカルセンターを所有

設備投資

単位(百万ドル) 2010年
12月期
2009年
12月期
2008年
12月期
設備投資費用 236 140 293
売上高比 3.3 2.7 4.5

設備投資

-同社は、中国上海のセーフティエレクトロニクスシステム・部品工場の拡張を開始した。4,000平方メートル拡大し、同社のエレクトロニクス製品の生産能力は 中国で50%、グローバルで15%増加する見込み。また、中国における年産能力は、エアバックECU 500万個、クラッシュセンサーユニット1,000万個を超える。今回の拡張には約1,300万米ドルを投資し、完了時には同工場に600名が勤務するこ とになる。なお、同社の売上と従業員のうち、中国が占める割合は現在12%で、これは2007年の4%、2009年の10%に比べて増加してい る。(2010年12月9日付プレスリリースより)

-同社は、ブラジルのサンパウロ近郊Taubateでエアバッグインフレーター工場の建設を開始した。新工場では主に運転席・助手席エアバッグ用インフレーター を生産。サイドインパクトおよびロールオーバーエアバッグ用のインフレーターの生産も増やしていく計画。工場建設には約8百万米ドルを投資する。 Autolivは現在、6ヶ国(中国、フランス、日本、ルーマニア、スウェーデン、米国)でインフレーターを生産しており、世界シェアの35%以上を占め ている。新工場の建設により、生産能力はグローバルで約7%増加する見込み。なお、ブラジルでは新法の施行により、新車への運転席・乗員エアバッグ搭載が 2013年までに義務付けられる。また2014年には、ブラジルで販売される全車両に前面エアバッグの搭載が必須となる。(2010年11月8日付プレス リリースより)

-同社はインドのMysoreにシートベルトウェビング工場の建設を開始した。初期投資額は約10百万米ドルで、ウェビングの年産能力は1億メートルの見込み。 この新工場建設により、Autoliv全社のウェビング生産能力は20%増加し、5億メートルに拡大する。現在、Autolivはウェビング工場をオラン ダ、ルーマニア、カナダ、中国、ブラジルに計5ヶ所保有している。生産されたウェビングは同社のシートベルト生産拠点のみならず、他社工場にも供給してい る。(2010年10月7日付プレスリリースより)

-同社はインドのBangaloreに新拠点を開設した。エアバッグおよびシートベルト工場と、安全部品関連のテクニカルセンターで構成される。2009年に同 社はインドでエアバッグの生産を開始。この新工場が国内2つ目の生産拠点となる。また、このテクニカルセンターはグループで9つ目、小型車向け安全部品に 特化した拠点としては3つ目となる。なお、2010年に同社はインドで100百万米ドル(前年比36%増)の売上を計画している。(2010年6月18日 付プレスリリースより)