Autoliv 2009年度の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ドル) 2009年
12月期
2008年
12月期
増減率
(%)
要因
売上高 5,121 6,473 (21%) 下記 要因 「売上高」をご参照ください。
営業利益 69 306 (78%)  

 

要因
売上高
- 2009年正味売上高は、対前年比21%減。これは、為替要因により4%減となり実質18%減。

- 実質18%の売上高減は、Autolivの全売上の80%以上を占める北米、欧州、日本の主要3大マーケットにおける小型車向けエアバッグ、シートベルトなどの全需の減少率13%を5ポイント上回った。

- エアバッグの正味売上高は、対前年比18%減。これは、主要3大マーケットの小型車向けエアバッグの全需26%下落が主な要因。 なお、その他地域でのエアバッグ売上高は少ないレベルから継続して伸長。

- シートベルトの正味売上高は、対前年比17%減。これは、グローバルでの小型車向けシートベルト需要の落ち込みを4ポイント上回った。 なお、北米、欧州 でのシートベルトはその他地域より高価なものが装着されており、対前年比でそれぞれ32%、19%の減となった。 なお、中国市場の好調がトータルでの対 前年比率下落を薄めた。

地域別
欧州
- 正味売上高の半分以上を占める欧州では、小型車生産対前年比21%減に伴い、実質売上高は前年比21%減。

北米
- 正味売上高の4分の1を占める北米では、実質売上高は前年度比18%減。北米の小型車生産台数は32%減となったが、新たにフォードF-series、 Chevolet Traverse, Equinox,トヨタRav4及びVenzaの受注獲得により売上高大幅減を免れた。


日本
- 正味売上高で10%近くを占める日本では、日本マーケット向け小型車生産の30%の減と、より厳しい安全対策要件が求められる北米、欧州向け車両の大幅生産減により、実質売上高は42%下落。

その他地域
- 売上の1/6以上を占める「その他地域」では、小型車生産台数は13%増に対し、実質売上高で対前年比+20%となった。これは、中国及びインドで売上高 がそれぞれ47%、17%増加したことが奏功。 なお、重要市場である韓国での小型車生産の8%減により中国、インドのプラス分の一部はオフセットされ た。

受注

- 2010年3月、ロシア市場にエストニアの子会社より自動車用安全部品を供給しているほか、Volvo向けにシートベルトを供給。(2010年3月1日付プレスリリースより)

- 2009年12月、Daimler「smart」向けセーフティ部品を新規受注した。この受注により、2010年売上高は約15百万ユーロ上乗せされる見込み。(2009年12月7日付プレスリリースより)

企業買収

Visteon
- Visteonのレーダーシステム事業を買収したと発表。(2010年3月4日付プレスリリースより)

Delphi
- Delphiから韓国と中国の乗員パッシブセーフティ(OPS)事業を買収する。この事業は現代・起亜自動車グループ、奇瑞汽車(Chery)、Tata などを既存顧客としており、2010年の年間売上高は合計で約250百万ドルを見込む。2010年3月末までに買収を完了する見込み。Autolivは 2009年第4四半期に、DelphiからOPS事業の欧州資産および北米資産を取得した。(2010年1月28日付プレスリリースより)

- Delphiのパッシブセーフティシステム事業の北米資産を取得する。このうち、Delphiのシートベルト事業とエアバッグ事業は、数ヶ月以内に Autolivの拠点に統合される計画。また、AutolivはメキシコMatamorosのステアリングホイール事業も買収する。両社はこれらの事業に おいて、GM、Hyundai、Ford、Daimler、Navistarなどを既存顧客としている。今回の買収により、2010年の売上高は3事業合 計で約125百万ドルに拡大する見込み。なお、買収手続きは年内に完了する見通し。(2009年11月17日付プレスリリースより)

オートリブニチユ

- 合弁会社「オートリブニチユ」の発行済み株式40%を取得し完全子会社化することで合意した。Autolivが日本に持つ5つの生産拠点のひとつで、おも にエアバッグインフレーターを日本市場向けに生産している。会社名は、「オートリブ愛知」に変更される。年間の販売額は約3,500万ドルで、ほぼ全量を グループ内の他社に販売している。(2010年1月20日付プレスリリースより)

エストニアのAktsiaselts Norma (Norma)

- エストニアのAktsiaselts Norma (Norma)を完全子会社化する意向を明らかにした。現在の出資比率は51%で、残る全株式を総額約50百万米ドルで買い付ける案をNormaに提示している。(2010年3月1日付プレスリリースより)

リストラクチュアリング

- グローバルな事業再編の一環として、4拠点を閉鎖すると発表した。メキシコでは、ステアリングホイール事業統合のため、Queretaro工場での生産を Matamoros工場に移管する。既に移管手続を開始しており、数ヵ月以内に完了する見込み。フランスでは、2009年1月に国内部品メーカーNPCか ら取得したスチール製プレス部品工場を、2010年初旬に閉鎖する。また、チュニジアのシートベルト工場を閉鎖し、生産の大半をトルコに移管することを決 定。さらに、ドイツにあるステアリングホイールの物流センターを閉鎖する。これら一連の計画に伴い、800人以上がリストラ対象となる。(2009年12 月21日付プレスリリースより)

開発動向

(単位:百万ドル) 2009年
12月期
2008
12月期
2007年
12月期
研究開発費 322 367 396

- 2009年度の研究開発費は322百万ドル。うち80%は開発中の新モデルにかかわる受注済のプロジェクト/プログラム向け。残り26%は革新的な新製品の開発だけでなく既存製品の改良、標準化、コスト削減に向けた取り組み。

研究開発体制

- 全世界で9カ国においてテクニカルセンターを所有
-3,600名(全従業員の約10%)のエンジニアと関連要員が研究開発およびエンジニアリングに従事。

中国にテクニカルセンター新設
2009年、中国上海市で大型のテクニカルセンターをオープン。200名のエンジニアが働く。

研究開発

アルコールセンサー研究
米国高速道路安全 局(NHTSA)などが助成する、アルコールセンサー研究のプロジェクトメンバーに選定された。同社は赤外線分光技術を使用し、運転者周辺のアルコールを 検出するセンサーを開発する計画。開発に際して、スウェーデンのセンサーメーカー2社(SenseAir AB、Hok Instrument AB)と協力する。(2009年12月10日付プレスリリースより)

シートベルト用「プリ・プリテンショナーシステム」
シー トベルト用「プリ・プリテンショナーシステム」の新製品を開発した。このシステムは、1次衝突時にシートベルトを巻き取って乗員を固定することで、2次衝 突に際してエアバッグやシートベルトによる保護をより効果的なものとする。圧縮空気モーターの使用により、従来の電動式機構に比べて2倍以上の張力を発揮 する。(2009年6月16日付プレスリリースより)

設備投資

単位(百万ドル) 2009年
12月期
2008年
12月期
2007年
12月期
設備投資費用 140 293 324
売上高比 2.7 4.5 4.8

- 設備投資は、売上高の約4%程度とし2010年においては、200百万ドルから250百万ドルの範囲内とする予定。

国内投資

スウェーデンのVargardaにプリクラッシュセーフティおよびアクティブセーフティシステムの試験施設を開設した。レーダー、レーザー、ビジョンセンサーをベースとした色々なシステムの試験・評価を行う。(2009年10月26日プレスリリースより)

海外投資

日本
オートリブ・ジャパンは、筑波工場お よびテクニカルセンターを拡張する。この拡張に合わせて、藤沢の借り入れ工場で行っているシートベルト生産および開発を筑波に移管する。筑波では現在、エ アバッグ事業を行っており、今回の移管と合わせて筑波は自動車拘束安全技術の統合的フルサポート拠点となる。工場の面積は7,400平方メートル追加さ れ、既存と合わせた総面積は2万平方メートル近くになる。今回の拡張および移管・統合作業は、2010年第3四半期に統合する見込み。(2010年1月 22日付プレスリリースより)