Mecaplast S.A.M. 2013年12月期までの動向

ハイライト

近年の動向

業績

-2012年12月期の売上高は662百万ユーロで、前年比4.3%の減少。
-売上の地域別比率は、フランス/モナコが53%、海外が47%。
-売上の部品別比率は、車体部品が65%、エンジン部品が35%。

海外拠点

<2012年>
-2012年、セルビア (Zrenjanin) と中国 (煙台) に各1工場を、トルコ (Gebze) に技術センターを新設。中国北部と米国に合弁会社を設立する方向で交渉中。

受注

<2012年>
-2012年、セルビアの新工場よりFiat 「500L」 (開発コード330) 向けに以下の部品を供給。
外装:Aピラー、Bピラー、Cピラー、カウルグリル、トランクライトフィニッシャー、テールゲートトリム、ボディサイドモールディング
内装:Aピラー、Bピラー、Cピラー、パッケージトレイサポート、テールゲートトリム
エンジン:エアフィルター

<2010年>
-2010年、車体関連部品をRenault 「Megane Coupe Cabriolet」 に供給する。製品の開発はフランスのIzernore拠点が担当した。同国の4工場 (Vire工場、Sainte Marguerite工場、Precigne工場、Strasbourg工場) で2010年1月から生産を開始している。生産数量は1日当たり160台分の予定。「Megane Coupe Cabriolet」は、2010年ジュネーブモーターショーで発表された新型車。 (2010年3月5日付プレスリリースより)

-2010年、Dacia 「Duster」 に、インジケーターストリップ、フロントロアーパネル、アルミ製ルーフキャリアを供給する。製品開発はフランスIzernore、同Vire、トルコGebze拠点で行った。2010年1月からGebze工場で生産を開始しており、生産数量は1日あたり230台分の予定。Vire工場でルーフキャリアを製造し、Gebze工場で樹脂製フットの取付けを行う。同社がRenaultグループの車種に樹脂製フット付きルーフキャリアを納入するのは、今回が初めて。なお、「Duster」は2010年ジュネーブモーターショーで発表された新型SUV。 (2010年3月5日付プレスリリースより)

<2009年>
-2009年、Citroenの「C3 Picasso」にカウルおよびドアプロテクションストリップを供給していると発表。カウルはチェコZebrak工場で、ドアプロテクションストリップはチェコPardubice工場で製造している。この車両は2015年まで生産される予定。 (2009年3月16日付プレスリリースより)

<2008年以前>
-2008年、同社製の部品を装備したプリンスエンジンが、1.4-1.8Lクラスで「エンジンオブザイヤー2007」を受賞。同エンジン系列のこの新型1.6L直噴ターボエンジンは、BMWの新型「Mini」、PSAの「207」「308」に搭載されており、同社では同ガソリンエンジン向けにエアフィルター、シリンダーヘッドカバーなどを提供している。 (2008年5月21日付プレスリリースより)

-2007年1月、PSA Peugeot-Citroen 「C4 Picasso」 の7シーター仕様車に内外装およびエンジン関連部品などの多くを供給していると発表。

-2006年1月にPeugeot 「308シリーズ」 の「SW」「ワゴン」両モデルの車体関連部品を受注して以降、樹脂製、繊維製それぞれ約30品目のトランクルーム部品を納入している。この売上は、樹脂製部品が年間約4百万ユーロ、繊維製部品が6.5百万ユーロとなっている。これらの搭載モデルは 2013年まで生産される予定。 (2008年7月7日付プレスリリースより)

-2005年3月、トヨタ・プジョー・シトロエン・オートモービル (TPCA) が生産する「Aygo」、Peugeot 「107」、Citroen  「C1」のエンジン部品およびインテリアトリムを受注したと発表。今回受注したのは、ディーゼルエンジン部品、ガソリンエンジン部品、インテリアトリムで、それぞれフランスのLens、ポーランドのTBMECA (トヨタ紡織デンソーとの合弁会社)、チェコのZebrakおよびPardubiceで生産される。

合弁会社

-2012年12月、トヨタ紡織、デンソーとポーランドで運営するフィルター、パワートレーン機器の合弁会社TBMECA Polandの保有株式50%のうち24.9%をトヨタ紡織に売却。これによりトヨタ紡織ヨーロッパの出資比率が取得前の30%から54.9%に上昇し、トヨタ紡織ヨーロッパがTBMECA Polandの経営権を握る形となった。

-2004年、中国のHuaxiangと折半出資の合弁会社を設立。

-2003年12月、トヨタ紡織デンソーと3社で、ポーランドのレグニッツァ市においてエンジン関連部品の生産会社ティービーメカ・ポーランド (TBMECA Poland Sp. Zo. O) を設立すると発表。2003年10月に単独で設立した新会社へ、2004年2月を目途にトヨタ紡織とデンソーが追加出資する。追加出資後の資本金は、3百 万ユーロ、比率はトヨタ紡織30%、デンソー20%、Mecaplast 50% となる。生産品目は、シリンダヘッドカバー、インテークマニホールド、エアフィルタ、オイルフィルター、その他エンジン関連部品。主にトヨタ自動車の欧州 拠点へ納入する。生産開始は2004年12月の予定。

買収

-2003年3月、フランスの商業裁判所の承認を受けて、フランスの自動車部品メーカーAries (2002年11月25日に財産管理下) を買収すると発表。Ariasのフランス5拠点、スペインをのぞく海外の全拠点を取得。Arias従業員2,000名の内約90%を引き受け、Paris郊外Poissyの本社の従業員の約50%を再雇用する。また、フランス南東部Izernoreの拠点を閉鎖し、生産を他拠点に移管する予定。

-2002年、NEYRグループを買収。NEYRは自動車用、コンピューター関連、家庭用電化製品、エレクトロメカニカル産業向けプラスチック射出成形部品に特化した仏企業。1979年設立。1999年度の売上高は16.5億フランで、うち自動車部門の売上比率は75%。

受賞

-2013年7月、インドのChennaiにある子会社Mecaplast Indiaが、トヨタより「Innovation Award」を受賞した。同社のシリンダーヘッドカバーの開発が評価されたもの。

開発動向

研究開発体制

-2013年、約300名のエンジニア・技術者が在籍。

-2013年の売上高に占める研究開発費比率は4.5%。

-2013年、3つのスキルセンター、1つのアコースティックセンター、10の技術センターを持つ。

-3つのスキルセンター (Monaco、Lens、La Braconne) は、製造ユニットをターンキーでプロジェクトのフォローアップを実施。顧客の言語でアプリケーション開発が効率的にできるように、各開発センターと顧客企業、サプライヤーとの間のデータ処理をリンクしている。

-さらにこれらの拠点およびLensのエンジン実験センターによって納品前にコンセプトを検証することができる。加えて、Critt M2A (エンジン性能および防音管理) およびCAH (自動車、インテリア、防音) の2つの国立技術センターと提携を結び、それらの施設の使用権を入手。全ての技術的工法は、現行の最も厳しい品質基準を満たす厳密なプロジェクト管理方法によって管理されている。

研究開発活動

-2013年に進行中の活動
  • 軽量化: 新素材、新インジェクションプロセス、新デザイン手法の採用。 (ALMA, PLUME, ENJOYプロジェクト)
  • リサイクル材料の使用: PP, PA等の材料のリサイクル率17%。 (RECYCLONプロジェクト)
  • エンジン部品製造工程の清潔化
  • 材料の標準化
  • トラック向けの製品開発
  • 電気自動車向け熱可塑性電池ラックの開発 (OPERA4FEV)
-2011年9月、共同プロジェクト「OPERA4FEV (OPerating Energy RAck For Full Electric Vehicle) 」を開始した。EV用熱可塑性電池ラックの開発を目的とする。このプロジェクトには、Centro Ricerche FiatやFAM Automobilesなど、欧州5カ国から9企業が参加している。2011年9月から開始したプロジェクト期間は42カ月で、予算は7百万ユーロ。Fiatの大型車およびFAM「F-City」のデモカー向けに、熱可塑性電池ラックを開発する。主な課題には、部品数の50%削減や電池セル以外の部品の30%軽量化などが含まれる。 (2011年9月29日付プレスリリースより)

-2007年10月、新開発のFilleas (軽量の拡張型防音システムに開発した特定の繊維を中心とした素材)、乗り心地性と騒音の減少を目的とした防音ソリューションを発表。Filleasは繊維およびリサイクルされた固体粒子の混合物で構成された環境にやさしい素材を使用。材料には、使用済タイヤ、自動車の廃材、さまざまな産業廃棄物、リサイクル衣料品などが使われている。リサイクル材料の中では大きな比率を占めており、重量ベースでは最大95%に達する。また、このFilleasは防音ソリューションにすぐれた技術が適用されており、外部騒音の車内への遮断および車内の騒音の吸収が同時に可能としている。

-2006年12月、新技術として3D塗装を発表。自動車メーカーへ新しいデザインを提供する。原理は塗装工程における懸濁磁気粒子がその磁場の影響を受けることにより、パターンの方向転換や新規形成を可能とする。この漸進的変化により奥行き効果がもたらされることにより、凹凸のある印象と3次元的イメージがつくられる。パターンにはいくつかの形と色彩がある。

-2006年4月、プリンス・エンジン系列の新規追加を発表。新機種は、BMWやPSAと共同開発した5機種で構成されており、2社のモデルに搭載されるエンジン。同社は、これらのエンジンの樹脂部品を製造する企業として指名され、140馬力 (P105型エンジン) と170馬力 (P125型エンジン) のターボエンジン用のエアインテーク部品を製造担当する。生産は、同社のフランスLensとVillers-Bretonneuxの工場で2006年第1四半期より開始。工場では2種類の製造方式を採用。マニフォールド生産には赤外線溶接 ("freeweld") を、そしてカムオーバー生産にはガス圧入方式を採用する。

設備投資

海外投資

<英国>
-2013年、英国のPeterlee工場を拡張。

<セルビア>
-2011年11月、セルビアのZrenjaninに新工場を開設すると発表。Fiatの小型車向けに、内装・外装・エンジン部品の開発および生産を行う。面積3,200平方メートルの他社の既存工場を使用し、2,500平方メートルのスペースを増設する。2011年6月にスペースの建設を開始しており、生産開始は2012年5月の予定。なお、同社は中欧において計3工場を展開中。チェコにZebrak拠点とPardubice拠点、ポーランドに合弁でLegnica拠点を保有している。

<中国>
-2014年、中国 (瀋陽, Shenyang) に工場を開設。

-2012年、中国 (煙台, Yentai) に工場を開設。

-2010年、中国における事業計画を発表。現時点で40百万ユーロ程度の年間売上高を、2014年までに100百万ユーロに拡大する。これは同社グループ全体の売上高の20%を占める見込み。同社は1997年、武漢に合弁工場を設立することで中国市場に進出。2002年には上海に工場と技術センターを開設した。今後、第3の生産拠点を中国南部に、第4拠点を北部に建設する計画を持っている。Mecaplastは中国において、主にエンジン部品(吸気ライン、カムカバー、マニホールド)を生産している。主要顧客は上海汽車 (SAIC)、上海GM (SGM)、神龍汽車 (DPCA) など。また、内装トリム、コンソール、カウルグリルなどの車体製品も製造している。

-2005年7月、中国上海市の新工場が竣工。工場は同社の中国本社と同じ敷地内に建設され、2006年中には60品種以上の部品生産を行う予定。既存の中国Ya Zhongとの合弁会社、武漢Mecaplast (シェア70%) とともに、アジアでの事業を強化する計画。

<インド>
-2010年、インドChennaiに新会社Mecaplast India Pvt Ltd.を設立。同社にとってインド初の生産拠点となる。この工場はFord、Renault-Nissan、BMW、現代自動車の拠点から近い場所にあり、従業員数は40人。エンジン、ボディ等の樹脂部品を製造し、インド国内のほか、海外市場の需要に対応。すでに、Fordの「DV4」エンジン向け樹脂部品 (カムカバー、インテークマニホールド、エアフィルター、レゾネーター、ディーゼルフィルター、ベルトカバー) の生産を開始している。同拠点の売上高は今後2年で倍増する見込み。(2010年6月14日付プレスリリースより)

<米国>
-2006年12月、デトロイト近郊に事務所を開設。同社はメキシコとブラジルに生産拠点をもつが、この新事務所は米州で3番目の拠点となる。この設立により以下の事業を行う計画。
1. GM向けの部品を製造。GMX 381とEpsilon 2用エアフィルターとクリーンサイドホース、GMT 166/381用インテリアトリムなど。
2. 米国にある既存工場と連動し、顧客との業務提携を発展させ、北米や南米での販売量を増加する。
3. 米州地域でのプロジェクト推進を目的とした技術部門を立ち上げる。

<日本>
-2006年初頭、日本の自動車メーカーとの関係を推し進める目的で東京にMecaplast Japanを開設。既存顧客であるトヨタ、日産、ホンダ、三菱、いすゞとの関係をより強化する。加えて、スズキなどのメーカーと新たなる取引関係構築に取り込む。