Hanon Systems Corp. (旧 Halla Visteon Climate Control) 2015年12月期の動向

業績 (連結)

(単位:百万ウォン)
2015年
12月期
2014年
12月期
増減率 (%)
売上高 5,558,080 5,454,949 1.9
営業利益 359,550 370,316 (2.9)
当期純利益 243,370 290,448 (16.2)

親会社変更

-2015年6月、筆頭株主であったVisteonが保有する同社株式約70%を、韓国の非公開投資会社Hahn & Companyの関連会社およびHankook Tireへ約36億ドルで売却。2015年7月、社名をHalla Visteon Climate Control Corp.から「Hanon System Corp.」に変更。

事業売却

-インド子会社Visteon Automotive Systems India Private Ltd.のEPG (Electronics Product Group) 事業をVisteonまたはVisteon Technical and Services Centre Private Limitedに売却すると発表した。同子会社の中核事業である空調および熱管理システム事業に注力することを目的とする。売却金額は50万米ドルで、最終的な売買契約は2016年度第1四半期中に締結される見込み。(2015年6月5日付プレスリリースより)

研究開発費

(単位:百万ウォン)
2015年12月期
(連結)
2014年12月期
(連結)
2013年12月期
(連結)
金額 220,960 216,573 181,430
対売上高比率 4.0% 3.9% 3.5%

研究開発体制

-1989年、大田 (Daejeon) 市に技術研究所を開設。

-研究開発拠点は韓国に1拠点、欧州に2拠点、米州に1拠点を保有している。

研究開発活動

-同社が開発した 「遠心式空気圧縮機」 と 「UV LED光触媒」 が米国Automotive Newsによる「2016 PACE Award Finalist」に選定されたと発表した。「遠心式空気圧縮機」 は、燃料電池スタックに圧縮空気を供給する中核部品。この製品は現代自動車の水素燃料電池車に採用された。また、「UV LED光触媒」は、HVACに残存する微生物や有害物質を除去する空気浄化技術。(2015年11月3日付プレスリリースより)

-現代自動車と共同で、電気自動車 (EV) 用スマート空調システムを開発した。これは車両内の湿度、車両内外の気温、車両速度などを総合的に判断し、必要に応じて外部空気の流入を自動制御することにより、空調を作動させた際のエネルギー消費を最小限に抑えるもの。この空調システムは起亜自動車 「Soul」 のEVに採用されている。今後はEVに加えてハイブリッド車などにも搭載される予定。(2015年11月3日付プレスリリースより)

-2014年12月期に電気自動車用高効率ヒートポンプシステムの量産を開始し、同年度に売上高46億ウォンを記録した。このシステムは同社が現代自動車と共同開発したもので、既存のヒーターに比べて暖房時の走行距離を20%以上増加させるとともに、エネルギー消費を30~60%低減させることに成功したという。なお、同社は2017年12月期に同製品の売上高370億ウォンを見込んでいる。(2015年4月14日付プレスリリースより)

-2015年4月3日から12日まで開催されるソウルモーターショーにおいて、「HV iCool」と呼ばれる新技術を公開する。この「HV iCool」はHVAC、コンプレッサー、コンデンサーを一つに統合した空調システム。既存製品に比べて重量を20~30%軽量化するとともに、電気自動車基準で走行距離を30%以上向上させることに成功した。(2015年4月3日付プレスリリースより)

-EV用の新型ヒートポンプシステムを開発した。バッテリーからの電力供給のみで車室内を暖める従来の電気ヒーターに比べて、ヒートポンプは外気の熱を利用することで電力消費を軽減できる。また、車のモーターやインバーターから再循環した廃熱も熱源として利用する。バッテリーからの電力消費を減らすことで、車両の走行距離伸長につながるという。このヒートポンプにより得られた廃熱は、車の暖房装置を補助するため、氷点下の厳しい気温下でも希望の車室温度に合わせられる。これにより、車のエネルギー消費を大幅に低減し、1回の充電で走行できる距離を20%超伸ばすことができるという。このヒートポンプシステムは、グローバルで販売される複数のモデル向けに生産が行われ、2015年4月のソウルモーターショーで展示される予定。(2015年3月9日付プレスリリースより)

近年の研究開発実績

研究課題 研究結果 等
CO2センサーを利用した空調負荷低減技術 -CO2センサーを活用した内気循環制御技術の開発
-燃費、冷暖房性能、除湿・換気快適性の向上
-国内外で特許取得あるいは出願中
超小型HVAC -量産中
-国内外で特許取得あるいは出願中
燃料電池車向け空気供給装置 -量産中
-国内外で特許取得あるいは出願中
歩行者保護フロントエンドモジュール -量産中
-国内外で特許取得あるいは出願中
燃料電池車向け高電圧冷却ファンおよびインバーター設計技術 -量産中
-国内外で特許取得あるいは出願中
電気自動車向けヒートポンプシステム -量産中
-国内外で特許取得あるいは出願中
メタルシールフィッティング -量産中
-国内外で特許取得あるいは出願中
マグネシウム合金プーリー -量産予定
-国内外で特許取得あるいは出願中
電気自動車向けエアミックスドア -量産予定
-国内外で特許取得あるいは出願中
蓄冷エバポレーター -量産予定
-国内外で特許取得あるいは出願中
ハイブリッドヒーターコア -量産予定
-国内外で特許取得あるいは出願中
複合式エアコンシステム -量産予定
-国内外で特許取得あるいは出願中
3ゾーン独立空調制御HVACシステム -量産予定
-国内外で特許取得あるいは出願中
UV LED光触媒を利用した空気質改善システム -量産予定
-国内外で特許取得あるいは出願中

海外投資

<米国>
-オハイオ州にHVACシステムの新工場を建設すると発表した。新工場を建設するのは同州の北西部に位置するワイアンドット郡Carey。総敷地面積は8,825平方メートルで、これには今後の工場増設のための敷地も含まれる。オハイオ新工場の稼働は2017年半ばから開始の見込みで、同社にとって世界で40番目の生産拠点となる。(2016年1月7日付プレスリリースより)

<メキシコ>
-ヌエボ・レオン州モンテレイ (Monterrey, Nuevo Leon) に新工場を建設する計画を明らかにした。現地の起亜自動車向けにHVACおよび冷却モジュールを生産する。稼働開始は2016年4~6月期中を予定している。(2015年10月30日付プレスリリースより)

<インド>
-インドのグジャラート州Sanandに建設した新工場が生産を開始したと発表した。グローバル自動車メーカーからの受注増加と、同州を含むインド西部の顧客の要望に対応する。新工場の生産スペースは約8,890平方メートルで、生産能力は熱交換器、HVACモジュール、エアコンラインなど200万ユニット。受注の拡大に応じて、生産能力を倍増できるという。(2015年3月11日付プレスリリースより)

2015年12月期の設備投資

(単位:億ウォン)
事業部門 投資の種類 投資目的 設備
投資額
投資期間
自動車用
エアコン
増設 -生産能力増強 243 2015年1月~12月
新設および
自動化
-新車種受注への対応
-経費削減
-生産性向上
2,220 2015年1月~12月
合計 2,463 -

2016年12月期以降の投資計画

(単位:億ウォン)
事業部門 投資の種類 投資目的 予定投資額 2016年
12月期
2017年
12月期
2018年
12月期
自動車用
エアコン
増設 -生産能力増強 2,450 400 1,025 1,025
新設および
自動化
-新車種受注への対応
-経費削減
-生産性向上
5,556 2,481 1,538 1,538
合計 8,006 2,881 2,563 2,563