武蔵精密工業 (株) 2019年3月期の動向

業績

(単位:百万円)
  2019年
3月期
2018年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 255,934 237,910 7.6 -日本、米州、アジア、中国、欧州の全てで売上増加となり増収。
営業利益 14,107 15,767 (10.5) -
経常利益 14,791 15,929 (7.2) -
親会社株主に帰属する当期純利益 9,885 10,351 (4.5) -

 

新会社

-イスラエルの技術パイオニアであるRan Poliakine(ラン・ポリアキン)氏が代表を務めるSixEye Interactiveと合弁で、Musashi AIを設立することを合意したと発表した。同社ではインダストリー4.0に向けたAI技術開発に取り組んできたが、技術開発のスピードアップや製造現場への実装、グローバル展開をより加速するため、合弁会社を設立するという。また、インダストリー4.0に関する新たなエコシステムの構築やスマートファクトリーの実現に向けて取り組むとしている。(2019年4月3日付プレスリリースより)

 

受注

-電気自動車 (EV) 向け減速機に適用するデファレンシャルアッセンブリーを日本電産グループから新規受注したと発表した。日本電産グループからの受注は今回が初めてで、同製品は2019年初旬から量産を開始する予定だ。同社のデファレンシャルアッセンブリー技術と日本電産のモーター技術を組み合わせることで、中国市場におけるEV駆動部品のシェア拡大を推し進めていくとしている。(2018年11月22日付日刊自動車新聞より)

 

事業提携

-米国カリフォルニア州San Joseを本拠に次世代のエネルギーソリューションサービスを開発するZeptorに出資したと発表した。今後、モビリティ向けソリューション開発で協業し、事業化を目指すことで合意した。Zeptorは、次世代の蓄電デバイスのための電極技術に強みをもつSilicon Valleyのベンチャー企業。同社の技術により、リチウムイオン電池、リチウムイオンキャパシタなどの蓄電デバイスの性能の大幅な向上が期待できるという。今回の協業では、両社の技術を活用し、より付加価値の高い電動二輪向け駆動システム、AGV(無人搬送車)などの開発に取り組む。(20181023日付 プレスリリースより)

-イスラエルのベンチャー企業で自動車の電動化に向けた先端技術を開発、展開しているSoftwheel (テルアビブ) と、資本提携契約を締結したと発表した。武蔵精密工業は、自動車の電動化に伴って需要拡大が期待される減速機の開発を独自に推進しているほか、新たな商品要件が求められるリンケージ&サスペンションの開発もグローバルで展開を拡大している。両社の技術的な融合によって、こうした開発を加速させていくとともに、グローバルで自動車メーカーなどとの連携強化を進めることで商品化を進めていくとしている。(2018年8月24日付日刊自動車新聞より)

 

買収

-浅田可鍛鋳鉄所 (京都府福知山市) の全株式を取得し、子会社化すると発表した。武蔵精密工業のパワートレーン事業では、環境負荷の低減に向けたニーズが大きく、新たな機構部品を含め需要が増加している。一方、浅田可鍛鋳鉄所は、自動車や建設機械、産業機械用の球状黒鉛鋳鉄素材および機械加工のメーカーで、独自の鋳造技術や品質管理のノウハウなどにより鋳造商品で高い競争力を有している。 (2018年10月6日付日刊自動車新聞より)

 
>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)
 

研究開発費

(単位:百万円)
  2019年3月期 2018年3月期 2017年3月期
全社 3,587 3,489 2,910

 

研究開発活動

PT事業部 (Power Train) 商品開発
駆動系商品開発
<デファレンシャル>
-同社の小型・高精度べべルギアを適用し、従来比10%軽量化となる軽量デファレンシャルASSYの量産開発および適用拡大を図っている。

<プラネタリィギア>
-日本で培ったノウハウを各海外拠点へ水平展開し、日本と同等の品質を確保した競争力の高いプラネタリィASSYの量産を開始し、今後は同社の生産技術力を活かした拡販活動を展開。


L&S事業部 (Linkage & Suspension) 商品開発
足廻り系商品開発
-最適設計とアルミの適用による軽量化を技術軸とし、新規受注を獲得。
ー電動化に伴う顧客ニーズの変化を視野に入れた技術開発へも取り組む。

先進技術開発
-ハイブリッド車や電気自動車、電動パーソナルモビリティ向けに独自電動ユニットの研究・開発を推進。

生産技術開発
<加工技術開発>
-加工領域においては、自社ブランド商品の現地調達化に向けた最適工程設計の確立を図っている。
-電動化によって需要の拡大が予想される高精度ギヤなどの次世代部品に対し差別化に向けた加工技術を追求。
 

設備投資額

(単位:百万円)
  2019年3月期 2018年3月期 2017年3月期
全社 16,276 12,792 13,303

-2019年3月期 地域別設備投資内訳 (単位:百万円)
地域 新機種対応 増産対応 合理化投資 既存設備の更新 全社
日本 1,377 - 1,079 512 2,968
米州 1,137 - 536 1,156 2,829
欧州 323 - 1,062 1,073 2,458
アジア 856 - 1,330 1,845 4,031
中国 1,225 - 2,670 - 3,990

 

設備の新設計画

(2019年3月31日現在)
地域 計画金額 (百万円) 設備等の主な内容・目的
全社 20,000 -
-日本 3,065 新機種対応、既存設備の更新、合理化、研究開発
-米州 4,113 新機種対応、既存設備の更新
-アジア 5,683 新機種対応、既存設備の更新、合理化
-中国 2,447 新機種対応、既存設備の更新、合理化
-欧州 4,692 既存設備の更新、新機種対応、合理化