日本特殊陶業 2007年度年3月期の動向

ハイライト

業績
単位:百万円
2007年3月期 2006年3月期 増減(%) 要因
全社
売上高 344,891 284,884 21.1% -
営業利益 52,401 41,513 26.2% -
経常利益 53,855 43,130 24.9% -
当期純利益 34,072 25,104 35.7% -
自動車関連事業
売上高 185,601 165,279 12.3% 下記参照
営業利益 33,199 29,356 13.1%

要因
自動車関連事業
・2005年度に引き続き新興市場における需要の伸びや燃料価格の高騰を背景として日系及び韓国自動車メーカーの生産が順調に推移。スパークプラグ、ジルコニア酸素センサなどの主力製品は堅調な伸びをみせた。
・厳しい環境規制に対応した急速昇温型セラミックグロープラグ、全領域空燃比センサ、広範囲温度センサなどの各種重点製品も欧州をはじめ先進国において高い伸びを示した。
・補修用市場では、東欧・ロシアをはじめ拡大する市場の需要を着実に捉え、計画以上の出荷となった。


国内事業

- 2006年10月、スパークプラグの生産能力を増強するため、鹿児島宮之城工場(鹿児島県薩摩郡)を増設すると発表。

海外事業
- 2006年8月、インドでスパークプラグの生産、販売会社を設立。

- 2006年11月、南アフリカ共和国のスパークプラグ生産会社レクトロライト社との技術提携を解消し、現地に生産新会社を共同出資で設立すると発表。

詳細は設備投資

今後の課題
<自動車関連事業>
スパークプラグ:
高付加価値プラグの拡販により新車組付市場の収益力を強化。

グロープラグ:
ディーゼルエンジン車市場での販路の拡大を通じて自動車関連事業の第三の収益の柱へと成長させる。

センサビジネス:
システムメーカーとの協業により開発速度を早め、ガソリンエンジン車・ディーゼルエンジン車・二輪車の各市場でシェアの拡大を図る。

開発動向

研究開発費
単位:百万円 2007年3月期 2006年3月期 2005年3月期
全体 16,253 14,691 14,359
既存製品の改良、応用研究等に
関する費用等を除いた研究開発費
2,841 2,844 2,840
自動車関連事業 1,629 1,587 1,401

・本社機構である総合研究所及び各事業部技術部が研究開発活動の主体。国内外の学会・協会への参画、大学・国立研究機関との共同研究等も実施。


<研究開発>

プラグ分野:
・ガソリンエンジン用としてエンジンの高出力化やバイオエタノール燃料に対応したスパークプラグの開発
・ディーゼルエンジン用として低圧縮化に対応したグロープラグの開発

センサ分野:
・酸素センサや全領域空燃比センサをはじめとした各種排気ガスセンサの開発
・広範囲温度センサをはじめとした各種温度センサの開発
・燃料電池用の水素ガス濃度センサの開発
・水素漏れ検知センサの開発

その他:
・ガスエンジン用プラグの耐久性向上を目指した点火ユニットの開発製品化
・自動車に搭載された制御回路とのインターフェース機能を持つ全領域空燃比センサ用次世代ASIC(特定用途向けIC)の開発

<2007年3月期の主な成果>
プラグ分野:
・次世代直噴ガソリンエンジンであるスプレーガイデッド直噴エンジン用スパークプラグの開発
・グロープラグの温度を最適制御するグローシステムの開発

センサ分野:
・ディーゼルエンジン用全領域空燃比センサの開発
・触媒下流側の排気ガス成分の検知に特化した酸素センサの開発

その他:
・小型で且つ空燃比検出精度や異常時自己診断機能を向上させた全領域空燃比センサ用次世代ASICの開発

設備投資

設備投資費
単位:百万円 2007年3月期 2006年3月期 2005年3月期
全体 29,271 26,919 13,955
自動車関連事業 17,667 18,534 8,817

国内事業
スパークプラグの生産能力を増強するため、鹿児島宮之城工場(鹿児島県薩摩郡)を増設すると発表した。投資額は約70億円。宮之城工場の敷地内にスパークプラグの絶縁体を生産する第2セラミック棟を建設する。延べ床面積は約1万6千平方メートルで、今月から着工し、08年4月から操業開始する。増築後の絶縁体生産能力は月産1600万個となる。(2006年10月26日付日刊自動車新聞より)


海外事業
インドでスパークプラグの生産、販売会社を設立したと発表した。07年12月をめどに生産を開始し、自動車や二輪車メーカーなどへ供給する。10年には年間約1500万個の生産を目指す。新会社の名称は、「NGKSPARKPLUGSINDIA」(インド特殊陶業)。資本金は約1億円で同社の全額出資とし、デリー南西部のハリアナ州バワール工業団地内で今年8月に設立した。(2006年9月29日付日刊自動車新聞より)

南アフリカ共和国のスパークプラグ生産会社レクトロライト社との技術提携を解消し、現地に生産新会社を共同出資で設立すると発表した。07年5月から操業を開始し、初年度は年産2千万個を目標とする。資本金は3千万ランド(約5億円)で、ヨハネスブルグ郊外に07年1月20日に設立する。(2006年11月29日付日刊自動車新聞より)

自動車関連事業の設備の新設等(2007年3月時点)
名称/ 事業所名
(所在地)
設備の内容 投資予定総額
(百万円)
着手 完了予定 完成後の
増加能力
本社工場
(愛知県名古屋市)
スパークプラグ生産設備 2,103 2007.03 2008.03 注1
研究設備 822 2006.10 2007.12 -
小牧工場
(愛知県小牧市)
プラグ、センサ関連製品生産設備 2,776 2007.03 2008.03 注1
研究設備 2,393 2006.10 2008.03 -
宮之城工場
(鹿児島県薩摩郡さつま町)
スパークプラグ絶縁体生産工場及び設備 6,806 2007.04 2008.06 注2
スパークプラグ生産設備 2,092 2006.10 2008.03 注1
セラミックセンサ(株)
(愛知県小牧市)
酸素センサ生産設備 (貸与) 1,508 2006.10 2008.03 注1
連結子会社
NGK Spark Plugs (U.S.A.), lnc.(米国) 工場増設及びスパークプラグ生産設備 1,700 2007.04 2008.06 注3
Ceramica e Velas de Ignicao NGK do Brasil Ltda(ブラジル) スパークプラグ
生産設備
1,162 2007.01 2007.12 注1
NGK Spark Plugs (India) Pvt. Ltd. (インド) スパークプラグ生産工場及び設備 623 2006.10 2007.12 注4
㈱日特製作所
さつま工場
(鹿児島県薩摩郡さつま町)
スパークプラグ部品生産工場及び設備 570 2007.04 2008.04 注1
注1: 生産工程の一部増加、更新及び合理化のための設備投資であり、増加能力を算定することが困難なため具体的な完成後の増加能力は記載していない。
注2: スパークプラグ絶縁体の生産能力は60百万個/年増加する予定。
注3: スパークプラグの完成品組立能力は20百万個/年増加する予定。
注4: スパークプラグの完成品組立能力は15百万個/年の予定。