日清紡績(株) 2008年3月期の動向

ハイライト

2008年3月期のハイライト

業績
(単位:
百万円)
2008年
3月期
2007年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 322,411 312,875 3.1 ブレーキ製品と紙製品が好調。
営業利益 12,033 11,551 4.2 ブレーキ製品の利益拡大が繊維等の落ち込みを埋めた。
経常利益 18,916 17,282 9.5 ABS製造の合弁会社コンティネンタル・オートモーティブ(株)の業績好調、今期持分を増やした日本無線(株)の業績が寄与し、持分法投資利益が増加。
当期純利益 12,289 15,107 (18.7) 投資有価証券売却益の減少や、新日本無線(株)に係るのれんの未償却残高を一括償却。
ブレーキ製品事業
売上高 66,397 61,764 7.5 ブレーキ製品:
新興国や産油国向け完成車輸出の増加による国内自動車生産の増加、日系・韓国系メーカーの海外生産が増加したことで受注が増加し、増収となる。

ABS製品:
合弁会社のコンティネンタル・オートモーティブ(株)に事業移管中のため減収。
営業利益 8,871 7,009 26.6

ブレーキ製品:
原材料の値上など減益要因があったが、豊田工場への移設完了に伴う経費減や、米国子会社の収益改善等により増益。

ABS製品:
経費削減効果。

エレクトロニクス製品事業
売上高 76,474 76,067 0.5 子会社の新日本無線(株)、上田日本無線(株)ともに業績好調で増収・増益。
営業利益 1,103 1,041 6.0

会社分割

2009年4月1日付で持株会社制に移行する予定。同社を持株会社とし、5つの事業本部(繊維、ブレーキ、紙、化学品、情報機器)を分社化することで、多角化経営を一層強化する。このうち、ブレーキ製品事業に関する権利義務は「日清紡ブレーキ株式会社」に承継させる。また、同社は「日清紡ホールディングス株式会社」に商号を変更。エレクトロニクス関連事業については、今後も「新日本無線株式会社」を中心に運営する。

開発動向

研究開発体制

-研究開発拠点
事業部門 拠点名 所在地
ブレーキ製品 摩擦材・開発センター
(館林事業所)
群馬県 邑楽郡
エレクトロニクス製品 (株)新日本無線 -
化学品 中央研究所 千葉県 千葉市

研究開発費
(単位:百万円) 2008年3月期 2007年3月期 2006年3月期
全体 12,479 12,244 9,607
ブレーキ製品 3,791 3,702 3,511
エレクトロニクス製品 6,452 6,414 3,352
化学品 1,209 369 391

研究開発活動 (2008年3月期)
事業 活動内容
ブレーキ製品 摩擦材:

-高い安全性を確保するとともに、音・振動性能を向上させた高付加価値商品の開発に注力している。

-有害物質を使用しないグリーン材の開発や、欧州の新化学品規制であるREACHへの対応準備を進め、環境に重点を置いた開発を行っている。

-海外子会社への開発支援体制の強化をはじめ、開発・製造・生産技術の連携による原価低減活動を促進、競争力強化を図っている。

ブレーキ:

-グローバルビジネスの受注・拡大のため、海外子会社への開発支援体制を強化するとともに、海外技術提携先との協業を推進中。

-部品の標準化や開発業務の効率化により、開発段階からの原価低減を図っている。
エレクトロニクス製品 -オーディオ用DSP(デジタルシグナルプロセッサ)では、車載オーディオ市場等に焦点を合わせた製品の開発を継続中。
化学品 -燃料電池用セパレータの自動車への搭載を目指し、製品化を進めている。

-ハイパワー型電気二重層キャパシタを開発。日本無線(株)、長野日本無線(株)と協力体制を採りながら、電気二重層キャパシタの自動車への搭載を目指し、開発を進めている。

技術提携

2000年にドイツのコンティネンタル・テーベス社と合弁会社を設立。ABS、TCS(トラクション・コントロール・システム)、ESC(エレクトロニック・スタビリティ・コントロール)をはじめとする次世代ブレーキシステムの開発・製品化を推進している。

主な技術導入契約 (2008年3月31日現在)
会社名
(国名)
内容 等 締結年月
(有効期間)
TMD Friction Holding GmbH
(ドイツ)
ブレーキライニング、ディスクパッドの製造技術および原料配合に関するノウハウの提供ならびに製品の販売に対する援助
(クロスライセンス契約)
1991年11月から10年間(2001年11月以降は
1年毎に自動延長)
TRW Automotive Inc.
(英国)
乗用車用ドラムブレーキアッセンブリィ、ブレーキバルブおよびその部品の設計ならびに製造技術に関するノウハウの提供ならびに製品の販売に対する援助(クロスライセンス契約) 1995年11月

2006年10月

*契約満了に伴い、その変更に関して交渉中。
Meritor Heavy Vehicle Braking Systems (UK) Limited.
(英国)
ディスクブレーキアッセンブリィ、ドラムブレーキアッセンブリィ及びその部品の設計並びに製造技術に関するノウハウの提供 2003年11月

2008年11月

主な技術供与契約 (2008年3月31日現在)
会社名
(国名)
内容 等 締結年月
(有効期間)
Rane Brake Linings Limited
(インド)
ブレーキライニング、ディスクパッド、クラッチフェーシングの製造技術、原料配合および製造設備技術情報に関するノウハウの提供 2005年1月~
5年間
TMD Friction Holding GmbH
(ドイツ)
ブレーキライニング、ディスクパッドの製造技術および原料配合に関するノウハウの提供ならびに製品の販売に対する援助
(クロスライセンス契約)
1991年11月から10年間(2001年11月以降は
1年毎に自動延長)
亨通機械股份有限公司
[Heng Tong Auto Parts Inc.]
(台湾)
-ブレーキライニング、ディスクパッドの製造技術、原料配合および製造設備技術情報に関するノウハウの提供
-提携製品の工場建設の指導
2005年12月~
5年間
亨通機械股份有限公司
[Heng Tong Auto Parts Inc.]
(台湾)
ディスクブレーキおよびその部品の設計ならびに製造技術に関するノウハウの提携
2002年12月

2007年6月

*契約満了に伴い、その変更に関して交渉中。
TRW Automotive Inc.
(英国)
乗用車用ドラムブレーキアッセンブリィ、ブレーキバルブおよびその部品の設計ならびに製造技術に関するノウハウの提供ならびに製品の販売に対する援助
(クロスライセンス契約)

1995年11月

2006年10月

*契約満了に伴い、その変更に関して交渉中。

設備投資

設備投資額
(単位:百万円) 2008年3月期 2007年3月期 2006年3月期
全体 24,279 17,077 16,548
ブレーキ製品 5,221 4,546 5,177
エレクトロニクス製品 4,847 3,592 -

設備投資の状況 (2008年3月期)
事業 設備投資内容
ブレーキ製品 -同社・館林工場および連結子会社Saeron Automotive Corporation (韓国)の摩擦材設備を中心に投資
エレクトロニクス製品 -連結子会社の新日本無線(株)による半導体製造設備への投資が中心。

設備の新設計画
会社名
事業所名
(所在地)
事業部門/
設備の内容
投資予定
総額
(百万円)
着手 完了
予定
完成後の
増加能力
同社
千葉工場
(千葉県旭市)
化学品/
キャパシタ製造設備
1,180 2006年
11月
2009年
3月
5万セル/
新日本無線(株)
川越事業所
(埼玉県ふじみ野市)
エレクトロニクス/
電子部品製造設備
2,122 2007年
10月
2009年
3月
-