日信工業 (株) 2017年3月期の動向

業績

(IFRS、単位:百万円)
2017年
3月期
2016年
3月期
増減率 (%) 要因
売上高 166,889 167,709 (0.5) -アジアに加えて日本及び北米で販売が増加したものの、為替換算による影響などにより減収
営業利益 12,278 7,490 64.0 -為替影響はあったものの、増収効果及び原価低減などにより増益
税引前利益 12,880 7,406 73.9 -
親会社の所有者に帰属する当期利益 5,385 33,654 (84.0) -
部門別売上
-日本 25,953 24,684 5.1 -二輪車用製品の販売減少はあったものの、アルミ製品等の販売増加などにより
-北米 42,078 43,841 (4.0) -アルミ製品の販売増加はあったものの、為替換算による影響などにより
-アジア 86,830 86,452 0.4 -中国・ベトナム・タイの販売増加はあったものの、為替換算による影響などにより
-南米・欧州 12,029 12,732 (5.5) -ブラジル市場の低迷及び為替換算による影響などにより

-2016年3月期において、当社及び子会社が営む一部の事業を、IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」の規定に基づき、非継続事業に分類している。そのため、2016年3月期の売上高、営業利益、税引前利益については継続事業からのものを記載すると共に、2017年3月期当期利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益には、非継続事業からの当期利益をそれぞれ32,219百万円、31,928百万円含めている。これらの非継続事業からの当期利益には、事業分離における移転利益39,184百万円 (税引前) が含まれている。

合弁事業

-2016年3月31日をもって、四輪車用ブレーキ・コントロールおよびブレーキ・アプライアンス事業を分社し、Autoliv社 (本社スウェーデン) との合弁会社 Autoliv-Nissin Brake Systems (ANBS) (同社49%出資) の設立手続きを完了した。統合ブレーキシステム分野での成長を続け、グローバルメーカーへの販売を拡大していくことを狙いとする。

-Autoliv-Nissin Brake Systems (ANBS) は、Autoliv社のブレーキ制御システム事業と日信工業から分割された自動車用ブレーキ事業を統合して設立された。日本、中国、米国に生産拠点を持つ。今後は、パッシブセーフティエレクトロニクス、ADAS製品、ブレーキ制御システムを扱うAutoliv社のエレクトロニクス (Electronics) 部門に属することになる。本事業の事業価値は総額約582億円 (約524.4百万ドル)。Autolivは、297億円 (約264百万ドル) で同合弁会社の株式51%を取得した。(2016年4月1日付プレスリリースより)

受注

-日本及び北米で生産されるスバルの「Impreza」にフロントナックル・リアナックルといったアルミ製品が採用された。
-ホンダの「CR-V」および長安汽車の「CS95」等にもブレーキ製品およびアルミ製品が採用された。

-2017年3月期の主な受注

自動車メーカー モデル 製品 販売開始時期
マツダ 「Impreza」 ハウジング フロント/リア (ナックル) 2016年10月
ホンダ 「CR-V」 電動パーキング付きリアキャリパー、リア ロアアーム、コンプライアンス ブラケット、フロントキャリパー 2016年12月
長安汽車 「SC95」 フロントキャリパー 2017年3月
東風ホンダ汽車 「UR-V」 リアナックル 2017年3月

第13次中期計画

方針
二輪:「二輪ブレーキ最大手」としての成長
四輪:アルミ軽量化技術による成長

事業環境
二輪事業:先進ブレーキの法規制化
アルミ事業:車体軽量化ニーズの拡大
四輪事業:自動運転化、安全規制の強化

成長への課題
二輪ブレーキ:CBSビジネスの拡大
アルミ事業:足回り大物軽量化部品による事業収益基盤の確立
四輪ブレーキ:収益性の改善

-2019年3月期には売上高1,770億円、2020年3月期には売上高1,830億円と営業利益10%をめざす。

2018年3月期の見通し

(IFRS、単位:百万円)
2018年3月期
(予想)
2017年3月期
(実績)
増減率 (%)
売上高 175,000 166,889 4.9
営業利益 12,500 12,278 1.8
税引前利益 13,000 12,880 0.9
親会社の所有者に帰属する当期利益 5,000 5,385 (7.1)


>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

研究開発費

(単位:百万円)
2017年3月期 2016年3月期 2015年3月期
全社 4,744 4,634 8,605

-2018年3月期の研究開発費は、4,500百万円を予定。

研究開発拠点

拠点名 所在地
日本 長野開発センター 長野県東御市
栃木開発センター 栃木県那須烏山市
スペイン Nissin R&D Europe, S.L.U.

カタルーニャ州 バルセロナ

タイ Nissin R&D Asia Co., Ltd. バンコク
中国 Nissin R&D China - Zhongshan 広東省中山
Nissin R&D China - Chongqing 重慶市
米国 Nissin R&D USA - East Liberty オハイオ州
Nissin R&D USA - Milwaukee ウィスコンシン州

研究開発活動

<日本>
-二輪・四輪車を主に、基本ブレーキシステム、二輪メカトロ系自動制御システムおよびアルミ製品を軸として、軽量化、燃費向上、安全・快適性向上に貢献する商品開発、材料開発、製造工法開発等をグローバル視野で推進。

-CO2排出量低減に貢献できる商品開発、材料開発、製造工法開発等も推進。

<北米>
-主に北米地域のニーズに合わせた基本ブレーキシステムおよびアルミ製品の開発を実施。

主な研究開発成果 (四輪車用部品)

基本ブレーキシステム開発
-低燃費・軽量化の要望に応えるため、新たに設計した低引き摺りディスクブレーキの開発、またアルミ材料への置換による重量軽減により、新機種への適用拡大を図った。
-グローバル生産に対応するため、部品の現地調達を進め、コスト低減を推進。

軽量化技術開発
-軽量化の要望に応えるため、鉄製のサスペンション部品やブラケットをアルミ材に代替し、鉄製の製品に比べ約30%から40%の軽量化を実現。
-高強度と伸びの特性を活かし、リアナックルに加え更に負荷の高いフロントナックルにも採用され量産を開始。
-エンジンマウントブラケット類が2機種、ナックルが3機種、アームが2機種に採用。

設備投資額

(単位:百万円)
2017年3月期 2016年3月期 2015年3月期
日本 2,149 1,538 2,384
北米 3,493 5,027 2,801
アジア 5,448 5,149 5,954
南米・欧州 29 222 837
調整額 (173) (200) (319)
合計 11,214 11,737 11,658


-2018年3月期の設備投資額は、10,500百万円を予定。


設備の新設

(2017年3月31日現在)
会社名
事業所名
(所在地)
設備の内容 投資予定額
(百万円)
着手 完了予定
東部工場
(長野県東御市)
生産設備 2,405 2016年12月 2018年2月
直江津工場
(新潟県上越市)
生産設備 1,159 2016年5月 2018年6月
開発センター
(長野県東御市)
開発用設備 256 2016年9月 2018年2月
(株) NISSIN APS
(長野県上田市)
生産設備 126 2016年10月 2018年3月
Nissin Brake Ohio Inc.
(米国オハイオ州)
生産設備 1,316 2016年10月 2018年3月
Nissin Brake Georgia Inc.
(米国ジョージア州)
生産設備 1,371 2016年10月 2018年3月
Nissin Brake de Mexico, S.A. de C.V.
(メキシコ グアナファト州)
生産設備 142 2016年4月 2018年3月
Nissin Brake (Thailand) Co., Ltd.
(タイ ナコンラチャシマ県)
生産設備 3,041 2017年1月 2018年3月
P.T. Chemco Harapan Nusantara
(インドネシア チカラン郡)
生産設備 576 2016年4月 2018年3月
中山日信工業有限公司
[Zhongshan Nissin Industry Co., Ltd.]
(中国広東省)
生産設備 2,521 2016年7月 2018年3月
Nissin Brake Vietnam Co., Ltd.
(ベトナム ビンフック省)
生産設備 480 2016年10月 2018年3月
Nissin Brake India Pvt. Ltd.
(インド ラジャスタン州)
生産設備 683 2016年10月 2018年3月
Nissin Brake Do Brasil Ltda.
(ブラジル アマゾナス州)
生産設備 437 2016年10月 2018年3月