旭テック株式会社 2005年度の動向

ハイライト

業績 (単位:百万円)
2007年
3月期
2006年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 145,702 57,994 151.2 テクノメタル(株)とメタルダイン社を買収、連結子会社化。
営業利益 3,276 2,013 62.7 テクノメタル(株)とメタルダイン社の損益が加わったほか、メタルダイン社買収に伴うのれんの償却費を計上。
経常利益 (162) 1,447 -
当期純利益 (665) (282) - 環境対策引当金を特別損失に計上。また、繰延税金資産の計上に伴う法人税等調整額の戻し入れを行ったことによる。
一般素形部品関連事業
売上高 136,941 50,081 173.4 テクノメタル(株)とメタルダイン社の損益が加わったほか、タイ国内向け自動車用部品の需要好調が継続。
営業利益 3,651 2,593 40.8 売上高の増加、生産性向上、購買コスト削減による。

企業買収
2007年1月11日付けで、メタルダイン社を買収し完全子会社化。
この買収により見込まれる効果は以下の通り。
1. 北米での競争力に加え、欧州、中国、韓国、インド、ブラジルにおけるメタルダイン社顧客基盤の獲得。
2. メタルダイン社経営陣からのノウハウ追加。
3. 北米、欧州、アジアにおける主要自動車メーカーとの取引関係の強化、製品群の拡充。

4.

粉末冶金、ハイパー・ダクタイル、ハイバキュームHDPC、マグネシウム・ダイキャストを含むパワートレインやシャシーに関する先進技術の共有化、ならびにエンジニアリング能力の相互活用による高機能サスペンションシステム等の高付加価値製品の投入。
5. 研究開発能力の向上。
6. アルミ鋳造、ダクタイル鋳鉄、焼結金属、精密機械加工等における生産能力の向上。
7. 材料、部品、金型およびサービス等、共同購買を通じたコスト削減。
8. 生産設備の相互有効活用。
9. メタルダイン社の軽車両と同社大型トラックにおける市場機会の拡大。

事業計画
子会社であるメタルダイン社の統合を進め、本社の経営組織を一元化して営業経費を削減することを目指した計画案を発表。メタルダイン社が最近発表した複数の工場閉鎖と役員退任を含めた経営改善策と併せて、2007年度だけで10百万ドルを上回るコスト削減を見込んでいる。同社は、今後も絶えず変化するグローバル市場での好機とアジア市場における事業拡充を図りながら資産バランスの改善に努める、としている。このたびの本社機能の一元化は、2007年1月初めにメタルダイン社の買収を完了してからわずか10週間後の発表となった。同社は2007年3月初めに新株発行を実施、東南アジアと欧州の投資家から70百万ドルを超える応募があった。これによる増資分は先のメタルダイン社の買収、新株発行、両社分を合わせた借入金のリファイナンスを含め、3段階にわたって実施を計画している同社‐メタルダインの資本構成再構築の第2段階として実施されたもの。(2007年3月27日付けプレスリリースより)

開発動向

研究開発費 (単位:百万円)
2007年3月期 2006年3月期 2005年3月期
全体 998 537 701
売上対比 0.7% 0.9% 1.2%
一般素形部品関連事業 876 400 512

研究開発体制
2007年3月期の研究開発人員は158名

研究開発内容(一般素形部品関連事業)

項目 研究開発内容
マグネシウムダイカスト 既に乗用車部品を中心に、大物マグネシウムダイカスト製品を量産中であり、新車種の量産立ち上げも進行中。プロトタイプの試作から量産前提の試作へと、各テーマ毎の開発に取り組んでいる。
アルミ鋳造鍛造 アルミ鋳造用合金の金型鋳造技術の開発に取り組んでおり、新しい鋳造技術・金型技術確立を進めている。
高真空ダイカスト 二輪車用の一体型フレーム生産中。乗用車用にも新規受注が決定し、今後具体的な形状決定から、量産立ち上げへと進める予定。
内面平滑化技術(AS処理) 乗用車インテークマニホールド、二輪シリンダーヘッドで量産中。更に大口受注が決定して需要拡大が進んでおり、新分野へ応用拡大中。
鉄系鋳物 高強度材料であるハイパーダクタイルでは、トラック部品で量産中。乗用車用の新たな部品展開への開発も進めている。
パワートレイン・シャシー 子会社であるメタルダイン社において、軽量化技術とフレームデザインを開発中であり、鋳造技術の確立を図っている。


2007年人とくるまのテクノロジー展 情報
大物マグネダイカスト技術'(ACTIV-MG)
拡大画像 ・トヨタレクサス LS460に搭載
ダイカスト試作
拡大画像 ・アルミをマグネシウムにすることで、軽量化を提案
AS処理
拡大画像
ハイパーダクタイル
拡大画像

拡大画像
・通常使用するFCD500から強度と加工性に優れた同社開発の材料を使うことで軽量化を実現。3年前より量産化
騒音低減ホイール
拡大画像
・タイヤの走行性能を損なうことなく、ノイズの低減が可能。
・ブリヂストンと共同開発

2006年人とくるまのテクノロジー展 情報

<展示ハイライト>
部品軽量化を実現する技術展示が中心

■高真空ダイカスト技術
(ACTIV-VD : Advanced Cast Technology for Vacuum Die-Cast)
・金型を真空状態にして金属を流し込む技術。
>>>技術詳細
 
<量産事例>                                                           
・二輪車のリアフェンダーブラケットを、アルミプレス溶接品から一体化構造へ転換。部品点数を60~70%削減しながら必要剛性を確保するとともに、一体化構造によって機能も向上。YAMAHA FJR1300北米モデルで採用、06年3月よりガス欠陥ゼロを達成している。今後カーメーカーへもPRしていく予定。 >>> YAMAHA FJR1300

設備投資

設備投資費 (単位:百万円)
2007年3月期 2006年3月期 2005年3月期
全体 184,174 4,555 3,622
一般素形部品関連事業 184,099 3,547 3,414

一般素形材部品関連事業では、一般自動車部品の生産合理化を目的とした設備の更新・メンテナンスを中心に設備投資を実施。なお、2007年3月期に連結子会社としたメタルダイン社の買収日(2007年1月11日)における有形固定資産および無形固形資産173,501百万円が、一般素形部品関連事業の設備投資に含まれている。

海外投資
タイの生産拠点を拡張して生産能力を増強する検討に入った。子会社のテクノメタル製品を生産することも検討する。タイに進出している日系自動車メーカーの自動車生産台数が好調に推移しており、同社のタイ工場の生産もフル稼働となっているため、生産能力を増強するとともに、生産する製品の種類も増やす方針。(2006年10月20日付日刊自動車新聞より)

設備の新設
事業所名
(所在地)
設備の内容 投資予定
総額
(百万円)
着手 完了
予定
完成後の
増加能力
豊川事業所
(愛知県豊川市)
キュポラ熱交換機更新

278

2006年
11月
2007年
12月
-
豊栄工業(株)
(三重県いなべ市)
鋳造用プレス更新 497 2006年
10月
2008年
2月
-
テクノメタル(株)
二本松工場
(福島県二本松市)
タービンハウジング設備 889 2007年
4月
2008年
5月
-
Asahi Tec Metals (Thailand) Co., Ltd.
(タイ チョンブリ県)
タービンハウジング設備 3,229 2007年
4月
2008年
5月
300トン/月
Metaldyne (Suzhou) Automotive Components Co., Ltd.
(中国 江蘇省)
シャシー部品、パワートレイン部品生産設備 938 2007年
4月
2007年
12月
-
Metaldyne Sintered Components Mexico, S. de R.L.de C.V.
(メキシコ 
コアウイラ州) 
パワートレイン部品生産設備 783 2007年
1月
2007年
12月
-
Metaldyne International Spain, S.L.
(スペイン 
カタルーニャ州)
シャシー部品生産設備 646 2007年
4月
2008年
4月
-