イノアックコーポレーション 2001年度~2007年度の動向

ハイライト

安城技術本館設立
2001年5月、愛知県安城市に研究・開発をテーマにした安城技術本館を設立。

・マーケットニーズやトレンドを分析し、各国の拠点に発信供給。
・環境対応と高機能、高密度、高品質の製品開発を目指す。

業務提携
2001年3月 東海ゴムと合弁会社イノアック・トーカイ(タイランド)をタイに設立。
資本金約1億2000万円(イノアック40%、東海34%、現地資本家26%)。
両社の共同事業は初。
イノアックの水・燃料ホースの既存工場に、東海ゴムの自動車用ホース技術を導入。
ASEANでの自動車用ホース拠点とする。
2001年3月 ベルギーのレクティセル(Recticel S.A.)と折半で自動車内装トリムの合弁会社イノレックジャパン設立。レクティセル(Recticel S.A.)はポリウレタンの表皮成形技術を持ち、内装トリムを生産し日本の自動車メーカーへ供給。

開発動向

新製品開発
超軽量吸音断熱材

従来、自動車内装分野で使用されているシンサレート、外装分野で使用されているガラスウール、フェルト等、繊維体の代替として開発を行い、要求される吸音性や断熱性能をクリアーし、更に、現行繊維体に比べ、製品ベースで10~60%程度の軽量化を実現。
イノアックのコア技術である連続スラブウレタンフォームを応用した軽量素材。
自動車外装材向けにRD10FRという海外からの技術導入にて開発した超低密度(12kg/m3)の半硬質タイプのウレタンフォームと、自動車内装材向けにF-KQというイノアック独自の配合技術、生産技術により生み出した密度11.0kg/m3という軟質タイプの連続スラブウレタンフォーム

<用途・用例
自動車関係の内装材として、ヘッドライナー、トランクライナー、ピラー等の吸音材として
使用することが可能。自動車外装材としては、フードサイレンサー、ダッシュアウター、エンジンカバー、エンジンアンダーカバーサイレンサーとして使用することが可能です。
製品サイズに応じて任意に厚み、幅を変更することが可能。
<効果
自動車内装材で、10~30%程度、自動車外装材で、30~60%程度の軽量化が従来の繊維体と同等の吸音性能を維持しながら可能。


ランドクルーザー100用インストルメントパネル
トヨタランドクルーザーインパネをはじめホンダインスパイヤー他で新規採用。
助手席側エアバッグドアの見切りラインが無く、表皮材に塩ビを使用していないインストルメントパネル。表皮材の成形に日本初のウレタンスプレー工法を使用、またトヨタ車で初のエアバッグの見切りをなくした。2002年度のトヨタ技術賞を受賞。
特徴
① 表皮材に日本初となるウレタンスプレー工法を用い高品質で脱塩ビを実現。 <日本初>
② 助手席エアバッグの見切りをなくし商品力をアップ。<世界初、特許出願中ー加工方法>
③ 特許工法である“ファスナー”工法を用いた2色表皮材。<世界初、特許取得済み> 
④ ウレタンスプレー工法の特徴を生かした隙、段差の少ない美しい見栄え品質。

2003年5月:
Johson Controlsとイノアックの合弁会社 Intertec Systemは、マツダとFordの合弁事業 Auto Alliance International, Inc.(ミシガン州Flat Rock)向けに、高性能統合(HPI: High Performance Integration)技術(特許取得済み)を採用した北米初のインストパネルを生産開始。同社が生産する新型Mazda 6セダン2003年モデルに同技術を供給。また、Mazda 6にはセンターフロアーコンソールも供給。個々の部品をインストパネルに組み付けるのと比べて、品質の大幅な向上が可能だとしている。また、生産工程においてフォームパッドの密閉度を維持しながら、インストパネル基材表面に高密度に貼り付けた表皮を生産するための特許工程を実用化。

合弁事業
-2007年11月、カナダのウッドブリッジフォーム社と自動車シートクッション用のウレタンフォーム事業で北米に合弁会社を設立すると発表。日本およびアジアにおけるこれまでの提携関係を発展させ、長期的な関係拡大を図る。同社は2007年12月31日をめどにウッドブリッジグループ内の北米4拠点を買収し、折半出資の合弁会社を設立する。同社は米テキサス州の3拠点、メキシコの1拠点に50%ずつ、ウッドブリッジもイノアック九州(福岡県行橋市)に50%資本参加する。(2007年11月20日付日刊自動車新聞より)