アルパイン株式会社 2006年度の事業動向
ハイライト
単位: 百万円 |
2007年 3月期 |
2006年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 |
全社 | ||||
売上高 | 265,054 | 253,983 | 4.4 | 為替の円安寄与等。 |
営業利益 | 10,110 | 9,671 | 4.5 | |
経常利益 | 12,015 | 10,355 | 16.0 | |
当期純利益 | 5,729 | 6,175 | (7.2) | 過年度製品補償費用など17億円を特別損失に計上し、また中国生産現地法人の移転価格調整引当額6億円を法人税等追徴税額等に計上 |
音響機器事業 | ||||
売上高 | 130,090 | 129,742 | 0.2 | -自動車メーカー向けは、欧州向けが減少したものの、日系メーカーのグローバル戦略車向け『CDオーディオ・システム』や新メディア対応の『DVDオーディオ』の販売が好調に推移。 -クルマの情報通信化により、カーオーディオ単品からカーナビゲーションを核とした複合商品化が加速。 |
営業利益 | 9,961 | 8,258 | 20.6 | |
情報・通信機器事業 | ||||
売上高 | 136,108 | 126,371 | 7.7 | -自動車メーカー向けは、米系メーカー向けは減少したが、日系メーカー向けの販売が好調に推移。 -下期から投入した新車種向けの売上げが寄与。 |
営業利益 | 8,856 | 9,217 | (3.9) |
地域別業績
<国内>
自動車メーカー向けでは、主にカーナビゲーションの輸出売上げが増加。
<アジア>
中国の自動車メーカー向けナビゲーションの販売が好調に推移、またタイ及び中国の生産子会社の売上げが増加。
<北米>
自動車メーカー向けでは、米系メーカー向けは減少したものの、日系及び欧州系メーカー向け販売が好調に推移。
<欧州>
モデル切替えの影響により自動車メーカー向けCDプレーヤーの販売が減少したが、インフォメーション・ディスプレイやナビゲーション等の販売が好調に推移し増収。しかしながら価格競争の激化による価格下落の影響等から減益となった。
生産体制
中国・大連や太倉、ハンガリー及びメキシコの各生産拠点で、人員増強と設備投資の拡充を図り、引き続き開発投資や、収益・コストの構造改革を推進。
2007年度の課題
・市場規模が拡大しているナビゲーションを核とした情報通信機器分野に積極的な研究開発投資を継続するとともに、中国のソフトウェア開発拠点を拡充し開発効率の向上を図る。
・桁違い品質の追求による顧客満足度の向上と収益・コスト構造改革を推進し、経営基盤の強化を図る。
開発動向
2007年3月期の研究開発費の総額は28,723百万円。音響機器事業に7,017百万円、情報・通信機器事業に21,706百万円
研究開発体制
カーナビゲーションシステムなどの「組み込みソフトウェア」の開発を効率化する手法の確立に向けて、独立行政法人ソフトウェア・エンジニアリング・センター(SEC)と共同研究を開始した。カーナビの高機能化に伴い、工数が増え、複雑化するソフトウエアの開発の標準化を実現して、プログラムミスの防止や開発期間の短縮を目指す。(2006年10月7日付日刊自動車新聞より)
研究開発活動の成果
[情報・通信機器事業]
-オーディオビジュアル(AV)、ナビゲーション(N)、情報通信(C:Communication)、運転者支援(DA:Drive
Assist)の融合システム(AVNCD)の研究/製品開発を推進。
-自動車メーカー向けOEM製品では、大規模なAVNCシステムを開発中。これらのシステムは、07年春以降、順次市場展開予定。
・運転者支援「Drive Assist(DA)」事業では、車両周辺情報表示や、車間/インフラとの情報通信、運転時の操作負担軽減のための製品インターフェイス等を開発中。この開発では自動車メーカーとの共同研究に加え、DA評価コースを新設し製品開発/市場展開を加速させる。
新製品
技術供与契約(2007年3月現在)
契約先 | 国名 | 契約内容 | 契約期間 |
ドルビー・ラボラトリーズ・ライセンシング・コーポレーション (Dolby Laboratories Licensing Corporation) |
米国 | テープレコーダー等の雑音低減装置に関する特許実施権の許諾 |
1977年1月1日から 特許存続期間満了日まで |
コーニンクレッカ・フィリップス・エレクトロニクス・エヌブイ (Koninklijke Philips Electronics NV.) |
オランダ | DVDプレーヤーに関する特許実施権の許諾 |
1999年10月12日から 2009年10月11日まで |
トムソン・エス・エー (Thomson S.A.) |
フランス | DVDプレーヤーに関する特許実施権の許諾 |
2000年10月1日から 2005年9月30日まで 以後5年ごとの自動更新 |
株式会社 東芝 |
日本 | DVDプレーヤーに関する特許実施権の許諾 |
2000年12月31日から 2007年12月31日まで |
エムペグ・エルエー・エルエルシー (MPEG LA LLC) |
アメリカ | DVDプレーヤーに関する特許実施権の許諾 |
2002年1月1日から 2010年12月31日まで |
設備投資
2007年3月期の設備投資費は、12,619百万円。
[音響機器事業]
2006年度の設備投資費は、7,316百万円。
・金型を中心とした有形固定資産に2,142百万円、ソフトウェアの開発等に1,687百万円を投資。
・自動車メーカーへの直接納入化などの製品供給体制強化を目的として、ハンガリーの生産設備に1,024百万円
・ノーズ内製化などの生産機能拡充化を目的として、北米の生産設備に235百万円
・タイの生産拠点である「ALPINE TECHNOLOGY MANUFACTURING (THAILAND) CO., LTD.」では、生産拡大対応や環境改善の為の設備取得として294百万円投資
・増産対応の為の生産設備の取得など、中国の生産拠点「太倉アルパイン」(TAICANG ALPINE ELECTRONICS CO.,
LTD.)に728百万円。
[情報・通信機器事業]
2006年度の設備投資費は、5,303百万円。
・新製品開発及び生産の拡充や合理化: 2,017百万円
・社内情報ネットワーク構築: 1,589百万円
・北米の生産機能拡充: 443百万円
設備の新設
事業所名 (所在地) |
設備の内容 | 投資 予定額 (百万円) |
着手 | 完了予定 |
-アルパイン株式会社 | ||||
いわき事業所 (福島県いわき市) |
建物・建築物 |
631 | 2007年4月 | 2008年3月 |
機械装置 | 712 | |||
工具器具備品及び金型 | 3,977 | |||
-Alpine Electronics of America Inc. | ||||
本社事業所 |
工具器具備品及び金型 | 201 | 2007年4月 | 2008年3月 |
-Alpine Electronics Manufacturing of Europe LTD. | ||||
本社工場 (ハンガリー ビアドルバージ市) |
機械装置 |
513 | 2007年4月 | 2008年3月 |
-Alpine Electronics (Dalian) Co. Ltd. [大連アルパイン電子有限公司] | ||||
本社工場 (中国 大連市) |
機械装置 |
1,132 | 2007年4月 | 2008年3月 |
-Taicang Alpine Electronics Co., Ltd. [太倉アルパイン電子有限公司] | ||||
本社工場 (中国 江蘇州太倉市) |
機械装置 |
686 | 2007年4月 | 2008年3月 |