Brembo S.p.A. 2006年度の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ) 2006年度 2005年度 増減率(%) 要因
売上高 (全社) 806.0 711.6

13.3%

以下参照 (1)

営業利益 (全社) 119.0 111.8 6.4%

以下参照 (2)

主な2部門の売上実績

乗用車用製品部門
534.7 470.0 13.8%

以下参照 (3)

商用車及び産業用車輌用製品部門 124.6 107,4 16.0% 以下参照 (4)

要因
(1)
-2006年度の売上高は、前年比+13.3%で806.0百万ユーロ。
商用車及び乗用車用の伸張が最も業績に寄与した。 二輪車及びレース事業も好調。

地域別には、ドイツ、イタリアおよびNAFTAが伸張。
連結海外売上比率は76%で、ドイツ、イタリアで50%を占めた。ブラジルは前年比で+37%と引き続き成長。一方アジアでは、第4四半期に日本メーカーの乗用車向け製品が好調だったことと、中国で工場を立ち上げたことで若干回復したが、地域全体としては減少。

(2)
-営業利益は、前年比で6.4%増の119.0百万ユーロ。売上高営業利益率は14.8%。
-2006年度には、「製品原価及びその他営業費」を含む売上原価は530.4百万ユーロで売上減価率65.8%、2005年度の64.6%に対し1.2%の上昇。
-売上減価率上昇の原因は、前年に比べ不利な売上製品構成であったこと、およびイタリアの工場閉鎖と中国での工場立ち上がりによる特別費用支出を計上など。

新会社設立
2006年10月、100%出資の子会社Brembo Performance S.p.A.を設立。新会社は、自動車及びレース車両向けの部品、アクセサリを設計、販売する予定で、現在立ち上げ準備中。登記資本金は120千ユーロ。

企業買収
2006年11月、工業用及びファインセラミックス素材の生産に関する開発を行うPetroceramics S.r.l.に500千ユーロを出資し、20%の株式を取得。.

開発動向

(単位:百万ユーロ) Dec. 2006 Dec. 2005
合計開発費 25.3 18.3

R&DセンターがStezzano市(ベルガモ州)にある科学技術パーク「Kilometro Rosso」に移転し、2006年末に稼動を開始した。同センターは、メカトロニクスとセンサー技術に関する研究開発を行う。
このセンターはDaimlerChryslerとの共同で立ち上げられた研究施設で、合成物およびセラミックをベースとした材料の研究開発を行う。これら2分野の研究要員として2006年末現在、650名を擁する。


2006年度に推進された主たる研究開発案件
現行製品と比較し約20%の軽量化を図りかつ高温対策に優れた新しいタイプのブレーキディスク。すでに、5種類の製品が納品先と共同開発されており、高い評価を得ている。

ブレーキの音改善一助となる減衰効果がある鋳鉄ディスク用の新合金に関する開発プロジェクトを立ち上げた。

2006年初頭に認可されたメカトロニクス・プロジェクトの開発を先進技術開発部が計画に沿って推進している。
2006年末までに、全てのプロジェクトが顧客に対し成功裏に提案されている。
この内2プロジェクトは、電気機械式ブレーキシステムに関するもので、ドライバーからの指令をブレーキ制動力に変換するコントロールユニットで制御される電動ボタン付きのシステム。

商用車ブレーキシステム(複合キャリパーないしDIH用の電動ケーブルプーラー)をオーストリアのパートナー企業との共同開発。

乗用車用ブレーキシステム(キャリパーのモーターを経由した統合電子ブレーキ付き固定式キャリパー)の電子機器メーカーとの開発計画。開発パートナーは計画は、2007年初頭に確認される予定。

設備投資

(単位:百万ユーロ) Dec. 2006 Dec. 2005 Dec. 2004
合計設備投資費 84.1 95.8 92.3

-親会社Brembo S.p.A. の設備投資額41.5百万ユーロの多くはMapello (Bergamo)の工場建設費用。当工場には、ディスクブレーキ製造ラインが集中的に移転される。そのほかの投資としては、乗用車用部品部門での生産能力増強、さらには各生産工場の全般的な能力向上を目的として、生産設備機械購入と設備の開発費用として引き当てられた。

-さらに、ポーランドの子会社Brembo Poland Sp. Zo.oは、Dabrowa GorniczaにOE,
及び補修市場向けディスクブレーキ製造の鋳造工場を新設し2006年にフル稼働を開始。また、メカニカルディスク加工工場の更新も行った。

-加えてポーランドでは、Czestochowa工場にも生産能力を増加した。