TT electronics Plc 2010年12月期までの動向

ハイライト

近年の動向

受注

-2009年の新規受注の中で大きな案件はMAN社を含む欧州トラックメーカーからの受注。対象となる製品は、排気ガス対策システムで不純物除去の効果を測定する高温度センサー。この技術を搭載したMAN社製トラックとバス全モデルは、欧州環境規制Euro4およびEuro5に準拠することになる。

-2009年中にBMWから車両の発進・停止を検知する新しい速度センサーを受注。同社の特許技術である磁気センサー技術を利用して開発した製品で、BMWの4気筒と6気筒の全モデルに搭載される。2010年内生産開始予定。

-北米OEMから、クライメートコントロール部品を新規で受注。2007年半ばまでに中国に新設する工場で生産予定。

-Autopad製品は、ドイツの大手メーカー向けのアクセルペダル用に初めて搭載されることになった。 2007年に投入予定。

事業再編

-2009年にAB Electronicの Romford工場(英国)を閉鎖。

-2008年を通して7カ所の生産ラインを低コスト地域への移管し、さらに2009年度内には13カ所のラインも移管。

-操業時間の短縮化を含めたドイツ国内のコスト低減を目的とした各種対策を2008年度内に実施。

合弁会社

-2006年12月、インドの現地自動車部品サプライヤーと合弁会社を設立すると発表。合弁会社への出資比率は51%で、同社のセンサーおよびシステム部品をインドの自動車業界、およびそのほかの業界向けに製造販売する。合弁事業のパートナー企業はPadmini VHA Mechatronics Pvt. Ltd.。Padmini社はインドの地場メーカーMahindra & Mahindra、Maruti、およびTataをはじめとしてインド国内で生産拠点を持つGeneral Motors、Hyundaiといったカーメーカー向けに広範なメカトロ製品、エレクトロニクス製品を供給している。

企業買収

-2005年3月、蘇州に拠点を持つ電子機器受託製造会社 Dage Limited (DBS) を買収(TT electronics は、DBS社の発行済み株式を8百万ポンドで取得)。DBS社の年間売上は1,930万ポンド (利益は120万ポンド) で英国のAylesbury市と中国の蘇州に生産工場を保有。DBS社の買収により、既存の電子機器受託製造事業を拡充することができる上、中国における生産拠点を手に入れることで自動車業界大手OEM顧客の要望に対応することが可能となった。

開発動向

研究開発活動

-2010年10月、同社コンポーネント部門は、ハイブリッド/電気自動車 (HEV) 用のマイクロインバーター/パワーエレクトロニックモジュールの開発を受注した。これは、英Protean Electricとの間で、TT electronics AB Mikroelektronikが同モジュールを設計・製造するというもの。生産はオーストリアSalzburg工場で行われる。(2010年10月5日付プレスリリースより)

-温度圧力複合センサー (Combined temperature and pressure sensor) を開発。このセンサーは温度とディーゼル燃料のエンジンへの流量をコントロールするもの。ドイツの自動車メーカー向けに2006年に量産を開始。現在、ドイツの自動車業界向けに日中走行用ランプおよび方向指示器ユニットを制御する新しいソリッドステート照明モジュールを開発しており、 2008年度中に量産を開始する予定。

-Hall effect非接触式センサーは、エンジンクランクシャフトやロードホイール回転速度測定により適しており、この種のセンサーは、ステアリングに使用されるHall effectトルクおよびデジタル角度位置センサー開発が進んでいるなどAutopadシステムの開発と同時に開発している。

-2007年は、Autopadの用途を燃料レベルセンサーおよびステアリング用デジタル角度センサーに拡大する特許を取得した。

-2006年は、Autopadセンサー製品を引き続き開発し、新規に受注。 同センサーは角度測定器具に使用。

設備投資

設備投資額

(単位:百万ポンド)
  2010年12月期 2009年12月期
全社 17.1 16.3
コンポーネント部門 5.9 3.9
センサー部門 9.6 9.1