Michelin 2006年度の動向

ハイライト

業績

単位
(百万ユーロ)
2006年度 2005年度 対前年比

要因

全社
売上高 16,384 15,590

5.1%

(1)
営業利益 1,338 1,368

(2.2%)

(2)
乗用車及び小型トラックタイヤ部門
売上高 8,991 8,621

4.3%

(3)
営業利益 736 782

(5.9%)

-
トラックタイヤ部門
売上高 5,418 5,072

6.8%

(4)
営業利益 357 451

(20.8%)

-

要因
(1) 売上高は前年比で5.1%増加の16,834百万ユーロ。増収の主たる要因は以下の通り:
<プラス要因>
・価格ミックス(+4.7%):年度末にこの傾向は高まり第4四半期では+6.1%。
原材料費の高騰を補うための全製品、全地域を対象とした価格転嫁、高性能用及び冬用タイヤの好調が寄与。

・販売量(+0.7%):微増に留まったが、2005年と比べ12月の売上げが大きく落ち込んだこと、北米の乗用車及び小型トラック市場のかなりの落ち込みが要因。

<マイナス要因>
・連結対象の範囲(-0.2%):2005年5月のホイール事業売却が主な要因
・為替差益なし(0.0%)

(2) 営業利益は前年比で-2.2%の1,338百万ユーロ。
外部費用が増加し、2005年比で+824百万ユーロ。(原材料費だけで+740百万ユーロ。)
費用増加を全世界の製品価格へ転嫁したが、全面的に吸収することはできなかった。


乗用車及び小型トラックタイヤ部門
(3)売上げは、4.3%増加。景気の鈍化と2006年9月まで続いた燃料費高騰の影響を受けた北米市場で大幅に減少。

-OE市場は欧米ともに減少したが、中でも北米では著しく減少。
その他の地域では、ほとんどの市場で売上げは増加したが、特に中国の成長は目覚ましく、同社のプレゼンスを高めた。
-補修品市場は、原材料費の高騰を販売価格への転嫁で一部相殺。

トラックタイヤ部門
(4)売上げは、6.8%増加。南米を除く地域でOEトラックタイヤ市場は活況を呈したが、一方、補修部品市場は各地域で異なる結果となった。

受注
-2007年1月、ボルボグループとの長期グローバル契約を更新。欧州、北米、南米で生産されるボルボ車にOE用トラックタイヤを供給する。
ボルボのトラック及び長距離トラック用タイヤの主要モデルに、"Michelin Durable Technologies"タイヤが装着される。

環境対策
MEF(Michelin Environment Footprint:ミシェラン環境目標)の構成と削減目標値

  2005年を基準とした2011年度目標値 重点配分
エネルギー消費量 -7% 15%
使用水量 -10% 15%
VOC (揮発性有機化合物) -25% 15%

温室効果ガス排出量削減

-10% 25%
廃棄物発生量 -5% 15%
廃棄物投棄量 -60% 15%

開発動向

研究開発費用
(単位:百万ユーロ) 2006年度 2005年度 2004年度 2003年度 2002年度
研究開発費 591 565 576 710 704
対売上比率 3.6% 3.6% 3.8% 4.6% 4.5%

■研究開発体制
欧州、北米、アジアに4000名のリサーチ・エンジニアスタッフ。

■新製品開発
- 2006年

同社の革新技術を結合した"Michelin Durable Technologies(ミシェラン耐久技術)"長距離輸送トラック用XDN2 Gripウィンタータイヤを初めとする新型タイヤを活況を呈するトラック市場に投入。XDN" Gripウィンタータイヤは従来のタイヤ比で製品寿命が25%、グリップ性能が30%それぞれ増加した。

設備投資

設備投資額

単位: 百万ユーロ 2006年12月期 2005年12月期
設備投資費用 1,414 1,336

海外投資
・カナダ:スチール・コードの生産能力を増強。2007年までにWaterville工場の生産能力を増強し、北米でのMichelin X One Truckタイヤの生産を倍増させる予定。

・米国:
-Covingtonのトレッドプレス工場の生産能力を倍増。
-乗用車及び小型トラック用タイヤ生産のGreenville工場では生産性を20%向上する設備投資を実施中。

・米国:Michelin North Americaでは2006年1月 WatervilleのNova Scotia工場にワイドシングルトラックタイヤX Oneの製造ラインを増設すると発表。投資金額は92百万ドル。同投資によりX Oneタイヤの生産量を倍増させる。拡張計画には新設備の設置、X Oneタイヤ生産のエンジニアと製造スタッフの増員も含まれる。設備投資完了後、Waterville工場は同社で世界2番目に大規模トラックタイヤ工場となる。

・フランス、スペイン並びにドイツで4年間で400百万ユーロの設備投資を行う計画。Michelin Durable Technologies(ミシェラン耐久技術)設計のトラック用タイヤを400万本製造する予定。さらに、現在250百万ユーロの設備投資を行っているポーランドのOlsztyn工場には100百万ユーロの追加投資を行う。

・中国:乗用車タイヤとトラック・バス用タイヤの生産量を41%増加。2007年もさらに増加する予定。

新興諸国での拡大
・地場市場での顧客要望に応えるに製品を供給できるよう、バンコク及び日本の太田市に研究施設を 設置。
・2005年から2010年の間で、新興諸国への生産能力増強への投資は30億ユーロ、1年間で500百万ユーロを計画。
2010年までにブラジル、中国、ポーランド、タイで新工場設立や既存工場拡張を行い、グループのタイヤ年産能力を、乗用車及びトラックタイヤ 7百万本、トラック及びバス用タイヤ 百万本、アースムーバータイヤ 40,000メートルトンに増強する。