Beru AG 2007年度の動向

ハイライト

業績
-電子およびセンサーテクノロジー製品部門は同社で最も堅調な成長部門で、タイヤ-空気圧検知システム(TSS: タイヤ安全システム)からの売上により、売上高は対前年度比50%増を記録した。また、イグニッションテクノロジー部門も6.6%の増加を記録し、再び好調に伸長。 しかし、この効果の半分以上がディーゼルコールドスタートテクノロジー部門の売上減によって相殺され、2007年第1四半期のアフターマーケット事業の低迷もこの売上減の一因となった。


OE向け製品

-2007年度、OE事業での供給シェアは維持。 自動車メーカーと直接取引を行い、全世界のほとんどすべての車両メーカーおよびエンジンメーカーに製品を供給している。
-OEセグメントは総売上高の約70%を占める。
-前年度と同様、成長の牽引役はイグニッションテクノロジー部門及び電子およびセンサー製品部門であった。

-高級車メーカー、BMWは米国への全輸出モデルにTSS(タイヤ安全システム)を搭載している。 また、Audi、Bentley、Bugatti、Daimler、Ferrari、Maserati、SsangyongおよびVWなど、多数のメーカーではTSSをオプションとして装備している。さらに米国では、同社の合弁事業パートナーのLearと共同でFordおよびHyundaiにTSSを供給している。

-PTC補助ヒーターシステムは、Audi、Ford、Hyundai、Kia、マツダ、Seat、Skoda、Volvo、VWなどのメーカーで標準装備として搭載されている。

-2007年度、イグニッションテクノロジー製品部門では、Renaultへの供給シェアを僅かに拡大させた。 ディーゼルコールドスタートテクノロジー製品部門では、市場シェアの維持にとどまった。


受注
-第二世代タイヤ空気圧測定システム(TSS)を新型Audi R8に供給。(2007年6月26日付プレスリリースより)

-インスタントスタートシステム(ISS)を07年11月から量産体制に入る「Volkswagen Tiguan(VWティグアン)」に供給(2007年10月26日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費用

(単位:百万ユーロ)

2007年12月期

2006年12月期 2005年12月期
研究開発費用

34.3

33.5 24.8


研究開発体制

-ドイツの研究開発施設では、200名を超える研究員が将来の新製品の研究・開発に従事。 ・2007年度は、この分野に売上高の7.6%を投資し、再び業界平均を上回った。


R&Dセンター
-2007年春、拡張した研究開発センター(FEZ)が正式にオープンした。 今回、5百万ユーロを投じて行った拡張の目玉は、冷却室に設置された新型の全輪ダイナモメーターで、この冷却室では-40℃までの低温でテストを実施できる。


製品開発(2007年度)
ディーゼル用コールドスタートテクノロジー
-2008年度半ばから、プレッシャセンサーグロープラグ(PSG)が自動車メーカー2社で標準装備される。また、 同社は2009年度に、セラミックヒーターエレメント付きPSGを供給する予定。
2009年度には、セラミックグロープラグの生産も開始する。セラミックグロープラグはスチールグロープラグよりも速く高温に達するため、エンジンの始動特性が改善され、車内をより速く暖房することができる上に、排ガスも低減される。


エレクトロニクス製品とセンサー製品
-TSSはタイヤ空気圧を監視し、ドライバーに危険な空気圧減少を早めに警告するため、事故の危険性を低減する。 また、最適なタイヤ空気圧を維持することにより、燃費を改善し、排ガスを低減することもできる。現在、バッテリー不要のシステムを開発中。

-高温センサー(HTS)を開発。 この密閉式温度センサーは、グロープラグと同様に構成され、ガソリンおよびディーゼルエンジンの排ガス後処理用途に設計されている。 このセンサーは排ガス再循環システム、酸化触媒、微粒子フィルターおよびNOx除去システムの監視に使用され、2009年度には量産に移行する予定。

設備投資

(単位:百万ユーロ) 2007年度
(2007年12月期)
2006年度
(2006年12月期)
2005年度
(2005年12月期)
土地、工場、設備への投資額 24.7 24.1 24.8


国内投資
-LudwigsburgおよびNeuhausでは、セラミックグロープラグやプレッシャセンサーグロープラグ(PSG)など、将来の重要製品 を生産する新設備への投資を継続。 MuggendorfとLudwigsburgの両拠点では、イグニッションコイル生産施設の新設および拡張に多額の投資を行った。 Brettenの電子部品工場およびMuggendorfの工場では、Beruのタイヤ空気圧測定システム(TSS)の生産ライン追加に関する投資を実施。


海外投資
-Bretten工場のディーゼルインスタントスタートシステム(ISS)生産ラインの追加に関する多額の投資も実施された。 Chazelles sur Lyon工場(フランス)の生産設備を近代化するための投資を実施し、ここに欧州のスパークプラグの生産を集約。2007年度の投資額は2.7百万ユーロを記録。 さらに、Tralee(アイルランド)の拠点に80万ユーロを投資。その一部をセンサー生産ラインに投資した。

-メキシコの完全子会社BERU Mexico S.A. de C.V.がメキシコ・Morelos州に設立新工場が操業を開始。新工場は、スパークプラグおよびセンサーを生産また、NAFTA地域でのイグニッション製品の流通販売を行う。(2007年6月6日プレスリリース)