BERU AG 2006年度の動向

ハイライト

業績
<部門別業績>
売上高増加は電子及びセンサーテクノロジー製品が牽引
電子及びセンサーテクノロジー製品部門の売上げは、全事業部中最も高い伸び率となる31.6%の増加で135.7百万ユーロ。(前年:103.2百万ユーロ)。増加の主たる要因は、前年から売上げが倍以上となったタイヤ空気圧検知システム(2005年21.9百万ユーロから、2006年は46.5百万ユーロに増加)とPTC補助ヒーターシステムの好調(2005年29.5百万ユーロから、2006年31.5百万ユーロに増加)による。

中核事業は厳しい結果
中核事業であるディーゼル用コールドスタートテクノロジー製品部門では売上は前年比ー6.6%で181.2百万ユーロ。(2005年:194.0百万ユーロ)。得意先である一部のOEメーカーで販売不調を理由として生産台数を削減したことが一因。また、納品先からの価格値下げに対する強いプレッシャーがあったこともマイナス要因となっている。
同社は、この製品群の厳しい競合環境は2007年、2008年も継続し、売上、利益に影響を与えるが、2009年には、グローバルでのディーゼル車の市場環境や新製品の立ち上げなどで再度業績が上向きになると予測している。

イグニッションテクノロジー製品部門では販売が好調
BERU社のイグニッションテクノロジー製品部門では前年比+8.2%で122.0百万ユーロ。(2005年:112.7百万ユーロ)。主たる要因はイグニッションコイルの好調な売り上げと、新製品「小型12ミリ・スパークプラグ」の量産開始。フランスの子会社BERU Eyquemは好調に成長し、前年度との12ヶ月比較におでは売上高で約11%の増加。

(2) 高い営業利益
2006年の営業利益は535百万万ユーロ。売上高営業利益率は12.2%。 一方、減損処理、従業員年金基金の変更、アルバイト従業員の退職条件変更、スパークプラグ生産のリストラなどの複合的なマイナス要因が百万ユーロ。

受注
2006年6月、新型Peugeot207及び307の4気筒の小型ガソリン・エンジンに最新のbi-hex技術を使ったプラチナ・スパーク・プラグを開発・生産すると発表。今回のPeogeotのエンジン向けのプラグは、フランスのChazelles sur LyonにあるBERU TDAの先進ラインで生産されるが、この新プラチナ・スパーク・プラグの生産のため幾つかの新型の設備が導入される。

2006年11月、トリガー・トランスミッター付第二世代タイヤセーフティーシステム(TSS)をBMWの米国向け輸出車種に搭載することが決定したと発表。
さらに、Audi、Bentley、Bugatti、DaimlerChrysler、Ferrari、Maserati、Porsche、双龍、VWからもTSSの引き合いがある。また、米国では合弁パートナーのLearがFordと現代の北米市場向けにTSSを納入している。
PTC補助ヒーティングシステムはAudi、Ford、現代、起亜、マツダ、Seat、Skoda、Volvo、VWに納入している。
イグニション部品の納入は、特にフランスのルノー向けなどで増加。
ディーゼルコールドスタート部品のOE納入は、マーケットシェアの拡大には至らなかったが、業界大手の地位は維持できた。

開発動向

研究開発費用

(単位: 百万ユーロ)
2006年12月期
2005年12月期
2005年3月期
2004年3月期
研究開発費用 33.5 24.8 30.1 27.6

研究開発体制
-ドイツ国内の研究開発人員は220名以上。
-2006年度に登録した特許件数は29件(前年度:16件)。

R&Dセンター
-Ludwigsburg本社にある研究開発センターの拡張工事は、07年半ばの完成を目指し、06年度も継続。既存のクーリングユニットの検査を行う、ダブルアクスル・ローラータイプの試験台を有する冷却ルーム、 電磁両立性(EMC)測定室とエンジンテストベンチなどが今回の拡張工事の中心。
-2007年5月、正式に開所。


製品開発(2006年度)
ディーゼル用コールドスタートテクノロジー
-全ての大手ディーゼルエンジンメーカーが、現在BERU PSG(インテリジェントプレッシャーセンサーグロープラグ)の製品テストを行っている。同社は、07年末までには2社向けに量産を開始する予定。また、2008年開始をめどに、セラミック発熱体付きPSGを市場投入する予定。

-セラミック製発熱体を使用した新型グロウプラグの開発は06年に展開をみせ、近く開発が完了する。すでに製品化計画の段階に入っており09年半には市場投入の予定。

イグニションテクノロジー製品
-イグニッションコイルの分野ではペンシルコイルとプラグトップコイルといわれる形状のシングルシリンダーコイルの採用が増加している。
また、直噴ガソリンエンジン向けの高周波イグニションシステムの開発を行っている。

エレクトロニクス製品とセンサー製品
-2006年のタイヤの空気圧監視システム (TSS) はドイツメーカーの北米仕様車向けの製品開発を中心に行った。
技術テーマとしては、バッテリーを不要にすることで現在制約のあるライフタイムを延長することに主眼を置いている。

-第二世代PTC補助ヒーターは、第一世代と比べ30%軽量化、取り付けの深さを66%低減。かつ、生産コストも大幅に低減。

-2006年度には、HTS(高温センサー)の開発も進んだ。
この HTSはEGR(排気ガス再循環システム)に使用されるもので、ディーゼル排気粒子フィルターと窒素酸化物除去触媒を監視する。コストの最適化を図った製品が納品先企業とともに現在テストの段階に入っている。

-位置センサーの領域では、ターボチャージャーレギュレーターを受注。このセンサーは最新のVTG(可変式タービンジオメトリ)ターボチャージャーに必要な製品となっている。より正確な制御が排気ガス対策用として需要が増えてきたことがその背景にある。

設備投資

(単位:百万ユーロ) 2006年度
(2006年12月期)
2005年度
(2005年12月期)
2004年度
(2005年3月期)
2003年度
(2004年3月期)
土地、工場、設備への投資額 24.1 24.8 34.9 35.6