一汽解放汽車有限公司無錫柴油機分公司 動向 2006

ハイライト

新製品
-2006年1月、同社は4バルブディーゼルエンジン奥威(Aowei)ユーロⅢ排ガス基準モデルの生産を開始した。また2006年1月、同社はユーロⅢ排ガス基準をクリアする8.6リットル4バルブコモンレール式ディーゼルエンジン奥威(Aowei)CA6DL2-35E3の生産を開始した。このエンジンは大型トラック及び大・中型高級バス用で、出力350馬力、自社開発のコモンレールシステムを装備している。同社ではこの開発を新時代を担うプロジェクトとして取り組んできた。

-2006年12月、同社は中国Ⅲ排ガス基準対応の重型トラック/大型バス用13リットル4バルブコモンレール式ディーゼルエンジン奥覇(Aoba)CA6DN1の生産を開始した。このエンジンは同社と第一汽車(FAW)技術センターが共同開発した大型トラック/高級バス用で、出力は390-460馬力、Boschの電子制御コモンレールを採用。国産の4バルブ重型車用エンジンとして最大排気量、最高出力を実現。
 2007年8月、同エンジンを搭載した第一汽車(China FAWの)新モデル「解放(Jiefang)J6重型トラック」がラインオフした。

開発動向

ディーゼルエンジン開発
-2006年6月、自社開発の試作ディーゼルエンジンA31が実車台上試験に成功した。A31は中国Ⅲ排ガス基準対応として開発された電子制御ディーゼルエンジンで、ディーゼル噴射量、噴射タイミングの最適なコントロールを実現した。また従来の噴射系統に比べ、低速域、高トルクの性能が大幅に改善されている。中国Ⅲ排ガス基準を満たしているだけでなく、Ⅳ基準を満たす潜在能力も持っている。採用した噴射系統は国産品のため、調達、コストの面から製品の競争力がアップした。

-2006年6月、同社は中国Ⅲ排ガス基準対応エンジンを発売すると発表した(中国Ⅲ排ガス基準はユーロⅢと同等の中国国家規準)。このエンジンはボッシュとデンソーの電子制御コモンレール系統を採用しており、メンテナンスが簡便で、騒音も低く、低速動力性能が良い。経済性にも優れ、従来に比べ100km当たり3から5リットル燃料を節約できる。製品は4シリーズあり、出力130馬力から460馬力をカバー、車長6mから13.7mの各種バス、トラックに搭載可能。すでに鄭州宇通(Zhengzhou Yutong)、蘇州金龍(Suzhou King Long)、厦門金龍(Xiamen King Long)、安徽江淮(Anhui Jianghuai)、丹東黄海(Dandong Huanghai)など各社の搭載試験に合格している。中国Ⅲエンジンの年産能力は3万台。現在ユーロⅣ、Ⅴエンジンも開発中で、ユーロⅣエンジンは2006年末の発売を予定している。

低公害型エンジン開発
-2006年12月、同社は約1年かけて研究開発した40Cr材の6気筒エンジンコンロッドへの応用に成功した。従来の42CrMoA材に替えこの40Cr材を使用することによりコンロッド1本あたり約4元のコスト削減が可能となった。

-2006年12月、同社初の菜種油エンジンの始動テストに成功した。同社は近年のガソリン価格上昇や消費者の環境保護意識向上に対応し、ドイツの技術者を顧問として研究を進めてきた。菜種油エンジンは燃料のリサイクルが可能で、燃焼時の騒音が低く、排出ガス中のCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、粒子状物質が少ないなどの特長がある。

2006年の開発計画
-約2億元を投じエンジンの開発を行う。同社は過去三年間高級エンジンのユーロⅢ排ガス基準クリアに重点を置き毎年多額の開発費を投じてきた。2005年に6DLシリーズディーゼルエンジンが発売されたことにより高級製品は目標を既に達成した。2006年は開発の重点をユーロⅢ排ガス基準対応の中・低級製品に移す。また年末までに国内初となるユーロⅣ排ガス基準対応ディーゼルエンジンも開発する。