Rheinmetall Automotive AG (旧 KSPG AG) 2019年12月期の動向

業績

(単位:百万ユーロ)
  2019年12月期 2018年12月期 増減率 (%) 要因
Rheinmetall  Automotive
売上高 2,736 2,930 (6.6) 1)
営業利益 184 262 (29.8) 2)
部門別売上高
Mechatronics部門 1,525 1,664 (8.4) 3)
Hardparts部門 937 989 (5.2) 4)

 
要因
1) 売上高
-2019年12月期の売上高は、前年比6.6%減の2,736百万ユーロ。為替影響を除くと、7.4%減となった。


2) 営業利益
-2019年12月期の営業利益は、前年比29.8%減の184百万ユーロ。営業利益率は前年の8.9%から6.7%に下落した。


3) Mechatronics部門
-同部門の2019年12月期の売上高は前年比8.4%減の1,525百万ユーロ。自動車用排気システムおよびソレノイドバルブ事業における大幅な売上減が影響した。これらの売上減をアクチュエーター事業の増収が僅かに相殺。また電動バキュームポンプや電動混合気ポンプの増収があった一方で、ポンプ事業全体の売上は減少となった。

4) Hardparts部門
-同部門の2019年12月期の売上高は前年比5.2%減の937百万ユーロ。特に、北米とブラジルでの小型ボアピストン事業の売上減が響いた。ベアリング事業も同様に売上減となった。

買収

ー同社は、子会社のKS Kolbenschmidtを通じてCarbon Truck&Trailer (CarbonTT)の株式24.9%を取得したと発表した。CarbonTTは炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製耐荷重構造部品を開発、製造し、特に費用対効果の高い小型商用車向けのCFRPシャシー量産に注力している。CFRPはスチールよりも最大70%、アルミニウムよりも30%軽量で、燃料消費量の削減、積載量の増加、電気自動車(EV)の航続距離延長に貢献する。今回の出資の目的は、OEM規格に合わせて生産プロセスを工業化し、対応する品質システムを編成することにあるという。さらに他社の材料、製品との組み合わせにより、軽量アプリケーション、統合モジュールおよびシステムの開発の戦略的オプションにもつながるとしている。(2019年9月11日付プレスリリースより)


-同社グループは、傘下のRheinmetall CanadaがカナダProvectus Robotics Solutionsの株式100%を取得したと発表した。Provectus Robotics Solutionsはカナダ拠点の先進ロボティクスとソフトウェアの開発会社。この買収により、Rheinmetallグループのロボティクスや自動運転分野の技術的能力が拡大すると見込んでいる。Rheinmetallは既にProvectusとは無人地上車両 (UGV) で協業している関係を持ち、この垂直統合により自動運転技術の分野において優位性を獲得できるとしている。今回の買収は、最先端技術を持つ優良サプライヤーとしてのRheinmetallの位置付けを確立する戦略の一部であるという。(2019年7月26日付プレスリリースより)

 

受注

-同社とHuayu Automotive Systemsの合弁会社であるKS Huayu AluTechは、構造部品や電動モビリティ分野へ事業を拡大した。このようにKS Huayu AluTechはドイツのOEMとEV用のバッテリーハウジングの開発で協業を行うなどしている。KS Huayu AluTechが開発したその他のシステムには、複雑な水冷システムを搭載したアルミニウム製の電気モーターハウジングなどがある。


-同社は、グループ傘下のKolbenschmidt Huayu Piston (KSHP)が大手自動車メーカーからリングキャリアと冷却ギャラリー技術を備えたガソリンエンジン用軽量ピストンの受注を獲得したと発表した。Rheinmetallの子会社KS Kolbenschmidtが開発したこの製品を、KSHPが2022年から上海で生産を開始し、2028年まで製品を供給する。1.5Lターボエンジン向けのピストンは、今後4気筒エンジンに採用される予定。この製品は中国の最新の排出ガス基準を満たし、燃費効率を改善する軽量で低摩擦のピストンだという。(2019年11月13日付プレスリリースより)


-同社は、Pierburg、Swoboda、BASFおよびGMが開発した全樹脂製燃料蒸気ポンプASSYの量産を開始したと発表した。この製品は現在Pierburgの米国サウスカロライナ州Fountain Inn向上で製造し、キャデラック「XT4」に搭載されている。この製品は蒸発燃料排出物を蒸発性エミッション制御(EVAP)システムからエンジンに直接転送することで、排出ガスを削減し、エンジン効率を改善する。車両にリアルタイムのパフォーマンスフィードバックを提供する統合圧力センサーなどのいくつかの拡張機能とともに、自動車メーカーがEVAPシステムでより複雑なリーク診断チェックを実行できるようにするパージポンプなども組み込まれている。ガソリン蒸気の漏れ防止シールにはBASFのポリアミド「Ultramid」6および66を使用している。(2019年11月11日付プレスリリースより)

 

-同社グループ傘下のPierburgは、同社史上最大規模の新型Electric Vapor Pump (EVAP)を受注したと発表した。Pierburgは現在700百万ユーロ超の注文を受け、2018年夏から量産を開始しており、2026年まで米国および中国の自動車メーカーに製品を供給する。これらの車両が生産されると、同社は年間最大350万個のEVAPを生産することとなる。この製品は、米国サウスカロライナ州Fountain Inn工場と上海の合弁会社で製造される。EVAPはインテーク・パイプの真空を必要とせずに活性炭キャニスターを浄化するため、現代のエンジンに適しているという。またこの製品にはシステムの圧力を車両のコントロールユニットに報告するための統合圧力センサーが装備されている。(2019年9月25日付プレスリリースより)


-同社は、子会社のPierburgを通じてドイツの自動車メーカーから受注を獲得したと発表した。Pierburgは、燃料電池車で将来使用される電気カソードバルブを供給する。ベルリン拠点で開発された電動フラップシステムは、新鮮な空気と排気の空気流量の制御、燃料電池スタックの厳しい遮断に使用される。この燃料電池車は2022年生産開始予定。新型カソードバルブは、十分な予備電力を持つ電気モータードライブを搭載しており、水分が豊富な排気側では、霜が降りても機能障害が発生しないような動作信頼性を発揮するという。(2019年8月14日付プレスリリースより)


-同社は、グループ傘下のPierburgが新型の2/2クーラントバルブを開発し、ドイツの自動車メーカーから受注を受けたと発表した。同クーラントバルブは従来の内燃機関と電気自動車 (EV) にも適用可能。ドイツNeussで開発・量産されるこのバルブは、2021年から量産車両に搭載され始め、受注総額は約50百万ユーロになるという。また、この自動車メーカーの3、4、6気筒を含む全ガソリンエンジンのデガスボトルやトランスミッションに冷却水を供給するバルブにも使用される予定のほか、EVの高電圧バッテリー冷却用バルブにも使用される。(2019年7月15日付プレスリリースより)


-同社は、子会社のPierburgを通じて中国トラックメーカーから大量受注を獲得したと発表した。今回の受注額は顧客生涯価値(ライフタイム・バリュー)155百万ユーロ規模で、Pierburgは昆山工場で現在建設中の新生産ラインで製造する排気ガス再循環システムとリードバルブを、2020年から中国の大型トラックメーカーに供給する予定。これらの製品は、新開発のオンロード・オフロード車用13Lおよび15Lディーゼルエンジン向けに設計されている。新開発の電子制御の複流排気ガス再循環バルブは排気ガス再循環(EGR)システム機能を最適化でき、同じく供給予定のリードバルブと関連してエンジンから排出される窒素酸化物の低減に貢献するという。(2019年6月14日付プレスリリースより)


-同社グループ傘下のPierburgは、新型可変バルブコントロールシステム「UpValve」の90百万ユーロ規模の受注を獲得したと発表した。バルブトレインの生産は2019年にNeuss工場で開始し、製品を供給する車両は2020年に量産開始を予定している。「UpValve」は最大5%の燃料節約が可能で、複数の中国自動車メーカーに提供する予定で、Pierburgが共同設計した4気筒ターボチャージャーガソリンエンジンに搭載されるという。(2019年5月15日付プレスリリースより)


-同社グループ傘下のKS Kolbenschmidtは、欧州および北米の大手トラックメーカーから受注契約を獲得したと発表した。このプロジェクトは、すでに納入済みのスチール製ピストンASSYとシリンダーライナーをフォローアップするもので、顧客生涯価値(ライフタイムバリュー)は290百万ユーロを超える見込み。今回の契約は2025年まで継続し、生産は同社の欧州本社で2020年から開始する計画で、NAFTA市場向け製品はメキシコで生産されるという。これらの製品は11Lと13Lの大型エンジンに搭載される予定。(2019年1月24日付プレスリリースより)

受賞

-Rheinmetall Automotive China子会社のPierburg Chinaは、中国昆山市政府から「高生産性企業(High Unit Productivity Enterprise)」賞と賞金120万元を授与されたと発表した。政府は、単位生産と技術革新の観点から産業資源の有効利用を推進しており、2009年設立のPierburg Chinaは、EGRバルブなどを製造している。(2019年4月4日付プレスリリースより)

動向

-同社は2020年12月期の業績見通しについて、新型肺炎の影響を除くと、2%から3%の売上減を見込んでいる。

研究開発費 

(単位:百万ユーロ)
2019年12月期 2018年12月期 2017年12月期
Mechatronics 部門 176 161 148
Hardparts 部門 34 32 34
Aftermarket 部門 - - -
その他 - 1 4
合計 210 193 186

  

研究開発活動

-同社の最近の研究開発活動は、第一に電動モビリティシステムに注力されている。特に、電動ドライブやエネルギー貯蓄に関するもの。またコネクティビティや先進運転支援システム (ADAS) 分野での開発活動も開始している。

研究開発拠点

-2019年12月期、同社は研究開発分野に合計1,275名の従業員を抱える。

製品開発

高性能エンジン向け第5世代ピストンシステム
-Hardparts部門は、高性能ガソリンエンジン向けピストンシステムである第5世代製品を開発した。このピストンシステムは、従来よりさらにシステム内の摩擦を抑制したことで燃費改善も果たしている。

ダイアモンドライクカーボン (DLC) コーティング低摩擦ピストンリング
-ダイアモンドライクカーボン (DLC) などのコーティングを施した低摩擦ピストンリングをリケンと共同開発した。同社が開発した様々な滑らかな表面のシリンダーと組み合わせ、さらなるCO2削減を果たしている。


電動クーラントポンプ

-同社は、グループ傘下のPierburgが従来の燃焼エンジンの冷却にも、燃料電池車の燃料電池スタックにも使用できる電動クーラントポンプを開発したと発表した。また、駆動システムに依存しないため、ハイブリッド車 (HV)および電気自動車 (EV)にも適している。内燃エンジン、電気モーター、バッテリー、パワーエレクトロニクスなどの熱管理が主な機能となる。Pierburgはポンプの騒音レベルを低く保つEV用水循環ポンプを開発した。35-250ワットを出力するこのポンプは、補助ユニットの冷却に使用される。このほか、高性能バージョンとして400ワットと950ワットを出力するポンプもラインナップに加わっている。(2019年12月13日付プレスリリースより)


多機能電動オイルポンプ
-同社は、グループ傘下のPierburgが多機能電動オイルポンプを開発したと発表した。このポンプは内燃エンジンのみでなく、電気モーターの補助機能としても使用可能。電動オイルポンプには、ポンプ、モーター、電子コントローラーの3つのサブシステムがある。湿式デュアルクラッチトランスミッション搭載車では、電動オイルポンプは冷却の役割を果たす。また、トランスミッションの種類に関係なくオイルパン内のギアによって生じる飛び散りのロスを減少させるスカベンジポンプとしても使用できる。このポンプは、1)オイルサンプの外側に取り付けられ、三相ECモーターとジェロータを備えるポンプ、2)三相ECモーターを装備し、油面下に沈めるオイルパン搭載ポンプ、3)オイルサンプの外側にも取り付けられ、単相ECモーターで駆動するラジアルポンプの3種類の製品構成で展開しており、顧客のニーズに応じて中小規模の出力のオイルポンプを供給できるという。(2019年12月10日付プレスリリースより)


ポリマーコーティング スラストワッシャー「KS R535L1」
-同社は、グループ傘下のKS Gleitlagerがスタート/ストップモードと優れた耐摩耗性能を備えるポリマーコーティングのスラストワッシャー「KS R535L1」を開発したと発表した。「KS R535L1」は部品製造後にポリマーコーティングが施される。コーティングはトランスファー成形圧力により塗布されたポリアミド固体潤滑剤複合材料で構成されている。固形潤滑剤の含有量が多く、軸受面のみが複合材でコーティングされ、グレーブラックに着色されている。スタート/ストップサイクルの数が増えると、摩耗が大幅に減少するという。(2019年12月4日付プレスリリースより)


燃料電池車向け製品
-同社は、グループ傘下のPierburgが燃料電池車用ポンプ、バルブを開発したと発表した。Pierburgが開発した制御バルブ(多目的バルブ)は、軽量でコンパクトなパッケージで燃料電池のカソード側での使用に適している。脱イオン水と水素に耐性があり、正確な比例制御が可能。低リーク、高流量、低圧力損失を同時に実現するという。また、400Vと800Vの電気システムに適合するクーラントポンプも発表した。この高電圧クーラントポンプは、センサーレス制御を備えたブラシレスECモーターによって駆動する。このほか、サイドチャネルブロワーをベースとする、ダイナミックシールを使用せず水素気密性を確保する水素再循環ブロワーも開発した。この製品は高電圧と低電圧のバリエーションで利用でき、低温での始動が可能で優れたNVH特性を備えている。(2019年11月28日付プレスリリースより)


4気筒ディーゼルエンジン向けアルミニウム製パーツ
-同社グループと華域汽車系統股份有限公司[HUAYU Automotive Systems Co., Ltd.]の合弁会社KS HUAYU AluTechは、ドイツの大手自動車メーカーのディーゼルエンジンモデル向けにアルミニウム4気筒ディーゼルエンジン部品を生産すると発表した。このエンジンは、現在量産中のエンジンシリーズの派生バージョンとなる。2.0Lエンジンの場合、低性能モデルではダイキャストハウジングが使用される。2番目に強力なモデルの製造プロセスでは、低圧ダイキャストを使用する。両製品ともに、シリンダーは低摩擦で高効率、低排出に貢献する特別なライニングを備える。無機的に製造されたコアと特殊な冷却技術を使用することで、部品の複雑なジオメトリ、機械的要件と動作仕様に対応するという。製品の生産は2018年秋から開始しており、2027年まで製造する計画。(2019年11月26日付プレスリリースより)


電動エアコンコンプレッサー
-同社は、グループ傘下のPierburgが電気自動車 (EV) 用エアコンコンプレッサーを開発したと発表した。電圧レベルHV2およびHV3に対応するこの製品は、メカニカルコンプレッサーユニット、電気モーター、パワーエレクトロニクスの3つのモジュールで構成される。運転席を温めるためにヒートポンプを使用することにより、高電圧貯蔵ユニットからのエネルギーの流れを必要に応じて減らすことができるため、車両の航続距離を延ばすことができるという。製品開発にあたり、軽量化、操作効率を重視、さらにコンプレッサーの低ノイズにも注力し、同社は冷媒回路用の電子制御膨張弁という部品を開発した。(2019年11月14日付プレスリリースより)


メンテナンス不要ベアリング「KS P180」
-同社は、グループ傘下のKS Gleitlagerが騒音を低減し、耐荷重能力を向上するメンテナンス不要の新型プレーンベアリング「KS P180」を投入したと発表した。「KS P180」はブロンズ構造とPTFEコンパウンドを組み合わせることで、特にエッジ耐荷重性を大幅に改善する。アキシャルテストベンチでは、新しいベアリングは標準のPTFE材料に比べて大きな利点を提供しており、「KS P180」の摩擦係数は耐用年数全体にわたって一貫して低いレベルを維持する。またこのソリューションはショックアブソーバーのみでなく、流体ポンプ、コンプレッサー、アクチュエーター、ステアリングシステムにも適用可能。(2019年10月24日付プレスリリースより)


「formnext」出展のSolidteqの開発技術
-同社は、グループ傘下のスタートアップSolidteqが金属材料を使用した3D印刷ソリューションをフランクフルトで開催される「formnext」に出展すると発表した。同社は一般的な機械およびプラントエンジニアリング、特殊なプラントおよび機器、工具メーカー、製品開発オフィスおよび自動車業界向けソリューションを公開予定で、単一のソースから提供するプロジェクトフェーズなどを例示する。これらは、コンサルティングから3Dモデルの開発、印刷からワークピースの完成と仕上げにまで及ぶという。(2019年10月21日付プレスリリースより)


ブレーキブースター用真空ポンプ「EVP40」
-同社グループ傘下のPierburgは、ブレーキブースター用真空ポンプ「EVP40」にオンデマンドで動作し、堅牢性、耐熱性、ノイズを改善する電動オプションを設定したと発表した。この製品はハイブリッド車や電気自動車(EV)のみでなく、従来のドライブラインを備える車両にも適用可能で、ドイツHartha工場と上海の合弁企業Pierburg Huayu Pump Technologyで製造される。「EVP40」の設計において、車両の操作性を常に保証する必要があり、ブレーキシステムが最優先事項であるため、信頼性と寿命に特に重点が置かれた。また耐久性と安全性も重要な問題であったため、-40°Cから+120°Cの温度などすべての条件下で広範なテストプログラムが実施された。(2019年10月17日付プレスリリースより)


コンパクトドアアクチュエーター
-同社は、グループ傘下のPierburgが自動開閉サイドドア用アクチュエーターを開発したと発表した。2022年量産開始予定。このアクチュエーターは周囲の状況を監視するセンサーを備えたセキュリティシステムに統合される。BLDCモーターにより、十分な出力密度とコンパクトなメカニズムを備え、障害物検出機能やゼロ電流条件下でドアを固定する統合機能や、ドアを閉じる力やドアを開く角度を測定する機能なども併せ持つ。これらの機能により、歩行者や自転車などの衝突を回避でき、保護の強化にもつながるという。(2019年9月26日付プレスリリースより)


フランクフルト・モーターショー2019出展の技術
-同社は、IAAフランクフルト・モーターショー2019において、KolbenschmidtとPierburgブランド製品を出展すると発表した。同社は効率的・低排出の内燃エンジン、電気自動車 (EV)・ハイブリッド車 (HV) 向けのソリューションを展示するほか、現代の都市やライフスタイルモビリティを考慮したファースト・ラストマイル輸送向けの新ドライブラインコンセプトや48V電動アシスト自転車など「Beyond Powertrain」をテーマに掲げた製品も公開する。eモビリティ分野では、電気を動力とした駆動系部品や高電圧トラクションユニット、小型商用車向け48Vドライブラインなども出展する。新分野からは、EV向けサーマルマネジメントや燃料電池車のドライブラインなどのシステムを公開する。メカトロニクス部門のPierburgからは、電動クーラント/オイル/バキュームポンプの分野で最新技術を披露。ハードパーツ部門のKolbenschmidtからは現代的な軽量ピストン向けに低摩擦コンセプトを展示する。(2019年7月26日付プレスリリースより)


上海モーターショー出展の技術
-同社は、グループ傘下のKolbenschmidtおよびPierburg製品を上海モーターショーに出展すると発表した。同社は、中国合弁企業が製造する電気モーターハウジングとバッテリートレイや、バッテリー冷却部品、ポンプ、電動ドライブユニットを公開する予定。また、電動化車両向け空調システムの加熱/冷却モジュールや、環境対応の排気ガス再循環システム、スロットル、バルブ、オンデマンドポンプなども出展する。このほか、摩擦低減コーティング技術採用の軽量ピストンやスチールピストン、高性能滑り軸受も展示予定。 (2019年4月1日付プレスリリースより)


複雑形状エンジンブロックおよびモーターハウジング向け鋳造生産プロセス
-同社グループと華域汽車系統股份有限公司[HUAYU Automotive Systems Co., Ltd.]の合弁会社KS HUAYU AluTechは、中国安徽省広徳県の新工場で複雑なエンジンブロック形状および電気モーターハウジングの製造に適した新開発の鋳造生産プロセスを導入したと発表した。このプロセスはアンダーカット形状と様々な形状のチャンネルを使用して柔軟な設計を可能にし、使用材料数の低減により3-5%の軽量化を実現するという。また、砂の熱伝導が非常に低いため、恒久的な鋳型鋳造と比較して同じ充填速度および溶融温度でより薄い壁厚を得ることも可能。このプロセスによって製造されたソリューションは現在、ねずみ鋳鉄製ライナー付き直列4気筒エンジンに使用されている。(2019年2月11日付プレスリリースより)

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
2019年12月期 2018年12月期 2017年12月期
Mechatronics 部門 92 103 81
Hardparts 部門 41 51 68
Aftermarket 部門 7 6 4
その他 3 1 1
合計 143 161 154

-Mechatronics部門における設備投資額は、新規製品の産業化および、アジア・北米・特に中国での生産施設の拡張に集中した。Pierburg Chinaはトラック向け製品用の設備や、クーラントバルブ、スロットルバルブ、迂回バルブ用の設備を開発・導入した。同社はまた、インドでより厳格になるBS-VI規制に対応するために、複数のプロジェクトを立ち上げた。一方でこれらのプロジェクトの需要に耐えられる能力を確保するための投資も行う。

-2019年12月期のHardparts部門における設備投資は、小型ボアピストン事業に集中していた。特に同部門は、チェコやメキシコのスチールピストン生産設備の更新に投資を行った。

 

国内投資

-Rheinmetallグループ華域汽車系統股份有限公司[HUAYU Automotive Systems Co., Ltd.]の合弁会社KS HUAYU AluTechは、35百万ユーロを投じてドイツNeckarsulm工場を拡張し、5,000平方メートルのアルミ構造部品製造施設を新設すると発表した。新工場では120名を雇用し、ダイカストによるアルミ製錬から熱処理、CNC仕上げ、最終検査に至るまでの全プロセスチェーンをカバーし、ショックアブソーバー用マウント、サスペンションストラット、アルミ製クロスメンバーや、電気自動車用バッテリートレイを生産する。(2019128日付プレスリリースより)

 

海外投資

<米国>
-米国の複数メディアは、同グループ傘下のPierburg USがサウスカロライナ州のFountain Innの既存事業を拡張する計画であると報じた。同社は今後5年間で27百万ドルを投じ、施設内に4つの新生産ラインを導入する予定だという。拡張は2024年に完了する見込み。(2019年12月23日付複数メディア報道より)