ロシア: AvtoVAZ-Renault-日産/Ford-Sollers/VW-GAZが生産拡大

GM/Fiatは単独で生産能力増強、トヨタ/マツダ/いすゞは極東で生産計画

2011/08/11

要 約

 ロシアでの自動車販売は、2008年に293万台となり、まもなく欧州最大市場であるドイツ (同年337万台) を抜くとされていたが、2009年に金融危機の影響で5割減の147万台に急落、生産台数も6割減の72万台に縮小した。

 しかし、2010年には、堅調な原油価格を背景に経済が回復に向かい、ロシア政府の自動車産業への金融支援や新車購入支援策も効を奏し、販売台数は191万台にまで回復。生産台数も141万台に倍増した。欧州ビジネス協会 (AEB) は、ロシア市場は金融危機前に近い水準に回復しつつあるとし、2011年の販売見通しを245万台と予測している。

 ロシア政府は、自国の自動車産業をさらに育成するため、2011年2月に自動車組立に関する新規則を公布。自動車メーカーが輸入部品の優遇関税措置を受けるためには、年産台数30万台、国産化率60%等の厳しい条件を満たすことが求められる。

 このため、海外メーカーの多くは、現地メーカーと提携して生産を拡大する。Renault-日産はAvtoVAZ (アフトワズ) の株式の過半数を取得して提携事業をさらに拡大する計画。FordはSollersと、VWはGAZと提携して生産を拡大する。GMとFiatは単独で生産設備を整備する。

 トヨタ、マツダ、いすゞ等の日本メーカーはロシア極東での生産を計画。商用車メーカーのKamazも生産拡充を図り、MANはロシアでの生産を開始する。

 (注) メーカー別乗用車・小型商用車販売台数をレポート末尾に記載した。



2010年の販売台数は30%増の191万台、生産台数は倍増の141万台

 ロシアの自動車販売は金融危機の影響で2009年に147万台に半減、生産台数も6割減の72万台に縮小したが、2010年は、30%増の191万台にまで回復、生産台数も141万台に倍増した。原油高に伴って経済が回復し、ロシア政府の自動車産業への金融支援や新車購入支援策が効を奏したためとみられる。

 2011年1-6月も販売台数は56%、生産台数は64%増加した。欧州ビジネス協会 (AEB) は8月時点で、2011年の販売台数を245万台と予測。生産台数の統計を発表しているASM Holdingは、7月時点で2011年の生産台数を195万台 (乗用車171.3万台、商用車23.6万台) と予測している。

ロシアの自動車生産台数と販売台数

(台)
  2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2010年
1-6月
2011年
1-6月
自動車生産台数 1,504,050 1,671,590 1,802,823 724,190 1,406,643 564,843 926,600
(内数) AvtoVAZ 799,769 757,805 822,485 299,700 551,161    
乗用車生産台数 1,173,624 1,288,652 1,468,579 595,807 1,208,362 487,379 814,900
商用車生産台数 330,426 382,938 334,244 128,383 198,281 77,464 111,706
自動車販売台数 1,881,420 2,566,531 2,928,054 1,465,925 1,910,573 793,483 1,235,442
(内数) VAZ/Lada 629,830 683,830 640,194 354,306 517,147 222,101 291,540

資料:ASM Holdings, 欧州ビジネス協会 (AEB), 他
(注) 2010年、2010年/2011年 1-6月の販売台数は、大型トラックを含まない。

 



ロシア政府:自動車組立の新規則を公布し、年産能力30万台、国産化率60%を要件へ

 ロシア政府は2010年4月、2020年までの自動車産業発展戦略を発表。戦略課題として、現地生産の拡大やシベリア・極東地域を含む地方での自動車産業の発展を挙げた。その対策の一環として、2009年に引き上げた輸入車関税を引き続き高率に維持しているほか、極東からの自動車輸送料金の免除措置を実施している。

 2011年2月には、国内の自動車産業をさらに育成するため、自動車組立に関する新規則を公布。ロシアで生産する自動車メーカーが、輸入部品の関税減免措置を受けるためには、3年以内に年産能力を30万台、5年以内に国産化率を60%にする等、厳しい要件を課される。この新規則に基づき、AvtoVAZ-Renault-日産、Ford-Sollers、VW-GAZ、GMなど4グループの組立生産計画が承認された。

ロシア政府:2020年までの自動車産業発展戦略を発表

 ロシア工業商業省は2010年 4月、2020年までの自動車産業発展戦略を発表した。2020年の乗用車・小型商用車の国内販売台数は 395万台、国内生産台数は 343万台の見通し。戦略課題として、(1)現地生産の拡大、(2)世界水準の技術の獲得、(3)シベリア・極東地域を含む地方での自動車産業の発展、(4)研究開発のインフラ整備、(5)技術者の養成を挙げている。 

資料:各紙報道

ロシア政府:自動車の輸入関税を引き続き高率に維持
 ロシア政府は、2009年 1月から 9カ月間の暫定措置として輸入車関税を引き上げた。09年10月に同措置をさらに 9カ月間延長し、2010年 7月の期限後も引き続き同税率が適用されている。新車に対する関税率は、平均 25% から同 30% に引き上げ、国産車と競合する中古車 (車齢5年以上) については、平均 80%程度の関税を賦課している。 
資料:JETRO海外ビジネス情報, 各紙報道
(注) 1. ロシアのプーチン首相は2010年 8月、国営テレビを通じ、輸入車関税をさらに引き上げる計画があると表明した。すぐに計画を実施するわけではないが、引き上げの可能性を示唆して、海外メーカーにロシアでの現地生産と新規投資を促す考えと見られる。
2. 一方、現在交渉中のWTO加盟が実現すれば、暫定措置として導入していた輸入車関税 30% を 25% に戻す必要があり、その後 7年以内に 15% にまで引き下げることが求められる見通し。
ロシア政府:極東地域からの自動車輸送料金の免除措置
 ロシア政府は、2010年4月の政府決定により、極東地域で製造された自動車を、ロシア国内の他地域に鉄道で輸送する場合、輸送料金を全額免除するものとした。料金の免除によって、鉄道会社に生じる損失は政府が補填する。2010-2012年の補填額は、計633.1百万ルーブルに達する見込み。

資料:みずほ総合研究所レポート 2011.6.30

 

ロシア政府:自動車組立に関する新規則を公布 (2011年 2月)

 ロシア法務省は2011年 2月、国内での自動車組立に関する新規則を公布した。新規則によると、輸入部品の関税減免措置 (最大8年間または2020年末まで) を受けるには、自動車メーカーは、政府との契約締結後 3年以内に年産能力 30万台 (新規生産の場合)、または 35万台 (既存設備を拡張する場合)を達成しなければならない。また、5年以内に国産化率を 60% に引き上げ、生産車の 30% に国産のエンジン/トランスミッションを搭載することが要求される。
 セミノックダウン (SKD) による組立は、契約締結後 36カ月に限定される。SKD生産は、全生産台数の 5%以内とする。また、当該メーカーは、ロシア国内に R&Dセンターを設立するよう求められる。
 新規則に基づいて契約を締結する自動車メーカーは、2011年 6月までに事業計画の承認を受けるものとする。旧規則に基づき稼働している18プロジェクトは、従来の条件で事業を継続することができる。また、今後も承認が得られれば、旧規則で契約を締結することが可能とされる。
新規則に基づく組立生産について、AvtoVAZ-Renault-日産、Ford, VW, GMの投資案件を承認
 ロシア経済発展省は、2011年 6月、新規則に基づく自動車メーカーの組立生産について、4件の投資案件を承認したと発表した。承認されたのは、AvtoVAZ-Renault-日産-Kamaz-Daimler 5社連合(投資額 20億ドル)、Ford-Sollers (12億ドル)、VW-GAZ (9億ドル)、GM (10億ドル)の 4グループの事業計画。
資料:Automotive News 2011.2.27, 他
(注) 1. 2005年 3月に公布された、輸入部品の関税減免措置に関する旧規則は、年産能力の要件が 25,000台。国産化率の直接的な要件はないが、目標は 30% としている。
2. AvtoVAZ と Kamazには共通の株主がいるため、Renault, 日産, Daimler も含めて1つのグループとみなされる。
3. ロシアは現在 WTO (世界貿易機関) 加盟に向けて交渉中で、2011年中にも加盟が認められるとの見通しもあるが、EUや米国は加盟の条件として、自動車組立に関する上記措置の早期撤廃 (特に国産化率 60%の要件) を求めている。

 



ロシア政府:2011年も新車購入支援策を継続

 ロシア政府が2010年3月から実施した新車購入支援策は、2011年3月までに50万台の新車購入を支援した。2010年には、この支援策の効果により約30万台の販売が増加したとみなされ、国内販売の拡大に多大な効果があった。しかし、ロシア政府が目指すとされる300万台市場 (2010年は191万台) にはまだ届いていないため、2011年4月からも引き続き新車購入支援策を実施する。

ロシア政府:2011年も新車購入支援策を継続

 ロシア政府は、2011年4月から実施される第 3回新車購入支援策 (Scrappage Scheme) に、50億ルーブルを支出する。従来と同様、車齢10年超の車を廃車にして新車を購入すると、5万ルーブルの支援を受けられる。2011年内に10万台に対し、支給される (1ルーブルは3円弱)。
 2010年3月に開始された新車購入支援策には、2011年3月までに250億ルーブルを投じ、50万台の新車購入を支援した。ロシア政府は、2012年からは、バスおよび大型トラックの買い換え支援も検討している。

資料:各紙報道

 



Renault-日産:ロシア最大手AvtoVAZ (アフトワズ) の経営権を取得してシェア4割を確保

 ロシア最大手の自動車メーカー AvtoVAZは2009年に経営危機に陥ったが、政府からの金融支援で経営の立て直しを進めるとともに、AvtoVAZの株式25%を保有するRenaultとの提携を拡大してきた。2011年6月、Renaultは日産とともにAvtoVAZの株式の過半数を取得し、3社でロシアの市場シェア4割を確保する計画を明らかにした。

 3社の生産計画では、2012年初からRenault Loganをベースとした車をAvtoVAZの工場で生産し、Renault、日産、Ladaの3ブランドで販売する。Loganベースの5車種で40万台を生産する計画。

Renault-Nissan:AvtoVAZ (アフトワズ) の株式の過半数を取得してシェア拡大へ

株式の
過半数取得
 Renault と日産の CEO カルロス・ゴーン氏は、2011年 6月、Renault と日産が共同で AvtoVAZ の発行済み株式の 50%超を取得する計画を明らかにした。Renault, 日産、AvtoVAZ の 3社で、ロシアの市場シェア4割確保を目指す。Renault は現在 25% + 1株を保有しているが、これを 35% まで引き上げる。日産は 15% を取得する予定。株式取得は2011年末までに完了する見込み。
市場シェア  2011年上半期の市場シェアは、AvtoVAZ (Ladaブランド) が23.6%、Renault が6%、日産が 4.8%。2016年にはこれを AvtoVAZ 25%、Renault 8%、日産7% に引き上げ、計 40%を目指す (2016年のロシア市場を 400万台と見込む Renault の予測では、40% の市場シェアは 160万台に相当)。
生産能力  現行の年産能力は、AvtoVAZ の Togliatti工場が 90万台、Renault の Moscow工場が 16万台、日産の St. Petersburg工場が 5万台で、計 111万台。Renault と日産の工場は 3シフトのフル稼働だが、AvtoVAZ は現在 2シフトで稼働しているため、3シフトにすればあと 50万台を年産能力に追加できる見込み。
モデル計画  2012年初めに AvtoVAZ工場に新組立ラインを開設し、Renault Logan をベースとしたモデルを生産する。Renault、日産、Lada の 3ブランドで販売する予定で、Ladaブランドでは、2012年初にステーションワゴンの Logan MCV をベースとする車 (モデル名はLargus) を含む 2車種を発売する。日産ブランドでは 1車種を2012年末に、Renaultブランドでは 2車種を2013年に発売する。この Logan ベースの 5車種で 40万台を生産する計画。3ブランドの Loganモデル向けのガソリンエンジンとトランスミッションも、早ければ2013年から生産する。

資料:日刊工業新聞 2011.7.1, 2011.6.22, Automotive News Europe 2011.7.20, 他

 

AvtoVAZ:IzhAvtoの救済と生産拡大で覚書

 ロシアの大手銀行 Sberbank、国営企業 Rostechnologii、AvtoVAZ の 3社は、2010年12月、ロシアの自動車メーカー IzhAvto の Izhevsk工場の開発計画に関する覚書を締結した。金融危機の影響で経営破綻し、破産手続きを進めている IzhAvtoに70億ルーブルを融資して、工場を近代化する。2011年には年産能力を 12.6万台、2014年には 30万台に引き上げる計画。将来は、AvtoVAZ の Lada ブランド車のほか、Renault および日産の車も生産する予定。当初、IzhAvtoとの提携が検討されていた現代・起亜とは、交渉を中止した。

資料:各紙報道

 



Ford:Sollersと折半出資合弁会社を設立してFord Transitを生産

 Fordは、ロシア第2の乗用車・小型商用車メーカーのSollersと合弁会社を設立し、ロシアでの生産能力を拡大する。Sollersは当初、Fiatとの提携を検討していたが、条件が折り合わず、Fordとの合弁事業に合意したとされる。

Ford:Sollersとの折半出資合弁会社で年産能力 35万台へ

 Fordは、ロシア第 2の乗用車・小型商用車メーカーの Sollers と、2011年 6月、折半出資による合弁会社 Ford-Sollers の設立に関して契約を締結した。同合弁会社は、St. Petersburg 近郊にある Ford のVsevolozhsk工場とタタルスタン共和国にある Sollers の 2つの工場で生産し、2014年の年産能力は合計 35万台となる見込み (現行の Ford の年産能力は12.5万台)。両社は、ロシア開発銀行 (VEB) から 390億ルーブルの長期融資を受ける予定。
 2014年までに Ford モデルを計 6車種生産する計画。現在、Vsevolozhsk工場で生産している Focus と Mondeo のほか、中型商用車の Ford Transit も含まれる。

資料:FordおよびSollers Press Release 2011.6.8, Automotive News Europe 2011.6.9

 



VW:GAZとVW/Skodaブランド車の委託生産契約を締結

 VWは、小型商用車・トラック・バスではロシア最大手のGAZと委託生産契約を締結し、生産拡大を図る。GAZは金融危機により経営破綻しかけたが、2009年の政府からの緊急援助で経営を立て直し、2010年には純利益を確保した。商用車では最大手だが、乗用車では1%しかシェアがないため、自社ブランドを推進するより、海外大手メーカーの生産を受託し、拡大するロシア市場で利益を確保する道を選んだとされる。

VW:GAZと年間11万台の委託生産契約を締結

 VWは2011年 6月、ロシアメーカー GAZ と委託生産契約を締結した。Nizhny Novgorod 工場で2012年末から年間 11万台の VW および Skoda ブランドの車を生産する。契約期限は2019年まで。2億Euro を投じて、同工場の塗装工場と組立工場の拡張・改装を行い、新たに車体工場も建設する。まず2012年末までに Skoda Yeti の生産を開始し、その後、VW Jetta, Skoda Octavia も生産する。
 VWはKalugaの自社工場の生産能力も拡充する計画。現行の年産能力は15万台。Poloをベースとした新モデルの低価格車を生産する計画が検討中とされる。

資料:VW Press Release 2011.6.14, 他

 



GM:自社工場とAvtoVAZとの合弁工場で35万台の年産能力を整備

 GMは2016年までに、ロシアにある自社工場と、AvtoVAZとの合弁工場の生産設備を拡充し、合計年産能力を35万台に引き上げる。また、GAZとも委託生産契約を締結し、2012年半ばからChevrolet Aveoを年間3万台生産する。

GM:ロシアでの年産能力を 35万台に拡充

 GMは2011年6月、ロシア経済発展省とロシア国内工場の拡張に関する契約を締結した。今後 5年間で、St. Petersburg の自社工場の年産能力を 23万台に、また、Togliatti にある AvtoVAZ との合弁工場の年産能力を 12万台に引き上げ、合計 35万台の年産能力を整備する(現時点では合計 20万台)。
 St. Petersburg工場では、引き続きロシア国内市場向けに Chevrolet および Opel ブランド車を、Togliatti合弁工場では、小型 SUV、Chevrolet NIVA の新バージョン、Lada 4X4 を生産する計画。今回の拡充により、St. Petersburg工場では 1,500人、Togliatti工場では数百人の新規雇用が創出される。

資料:GM Press Release 2011.6.2

GM:GAZ と次期 Chevrolet Aveo の委託生産契約を締結

 GM は2011年 2月、ロシアメーカー GAZ と委託生産契約を締結した。2012年半ばから、GAZ の Nizhny Novgorod工場で、小型車の新型 Chevrolet Aveo (セダンとハッチバック) を年間 3万台生産する計画。生産した車は、ロシア国内市場で販売する。

資料:GM Press Release 2011.2.1

 



Fiat:単独で年産能力12万台の工場を建設

 FiatはSollersとの交渉が不調に終わり、単独で年産能力12万台の工場を建設する。年産能力の規模から見て、Fiatは、自動車組立に関する旧規則に基づき、組立生産事業を承認されたとみられる。

Fiat:Sollers との提携交渉を打ち切り、単独で完成車/エンジン工場を建設

 2011年 2月に Sollers との提携交渉を打ち切った Fiat は、新規組立産業政策に基づく部品輸入の優遇措置を受けるため、ロシア政府に計画書を提出した。ロシアメーカーとは提携せず、単独で完成車工場とエンジン工場を建設し、Fiat と Jeepブランドの C, D セグメントの乗用車、SUV、小型乗用車を生産する。2011年 6月のロシア政府の話によると、投資金額は 11億ドル、年産能力は 12万台とされる。

資料:Fiat Press Release 2011.2.25, Automotive News Europe 2011.6.1

 



その他の日本自動車メーカー

 その他の日本自動車メーカーでは、トヨタ、いすゞ、マツダがいずれもロシア極東地域での生産を計画している。また、三菱自動車とPSAは、合弁工場でSUVの生産を開始した。

トヨタ:三井物産と Sollers の合弁会社がウラジオストクでトヨタの SUV を生産

 トヨタは、2012年春にもロシア極東で組立生産を開始する計画。まず、三井物産とロシア第 3位のメーカー Sollers が合弁会社を設立し、Sollers がウラジオストクに保有する用地 に工場を整備する。トヨタは、同合弁会社に日本等から部品を輸出し、セミノックダウン方式で SUV のLand Cruiser Prado を組み立てる。トヨタは、組み立てられた車をトヨタの販売網で販売する。当面、月産1,000台程度。トヨタは今後、事業が軌道に乗った段階で出資する見通し。

資料:トヨタ Press Release 2011.3.1, 日刊自動車新聞 2011.7.5, Automotive News Europe 2011.2.10

いすゞ:Sollersとの小型トラックの合弁生産を極東のウラジオストクへ移転

 いすゞは、ロシアでの小型トラック生産拠点を、2012年度に極東のウラジオストクに移転する (2011年 6月発表)。2008年からロシアメーカー Sollers と合弁で、ロシア西部・タタルスタン共和国の Sollers工場で生産していたが、Sollers-Ford の合弁設立に伴い、同工場が乗用車生産に転換されるため、ウラジオストクの Sollers工場に切り替える。年間 5,000台程度生産する予定。いすゞは移転により、日本からの部品輸送経費など物流コストが削減されると見込む。

資料:asahicom 2011.6.22

マツダ:ロシア・極東地域で生産を計画

 マツダは2011年 6月、ロシアで生産を開始する方針を決め、同国政府から認可を取得したことを明らかにした。日本から完成車を輸出すると関税が高くつき、販売拡大のためには現地生産が必要と判断した。年産 2.5万~4万台程度になるとしている。ロシア経済発展省の高官によると、マツダは極東地域で 8,000万ドル規模の工場を建設する計画とされる。

資料:日刊自動車新聞2011.7.4, 他

三菱自動車と PSA:Kaluga合弁工場で SUV の生産開始

 三菱自動車と PSA は、2010年 9月、Kaluga合弁工場で中型 SUV の三菱 Outlander とその姉妹車の Peugeot 4007 と Citroen C-Crosser の SKD生産を開始した。同工場は2010年 4月に稼働開始し、中型乗用車の Peugeot 308/Citroen C4 を生産している。2012年には溶接・塗装を含む本格生産へ移行し、年間 12.5万台を生産する見込み。うち 8.5万台が PSAの中型乗用車、4万台が 3社の中型 SUV。

資料:三菱自動車 Press Release 2010.9.17, 日刊自動車新聞 2010.9.18

 



現代自動車: 一貫工場でロシア向けモデル Solaris を生産

 現代自動車は、海外メーカーとしては初めてロシアに一貫工場を建設し、2011年1月からロシア市場向けに開発した小型車 Solarisを生産している。

現代自動車:St. Petersburg 工場でロシア市場向けセダン Solaris の生産を開始

 現代自動車は、プレス、溶接、塗装、組立を含む一貫工場として建設した St. Petersburg工場を、2011年 1月に正式稼働した。まず、ロシアの気候・道路・運転状況に合わせて開発した小型車の新モデル Solaris (韓国名 Accent) を生産する (1月からセダン、5月からハッチバックを追加)。年産能力は 15万台としていたが、2月に発売した Solaris が半年でロシア国内販売 5万台に達したため、8月から年産能力を 20万台に増強する予定。生産車の輸出も検討している。ロシアで一貫工場を運営する海外の自動車メーカーは、現代自が初となる。

資料:Hyundai Press Release 2011.1.19/2011.8.5, 各紙報道

 



商用車メーカー

 商用車メーカーでは、ロシア最大手のKamazが2020年までに年産能力を10万台に引き上げる。また、ドイツメーカーのMANは同社の既存工場を整備して、ロシアでのトラック生産を開始する。

Kamaz:2020年までに年産能力を 3倍の 10万台へ

 ロシアの最大手商用車メーカー Kamaz は、2020年までに約 870億ルーブルを投資して、大型トラックの生産能力を2010年の 3倍に相当する 10万台に引き上げる。トラックの生産・販売で提携する Daimler からの技術導入も加速する。ロシアのほかカザフスタンなど旧ソ連諸国で、インフラ整備や資源開発のためのトラック需要が拡大すると判断した。Kamazの2010年のロシア市場シェアは約 50%。2011年の販売見通しは 3.8万台。

資料:日経産業新聞 2011.6.27

MAN:2012年から St. Petersburg でトラック生産を開始

 MAN は2011年 4月、St. Petersburg でトラック生産を開始する件に関して、同市と覚書を交わした。MAN は、同市内に購入した工場に 2,500万Euro を投じて設備を整備し、ロシアおよび CIS諸国向けのトラックを生産する。2012年にも生産を開始し、中期的には年産能力を 6,000台とする計画。MAN はこれまでに、ロシア国内で累計 4.5万台のトラック/バスを販売している。

資料:MAN Press Release 2011.4.14, 日経産業新聞 2011.6.27

 



メーカー別乗用車・小型商用車販売台数

メーカー別乗用車/小型商用車販売台数 (現地生産車+輸入車)

(台)
  2008年 2009年 2010年 2010年
1-7月
2011年
1-7月
AvtoVAZ 622,182 349,490 517,147 274,231 342,058
GAZ 131,003 58,205 76,646 36,623 48,410
UAZ 53,773 34,660 49,043 22,283 28,697
Tagaz   5,187 7,284 6,375 834
ロシアメーカー 806,958 447,542 650,120 339,512 419,999
トヨタ 204,762 75,128 90,296 44,340 72,987
ホンダ 89,152 23,222 18,159 11,582 11,181
日産 154,341 68,851 84,288 36,504 74,144
マツダ 73,271 30,643 24,926 11,140 20,106
三菱自動車 111,567 41,354 45,538 18,699 39,883
スズキ 38,314 25,335 28,690 14,428 20,576
スバル 21,780 9,598 8,552 5,094 7,020
いすゞ 38 86 330 136 232
日本メーカー 693,225 274,217 300,779 141,923 246,129
GM 337,810 141,695 159,376 79,126 135,393
Ford 207,869 88,977 100,816 50,571 62,756
Chrysler 8,799 1,203 1,260 499 931
米国メーカー 554,478 231,875 261,452 130,196 199,080
VW 131,017 94,018 131,312 67,998 116,316
Renault 108,070 72,284 96,466 50,801 87,792
PSA 60,330 42,136 53,153 25,503 39,818
Fiat 27,227 18,830 23,172 10,560 16,807
Daimler 19,827 13,435 21,848 10,512 16,809
BMW 19,236 17,036 21,335 11,806 15,910
Jaguar/Land Rover 22,122 10,208 10,828 5,333 7,574
Porsche 1,941 1,264 1,572 821 1,237
欧州メーカー 389,770 269,211 359,686 183,334 302,263
起亜 88,152 70,088 104,235 56,231 87,594
現代 192,719 74,607 87,081 45,750 86,640
Daewoo 95,510 51,414 74,419 39,720 54,081
Ssangyong 14,406 9,020 12,526 6,260 10,730
韓国メーカー 390,787 205,129 278,261 147,961 239,045
Chery 15,728 10,844 19,009 8,798 9,964
BYD 5,341 1,001 77    
Lifan 4,755 2,673 7,700 3,155 9,491
Great Wall 8,324 2,490 3,637 1,472 3,156
Geely 3,780 7,681 1,944 1,128 10,924
中国メーカー 37,928 24,689 32,367 14,553 33,535
その他メーカー 24,313 13,257 27,908 13,337 20,011
合計 2,897,459 1,465,917 1,910,573 970,816 1,460,062

資料:Association of European Businesses (AEB)
(注) Ford の台数には、2010年まで Volvo の台数が含まれる。Volvo は2010年 8月に中国・Geely に売却されたため、2011年 1-7月の Volvo の台数は Geely に含まれる。

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