日本メーカーの生産状況と決算:2011年夏には通常操業へ

2010年度決算、円高/補助金終了/震災の影響を受けるも、全10社増益

2011/05/31

要 約

 日本の自動車メーカー各社は、2011年3月に発生した東日本大震災の影響を受け、3/4月は国内は前年に比べ4割程度の生産にとどまった。しかし、当初は年内一杯かかると想定されていた生産の正常化は早まり、トヨタ・ホンダ・日産の大手は夏には震災前に想定していた水準に回復する見込み。

 震災後の4月下旬から5月上旬に行われた2010年度の決算発表では、来期の業績見通しの発表は、震災の影響で合理的な水準を算定できないとして、全社見送られた。2010年度の業績は、円高、日本国内の補助金の終了、震災の影響を受けたものの、全社営業利益の増益を果たした。



震災の影響を受け各社3/4月は国内4割程度の操業も、夏には通常生産の見通し

 2011年3月11日に発生した東日本大震災により、多くの部品サプライヤーが被災し部品供給が滞る事態となった。そのため、日本の自動車メーカー各社も震災以降、生産休止・生産縮小を余儀なくされた。

 乗用車メーカー8社合計の日本国内生産台数は、3月は前年同月比42.5%、4月は同39.9%と大きく落ち込んだ。部品供給にタイムラグのある海外の生産台数(8社合計)は、3月は同109.1%となったものの、4月は同79.6%と大幅減産を記録した。これにより、8社合計の2011年1-4月累計生産台数は、国内は前年同期比66.7%、海外は同103.5%、合計で同87.9%の水準となった。

 トヨタ・ホンダは、通常の生産体制に戻る時期を2011年秋から末頃と当初見込んでいたが、5月31日時点では、ほぼ夏までには通常生産に戻る見通しを明らかにしてる。日産は6月より通常生産の予定。

生産水準の状況と見通し

2011年5月の生産水準 生産回復への見通し 情報の時点 備考
トヨタ 日本 5割程度 6月から当初計画の9割水準で操業。
8月には当初計画の水準に戻る見込み。
5月25日

2011年6月には、震災前想定の9割水準(日産約1.2万台)へ戻し、8月には1.3万台水準まで回復する見込み(2011年5月25日報道)。生産全体の水準は回復するものの、車種によっては低い生産水準にとどまる。

「全車種」の生産正常化については、11月から12月の目標の、前倒しを目指す。また、秋以降(状況によっては夏から)、稼働日を1割程度増やし15万台増産予定。5月11日時点では、6月から7割操業に回復するとしていた。

海外 4割程度 北米 6月から7割操業。 5月11日 6月初めから、通常の7割程度の生産に戻す。北米では4月26日から6月3日の間、操業を通常の30%水準にすると4月19日に発表していた。
中国 6月から7割操業。 5月11日 トヨタは4月20日に、中国の合弁会社での生産を4月21日から6月3日まで、通常の30~50%にすると発表していた。
欧州 6月から通常操業。 5月17日 6月より欧州各工場での生産を、通常生産に戻すと発表。4月末から5月中旬にかけて、稼働日を減らしていた。
タイ 5月23日から通常操業。 5月23日 4月25日から行っていた7割減産を、通常操業へ5月23日に戻した。
インド 5月20日から通常操業。 5月20日 5月20日から通常操業に復帰し、生産の遅れを取り戻すために、通常は非稼働の土曜日も一部稼働する。4月24日から6月4日までの3割操業を4月22日に発表していた。
ホンダ 日本 5割程度 6月まで5割程度の操業。
8月に正常生産の見通し。
5月30日 2011年下期(10月-3月)の休日14日を9月までに消化し、下期の増産に備える。2012年1月-3月には週6日操業も検討。
海外 5割程度 北米 6月から生産のペースを上げ、8月には震災前水準に。 5月27日 新型シビックの生産正常化は秋以降になる見込み。3月30日から北米の4工場で、ラインスピードの減速や残業の取りやめなどで操業率を落としている。
欧州 6月まで5割程度の操業。 4月25日 4月11日から英国Swindon工場、トルコKocaeli工場で操業率を50%に落としている。
ブラジル 6月上旬から5割生産へ縮小。 5月19日 東日本大震災による部品供給の影響から、6月上旬から日産600台から300台へ半減し、生産体制を3交代から2交代へ縮小。正規社員の12%にあたる400人を解雇する。
中国 8月から通常生産の見通し 5月30日 中国の合弁会社で4月30日から5月中旬まで生産を中止。ホンダによれば、定期的な保守修理であり、東日本大震災の影響ではないとしていた(5月9日)。
タイ 8~9月に通常生産の見通し 5月30日 5月に発売予定であった、新型エントリーカーBrioの新規受注を中止していたが、9月から生産を再開する予定。
日産 日本 9割程度 6月から通常操業。 5月20日 6月の生産水準を月産9.8万台と、震災前と同水準を想定。
海外 9割程度 6月から通常操業。 5月20日 6月の生産水準を月産28.5万台と、震災前をやや上回る水準を想定。
スズキ 日本 7割程度 6月も7割程度の操業。 5月26日 7月以降未定。
インド 通常操業 引き続き通常操業 5月10日 6月分までは部品供給は確保。
マツダ 日本 5-7割操業 5-7割操業。10月以降の本格生産再開を目指す。 4月28日 2011年度下期(10月以降)に本格生産再開を目指す。
海外 定時操業 定時操業を維持 4月28日 タイでは残業・休日操業を停止している。
三菱 日本 ほぼ通常操業 6月以降通常操業 5月27日 4月27日時点では、計画に対し、第1四半期は8割強、第2四半期は約8割、10月からは正常な生産を見込んでいた。
海外 通常操業 通常操業 4月27日 第2四半期は計画を若干下回る可能性。10月以降は正常生産見込み。
ダイハツ 日本 8割 6月から計画の9割水準で操業。 5月25日 軽自動車の生産を6月から震災前計画の100%とし、小型車の生産を70~80%の水準に戻すと5月25日発表。7月以降については、部品の供給状況を見ながら判断。
海外 残業/休日操業をやめて操業 残業/休日操業をやめて操業 5月12日 震災後、インドネシアでは、残業/休日操業をやめ、操業率を130%から100%に落としている。
富士重工 日本 7割程度 7割程度で操業。
11月の通常生産を目指す。
5月17日 11月の通常生産を目指す。
米国 7割程度 夏までに8割操業を目指す。
11月の通常生産を目指す。
5月11日 震災以降、残業/休日操業を取りやめ、4月も稼働休止日を設けていた。トヨタ カムリを生産しているラインは、4月15日から5割操業であったが、6月6日からフル生産に戻る予定。
いすゞ 日本 9割程度 第2四半期からの生産正常化を目指す。 5月26日
日野 日本 7割程度 6月から生産量の拡大を図り、7月頃から通常生産を目指す。 5月10日 トヨタからの受託車の生産は、5月現在5割稼働。7月頃から生産を拡大し、11月頃からの生産正常化を目指す。
三菱ふそう 日本 9割程度 6月から通常操業。 5月17日 6月以降、生産水準を震災前以上に上げ、遅れを取り戻す。
UDトラックス 日本 7割程度 不明  

(資料)各社プレスリリース、報道より作成

乗用車メーカー8社の生産台数

(台、下段は前年同期比(%))

2011年3月 2011年4月 2011年1月~4月の累計
日本 海外 合計 日本 海外 合計 日本 海外 合計
トヨタ 129,491 412,974 542,465 53,823 254,732 308,555 700,915 1,398,948 2,099,863
37.3 96.9 70.1 21.6 74.5 52.2 59.6 94.0 78.8
ホンダ 34,754 247,500 282,254 14,168 124,330 138,498 188,438 808,246 996,684
37.1 96.8 80.8 19.0 56.5 47.1 57.3 90.8 81.7
日産 47,590 335,114 382,704 44,193 203,831 248,024 267,066 1,088,934 1,356,000
47.6 133.3 109.0 51.3 81.7 77.6 72.2 121.5 107.1
スズキ 41,790 187,583 229,373 58,398 162,434 220,832 257,863 680,865 938,728
39.8 121.8 88.6 68.9 112.2 96.2 70.0 114.6 97.5
マツダ 39,887 40,278 80,165 35,313 26,700 62,013 214,469 137,197 351,666
46.4 114.5 66.2 50.3 107.1 65.1 72.6 114.7 84.8
三菱 49,434 56,795 106,229 27,481 40,758 68,239 198,586 187,888 386,474
74.3 107.9 89.1 68.3 102.6 85.4 95.4 106.1 100.3
ダイハツ 28,091 14,751 42,842 20,578 11,452 32,030 153,825 56,991 210,816
42.7 127.1 55.4 37.4 89.5 47.2 65.6 121.8 75.0
富士重工 16,530 14,829 31,359 25,391 8,900 34,291 118,860 53,047 171,907
35.1 106.9 51.4 62.4 67.5 63.7 71.1 104.9 78.9
合計 387,567 1,309,824 1,697,391 279,345 833,137 1,112,482 2,100,022 4,412,116 6,512,138
42.5 109.1 80.4 39.9 79.6 64.3 66.7 103.5 87.9
(資料)各社プレスリリースから作成

 



連結売上台数:2010年度は9.6%増の計2,056.0万台、国内は8.6%減の423.3万台

 2010年度の日本の自動車メーカー10社の四輪車の連結売上台数は、2,056.0万台と前年度比9.6%増となり、3年ぶりに2,000万台を超えた。

 補助金終了と震災の影響を受けた日本国内の販売は8.6%減の423.3万台にとどまった(商用車メーカー2社は、ポスト新長期規制適合車に対する補助金制度の影響で増加)。震災前の第3四半期決算時に発表していた、2010年度国内販売計画(日産を除く9社)は382.3万台であったが、実績は計画比約16万台減(同4.3%減)の366.0万台となった。

 一方、海外での売上台数は前年度比15.6%増の1,632.6万台となり販売増を支えた。

日本の自動車メーカー10社の四輪車連結売上台数

(千台)

2007
年度
2008
年度
2009
年度
2010年度
当初計画 3Q発表時
修正計画
実績
四輪車売上台数 トヨタ 8,913 7,567 7,237 7,290 7,480 7,308
ホンダ 3,925 3,517 3,392 3,615 3,580 3,512
日産 3,698 3,138 3,159 3,415 3,743 3,888
スズキ 2,406 2,306 2,350 2,482 2,584 2,642
マツダ 1,240 1,116 963 1,055 1,102 1,100
三菱 1,337 1,011 805 1,068 1,070 1,045
ダイハツ 945 945 869 884 929 893
富士重工 597 555 563 630 663 657
いすゞ 509 401 288 394 411 408
日野 112 99 83 98 111 108
10社合計 22,624 19,611 18,757 19,949 20,634 20,560
四輪車国内売上台数 トヨタ 2,188 1,945 2,163 1,920 2,020 1,913
ホンダ 615 556 646 635 595 582
日産 684 576 599 539 573
スズキ 673 665 622 610 610 588
マツダ 257 220 219 211 216 206
三菱 214 164 170 183 175 166
ダイハツ 571 587 568 544 570 527
富士重工 209 179 171 161 161 158
いすゞ 74 58 42 45 46 47
日野 46 35 27 27 29 29
10社合計 4,914 4,363 4,632 4,304 4,233
四輪車海外売上台数 トヨタ 6,725 5,622 5,074 5,370 5,460 5,395
ホンダ 3,310 2,961 2,746 2,980 2,985 2,930
日産 3,013 2,562 2,560 2,876 3,315
スズキ 1,732 1,641 1,729 1,872 1,974 2,053
マツダ 983 896 744 844 886 894
三菱 1,123 847 635 885 895 879
ダイハツ 374 358 301 340 359 366
富士重工 388 377 392 469 503 499
いすゞ 435 343 246 349 365 361
日野 66 64 56 71 82 79
10社合計 17,709 15,248 14,126 15,645 16,326
資料:各社の決算短信と決算発表資料。
(注)1.
Daimler 子会社の三菱ふそう、Volvo 子会社のUDトラックスは、決算を開示していない。
2.
トヨタとホンダは米国会計基準。”三菱” は三菱自動車。計画値は各社発表。空欄は各社発表がないことを意味する(後出表も同じ) 。
3.
10社合計には、 トヨタとダブルカウントになるダイハツと日野の連結数値を含まない(後出表も同じ) 。
4.
連結売上台数には、生産用部品台数を一部に含む。
5.
日産の2010年度計画は、日産発表のグローバル販売台数計画の増減を09年度実績に加算した参考値。グローバ ル販売台数は小売ベースで、生産用部品として出荷し、持分法適用の在外会社で組立てた台数を含んでいる。
6.
スズキの売上台数は OEM 供給車を含まないスズキブランド車の台数だが、国内売上には Chevrolet ブランド車を 含む。2010年度の海外販売は一部、スズキによる予想値を含む。
7.
マツダの2010年度には、決算期を変更した海外子会社の15ヶ月決算の影響1.6万台を含む
8.
ダイハツと日野の売上台数は自社ブランド車のみでトヨタからの受託車を含まない (トヨタの台数には、ダイハツと日野を含んでいる)。
9.
いすゞの2007年度には、海外連結子会社 8社の15ヶ月決算を含む (12ヶ月ベースの海外売上台数は 385千台)。

 



売上高:10社合計で5.7%増の46.5兆円と3年ぶりに増加、日産が国内・海外とも好調

 2010年度の10社合計の売上高は46.5兆円と前年から2.8兆円増 (5.7%増) となり3年ぶりに増加。国内売上は、震災と補助金の終了を受けて減少し、10社合計で3.8%減の11.4兆円。ポスト新長期規制適合車に対する補助金制度によって販売台数が伸びた商用車メーカー2社と、日産は国内売上高を伸ばした。

 海外での売上高は10社とも伸ばし合計35.0兆円となり8.8%増。特に30.2%増加したいすゞと1.2兆円増加した日産の好調が目立つ。

日本の自動車メーカー10社の連結売上高

(億円)

2007
年度
2008
年度
2009
年度
2010年度
当初計画 3Q発表時修正計画 実績
売上高 トヨタ 262,892 205,296 189,509 192,000 192,000 189,937
ホンダ 120,028 100,112 85,792 93,400 89,000 89,368
日産 108,242 84,370 75,173 82,000 88,000 87,731
スズキ 35,024 30,049 24,691 25,000 25,500 26,082
マツダ 34,758 25,359 21,639 22,700 23,000 23,257
三菱 26,821 19,736 14,456 19,000 19,000 18,285
ダイハツ 17,026 16,314 15,747 14,500 15,500 15,594
富士重工 15,723 14,458 14,287 14,700 16,000 15,806
いすゞ 19,248 14,247 10,809 13,400 14,300 14,155
日野 13,686 10,695 10,235 11,200 12,600 12,427
10社合計 622,738 493,626 436,356 462,200 466,800 464,621
国内売上高 トヨタ 61,362 54,218 57,291 53,250
ホンダ 15,858 14,465 15,773 15,038
日産 21,878 20,383 18,032 18,694
スズキ 9,814 9,656 9,526 9,300 9,500 9,374
マツダ 8,801 6,203 5,750 5,500 5,600 5,415
三菱 4,885 3,984 3,685 4,100 3,950 3,633
ダイハツ 11,771 11,913 11,296 10,200 10,700 10,567
富士重工 5,440 5,075 5,208 4,400 4,800 4,673
いすゞ 6,547 5,338 4,330 4,600 4,900 4,986
日野 9,246 6,944 6,754 8,455
10社合計 134,586 119,322 119,595 115,063
海外売上高 トヨタ 201,530 151,078 132,218 136,687
ホンダ 104,171 85,647 70,019 74,330
日産 86,364 63,987 57,141 69,037
スズキ 25,210 20,393 15,165 15,700 16,000 16,708
マツダ 25,957 19,156 15,889 17,200 17,400 17,842
三菱 21,936 15,752 10,771 14,900 15,050 14,652
ダイハツ 5,255 4,401 4,452 4,300 4,800 5,027
富士重工 10,284 9,383 9,079 10,300 11,200 11,132
いすゞ 12,701 8,909 6,479 8,800 9,400 9,169
日野 4,440 3,751 3,481 3,972
10社合計 488,153 374,304 316,761 349,557
資料:各社の決算短信と決算発表資料。
(注)

国内売上高/海外売上高は、外部顧客の所在地別売上高を示している。

 



利益:3年ぶりに10社とも営業・経常黒字を達成も、マツダ・日野が震災影響で最終赤字

 2010年度は10社が営業利益・経常利益で黒字を達成(2007年度以来3年ぶり)。営業利益は全社増益で、合計1兆9,187億円と倍増。上位から順に、ホンダ5,697億円(57%増)、日産5,375億円(72%増)、トヨタ4,682億円(3.2倍)。

 しかし、純利益は富士重工が黒字化を果たしたものの、マツダと日野が引き続き赤字を計上(共に3年連続)。震災の影響で将来の収益が見通せないとして、繰延税金資産をマツダが567億円、日野が126億円取り崩したのが響いた(各社の震災による収益への影響は下表の注記を参照)。

日本の自動車メーカー10社の連結営業利益/経常利益/純利益

(億円)

2007
年度
2008
年度
2009
年度
2010年度
当初計画 3Q発表時
修正計画
実績
営業利益 トヨタ 22,704 (4,610) 1,475 2,800 5,500 4,682
ホンダ 9,531 1,896 3,637 4,000 6,200 5,697
日産 7,908 (1,379) 3,116 3,500 5,350 5,375
スズキ 1,494 769 794 800 1,000 1,069
マツダ 1,621 (284) 95 300 250 238
三菱 1,086 39 139 450 450 403
ダイハツ 652 382 407 430 820 1,034
富士重工 457 (58) 274 430 850 841
いすゞ 1,096 217 110 450 800 882
日野 459 (194) 11 250 300 289
10社合計 45,897 (3,410) 9,640 12,730 20,400 19,187
経常利益 トヨタ 24,372 (5,604) 2,914 3,300 6,600 5,632
ホンダ 8,958 1,617 3,361 4,100 6,650 6,305
日産 7,664 (1,727) 2,077 3,150 5,300 5,378
スズキ 1,569 797 938 950 1,100 1,225
マツダ 1,485 (187) 46 290 360 369
三菱 857 (149) 130 300 300 389
ダイハツ 666 395 438 450 880 1,122
富士重工 454 (46) 224 380 840 822
いすゞ 1,223 152 114 420 800 913
日野 410 (304) (19) 210 250 251
10社合計 46,583 (5,147) 9,804 12,890 21,950 21,033
純利益 トヨタ 17,179 (4,369) 2,094 3,100 4,900 4,081
ホンダ 6,000 1,370 2,684 3,400 5,300 5,340
日産 4,823 (2,337) 424 1,500 3,150 3,192
スズキ 803 274 289 300 350 452
マツダ 918 (715) (65) 50 60 (600)
三菱 347 (549) 48 150 150 156
ダイハツ 349 221 212 210 440 526
富士重工 185 (699) (165) 230 630 503
いすゞ 760 (269) 84 200 520 516
日野 222 (618) (30) 110 90 (100)
10社合計 31,015 (7,294) 5,393 8,930 15,060 13,640
資料:各社の決算短信と決算発表資料。
(注)1.
米国会計基準を採用しているトヨタとホンダの経常利益欄は、税引前当期利益。
2.
トヨタは2011年3月期の震災の影響を除いた営業利益を5,782億円としている.東日本大震災による、営業利益への影響をマイナス1,100億円と見積もり、2011年3月期の通期の営業利益は4,682億円
3.
ホンダは、東日本大震災による損失は457.2億円とし、2010年度の連結決算に売上原価に174.5億円、販売及び一般管理費に282.7億円を計上。
4. 日産は、2010年度に災害による損失396.1億円を特別損失として計上。
5. スズキは、震災によって損傷した車両などの被害額約50億円を営業外費用として計上。
6.
マツダは2010年度に、特別損失として北米事業の損失引当85億円、震災影響52億円を計上。また、震災の影響で2011年度の利益が当初の予定より落ちることを考慮して、繰り延べ税金資産の一部約567億円を取り崩し法人税等影響額に計上。マツダは2010年度の震災の影響を除いた営業利益は約280億円としている。
7. 三菱自動車は、2010年度に災害による損失23.7億円を特別損失として計上。
8. ダイハツは、2010年度に災害による損失50.2億円を特別損失として計上。
9.
富士重工は、2010年度に災害による損失73.5億円を特別損失として計上。
10.
いすゞは、2010年度に東日本大震災による特別損失として90.3億円を計上。
11.
日野自動車は2010年度に、東日本大震災による休止期間の固定費など61億円を特別損失として計上。また、震災の影響で繰延税金資産の回収可能性を保守的に見積もり、繰延税金資産の一部約126億円を取り崩し法人税等影響額に計上。

日本の自動車メーカー10社の想定為替レートの平均

(円)

2007
年度
2008
年度
2009
年度
2010年度
当初計画 3Q発表時
修正計画
実績
ドル 114.4 101.1 92.6 90.0 84.9 85.7
ユーロ 161.5 145.1 130.9 121.3 112.2 112.9

 



営業利益の増益要因:売上の増加、原価低減で為替変動による減益を吸収 

 10社合計の、2010年度の営業利益の増額は9,547億円。増益要因は売上変動の1兆5,132億円、原価低減等の5,347億円。減益要因は為替変動の7,193億円と、経費・研究開発費など(の増加)の3,449億円であった。

日本の自動車メーカーの営業利益増減要因

(億円)

2007
年度
2008
年度
2009
年度
2010年度
当初計画

3Q発表時

修正計画

実績
トヨタ 営業利益 22,704 (4,610) 1,475 2,800 5,500 4,682
営業利益増減 317 (27,314) 6,085 1,325 4,025 3,207
営業面/販売面 2,900 (14,800) (3,700) (500) 5,400 4,900
原価改善 1,200 0 5,200 1,300 1,700 1,800
金融事業 2,700
為替変動の影響 0 (7,600) (3,200) (800) (3,100) (2,900)
諸経費 (3,302) (4,791) 4,700 1,600 300 (300)
(内)研究開発費 (681) 548 1,787 (250)
(内)設備関連費用等 (997) (904) 378 1,200
(内)労務費 (602) 1,088 627 (400)
(内)その他 (1,022) (5,523) 1,908 (850)
その他 (481) (122) 385 (275) (275) (293)
ホンダ 営業利益 9,531 1,896 3,637 4,000 6,200 5,697
営業利益増減 1,012 (7,634) 1,741 362 2,562 2,060
売上変動/構成差等 1,700 (2,477) (2,465) 1,989 3,429 3,222
為替変動の影響 376 (2,695) (1,675) (450) (1,540) (1,376)
コストダウン効果等 115 (1,825) 674 60 1,480 1,533
研究開発費 (361) 247 998 (367) (367) (242)
販管費 (818) (883) 4,209 (870) (440) (620)
震災の影響 (457)
日産
(注3)
営業利益 7,908 (1,379) 3,116 3,500 5,350 5,375
営業利益増減 353 (9,287) 4,495 384 2,234 2,259
為替変動の影響 (162) (2,230) (1,625) (300) (1,475)
販売台数・構成 750 (5,252) 269 2,700 4,331
購買コスト等 882 (1,342) 2,154 600 1,058
販売金融 295
リース損失引当金 (918) 1,417 (400)
研究開発費 (15) 645 (450) (185)
販売費 (381) 271 (1,400) (1,915)
その他 (721) 455 1,364 (366) 150
スズキ 営業利益 1,494 769 794 800 1,000 1,069
営業利益増減 165 (725) 25 6 206 275
売上・構成変化等 408 (1,422) (696) (34) 366 253
為替変動の影響 225 (707) (469) (240) (330) (283)
原価低減 284 201 172 170 200 355
減価償却費 (117) 204 (6) 120 120 34
研究開発費 (166) (63) 62 (10) (10) 47
諸経費等 (469) 1,062 962 (140) (131)
マツダ 営業利益 1,621 (284) 95 300 250 238
営業利益増減 36 (1,905) 379 205 155 143
台数・車種構成 80 (865) (606) 290 466 357
為替変動の影響 234 (1,020) (765) (40) (451) (437)
商品力向上 (133) (190)
コスト削減 158 440 680 0 91 112
原材料市況 (440)
販売費用 (42) 65 227 (60) (68) (56)
その他 (261) 105 843 15 117 167
三菱 営業利益 1,086 39 139 450 450 403
営業利益増減 684 (1,047) 100 311 311 264
台数/車種構成 543 (720) (856) 540 630 533
為替変動の影響 146 (761) (418) (100) (350) (342)
コスト低減等 154 365 544 200 230 211
原材料高騰の影響 (317)
その他 335 578 (249) (139) (86)
販売費用 (64) 174 252 (80) (60) (51)
米国販売金融事業 (95) (123)
ダイハツ 営業利益 652 381 407 430 820 1,034
営業利益増減 109 (271) 26 23 413 627
売上/車種構成 190 113 (258) (70) 290 224
為替変動の影響 39 (80) (79) (30) (85) (17)
原価低減 106 105 123 125 155 150
品質改善費 (139) (7)
販売関係費 (54) (37)
諸経費等 (227) (408) 239 (2) 246 313
富士重工 営業利益 457 (58) 274 430 850 841
営業利益増減 (22) (515) 332 156 576 567
売上構成差 (8) 3 87 209 851 831
為替変動の影響 10 (435) (304) (127) (384) (356)
原価低減等 70 (32) 260 130 88 89
試験研究費 (13) 92 57 (88) (59) (57)
諸経費 (81) (143) 232 32 81 61
いすゞ 営業利益 1,096 217 110 450 800 882
営業利益増減 26 (879) (107) 340 690 772
売上変動/構成差 (113) (800) (807) 470 730 705
為替変動の影響 34 (156) (23) 0 (30) (24)
経済変動 (82) (273) 181 (120) (100) (98)
合理化 172 190 130 110 170 177
費用圧縮他 412 (120) (80) 12
採算改善他 76 344
設備・研究開発関連 (137) (108)
子会社決算期変更 76 (76)
日野 営業利益 459 (194) 11 250 300 289
営業利益増減 92 (653) 205 239 289 278
販売面の影響 82 (330) 231 60 350 337
経営環境面の変化 (36) (366) (70) (105) (120) (111)
原価改善 190 163 199 190 190 187
原価変動等 (144) (120) 190 (46) (131) (135)
売り上げ(台数)の変化 (345) 140
10社
合計
営業利益 45,897 (3,410) 9,640 12,730 20,400 19,187
営業利益増減 2,571 (49,306) 13,050 3,089 10,759 9,547
売上変動 6,260 (26,333) (8,774) 5,664 11,872 15,132
為替変動の影響 863 (15,604) (8,479) (2,057) (6,185) (7,193)
原価低減等 3,111 (2,416) 10,226 2,450 3,879 5,347
経費・研究開発費など (5,849) (4,348) 12,615 (1,693) (763) (3,449)
その他 (1,814) (605) 7,462 (1,257) 1,956 (290)
資料:各社の決算短信と決算発表資料。
(注)1.
米国会計基準を採用しているトヨタとホンダの経常利益欄は、税引前当期利益。
2.
日産の購買コスト等には、原材料・エネルギーコストを含む。
3.
スズキの「売上高・構成変化等」には原材料影響を含む。
4. 富士重工の原価低減等には原材料高騰影響を含む。

 



設備投資・研究開発費とも3年ぶりに増加

 2010年度の10社合計の設備投資額は6.3%増の1兆5,656億円となり、3年ぶりの増加。しかし、10社合計の減価償却費は1兆8,685億円となっており、設備投資額が下回る状況は続いている。研究開発費も3年ぶりに増加し、1兆9,631億円(3.1%増)。

日本の自動車メーカー10社の連結設備投資・減価償却費・研究開発費

(億円)

2007
年度
2008
年度
2009
年度
2010年度
当初計画

3Q発表時

修正計画

実績
設備投資 トヨタ 14,802 13,025 5,790 7,400 6,200 6,423
ホンダ 6,540 5,991 3,297 3,800 3,300 3,113
日産 4,289 3,836 2,736 3,600 3,400 3,120
スズキ 2,436 2,162 1,312 1,700 1,700 1,303
マツダ 755 818 298 600 600 447
三菱 567 719 471 760 760 525
ダイハツ 1,117 767 367 540 450 406
富士重工 563 580 561 560 560 431
いすゞ 506 667 257 370 380 294
日野 437 584 285 330 300
10社合計 30,458 27,798 14,722 18,790 15,656
減価償却費 トヨタ 10,424 10,721 10,320 9,000 8,400 8,123
ホンダ 4,173 4,082 3,666 3,500 3,300 3,252
日産 3,709 4,212 3,633 3,800 3,700 3,721
スズキ 1,616 1,412 1,418 1,300 1,300 1,384
マツダ 665 752 764 730 730 716
三菱 719 790 690 700 700 627
ダイハツ 665 837 729 710 660 637
富士重工 655 651 571 520 520 498
いすゞ 415 396 395 380 370 364
日野 442 475 452 450 457
10社合計 22,376 23,016 21,457 19,930 18,685
研究開発費 トヨタ 9,588 9,040 7,253 7,600 7,400 7,303
ホンダ 5,879 5,631 4,633 5,000 5,000 4,875
日産 4,575 4,555 3,855 4,300 4,250 3,993
スズキ 1,087 1,150 1,088 1,100 1,100 1,041
マツダ 1,144 960 852 1,000 950 910
三菱 776 640 444 560 520 494
ダイハツ 442 442 437 410 390 382
富士重工 520 428 372 460 433 429
いすゞ 603 677 552 600 600 586
日野 395 409 381 404 411
10社合計 24,172 23,081 19,049 20,620 19,631
資料:各社の決算短信と決算発表資料。
(注)

日産の設備投資と減価償却は、08年度からファイナンスリース関連を含む (07年度までは含まない)。08年度と同一基準の07年度投資は 5,164億円。

                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>