Renault:2010年販売見通しは、過去最高レベルの250万台

2011年9月からEV, Fluence ZE, Kangoo ZEを発売

2011/01/05

2010年1-10月の販売台数は14.5%増の216.1万台、通年販売見通しは250万台

 ルノーの2010年1-10月の販売台数は216.1万台と前年同期に比べ14.5%増。ブランド別で見るとSamsungブランドが、同期間に13.5万台を売上げ前年同期に比べ27.7%増と特に好調であった。Renaultブランドは13.7%増の173.8万台、Daciaブランドは12.7%増の28.7万台販売した。

 地域別では、同期間に欧州地域で137.2万台と前年同期比10.0%増となり、欧州におけるシェア(乗用車と小型商用車の合計)は10.62%と、前年同期の9.29%から1.33ポイント拡大した。欧州地域以外も好調で、ロシアを含むEurasiaは同25.0%増、南米を中心とするAmericasは30.2%増、Asia-Africaは30.4%増を記録した。

 ルノーが、第3四半期決算発表時に公表した、2010年通年の販売見通しは250万台。報道では、260万台を超え、2005年の記録を更新するとの見通しもある。

Renaultの2010年業績見通し: 250万台の販売と、7億ユーロのフリーキャッシュフローのプラス

市場の見通し 世界の自動車市場は8%の成長を見込んでいるが、欧州市場は政府の購入促進策の終了により、5%の縮小を見込む(当初は10%縮小見込み)。
2010年
業績見通し
2010年の販売見通しは250万台。7億ユーロのフリーキャッシュフローを自動車部門で獲得する。

資料:Renault Earnings report 2010 3Q、Automotive News Europe 2010/12/13
(注)ルノーの広報担当者によれば、2010年の販売台数は、2005年の記録を超え、260万台と予測。

Renault Group の世界販売台数 (PC+LCV)

(台)
  2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2009年
1-10月
2010年
1-10月
Renault ブランド 2,250,839 2,115,572 2,134,949 2,019,369 1,861,389 1,526,260 1,738,442
Samsung ブランド 119,488 121,660 119,557 104,502 136,467 105,851 135,150
Dacia ブランド 164,364 196,378 230,535 258,372 311,332 255,029 287,296
Group
Total
乗用車 2,141,565 2,042,796 2,081,486 2,018,024 2,032,565 1,664,555 1,893,120
商用車 393,126 390,814 403,555 364,219 276,623 222,585 267,768
合計 2,534,691 2,433,610 2,485,041 2,382,243 2,309,188 1,887,140 2,160,888
欧州 (注1) 1,852,474 1,692,903 1,624,261 1,507,554 1,529,368 1,247,613 1,372,282
資料:Renault Annual Report 2009, Renault Monthly Sales
(注) 1. Europe は西欧+中欧。
2. 2008年の乗用車と商用車の販売台数の合計と Group Total が異なるが、原資料のママ。
3. 2008年 2月に Renault が 25% の株式を取得した AvtoVAZ の Lada ブランドの販売台数は、上表に含まない。

Renault Group の地域別販売台数(PC+LCV)

(台)
  Europe Europe 外 Worldwide
Euromed Eurasia Americas Asia-Africa 合計 Europe外
比率
2005年 1,852,474 337,497 164,591 180,129 682,217 26.9% 2,534,691
2006年 1,692,903 380,657 185,438 174,612 740,707 30.4% 2,433,610
2007年 1,624,261 424,121 244,926 191,733 860,780 34.6% 2,485,041
2008年 1,507,554 274,352 130,218 254,957 215,162 874,689 36.7% 2,382,243
2009年 1,529,368 240,500 80,428 236,029 222,863 779,820 33.8% 2,309,188
2009年 1-10月 1,247,615 199,867 66,457 192,813 180,390 639,527 33.9% 1,887,142
2010年 1-10月 1,372,298 219,230 83,047 251,100 235,294 788,671 36.5% 2,160,969
資料:Renault Annual Report 2009, Renault Monthly Sales
(注)  Europe は西欧+中欧。Euromed は、東欧 (ルーマニア, ブルガリア等), トルコ, 北アフリカ。Eurasiaはロシア/CIS諸国。Asia-Africa は、オセアニア・中近東を含む。

Renault Group:欧州における市場シェア(PC+LCV)

  2007年 2008年 2009年 2009年 1-10月 2010年 1-10月
乗用車市場シェア 8.82% 8.97% 9.57% 9.29% 10.62%

資料: Renault Monthly Sales

 


2010年上期の売上高は23.0%増の196.6億ユーロ、営業黒字に転換

 ルノーの2010年度上期(1-6月)の売上高は、196.7億ユーロを計上し、前年同期に比べて23.0%増加した。営業利益は7.8億ユーロとなり、前期の6.2億ユーロの赤字から黒字転換を果たした。売上高に対する営業利益の割合は4.0%となり、過去5年間で最も高い水準にある。

 2010年第3四半期までの売上高は、283.8億ユーロとなり前年に比べ17.9%増加(ルノーは四半期ごとの営業利益等は未公表)。

Renault Group の連結業績

(100万Euro)
  2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2009年
1-6月
2010年
1-6月
2009年
1-9月
2010年
1-9月
Revenues Automobile 38,886 38,901 39,190 36,241 32,415 15,335 19,017 22,757 27,046
Finance 1,360 1,431 1,492 1,550 1,297 656 651 1,318 1,333
Total 40,246 40,332 40,682 37,791 33,712 15,991 19,668 24,075 28,379
Operating margin
in % of revenues
1,323
3.3%
1,063
2.6%
1,354
3.3%
212
0.6%
(396)
-1.2%
(620)
-3.9%
780
4.0%
n.a. n.a.
Associated income
from Nissan Motor
2,284 1,888 1,288 345 (902) (1,211) 460
Group pre-tax income 3,793 3,215 2,989 761 (2,920) (2,711) 1,003
Group net income 3,462 2,960 2,734 599 (3,068) (2,712) 823
Renault net Income (注) 3,376 2,886 2,669 571 (3,125) (2,732) 780

 資料:Renault Annual Report 2009, Press Release 10.10.27
(注) Renault net Incomeは Group net Incomeから少数株主に帰属する利益を差し引いたもの。

 


2010年上期の世界生産は13.5%増の138.4万台、フランスLardy工場・ルーマニアにテストセンター設置

 ルノーの2010年上期の世界生産は、138.4万台と前年同期に比べ13.5%増。生産台数が多いのは、Logan/Sanderoの29.4万台、Megane IIIの26.9万台、Clio IIIの19.9万台で、この3モデルで76.1万台と全体の半分を超えている。

 ルノーは製品開発のためのテストセンターの強化に取り組んでいる。フランスではパリ郊外のLardy工場にパワートレインのテストセンターを6,000万ユーロ投じて2010年6月に開設し、低燃費エンジンなどの開発に取りくむ。またルーマニアには、テストコースを併設した、Titu技術センターを2010年9月に設置し、Loganなどに用いられるB0プラットフォーム車などの開発/試験を行う。

Renault Group:モデル別世界生産台数

(台)
  2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2009年
1-6月
2010年
1-6月
Twingo/TwingoⅡ 90,674 64,101 118,082 138,556 187,470 103,142 95,520
Clio II 330,870 720,194 181,242 117,678 75,155 34,794 50,157
ClioⅢ 131,503 351,066 328,530 334,054 190,030 199,090
Thalia/Symbol 103,164 99,259 85,477 82,163 50,020 48,334
Modus 164,741 70,979 67,514 72,590 69,358 43,535 30,455
Logan 169,956 256,351 420,255 526,989 489,865 278,482 293,536
Sandero      
Duster           10 26,827
Kangoo 123,057            
Megane 801,496 662,281 629,612 398,317 85,462 74,056 8,550
MeganeⅡ
Megane III       39,281 374,400 180,040 268,824
SM3/Fluence 30,091 71,817 82,650 65,590 90,937 32,901 95,618
SM5 63,374 71,675 76,363 53,987 64,473 35,670 44,432
SM7 25,089 17,807 15,081 14,433 18,143 9,820 7,778
LagunaⅡ 112,365 73,065 45,128        
LagunaⅢ     54,384 81,453 46,919 28,314 30,926
EspaceⅣ 50,521 41,432 40,674 21,672 15,212 9,544 9,881
Vel Satis 7,609 4,683 2,812 1,685 1,179 801  
QM5/Koleos     5,241 55,139 28,925 15,620 24,089
Wind             1,450
Others 5,694            
乗用車合計 2,200,223 2,054,385 2,189,363 2,001,377 1,963,715 1,086,779 1,235,467
Kangoo 118,667 232,647 227,264 216,630 151,196 86,241 94,601
Master(Ⅱ) 106,703 105,789 119,120 98,387 58,482 34,297 30,696
New Master         565 125 16,623
Mascott 15,255 17,413 7,585 8,399 5,706 3,876  
Pick-up 1310 19,871 11,208          
Trafic(II)   107,279 115,904 96,225      
Vehicles for Nissan
in Mercosur
        18,903    
Others 55,009         8,237 6,637
商用車計 315,505 474,336 469,873 419,641 234,852 132,776 148,557
総合計 2,515,728 2,528,721 2,659,236 2,421,018 2,198,567 1,219,555 1,384,024
資料:Renault Annual Report 2009, Earnings Report 1H 2010
(注) 1. Renault は2006年からモデルの乗用車/商用車区分を変更した。上表では、05年以降が新区分。
2. 2005/06年の各モデルの台数合計と乗用車合計とに不突合があるが、原資料のママ。
3. 2006年以降の 商用車 Kangoo には、乗用車 Kangoo を含む。
4. 2006/07年は、スペインの GM 工場が生産する Trafic II を含むが、英国の GM 工場が生産する Trafic II は含まない。2008年以降は、日産のBarcelona工場(スペイン)も含めて、いずれの Trafic IIの生産 も含まない。
5. 2008年の Clio は、日産のメキシコ工場が生産する Renault ブランドの Clio を含む。

6,000万ユーロを投じて、フランスLardy工場にエンジンテスト設備を導入

ルノーは、パリ郊外のLardy工場にある、PIM(パワートレインイノベーションセンター)に6,000万ユーロを投じて、27の試験設備を導入した(2010年6月)。新たに3棟の建物を建設し、そのうち1棟では低燃費化に焦点を当て、エンジンのダウンサイズ、ターボチャージャー付きのエンジンの開発に取り組む。他の2棟では、パワートレインの開発や、燃料システムのための試験台が設置されている。

資料:Renault Press Release 2010/6/24

ルーマニアにテストセンター開設

ルノーは、ルーマニアの Titu技術センターの開所式を2010年9月に開いた。このTitu技術センターでは、フランスのLardy、Aubevoyeのテストセンターを補完し、Loganに用いられているB0プラットフォーム車などの車体やパワートレインの試験を行う。100台の試験設備と、総延長32kmのテストコースを備えている。

 資料:Renault Press Release 2010/9/15

 


Daimlerと戦略的提携、Opelとの小型商用車の提携を継続

 ルノー・日産アライアンスはDaimlerと、互いに3.1%ずつの株式を持ち合い、戦略的な連携を行うことに2010年4月に合意した。小型車(Renault Twingo、Daimler smart) を中心とした共通設計、パワートレインの相互供給などを行う。

 ルノーとOpel/Vauxhallは、姉妹車Renault Trafic , Opel Vivaroの次世代車での連携を含む、小型商用車における両社の提携を続けていくことを2010年9月に発表した。また、ルノーは、自社の純債務の削減に当てるため、欧州の商用車メーカーVolvoの株式約3億株(議決権ベースで3.8%)を、約30億ユーロで売却した。

ルノー・日産アライアンス:Daimlerとの戦略的提携に同意

  市場導入時期
相互出資 Daimlerとルノー・日産アライアンスは、相互出資を含む幅広い分野での戦略的提携に2010年4月に同意。Daimlerとルノー・日産アライアンス互いに3.1%ずつの株式を持ち合う。 -
小型車向けの
共通設計
4人乗りsmartの次世代モデル、及びRenault Twingoは共通の設計思想に基づく車体構造を採用する。電動車モデルも開発される。 2013年
パワートレイン ルノー・日産アライアンスはDaimlerに、小型車・コンパクト車向けに3気筒と4気筒のガソリンエンジン、及びディーゼルエンジンを供給する。 2012年
Daimlerから、日産のInfinitiの現行モデル向けに4気筒、6気筒のガソリン、ディーゼルエンジン、トランスミッションの供給を受ける。 2013年
小型商用車 都市型バン向けの共通設計や中型バンでのパワートレインの共用を進める 2012年、
2014年
資料: Renault-Nissan Daimler News Release 2010/4/7、Daimler Press Release 2010/10/08,
Automotive news 2010/10/06
(注)  日産は、5座席、5ドアのガソリン車を米国で生産して、Daimlerに小型車Smartの米国専用モデル向けに供給する。発売予定は2011年第4四半期。

ルノーとオペル、小型商用車での提携続ける

ルノーとOpel/Vauxhallは小型商用車における両者の連携を続けていくことを2010年9月発表した。この連携には、姉妹車であるRenault Trafic , Opel Vivaroの次世代車における協力関係も含まれる。今後も、さまざまな方面で連携としていくとのこと。
Opel/Vauxhallは、自らのカナダ部品メーカーMagna Internationalとロシア国営銀行SBERBANKの企業連合への売却を2009年11月に撤回し、2010年2月に自力再建策を発表していた。

資料:Renault Opel Press Release 2010/9/17

ルノー、欧州トラック大手Volvoの保有株式を一部売却

ルノーは、欧州トラック大手VolvoのB種類株約3億株(資本金ベースで14.9%分、議決権ベースで3.8%分)を、約30億ユーロで2010年10月に売却した。ルノーはA種類株約1.4億株(資本金ベースで6.8%分、議決権ベースで17.5%分)は引き続き保有し、Volvoの筆頭株主の座は維持する。ルノーは売却資金を自動車部門の純債務削減に充てる(2010年6月末時点の同純債務は46.6億ユーロ)。ゴーン会長は、2011年の新たな経営戦略の発表に備えて、ルノーのバランスシートを強化する目的と、表明した。
資料: Renault Opel Press Release 2010/10/6, 7、Renault Earnings report 2010 First Half,
Bloomberg 2010/10/7
(注) 1. Volvoは商用車などを手がけるメーカーで、中国の吉利の傘下に入ったVolvo Carsとの資本関係はない。
2. Renaultは、2001年に傘下の商用車部門Renault Vehicle Industry(現 Renault Truck)をVolvoに売却
すると共に、Volvoに出資し筆頭株主となっていた。



新興国戦略:ロシアでAVTOVAZと連携強化、インド/アルゼンチンで生産体制強化

 ルノーは、ロシアでのAVTOVAZ(ルノーが25%+1株の株式を保有)との連携に、日産を加えて強化し、3社でのロシアの市場シェアを2015年までに40%に拡大させる(2009年は30%)方針を、2010年6月表明した。この連携には、プラットフォームの共有から、研究開発、購買、運輸、生産、販売まで幅広い領域を含んでいる。同時に、2011年からルノーのモスクワ工場での、中型セダンFluenceなどの生産拡大も計画している。

 インドでは、ルノー・日産アライアンス初の工場、Chennai工場を2010年3月に竣工させた。年産能力は40万台で、当初は日産のグローバルコンパクトカーMicraを生産し、2011年からはルノーのMPV Koleos、中型セダンFluenceの生産を開始する予定。一方、販売が不振であった、インドの自動車メーカーMahindra & Mahindraとの合弁会社の持分を、全てMahindraへ売却すると2010年4月に発表した。

 アルゼンチンでは、南米での販売拡大を支えるために、1億3,500万アルゼンチン・ペソを投じてSanta Isabel工場を改修し、2010年3月より新ラインを稼働させた。また、北アフリカのアルジェリアでも新工場を計画している。

ロシア:AVTOVAZとの連携強化

ルノー・日産アライアンスは、ロシアの自動車メーカーAVTOVAZとの連携に日産を加えて強化する(ルノーは、2008年2月、AVTOVAZの株式を25%+1株買い取っていた)。ロシアでの3社の市場シェアを、2009年の30%から、2015年までに40%に拡大させる。

プラットフォームの共有

ルノー・日産アライアンスとAVTOVAZは、お互いが開発したプラットフォームとエンジンを利用できる。Ladaブランドの海外市場向け仕様を開発する。
研究開発 ノウハウと開発費の共有を通じて、AVTOVAZの生産車の品質を強化する。
購買 RNPO (Renault-Nissan Purchasing Organization) ロシアとAVTOVAZの購買部門は、運営を統合化し、ロシアのサプライヤーの品質を強化する。
運輸 ロシアにおける、運輸部門の統合を拡大し、運輸部門の質、信頼性を高め、費用を低減する。
生産 AvtovazのTogliatti工場、RenaultのMoscow工場、日産のSt. Petersburg工場の三工場の生産能力を2012年までに130万台へ拡大させる。
販売 ルノーとLadaは、ロシア全土での販売ネットワークの構築に共同で取り組む。
資料: Renault-Nissan Alliance and AVTOVAZ Press Release 2010/6/11, 日本経済新聞 2010/11/23,
Automotive News Europe 2010/11/10
(注) 1. AVTOVAZの株式は、ロシアの国策会社Russian Technologiesと投資会社Troika Dialog, ルノーがそれぞれ25%+1株を保有している。
2. 日産はAVTOVAZのルノー以外の大株主から、10%前後の株式を買い取り、ルノーと合わせて3分の1以上を出資し、アライアンスでAVTOVAZの実質的な経営権を取得する計画と伝えられている。
3. ルノー・日産アライアンスのゴーン会長とプーチン首相の間で、アライアンスの出資を50%まで高めることについて協議をしたとの報道もある。

ロシア:モスクワ工場での生産拡大

モスクワ
工場
ルノーは、中型セダンFluenceとMegane hatchbackのセミノックダウン生産、Dusterの完全ノックダウン生産をモスクワ工場で開始する。中型セダンFluenceとMegane hatchbackのモスクワ工場からの出荷は2011年前半を予定し、Dusterは2011年末にロシアに市場導入予定。これにより、ルノーはCセグメント、SUVにおけるロシア市場固有のニーズに対応でき、競争力が高まるとしている。
資料:Renault Press Release 2010/8/25, Automotive News Europe 2010/11/10
(注)  ルノー・日産アライアンスは、ロシア極東地域ウラジオストック郊外のPrimorskyに組み立て工場を
建設する可能性について検討中とされる。

インド

Chennai

工場竣工

ルノー・日産アライアンスは、同アライアンスが手がけた初めての工場、インドのChennai工場の竣工式を2010年3月に開いた。同工場には450億ルピーが投じられ、年産能力は40万台。当初は日産のグローバルコンパクトカーMicra(日本名March)を生産し、インド市場で発売するほか、欧州、中近東、アフリカ向けへ輸出する。2011年からは、ルノーのMPV Koleos、中型セダン Fluenceの生産を始める予定。

Mahindraとの合弁解消

ルノーは、インドの乗用車メーカーMahindra & Mahindraとの合弁会社、Mahindra Renault Pvt Ltdの持分を全てMahindraに売却すると2010年4月に発表した。ルノーの持分は49%、Mahindraの持分は51%であった。同合弁会社は中型セダン Loganを生産販売していたが、販売の不振が続いていた。ルノーは同車の生産ライセンスと、そのエンジン/変速機のMahindraへの供給は続ける。
資料: Renault-Nissan Alliance Press Release 2010/3/17、Mahindra-Renault Press Release 2010/4/16, Automotive News Europe 2010/2/10
(注) 1. ルノー・日産アライアンスは、インドの二輪車メーカーBajajと連携して、TataのNanoの価格を下回る、"ultra low-cost car"を2012年にも発売する予定。
2. ルノーは、現在15店舗のインドの販売網を、2011年半ばまでに150店舗まで拡大する計画もある。

アルゼンチン:アルゼンチン工場を改修

ルノーは1億3,500万アルゼンチン・ペソを投じて、アルゼンチンのSanta Isabel工場を改修し、2010年3月より新ラインを稼働させた。同工場ではClio, Symbol, Kangooを生産しており、2010年末より新たなモデルの生産を追加する。ブラジルのCuritiba工場の生産を補完し、南米での販売拡大を支えるのが目的。
資料:Renault Press Release 2010/5/7、Automotive News Europe 2010/10/4
(注)  ルノーは、ブラジルのマーケットシェアを現在の5.6%から10%まで、今後3年の間に拡大させることを計画していると報道されている。そのため、ブラジルへの10億レアルの投資と、3つの新モデルの導入を計画しているとのこと。

アルジェリア:工場建設を計画

ルノーは、アルジェリアに2012年から年間7.5万台を生産する工場を建設することを計画中。当初は組み立て工場として運営するが、第2段階として生産工場に増強することも考慮されている。

 資料:Automotive News Europe 2010/11/26
(注)ルノーはアルジェリアで、2009年に56,089台販売し、23.5%の市場シェアを握っている。

 


2011年9月から4ドアセダンEV Fluence ZEと小型Van EV Kangoo ZEを販売

 ルノーは、ルノー・日産アライアンスのゼロ・エミッション戦略の一翼を担う、電気自動車(EV)の販売を2011年9月から本格化させる。

 2011年9月には、4ドアセダン Fluence ZEと小型Van Kangoo ZEの2モデルのEVを販売する。この2モデルはリチウムイオン電池を搭載し、共に航続距離は100km(欧州複合モード)。電池は別途リース販売され、電池を除く車体価格は、Fluence ZEが2万1,300ユーロ、Kangoo ZEが1万5,000ユーロ(共に、フランス国内の5,000ユーロの補助金適用後)。

 2011年後半には、前後二人乗りの超小型EV Twizyを、2012年には通勤者向けのコンパクトEV Zoeを販売する。

 通常の内燃機関を用いた車では、2010年には、2人乗りコンパクト・クーペ・ロードスターのWindやDaciaブランドの小型オフロードカー Dusterなど、6車種の新発売・モデルチェンジを行った。2011年にはSamsungブランドのSM7のモデルチェンジ、2012年にはClio IV、新モロッコ工場での生産車種など7モデルの導入を予定している。

RenaultのEVモデル

モデル名 発売年 概要
Fluence ZE

2011年

9月

Meganeベースの4ドアセダンのEV。モーターの最大出力は70kW(95HP)/最大トルク226Nm, リチウムイオン搭載(フル充電に220V電源で8時間、32A/400Vの急速充電器で30分)。航続距離は100km(欧州複合モード)。残りの走行可能距離や近くの充電設備を表示できるナビゲーションシステムを標準装備。

電池を除いた車両価格は、フランス国内で補助金(5000ユーロ)を適用した場合、2万1300ユーロ。電池のリース月額は79ユーロ。2010年4月より先行予約開始。生産はトルコのBursa工場。

Kangoo Van ZE

2011年

9月

Kangooベース小型VanのEV(積載量650kg)。モーターの最大出力は44kW(70HP)/最大トルク226Nm, リチウムイオン搭載(フル充電に220V電源で、8時間)。航続距離は100km(欧州複合モード)。

電池を除いた車両価格は、フランス国内で補助金(5000ユーロ)を適用した場合、1万5000ユーロになる。電池のリース月額は、72ユーロ。2010年4月より先行予約開始。生産はフランスのMaubeuge工場。

Twizy

2011年

後半

前後2人乗りの超小型EVで、車体の外側にタイヤがついたデザインが特徴的(GVW450kg)。モーターの最大出力は15kW(20HP)/最大トルク57Nm(最大出力4kWのモデルも用意される)。航続距離は60マイル。電池を除く車両価格は3輪スクーター並みで、電池のリース月額はスマートフォンの利用月額並みになるとのこと。生産はスペインのValladolid工場。
ZOE

2012年

半ば

通勤者向けの2ボックス5ドアのコンパクトEV。バッテリーを除いた車体価格は小型車Clio並の予定。電池のリース価格と電気代は、年間1.2万キロメートル以上走行する利用者にとってディーゼル燃料代と同等の費用になる見込み。2010年10月のパリモーターショーで実車が初披露された。
資料:Renault Investor Day 2010 Presentation 2010/9/27, Renault Press Release 2010/7/7
(注)  Renaultによれば、日常の利用の内、87%は1日の移動距離が60km以下で、また、Bセグメント車の内32%の車は連続150km以上の走行をしたことがないという。

Renaultが2010年に発売した新型モデル

モデル名 発売年 概要
Duster

2010年

4月

Daciaブランドの小型のオフロードカー。2輪駆動車と4輪駆動車がと用意される。税込み価格は11,900ユーロから(税込み:フランス)。2012年終わりには右ハンドル車がイギリスに投入される。生産はルーマニアのPitesti工場。ブラジルでは2011年から、ロシアとコロンビアでは2012年から生産される予定。
Megane
Coupe-Cabriolet

2010年

5月

新しいMeganeの6車種目の派生車。ガラス製の開閉式ルーフを装備している。Douai工場(フランス)で生産される。3種のガソリンエンジンと3種のディーゼルエンジンがラインアップされ、2.0LのガソリンエンジンにはCVTが、1.5Lのディーゼルエンジンには6速EDC(Efficient Dual Clutch)が装備される。
Wind

2010年

6月

全長3.83メートルの2人乗りコンパクト・クーペ・ロードスター。Clio2と同じプラットフォームが使用されている。電動ルーフの開閉時間は12秒で、同じクラスの車の平均の約半分。ルーフが180度回転してトランクに収納されるため、トランクの収納スペースはルーフの開閉の有無にかかわらず一定(VDA基準で270L)。
Laguna

2010年

11月

中型セダンLagunaの新型モデル。5ドアセダンとワゴンタイプが発売される。エンジンラインアップは2のガソリンエンジンと5つのディーゼルエンジン。
Latitude/(SM5)

2010年

11月

ルノーサムソン上級セダンSM5の輸出モデル。韓国外ではルノーブランドのLatitude名で販売される。車内の快適性に優れ、後部座席のニールームは251mmあり、空気清浄機能付きイオン発生器も備えている。ESC,緊急ブレーキシステム、側面衝突センサーなど安全装備も充実している。
Master

2010年

4月

Renaultの小型商用車の旗艦車である大型Van "Master"の新モデル。従来車より燃費性能、キャブの快適性を高めた。前輪駆動車と後輪駆動車が用意され、車体の大きさは4種、車高も4種用意された。フランス Batilly の SOVAB 工場で生産される。
資料: Renault Investor Day 2010 Presentation 2010/9/27,
Renault Press Release 2010/2/5, 3/11, 6/28, 11/11, Dacia Press Release 2010/3/3, 4/12


IHSグローバルインサイト中期生産予測レポート

Renault:国別・ブランド別生産台数 (IHSグローバルインサイト社予測)

(台数)

 国   ブランド  2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015
FRANCE RENAULT 703,411 540,366 647,349 628,574 752,399 879,278 852,395 806,284
SPAIN RENAULT 318,549 372,344 385,883 357,848 292,371 266,844 253,879 276,564
UNITED
KINGDOM
RENAULT 22,977 23,883 30,370 19,423 17,378 0 0 0
ROMANIA DACIA 242,522 296,010 342,204 341,251 314,988 313,141 296,133 281,621
RENAULT 0 0 0 0 0 27,039 52,729 55,456
SLOVENIA RENAULT 198,094 212,680 200,281 164,084 130,623 114,557 109,922 178,711
TURKEY RENAULT 286,695 277,572 301,861 289,071 314,374 281,520 249,160 243,830
RUSSIA RENAULT 72,690 49,650 75,893 84,681 117,519 139,050 161,265 174,220
IRAN RENAULT 54,378 34,171 84,863 179,546 257,575 292,895 318,934 309,226
MOROCCO DACIA 20,587 23,014 27,239 32,531 200,919 274,467 262,377 257,210
RENAULT 13,716 18,313 19,554 14,341 0 3,210 10,314 9,221
SOUTH
AFRICA
DACIA 353 4,020 7,502 8,455 9,543 10,092 9,461 8,885
INDIA RENAULT 0 0 0 16,892 30,894 86,563 95,907 107,368
INDIA MAHINDRA
RENAULT
20,095 7,464 8,908 12,579 12,476 11,261 16,846 20,067
MALAYSIA RENAULT 128 98 197 198 197 184 194 186
SOUTH
KOREA
SAMSUNG 187,947 189,831 261,662 261,308 247,705 225,135 213,804 201,727
MEXICO RENAULT 8,819 2,396 0 6,083 6,961 7,600 8,262 7,846
ARGENTINA RENAULT 73,336 65,470 85,675 115,287 119,717 116,731 119,075 125,887
BRAZIL RENAULT 128,621 121,529 167,471 159,271 169,151 155,134 177,757 189,127
COLOMBIA RENAULT 36,395 24,946 39,777 46,482 60,364 66,648 74,816 87,159
Total 2,389,313 2,263,757 2,686,689 2,737,905 3,055,154 3,271,349 3,283,230 3,340,595

資料:世界小型車生産台数データ (2010年12月 7 日時点)

  • (注)
  • 1. データは、小型車(乗用車+車両総重量 6t以下の小型商用車)の数値のみ。
  • 2. 2008年と2009年は実績
  • 3. 本表の無断転載を禁じます。転載には IHSグローバルインサイト 社の許諾が必要となります。

IHS グローバルインサイト レポート

フランス: ルノー・日産は1.6Lディーゼルエンジンをダイムラーに供給する (2010年12月8日)

オートカー誌のレポートによれば、技術提携の一環としてルノー・日産は新型の1.6Lディーゼルエンジンをダイムラーに供給する。フランスの情報筋がこの自動車誌に語ったところによれば、このエンジンはこのドイツメーカー(ダイムラー)の次期型Aクラス及びBクラスを始めとする小型車に搭載される。

重点: これは4月の資本提携の発表を受けて、ルノー・日産とダイムラーがコスト削減や各種のオポチュニティの拡大をどのように協力して行っていくかの最新の一例である。ルノー・日産の小型エンジン、ダイムラーの大型多気筒エンジンというコア技術をお互いに利用しあうということで、パワートレインの分野はこの提携の最も重要なものの一つと考えられる。排気ガス規制は益々強化されつつあり、このためエンジン開発コストが増大しているので、こういった関係は更に重要なものになってくると思われる。今週(12月6日週)初めに日産のプレミアム・ブランドであるインフィニティがダイムラーのチューニング部門であるAMGより幾つかの将来モデルに対しエンジンの供給を受けるということが報じられている。しかし次期型のルノー、日産、メルセデス・ベンツ及び小型車スマートに搭載される一連の新型小型ガソリンエンジン及びディーゼルエンジンの方が更に本質的な重要性を持っている。

トルコ:ルノーは2011年に電気自動車であるフルエンス(Fluence)EVの欧州輸出を開始する (2010年12月7日)

(アジアの商業ニュースサービス・メディアである)Asia Pulseによればルノーのトルコにおける合弁会社であるOyak Renaultは来年より電気自動車であるフルエンスの輸出を開始する。Renault Mais(ルノーのトルコにおける販売のための合弁会社)の総裁であるIbrahim Aybarはフルエンスはまずフランス市場で販売が開始されるであろうと述べた。しかし彼はまた、充電のためのインフラの整備のための投資が必要ではあるが、今後5年間のうちにトルコで3万台の電気自動車の販売を見込んでいるとも述べた。更に同氏はまた同社が今後5年間こういった車に対する支援として無税にすることを提案しているとも述べている。

重点: この車の生産は既に開始されている。最初の生産車はProject Better Place社(米国のベンチャー企業、イスラエルとデンマークでルノー・日産アライアンスと電気自動車の普及に関するプロジェクトを実施中)とのプロジェクトの一環としてテストをするためイスラエルへの出荷が決まっている。このモデルは今後数年間にルノーが立ち上げる4つの電気自動車の一つであり、カングー電気自動車、フランスで生産されるBセグメントのZoe、及びスペンで生産されるシティカーのTwizyが加わることになる。この車の販売の多くは当初トルコ国外になることが予想されているが、ルノーによりこの技術をトルコ市場での足掛かりとする努力が開始されている。しかし電気自動車がどのような影響を与えるかはトルコ政府がどのような援助施策を打ち出すかに掛かっている。

                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>