Renault:2010年販売見通しは、過去最高レベルの250万台
2011年9月からEV, Fluence ZE, Kangoo ZEを発売
2011/01/05
2010年1-10月の販売台数は14.5%増の216.1万台、通年販売見通しは250万台
ルノーの2010年1-10月の販売台数は216.1万台と前年同期に比べ14.5%増。ブランド別で見るとSamsungブランドが、同期間に13.5万台を売上げ前年同期に比べ27.7%増と特に好調であった。Renaultブランドは13.7%増の173.8万台、Daciaブランドは12.7%増の28.7万台販売した。
地域別では、同期間に欧州地域で137.2万台と前年同期比10.0%増となり、欧州におけるシェア(乗用車と小型商用車の合計)は10.62%と、前年同期の9.29%から1.33ポイント拡大した。欧州地域以外も好調で、ロシアを含むEurasiaは同25.0%増、南米を中心とするAmericasは30.2%増、Asia-Africaは30.4%増を記録した。
ルノーが、第3四半期決算発表時に公表した、2010年通年の販売見通しは250万台。報道では、260万台を超え、2005年の記録を更新するとの見通しもある。
Renaultの2010年業績見通し: 250万台の販売と、7億ユーロのフリーキャッシュフローのプラス
市場の見通し | 世界の自動車市場は8%の成長を見込んでいるが、欧州市場は政府の購入促進策の終了により、5%の縮小を見込む(当初は10%縮小見込み)。 |
2010年 業績見通し | 2010年の販売見通しは250万台。7億ユーロのフリーキャッシュフローを自動車部門で獲得する。 |
資料:Renault Earnings report 2010 3Q、Automotive News Europe 2010/12/13 (注)ルノーの広報担当者によれば、2010年の販売台数は、2005年の記録を超え、260万台と予測。
Renault Group の世界販売台数 (PC+LCV) |
(台) |
2005年 | 2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | 2009年 1-10月 | 2010年 1-10月 | ||
Renault ブランド | 2,250,839 | 2,115,572 | 2,134,949 | 2,019,369 | 1,861,389 | 1,526,260 | 1,738,442 | |
Samsung ブランド | 119,488 | 121,660 | 119,557 | 104,502 | 136,467 | 105,851 | 135,150 | |
Dacia ブランド | 164,364 | 196,378 | 230,535 | 258,372 | 311,332 | 255,029 | 287,296 | |
Group Total | 乗用車 | 2,141,565 | 2,042,796 | 2,081,486 | 2,018,024 | 2,032,565 | 1,664,555 | 1,893,120 |
商用車 | 393,126 | 390,814 | 403,555 | 364,219 | 276,623 | 222,585 | 267,768 | |
合計 | 2,534,691 | 2,433,610 | 2,485,041 | 2,382,243 | 2,309,188 | 1,887,140 | 2,160,888 | |
欧州 (注1) | 1,852,474 | 1,692,903 | 1,624,261 | 1,507,554 | 1,529,368 | 1,247,613 | 1,372,282 |
資料:Renault Annual Report 2009, Renault Monthly Sales | |
(注) 1. | Europe は西欧+中欧。 |
2. | 2008年の乗用車と商用車の販売台数の合計と Group Total が異なるが、原資料のママ。 |
3. | 2008年 2月に Renault が 25% の株式を取得した AvtoVAZ の Lada ブランドの販売台数は、上表に含まない。 |
Renault Group の地域別販売台数(PC+LCV) |
(台) |
Europe | Europe 外 | Worldwide | ||||||
Euromed | Eurasia | Americas | Asia-Africa | 合計 | Europe外 比率 | |||
2005年 | 1,852,474 | 337,497 | 164,591 | 180,129 | 682,217 | 26.9% | 2,534,691 | |
2006年 | 1,692,903 | 380,657 | 185,438 | 174,612 | 740,707 | 30.4% | 2,433,610 | |
2007年 | 1,624,261 | 424,121 | 244,926 | 191,733 | 860,780 | 34.6% | 2,485,041 | |
2008年 | 1,507,554 | 274,352 | 130,218 | 254,957 | 215,162 | 874,689 | 36.7% | 2,382,243 |
2009年 | 1,529,368 | 240,500 | 80,428 | 236,029 | 222,863 | 779,820 | 33.8% | 2,309,188 |
2009年 1-10月 | 1,247,615 | 199,867 | 66,457 | 192,813 | 180,390 | 639,527 | 33.9% | 1,887,142 |
2010年 1-10月 | 1,372,298 | 219,230 | 83,047 | 251,100 | 235,294 | 788,671 | 36.5% | 2,160,969 |
資料:Renault Annual Report 2009, Renault Monthly Sales | |
(注) | Europe は西欧+中欧。Euromed は、東欧 (ルーマニア, ブルガリア等), トルコ, 北アフリカ。Eurasiaはロシア/CIS諸国。Asia-Africa は、オセアニア・中近東を含む。 |
Renault Group:欧州における市場シェア(PC+LCV)
2007年 | 2008年 | 2009年 | 2009年 1-10月 | 2010年 1-10月 | |
乗用車市場シェア | 8.82% | 8.97% | 9.57% | 9.29% | 10.62% |
資料: Renault Monthly Sales
2010年上期の売上高は23.0%増の196.6億ユーロ、営業黒字に転換
ルノーの2010年度上期(1-6月)の売上高は、196.7億ユーロを計上し、前年同期に比べて23.0%増加した。営業利益は7.8億ユーロとなり、前期の6.2億ユーロの赤字から黒字転換を果たした。売上高に対する営業利益の割合は4.0%となり、過去5年間で最も高い水準にある。
2010年第3四半期までの売上高は、283.8億ユーロとなり前年に比べ17.9%増加(ルノーは四半期ごとの営業利益等は未公表)。
Renault Group の連結業績 |
(100万Euro) |
2005年 | 2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | 2009年 1-6月 | 2010年 1-6月 | 2009年 1-9月 | 2010年 1-9月 | ||
Revenues | Automobile | 38,886 | 38,901 | 39,190 | 36,241 | 32,415 | 15,335 | 19,017 | 22,757 | 27,046 |
Finance | 1,360 | 1,431 | 1,492 | 1,550 | 1,297 | 656 | 651 | 1,318 | 1,333 | |
Total | 40,246 | 40,332 | 40,682 | 37,791 | 33,712 | 15,991 | 19,668 | 24,075 | 28,379 | |
Operating margin in % of revenues | 1,323 3.3% | 1,063 2.6% | 1,354 3.3% | 212 0.6% | (396) -1.2% | (620) -3.9% | 780 4.0% | n.a. | n.a. | |
Associated income from Nissan Motor | 2,284 | 1,888 | 1,288 | 345 | (902) | (1,211) | 460 | |||
Group pre-tax income | 3,793 | 3,215 | 2,989 | 761 | (2,920) | (2,711) | 1,003 | |||
Group net income | 3,462 | 2,960 | 2,734 | 599 | (3,068) | (2,712) | 823 | |||
Renault net Income (注) | 3,376 | 2,886 | 2,669 | 571 | (3,125) | (2,732) | 780 |
資料:Renault Annual Report 2009, Press Release 10.10.27 (注) Renault net Incomeは Group net Incomeから少数株主に帰属する利益を差し引いたもの。
2010年上期の世界生産は13.5%増の138.4万台、フランスLardy工場・ルーマニアにテストセンター設置
ルノーの2010年上期の世界生産は、138.4万台と前年同期に比べ13.5%増。生産台数が多いのは、Logan/Sanderoの29.4万台、Megane IIIの26.9万台、Clio IIIの19.9万台で、この3モデルで76.1万台と全体の半分を超えている。
ルノーは製品開発のためのテストセンターの強化に取り組んでいる。フランスではパリ郊外のLardy工場にパワートレインのテストセンターを6,000万ユーロ投じて2010年6月に開設し、低燃費エンジンなどの開発に取りくむ。またルーマニアには、テストコースを併設した、Titu技術センターを2010年9月に設置し、Loganなどに用いられるB0プラットフォーム車などの開発/試験を行う。
Renault Group:モデル別世界生産台数 |
(台) |
2005年 | 2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | 2009年 1-6月 | 2010年 1-6月 | |
Twingo/TwingoⅡ | 90,674 | 64,101 | 118,082 | 138,556 | 187,470 | 103,142 | 95,520 |
Clio II | 330,870 | 720,194 | 181,242 | 117,678 | 75,155 | 34,794 | 50,157 |
ClioⅢ | 131,503 | 351,066 | 328,530 | 334,054 | 190,030 | 199,090 | |
Thalia/Symbol | 103,164 | 99,259 | 85,477 | 82,163 | 50,020 | 48,334 | |
Modus | 164,741 | 70,979 | 67,514 | 72,590 | 69,358 | 43,535 | 30,455 |
Logan | 169,956 | 256,351 | 420,255 | 526,989 | 489,865 | 278,482 | 293,536 |
Sandero | |||||||
Duster | 10 | 26,827 | |||||
Kangoo | 123,057 | ||||||
Megane | 801,496 | 662,281 | 629,612 | 398,317 | 85,462 | 74,056 | 8,550 |
MeganeⅡ | |||||||
Megane III | 39,281 | 374,400 | 180,040 | 268,824 | |||
SM3/Fluence | 30,091 | 71,817 | 82,650 | 65,590 | 90,937 | 32,901 | 95,618 |
SM5 | 63,374 | 71,675 | 76,363 | 53,987 | 64,473 | 35,670 | 44,432 |
SM7 | 25,089 | 17,807 | 15,081 | 14,433 | 18,143 | 9,820 | 7,778 |
LagunaⅡ | 112,365 | 73,065 | 45,128 | ||||
LagunaⅢ | 54,384 | 81,453 | 46,919 | 28,314 | 30,926 | ||
EspaceⅣ | 50,521 | 41,432 | 40,674 | 21,672 | 15,212 | 9,544 | 9,881 |
Vel Satis | 7,609 | 4,683 | 2,812 | 1,685 | 1,179 | 801 | |
QM5/Koleos | 5,241 | 55,139 | 28,925 | 15,620 | 24,089 | ||
Wind | 1,450 | ||||||
Others | 5,694 | ||||||
乗用車合計 | 2,200,223 | 2,054,385 | 2,189,363 | 2,001,377 | 1,963,715 | 1,086,779 | 1,235,467 |
Kangoo | 118,667 | 232,647 | 227,264 | 216,630 | 151,196 | 86,241 | 94,601 |
Master(Ⅱ) | 106,703 | 105,789 | 119,120 | 98,387 | 58,482 | 34,297 | 30,696 |
New Master | 565 | 125 | 16,623 | ||||
Mascott | 15,255 | 17,413 | 7,585 | 8,399 | 5,706 | 3,876 | |
Pick-up 1310 | 19,871 | 11,208 | |||||
Trafic(II) | 107,279 | 115,904 | 96,225 | ||||
Vehicles for Nissan in Mercosur | 18,903 | ||||||
Others | 55,009 | 8,237 | 6,637 | ||||
商用車計 | 315,505 | 474,336 | 469,873 | 419,641 | 234,852 | 132,776 | 148,557 |
総合計 | 2,515,728 | 2,528,721 | 2,659,236 | 2,421,018 | 2,198,567 | 1,219,555 | 1,384,024 |
資料:Renault Annual Report 2009, Earnings Report 1H 2010 | |
(注) 1. | Renault は2006年からモデルの乗用車/商用車区分を変更した。上表では、05年以降が新区分。 |
2. | 2005/06年の各モデルの台数合計と乗用車合計とに不突合があるが、原資料のママ。 |
3. | 2006年以降の 商用車 Kangoo には、乗用車 Kangoo を含む。 |
4. | 2006/07年は、スペインの GM 工場が生産する Trafic II を含むが、英国の GM 工場が生産する Trafic II は含まない。2008年以降は、日産のBarcelona工場(スペイン)も含めて、いずれの Trafic IIの生産 も含まない。 |
5. | 2008年の Clio は、日産のメキシコ工場が生産する Renault ブランドの Clio を含む。 |
6,000万ユーロを投じて、フランスLardy工場にエンジンテスト設備を導入
ルノーは、パリ郊外のLardy工場にある、PIM(パワートレインイノベーションセンター)に6,000万ユーロを投じて、27の試験設備を導入した(2010年6月)。新たに3棟の建物を建設し、そのうち1棟では低燃費化に焦点を当て、エンジンのダウンサイズ、ターボチャージャー付きのエンジンの開発に取り組む。他の2棟では、パワートレインの開発や、燃料システムのための試験台が設置されている。 |
資料:Renault Press Release 2010/6/24
ルーマニアにテストセンター開設
ルノーは、ルーマニアの Titu技術センターの開所式を2010年9月に開いた。このTitu技術センターでは、フランスのLardy、Aubevoyeのテストセンターを補完し、Loganに用いられているB0プラットフォーム車などの車体やパワートレインの試験を行う。100台の試験設備と、総延長32kmのテストコースを備えている。 |
資料:Renault Press Release 2010/9/15
Daimlerと戦略的提携、Opelとの小型商用車の提携を継続
ルノー・日産アライアンスはDaimlerと、互いに3.1%ずつの株式を持ち合い、戦略的な連携を行うことに2010年4月に合意した。小型車(Renault Twingo、Daimler smart) を中心とした共通設計、パワートレインの相互供給などを行う。
ルノーとOpel/Vauxhallは、姉妹車Renault Trafic , Opel Vivaroの次世代車での連携を含む、小型商用車における両社の提携を続けていくことを2010年9月に発表した。また、ルノーは、自社の純債務の削減に当てるため、欧州の商用車メーカーVolvoの株式約3億株(議決権ベースで3.8%)を、約30億ユーロで売却した。
ルノー・日産アライアンス:Daimlerとの戦略的提携に同意
市場導入時期 | ||
相互出資 | Daimlerとルノー・日産アライアンスは、相互出資を含む幅広い分野での戦略的提携に2010年4月に同意。Daimlerとルノー・日産アライアンス互いに3.1%ずつの株式を持ち合う。 | - |
小型車向けの 共通設計 | 4人乗りsmartの次世代モデル、及びRenault Twingoは共通の設計思想に基づく車体構造を採用する。電動車モデルも開発される。 | 2013年 |
パワートレイン | ルノー・日産アライアンスはDaimlerに、小型車・コンパクト車向けに3気筒と4気筒のガソリンエンジン、及びディーゼルエンジンを供給する。 | 2012年 |
Daimlerから、日産のInfinitiの現行モデル向けに4気筒、6気筒のガソリン、ディーゼルエンジン、トランスミッションの供給を受ける。 | 2013年 | |
小型商用車 | 都市型バン向けの共通設計や中型バンでのパワートレインの共用を進める | 2012年、 2014年 |
資料: | Renault-Nissan Daimler News Release 2010/4/7、Daimler Press Release 2010/10/08, Automotive news 2010/10/06 |
(注) | 日産は、5座席、5ドアのガソリン車を米国で生産して、Daimlerに小型車Smartの米国専用モデル向けに供給する。発売予定は2011年第4四半期。 |
ルノーとオペル、小型商用車での提携続ける
ルノーとOpel/Vauxhallは小型商用車における両者の連携を続けていくことを2010年9月発表した。この連携には、姉妹車であるRenault Trafic , Opel Vivaroの次世代車における協力関係も含まれる。今後も、さまざまな方面で連携としていくとのこと。 Opel/Vauxhallは、自らのカナダ部品メーカーMagna Internationalとロシア国営銀行SBERBANKの企業連合への売却を2009年11月に撤回し、2010年2月に自力再建策を発表していた。 |
資料:Renault Opel Press Release 2010/9/17
ルノー、欧州トラック大手Volvoの保有株式を一部売却
ルノーは、欧州トラック大手VolvoのB種類株約3億株(資本金ベースで14.9%分、議決権ベースで3.8%分)を、約30億ユーロで2010年10月に売却した。ルノーはA種類株約1.4億株(資本金ベースで6.8%分、議決権ベースで17.5%分)は引き続き保有し、Volvoの筆頭株主の座は維持する。ルノーは売却資金を自動車部門の純債務削減に充てる(2010年6月末時点の同純債務は46.6億ユーロ)。ゴーン会長は、2011年の新たな経営戦略の発表に備えて、ルノーのバランスシートを強化する目的と、表明した。 |
資料: | Renault Opel Press Release 2010/10/6, 7、Renault Earnings report 2010 First Half, Bloomberg 2010/10/7 |
(注) 1. | Volvoは商用車などを手がけるメーカーで、中国の吉利の傘下に入ったVolvo Carsとの資本関係はない。 |
2. | Renaultは、2001年に傘下の商用車部門Renault Vehicle Industry(現 Renault Truck)をVolvoに売却 すると共に、Volvoに出資し筆頭株主となっていた。 |
新興国戦略:ロシアでAVTOVAZと連携強化、インド/アルゼンチンで生産体制強化
ルノーは、ロシアでのAVTOVAZ(ルノーが25%+1株の株式を保有)との連携に、日産を加えて強化し、3社でのロシアの市場シェアを2015年までに40%に拡大させる(2009年は30%)方針を、2010年6月表明した。この連携には、プラットフォームの共有から、研究開発、購買、運輸、生産、販売まで幅広い領域を含んでいる。同時に、2011年からルノーのモスクワ工場での、中型セダンFluenceなどの生産拡大も計画している。
インドでは、ルノー・日産アライアンス初の工場、Chennai工場を2010年3月に竣工させた。年産能力は40万台で、当初は日産のグローバルコンパクトカーMicraを生産し、2011年からはルノーのMPV Koleos、中型セダンFluenceの生産を開始する予定。一方、販売が不振であった、インドの自動車メーカーMahindra & Mahindraとの合弁会社の持分を、全てMahindraへ売却すると2010年4月に発表した。
アルゼンチンでは、南米での販売拡大を支えるために、1億3,500万アルゼンチン・ペソを投じてSanta Isabel工場を改修し、2010年3月より新ラインを稼働させた。また、北アフリカのアルジェリアでも新工場を計画している。
ロシア:AVTOVAZとの連携強化
ルノー・日産アライアンスは、ロシアの自動車メーカーAVTOVAZとの連携に日産を加えて強化する(ルノーは、2008年2月、AVTOVAZの株式を25%+1株買い取っていた)。ロシアでの3社の市場シェアを、2009年の30%から、2015年までに40%に拡大させる。 | |
プラットフォームの共有 |
ルノー・日産アライアンスとAVTOVAZは、お互いが開発したプラットフォームとエンジンを利用できる。Ladaブランドの海外市場向け仕様を開発する。 |
研究開発 | ノウハウと開発費の共有を通じて、AVTOVAZの生産車の品質を強化する。 |
購買 | RNPO (Renault-Nissan Purchasing Organization) ロシアとAVTOVAZの購買部門は、運営を統合化し、ロシアのサプライヤーの品質を強化する。 |
運輸 | ロシアにおける、運輸部門の統合を拡大し、運輸部門の質、信頼性を高め、費用を低減する。 |
生産 | AvtovazのTogliatti工場、RenaultのMoscow工場、日産のSt. Petersburg工場の三工場の生産能力を2012年までに130万台へ拡大させる。 |
販売 | ルノーとLadaは、ロシア全土での販売ネットワークの構築に共同で取り組む。 |
資料: | Renault-Nissan Alliance and AVTOVAZ Press Release 2010/6/11, 日本経済新聞 2010/11/23, Automotive News Europe 2010/11/10 |
(注) 1. | AVTOVAZの株式は、ロシアの国策会社Russian Technologiesと投資会社Troika Dialog, ルノーがそれぞれ25%+1株を保有している。 |
2. | 日産はAVTOVAZのルノー以外の大株主から、10%前後の株式を買い取り、ルノーと合わせて3分の1以上を出資し、アライアンスでAVTOVAZの実質的な経営権を取得する計画と伝えられている。 |
3. | ルノー・日産アライアンスのゴーン会長とプーチン首相の間で、アライアンスの出資を50%まで高めることについて協議をしたとの報道もある。 |
ロシア:モスクワ工場での生産拡大
モスクワ 工場 | ルノーは、中型セダンFluenceとMegane hatchbackのセミノックダウン生産、Dusterの完全ノックダウン生産をモスクワ工場で開始する。中型セダンFluenceとMegane hatchbackのモスクワ工場からの出荷は2011年前半を予定し、Dusterは2011年末にロシアに市場導入予定。これにより、ルノーはCセグメント、SUVにおけるロシア市場固有のニーズに対応でき、競争力が高まるとしている。 |
資料:Renault Press Release 2010/8/25, Automotive News Europe 2010/11/10 | |
(注) | ルノー・日産アライアンスは、ロシア極東地域ウラジオストック郊外のPrimorskyに組み立て工場を 建設する可能性について検討中とされる。 |
インド
Chennai 工場竣工 |
ルノー・日産アライアンスは、同アライアンスが手がけた初めての工場、インドのChennai工場の竣工式を2010年3月に開いた。同工場には450億ルピーが投じられ、年産能力は40万台。当初は日産のグローバルコンパクトカーMicra(日本名March)を生産し、インド市場で発売するほか、欧州、中近東、アフリカ向けへ輸出する。2011年からは、ルノーのMPV Koleos、中型セダン Fluenceの生産を始める予定。 |
Mahindraとの合弁解消 |
ルノーは、インドの乗用車メーカーMahindra & Mahindraとの合弁会社、Mahindra Renault Pvt Ltdの持分を全てMahindraに売却すると2010年4月に発表した。ルノーの持分は49%、Mahindraの持分は51%であった。同合弁会社は中型セダン Loganを生産販売していたが、販売の不振が続いていた。ルノーは同車の生産ライセンスと、そのエンジン/変速機のMahindraへの供給は続ける。 |
資料: | Renault-Nissan Alliance Press Release 2010/3/17、Mahindra-Renault Press Release 2010/4/16, Automotive News Europe 2010/2/10 |
(注) 1. | ルノー・日産アライアンスは、インドの二輪車メーカーBajajと連携して、TataのNanoの価格を下回る、"ultra low-cost car"を2012年にも発売する予定。 |
2. | ルノーは、現在15店舗のインドの販売網を、2011年半ばまでに150店舗まで拡大する計画もある。 |
アルゼンチン:アルゼンチン工場を改修
ルノーは1億3,500万アルゼンチン・ペソを投じて、アルゼンチンのSanta Isabel工場を改修し、2010年3月より新ラインを稼働させた。同工場ではClio, Symbol, Kangooを生産しており、2010年末より新たなモデルの生産を追加する。ブラジルのCuritiba工場の生産を補完し、南米での販売拡大を支えるのが目的。 |
資料:Renault Press Release 2010/5/7、Automotive News Europe 2010/10/4 | |
(注) | ルノーは、ブラジルのマーケットシェアを現在の5.6%から10%まで、今後3年の間に拡大させることを計画していると報道されている。そのため、ブラジルへの10億レアルの投資と、3つの新モデルの導入を計画しているとのこと。 |
アルジェリア:工場建設を計画
ルノーは、アルジェリアに2012年から年間7.5万台を生産する工場を建設することを計画中。当初は組み立て工場として運営するが、第2段階として生産工場に増強することも考慮されている。 |
資料:Automotive News Europe 2010/11/26 (注)ルノーはアルジェリアで、2009年に56,089台販売し、23.5%の市場シェアを握っている。
2011年9月から4ドアセダンEV Fluence ZEと小型Van EV Kangoo ZEを販売
ルノーは、ルノー・日産アライアンスのゼロ・エミッション戦略の一翼を担う、電気自動車(EV)の販売を2011年9月から本格化させる。
2011年9月には、4ドアセダン Fluence ZEと小型Van Kangoo ZEの2モデルのEVを販売する。この2モデルはリチウムイオン電池を搭載し、共に航続距離は100km(欧州複合モード)。電池は別途リース販売され、電池を除く車体価格は、Fluence ZEが2万1,300ユーロ、Kangoo ZEが1万5,000ユーロ(共に、フランス国内の5,000ユーロの補助金適用後)。
2011年後半には、前後二人乗りの超小型EV Twizyを、2012年には通勤者向けのコンパクトEV Zoeを販売する。
通常の内燃機関を用いた車では、2010年には、2人乗りコンパクト・クーペ・ロードスターのWindやDaciaブランドの小型オフロードカー Dusterなど、6車種の新発売・モデルチェンジを行った。2011年にはSamsungブランドのSM7のモデルチェンジ、2012年にはClio IV、新モロッコ工場での生産車種など7モデルの導入を予定している。
RenaultのEVモデル
モデル名 | 発売年 | 概要 |
Fluence ZE |
2011年 9月 |
Meganeベースの4ドアセダンのEV。モーターの最大出力は70kW(95HP)/最大トルク226Nm, リチウムイオン搭載(フル充電に220V電源で8時間、32A/400Vの急速充電器で30分)。航続距離は100km(欧州複合モード)。残りの走行可能距離や近くの充電設備を表示できるナビゲーションシステムを標準装備。 電池を除いた車両価格は、フランス国内で補助金(5000ユーロ)を適用した場合、2万1300ユーロ。電池のリース月額は79ユーロ。2010年4月より先行予約開始。生産はトルコのBursa工場。 |
Kangoo Van ZE |
2011年 9月 |
Kangooベース小型VanのEV(積載量650kg)。モーターの最大出力は44kW(70HP)/最大トルク226Nm, リチウムイオン搭載(フル充電に220V電源で、8時間)。航続距離は100km(欧州複合モード)。 電池を除いた車両価格は、フランス国内で補助金(5000ユーロ)を適用した場合、1万5000ユーロになる。電池のリース月額は、72ユーロ。2010年4月より先行予約開始。生産はフランスのMaubeuge工場。 |
Twizy |
2011年 後半 |
前後2人乗りの超小型EVで、車体の外側にタイヤがついたデザインが特徴的(GVW450kg)。モーターの最大出力は15kW(20HP)/最大トルク57Nm(最大出力4kWのモデルも用意される)。航続距離は60マイル。電池を除く車両価格は3輪スクーター並みで、電池のリース月額はスマートフォンの利用月額並みになるとのこと。生産はスペインのValladolid工場。 |
ZOE |
2012年 半ば |
通勤者向けの2ボックス5ドアのコンパクトEV。バッテリーを除いた車体価格は小型車Clio並の予定。電池のリース価格と電気代は、年間1.2万キロメートル以上走行する利用者にとってディーゼル燃料代と同等の費用になる見込み。2010年10月のパリモーターショーで実車が初披露された。 |
資料:Renault Investor Day 2010 Presentation 2010/9/27, Renault Press Release 2010/7/7 | |
(注) | Renaultによれば、日常の利用の内、87%は1日の移動距離が60km以下で、また、Bセグメント車の内32%の車は連続150km以上の走行をしたことがないという。 |
Renaultが2010年に発売した新型モデル
モデル名 | 発売年 | 概要 |
Duster |
2010年 4月 |
Daciaブランドの小型のオフロードカー。2輪駆動車と4輪駆動車がと用意される。税込み価格は11,900ユーロから(税込み:フランス)。2012年終わりには右ハンドル車がイギリスに投入される。生産はルーマニアのPitesti工場。ブラジルでは2011年から、ロシアとコロンビアでは2012年から生産される予定。 |
Megane Coupe-Cabriolet |
2010年 5月 |
新しいMeganeの6車種目の派生車。ガラス製の開閉式ルーフを装備している。Douai工場(フランス)で生産される。3種のガソリンエンジンと3種のディーゼルエンジンがラインアップされ、2.0LのガソリンエンジンにはCVTが、1.5Lのディーゼルエンジンには6速EDC(Efficient Dual Clutch)が装備される。 |
Wind |
2010年 6月 |
全長3.83メートルの2人乗りコンパクト・クーペ・ロードスター。Clio2と同じプラットフォームが使用されている。電動ルーフの開閉時間は12秒で、同じクラスの車の平均の約半分。ルーフが180度回転してトランクに収納されるため、トランクの収納スペースはルーフの開閉の有無にかかわらず一定(VDA基準で270L)。 |
Laguna |
2010年 11月 |
中型セダンLagunaの新型モデル。5ドアセダンとワゴンタイプが発売される。エンジンラインアップは2のガソリンエンジンと5つのディーゼルエンジン。 |
Latitude/(SM5) |
2010年 11月 |
ルノーサムソン上級セダンSM5の輸出モデル。韓国外ではルノーブランドのLatitude名で販売される。車内の快適性に優れ、後部座席のニールームは251mmあり、空気清浄機能付きイオン発生器も備えている。ESC,緊急ブレーキシステム、側面衝突センサーなど安全装備も充実している。 |
Master |
2010年 4月 |
Renaultの小型商用車の旗艦車である大型Van "Master"の新モデル。従来車より燃費性能、キャブの快適性を高めた。前輪駆動車と後輪駆動車が用意され、車体の大きさは4種、車高も4種用意された。フランス Batilly の SOVAB 工場で生産される。 |
資料: | Renault Investor Day 2010 Presentation 2010/9/27, Renault Press Release 2010/2/5, 3/11, 6/28, 11/11, Dacia Press Release 2010/3/3, 4/12 |
IHSグローバルインサイト中期生産予測レポート
Renault:国別・ブランド別生産台数 (IHSグローバルインサイト社予測)
(台数)
国 | ブランド | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 |
FRANCE | RENAULT | 703,411 | 540,366 | 647,349 | 628,574 | 752,399 | 879,278 | 852,395 | 806,284 |
SPAIN | RENAULT | 318,549 | 372,344 | 385,883 | 357,848 | 292,371 | 266,844 | 253,879 | 276,564 |
UNITED KINGDOM |
RENAULT | 22,977 | 23,883 | 30,370 | 19,423 | 17,378 | 0 | 0 | 0 |
ROMANIA | DACIA | 242,522 | 296,010 | 342,204 | 341,251 | 314,988 | 313,141 | 296,133 | 281,621 |
RENAULT | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 27,039 | 52,729 | 55,456 | |
SLOVENIA | RENAULT | 198,094 | 212,680 | 200,281 | 164,084 | 130,623 | 114,557 | 109,922 | 178,711 |
TURKEY | RENAULT | 286,695 | 277,572 | 301,861 | 289,071 | 314,374 | 281,520 | 249,160 | 243,830 |
RUSSIA | RENAULT | 72,690 | 49,650 | 75,893 | 84,681 | 117,519 | 139,050 | 161,265 | 174,220 |
IRAN | RENAULT | 54,378 | 34,171 | 84,863 | 179,546 | 257,575 | 292,895 | 318,934 | 309,226 |
MOROCCO | DACIA | 20,587 | 23,014 | 27,239 | 32,531 | 200,919 | 274,467 | 262,377 | 257,210 |
RENAULT | 13,716 | 18,313 | 19,554 | 14,341 | 0 | 3,210 | 10,314 | 9,221 | |
SOUTH AFRICA |
DACIA | 353 | 4,020 | 7,502 | 8,455 | 9,543 | 10,092 | 9,461 | 8,885 |
INDIA | RENAULT | 0 | 0 | 0 | 16,892 | 30,894 | 86,563 | 95,907 | 107,368 |
INDIA | MAHINDRA RENAULT |
20,095 | 7,464 | 8,908 | 12,579 | 12,476 | 11,261 | 16,846 | 20,067 |
MALAYSIA | RENAULT | 128 | 98 | 197 | 198 | 197 | 184 | 194 | 186 |
SOUTH KOREA |
SAMSUNG | 187,947 | 189,831 | 261,662 | 261,308 | 247,705 | 225,135 | 213,804 | 201,727 |
MEXICO | RENAULT | 8,819 | 2,396 | 0 | 6,083 | 6,961 | 7,600 | 8,262 | 7,846 |
ARGENTINA | RENAULT | 73,336 | 65,470 | 85,675 | 115,287 | 119,717 | 116,731 | 119,075 | 125,887 |
BRAZIL | RENAULT | 128,621 | 121,529 | 167,471 | 159,271 | 169,151 | 155,134 | 177,757 | 189,127 |
COLOMBIA | RENAULT | 36,395 | 24,946 | 39,777 | 46,482 | 60,364 | 66,648 | 74,816 | 87,159 |
Total | 2,389,313 | 2,263,757 | 2,686,689 | 2,737,905 | 3,055,154 | 3,271,349 | 3,283,230 | 3,340,595 |
資料:世界小型車生産台数データ (2010年12月 7 日時点)
- (注)
- 1. データは、小型車(乗用車+車両総重量 6t以下の小型商用車)の数値のみ。
- 2. 2008年と2009年は実績
- 3. 本表の無断転載を禁じます。転載には IHSグローバルインサイト 社の許諾が必要となります。
IHS グローバルインサイト レポート
フランス: ルノー・日産は1.6Lディーゼルエンジンをダイムラーに供給する (2010年12月8日)
オートカー誌のレポートによれば、技術提携の一環としてルノー・日産は新型の1.6Lディーゼルエンジンをダイムラーに供給する。フランスの情報筋がこの自動車誌に語ったところによれば、このエンジンはこのドイツメーカー(ダイムラー)の次期型Aクラス及びBクラスを始めとする小型車に搭載される。
重点: これは4月の資本提携の発表を受けて、ルノー・日産とダイムラーがコスト削減や各種のオポチュニティの拡大をどのように協力して行っていくかの最新の一例である。ルノー・日産の小型エンジン、ダイムラーの大型多気筒エンジンというコア技術をお互いに利用しあうということで、パワートレインの分野はこの提携の最も重要なものの一つと考えられる。排気ガス規制は益々強化されつつあり、このためエンジン開発コストが増大しているので、こういった関係は更に重要なものになってくると思われる。今週(12月6日週)初めに日産のプレミアム・ブランドであるインフィニティがダイムラーのチューニング部門であるAMGより幾つかの将来モデルに対しエンジンの供給を受けるということが報じられている。しかし次期型のルノー、日産、メルセデス・ベンツ及び小型車スマートに搭載される一連の新型小型ガソリンエンジン及びディーゼルエンジンの方が更に本質的な重要性を持っている。
トルコ:ルノーは2011年に電気自動車であるフルエンス(Fluence)EVの欧州輸出を開始する (2010年12月7日)
(アジアの商業ニュースサービス・メディアである)Asia Pulseによればルノーのトルコにおける合弁会社であるOyak Renaultは来年より電気自動車であるフルエンスの輸出を開始する。Renault Mais(ルノーのトルコにおける販売のための合弁会社)の総裁であるIbrahim Aybarはフルエンスはまずフランス市場で販売が開始されるであろうと述べた。しかし彼はまた、充電のためのインフラの整備のための投資が必要ではあるが、今後5年間のうちにトルコで3万台の電気自動車の販売を見込んでいるとも述べた。更に同氏はまた同社が今後5年間こういった車に対する支援として無税にすることを提案しているとも述べている。
重点: この車の生産は既に開始されている。最初の生産車はProject Better Place社(米国のベンチャー企業、イスラエルとデンマークでルノー・日産アライアンスと電気自動車の普及に関するプロジェクトを実施中)とのプロジェクトの一環としてテストをするためイスラエルへの出荷が決まっている。このモデルは今後数年間にルノーが立ち上げる4つの電気自動車の一つであり、カングー電気自動車、フランスで生産されるBセグメントのZoe、及びスペンで生産されるシティカーのTwizyが加わることになる。この車の販売の多くは当初トルコ国外になることが予想されているが、ルノーによりこの技術をトルコ市場での足掛かりとする努力が開始されている。しかし電気自動車がどのような影響を与えるかはトルコ政府がどのような援助施策を打ち出すかに掛かっている。
<自動車産業ポータル、マークラインズ>