韓国市場と韓国メーカーの動向:半導体供給不足で生産・販売が減少

現代グループは電動化を加速、韓国政府はバッテリー戦略を発表

2022/02/28

要約

韓国の自動車生産・販売・輸出台数

  韓国の2021年の国内生産台数は前年比1.3%減の346.2万台、国内販売台数は10.6%減の144.1万台となった。半導体の供給不足で各社とも生産が減少し、販売も低迷した。一方、2021年の韓国からの輸出は前年比8.2%増の204.1万台。輸出先の主要国・市場が新型コロナウイルスの影響から回復し、自動車需要が拡大した。

  韓国政府は自動車業界への支援策として、自動車の個別消費税の引き下げ措置を2022年6月まで延長する。自動車の輸出に関する動きとしては、韓国で2022年2月1日に「地域的な包括的経済連携(RCEP)」協定が発効。この協定には日本や中国、ASEAN諸国等が参加しており、今後の輸出増加が期待される。

  韓国政府は脱炭素(カーボンニュートラル)目標時期を2050年とし、その目標達成のため、電気自動車(EV)の普及を進めており、2021年7月にはEV用バッテリー産業の発展戦略を発表した。

  現代自動車グループは2021年の販売台数について、半導体供給不足等の影響を受けたが、サプライチェーンの管理、SUVやGenesis高級ブランドモデルの販売拡大等により、好調を維持。電動化戦略を加速化しており、2026年のEVの販売目標を100万台から170万台に引き上げた。

  GM Koreaは半導体供給不足や新型CUVの生産準備で工場の稼働を中断しているため、生産・販売・輸出が低迷。

  Renault Samsungは2021年8月にSamsungが保有株を売却すると発表。2022年下期からはRenaultブランドで韓国での事業を行うことになる。一方、2022年1月に中国・吉利グループと提携し、吉利の技術を使用したハイブリッド車を含む新型車を韓国市場に導入する計画。

  双竜自動車は2020年12月に会社更生手続きを申請し、売却先を探していたが、2022年1月、韓国の新興電気バスメーカー、エジソン・モーターズを中心としたコンソーシアムと買収本契約を締結。韓国のEVメーカーの下で経営再建を進める。

G90 新型Niro
Genesis のフルサイズセダンG90(写真:Hyundai Motor) 起亜のコンパクトSUV 新型Niro(写真:Kia)

 

韓国での生産・販売・輸出・輸入台数

(台)

2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
国内生産台数 4,524,932 4,555,957 4,228,509 4,114,913 4,028,834 3,950,614 3,506,774 3,462,299
国内販売台数 1,463,893 1,589,393 1,600,154 1,560,202 1,552,346 1,539,766 1,611,218 1,440,779
輸出台数 3,063,204 2,974,114 2,621,715 2,530,194 2,449,651 2,401,383 1,886,683 2,040,572
輸入台数 196,359 243,900 225,279 233,088 260,705 241,510 262,404 267,171

資料:KAMA (Korea Automobile Manufacturers Association)
(注) 国内販売には輸入車を含まない。


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