奇瑞(Chery):複数のハイテク企業と戦略的提携に合意、2025年までに50万台の輸出を目指す

2021年1-7月の販売台数は50万台超、乗用車輸出で18年連続トップ

2021/08/31

要約

奇瑞控股集团销量

 奇瑞控股集団有限公司(以下、奇瑞控股)は自動車産業チェーンを主とする多角化経営の企業グループ(2021年7月時点で未上場)。事業分野は自動車、部品、金融、不動産、サービス、インテリジェントコネクテッドなどを含み、傘下には奇瑞汽車股份有限公司(以下、奇瑞汽車)、奇瑞商用車(安徽)有限公司(以下、奇瑞商用車)、奇瑞新能源汽車股份有限公司(以下、奇瑞新能源)、奇瑞捷豹路虎汽車有限公司(以下、奇瑞JLR)およびインテリジェントコネクテッド事業を手掛ける蕪湖雄獅汽車科学技術有限公司(Lion Tech Co Ltd.)などの企業を有する。2019年末に奇瑞控股は増資を行い非国営持株会社となった。

 奇瑞控股の2021年上半期の累計販売台数は前年同期比80.4%増の42万4,457台。このうち、輸出台数は前年同期比168.4%増の11万8,743台、新エネルギー車(以下、NEV)の販売台数は前年同期比243.9%増の4万401台であった。

 現在、奇瑞控股は奇瑞(Chery)、星途(Exeed)、捷途(Jetour)、凱翼(Cowin)の4大乗用車ブランドを有する。また、 タタ・グループとの合弁による奇瑞JLRではJaguarとLand Roverブランド車を生産、販売する。商用車は開瑞(Karry)、万達(Wanda)、瑞弗(REV)ブランドを展開する。

 奇瑞は「第14次5カ年計画」期間にトヨタとTeslaから学び、インテリジェント化およびNEVの発展方針を揺るぎないものにするとした。また、ガソリンなどの従来のコア技術の優位性を強固なものにするだけでなく、電動化、インテリジェント化などの「新四化」技術の構築を加速させる。なお、2020年末より奇瑞はHuawei、Alibaba、科大訊飛(iFLYTEK)、地平線(Horizon Robotics)などのハイテク企業と戦略的な提携を結んでいる。

 国際化について奇瑞は中国において乗用車の輸出台数が18年連続トップ。安徽省蕪湖に本社、上海、欧州、北米、中東およびブラジルに研究開発拠点、海外で生産工場10カ所を展開し1,500余りの海外ディーラーとサービスネットワークを構築している。製品は世界80カ国以上の国や地域に輸出され、海外ユーザーは累計180万人に達する。2020年よりグローバルで統一された研究開発および販売サービス体系の構築、グローバル市場での現地化運営などを含めたグローバル化を加速している。奇瑞控股の2020年の輸出台数は11.4万台で2021年の輸出台数は30万台の見込みとしており、2025年までには輸出台数50万台を目指す。

 

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