吉利(Geely):ブランド拡充と生産能力の増強、CASE戦略を推進

Protonでアジアに積極展開、新ブランドで電動化を加速、Daimlerとの合弁で2022年にEVのsmartをグローバル投入

2019/10/11

要約

吉利汽車 販売台数

 中国民営OEM大手の吉利汽車控股有限公司(以下、吉利汽車控股)の2018年の世界販売台数は、前年比20.3%増の150万台に達する大幅増となった。また、中国国内販売は市場全体が減速するなか、19.2%増の147.3万台となり、いずれも過去最高を更新。2019年は年初に目標151万台を掲げたが、7月には136万台に下方修正している。

  2010年にVolvo Carsをグループ傘下に収めて以降、2013年にロンドンタクシー(現:London Electric Vehicle Company(LEVC))、2018年にはマレーシアのProtonも傘下に収めた。吉利グループは、5つの子集団(Geely Auto Group、Volvo Car Group、Geely Commercial Vehicle Group、Geely Technology Group、Mitime Group)からなり、このうち3つの子集団のGeely Auto Group、Volvo Car Group、Geely Commercial Vehicle Groupが完成車生産/販売事業に携わる。2019年9月時点で3つの子集団は9つのブランドを保有し、ローエンドからハイエンド、コネクテッドやNEVに特化したブランド、商用車ブランドなど、多彩なブランド展開により、幅広いユーザーを取り込んでいる。

 2018年2月にグループトップの李書福 氏がDaimler AGの筆頭株主になって以降Daimlerと提携が進んでいる。2019年3月に中国で「smart」ブランドを展開する合弁会社の設立と2022年グローバルで市場に投入する計画を発表。また、2019年5月にDaimlerの子会社とのハイエンドモデルの運用に特化したモビリティ合弁会社「蔚星(Weixing)科技有限公司」が設立された。

 吉利グループは、近年の販売台数急増や2020年の200万台達成に向けて、既存工場の増強や新規工場の設立を次々に行っており、Geely Auto Group、Volvo Car Group、Geely Commercial Vehicle Groupの垣根を越えて各種モデルの製造を推進する。2019年10月7日には、内燃エンジン部門を統合し分離独立させる計画を発表。グローバルサプライヤーとして次世代エンジンやハイブリッドパワートレインの供給を目指すとともに、Volvo CarsはプレミアムブランドとしてEVの開発に注力していく。

 CASE戦略では、電動化推進のため自前及び他社との協業の両方向からバッテリーの供給体制を整える。コネクテッド領域では、百度やテンセントなどの大手IT企業と提携。2021年には5G対応の量産モデルを計画している。シェアリング領域ではDaimlerとの提携以外に、2015年より傘下子会社でNEVモデルを投入し展開している。また、2022年には「レベル4」の自動運転車の発売を目指す。

   なお、本レポートは、吉利グループ傘下のGeely Auto Group(吉利汽車集団)を中心に、Volvo Carsに関しても一部報告する。


関連レポート:

NEVクレジット/企業平均燃費クレジットの2018年度企業ランキング(2019年7月)
中国のNEV提携相関図(2019年7月)
上海モーターショー2019:吉利、長城汽車、BYD、奇瑞、衆泰、江淮(2019年5月)
2018年中国市場:新車販売台数2.8%減の2,808.1万台、乗用車は前年比4.1%減(2019年2月)
吉利汽車:2017年に新ブランドLYNK & COを投入、2020年の販売目標200万台(2017年3月)



吉利グループの概要:2020年に200万台に向けてブランドを拡充

 1997年より自動車事業に参入した吉利は、2014年に販売台数が一時的に減少したものの、以降は毎年販売台数を増やし2011年の42.1万台から2018年は150万台を超えるほどにスピード成長した。他の多くの中国OEMと異なる点は、民営であること、大手外資OEMとの合弁による完成車生産事業を展開していない点である。さらに、経営不振にあえぐ老舗外資OEMに対し積極的に出資することで、ブランド力を向上させたことも挙げられる。Volvo Carsへの出資以降、London Taxi(現:LEVC)、Proton、Lotus、Polestarをグループに取り込む一方で、新たなブランドとして若者がターゲットのコネクテッドカーを展開する「Lynk & Co」やハイエンドEVブランド「Geometry」を発表。吉利控股集団は、引き続き多彩なブランドのもと2020年に生産/販売200万台を目標とする「吉利汽車20200戦略」に向けてNEVモデルを中心に新型車を投入し、成長を加速させる。

注)「吉利汽車20200戦略」:2020年に生産/販売台数200万台を目標に掲げ、幅広い車型の新型モデル、生産能力拡大、ディーラー網の充実等を展開する戦略。

 

吉利グループの自動車ブランドの構成

グループ ブランド 概要
Geely Auto Group
(吉利汽車集団)
Geely Auto
(吉利汽車)
エントリーモデルからミドルクラスまで幅広いモデルを展開。2014年に3ブランド(帝豪 (Emgrand)、全球鷹(Gleagle)、英倫(Englon))が統一されGeely Autoとなる。
Lynk & Co 2017年11月に中国市場に導入したGeely Auto Group初のグローバルブランド。メインターゲットを若い世代とし、コネクテッドカーを展開。
Geometry 2019年4月にシンガポールで発表されたGeely Auto Group初のハイエンドEVブランド。2025年までに10モデルの導入を計画。
Proton マレーシアの国民車メーカー。2017年10月に吉利控股集団がProtonの株式を取得。グループ傘下となる。
Lotus 英国のスポーツカーブランド。2017年6月に吉利控股集団が51%の株式を取得することで合意、グループ傘下となる。
Volvo Car Group Volvo Cars 2010年にFordから吉利控股集団の傘下となり再建された。本部はスウェーデン。
Polestar 電動ハイパフォーマンスカーのブランド。2015年にVolvo CarsがPolestar Performanceを買収。
Geely New Energy Commercial Vehicle Group
(吉利新能源商用車集団)
London EV Company 2013年に吉利控股の傘下となり、2017年7月にLondon TaxiからLondon Electric Vehicle Company(LEVC)に社名変更。ロンドンタクシーを展開。
Yuan Cheng Auto
(遠程汽車)
小型トラックやバスが主力製品のNEV商用車ブランドを展開する。前身は東風南充汽車。

(資料:吉利控股集団の公式サイトより、緑色部分は2017年3月以降に追加/変更されたブランド)

Geometry A Lynk & Co 03 PHEV
Geometry A Lynk & Co 03 PHEV

 

吉利汽車控股の業績:2018年の売上高1,066億元、2016年の約2倍

 2016年から2018年に投入された新規モデルは、SUVの「博越(Boyue) 」、「繽越(Binyue)」、「Lynk & Co」、小型セダン「繽瑞(Borui) 」で他社より遅れをとっていたSUVを中心に導入が図られた。2018年の売上高は対前年比14.9%増の約1,066億元で過去最高を達成。純利益は前年比18.1%増の126.7億元となった。

2015年 2016年 2017年 2018年
Revenue 30,138 53,722 92,761 106,595
Gross profit 5,471 9,842 17,981 21,513
Gross profit margin % 18.2% 18.3% 19.4% 20.2%
Pre-tax Profit 2,875 6,204 12,774 14,959
Net profit 2,289 5,170 10,735 12,674
Research & development 259 212 331 549
% revenue 0.9% 0.4% 0.4% 0.5%

(資料:吉利汽車控股の年次報告書より作成、単位100万元)

吉利汽車控股の売上高および純利益推移

 

 

 



CASE戦略: 自社での展開と他社との協業で体制強化

 2018年は吉利にとってNEV時代の元年と位置付けており、2018年の北京モーターショーでは「吉利こそ新エネルギー技術のトップランナーである」と表明した。2018年の「Geely Holding Group Social Responsibility Report」によると企業平均燃費は、5.6L/100kmを達成。将来的に全面的に電動化の実現を視野に入れ、3年以内に30余りのNEVモデル及び省エネルギーモデル、2025年にはFCVモデルの導入も計画している。なお、吉利控股集団のハイブリット技術路線は、MHEV、HEV、PHVを指す。

 電動化推進のため自前によるバッテリー工場の建設と、大手バッテリーメーカーとの合弁会社設立/提携などで体制を整える。コネクテッド領域では主に外部との提携がメインとなっている。シェアリング/モビリティ領域では、傘下の「杭州優行科技有限公司(Hangzhou YouXing Technology Company)」により、「曹操出行(Cao Cao ride hailing service)」でNEVモデルのシェアリングサービスを展開するとともに、Daimlerグループと合弁会社を設立し、ハイエンドモデルの配車サービスを提供している。

電動化

浙江省、湖北省での自社バッテリー工場の建設 ・浙江省経済情報部によると2017年3月に浙江省金華市で商用車の駆動用バッテリー及び研究院のプロジェクトの第2期が開始された。
・2018年7月に吉利控股集団が湖北省荆州市と「10GWh高性能車用駆動用バッテリー及びモジュール投資プロジェクト協定」に調印。
・総投資額80億元、2020年に湖北省荆州市で生産開始。バッテリー/バッテリーモジュールの生産ラインと研究センター、総合事務棟、物流センター等を備える。
CATLとの合弁会社設立 ・2018年12月に吉利控股集団傘下の浙江吉潤汽車(以下、浙江吉潤)と寧徳時代新能源科技股份(以下、CATL)による合弁会社設立の調印式が行われた。登録資本金は10億元で持ち株比率は、CATLが51%、浙江吉潤が49%。合弁会社は主にバッテリーセル/モジュール/パックの研究開発、生産及び販売等を展開する。
・CATLと吉利控股集団による年産24GWhの高性能バッテリー及びモジュール生産のNEVバッテリープロジェクトが杭州市で2019年4月に登記された。総投資額200億元(第1期100億元)。
LG化学と合弁会社設立 ・吉利控股集団傘下の上海華普国潤とLG化学による合弁会社設立が2019年3月に発表された。登録資本金は1.88億ドルで持ち株比率は折半。合弁会社では、主にEVリチウムイオンバッテリーの開発/製造を行う。
・新会社は2019年末に工場建設を開始し、2021年末までに10GWhの生産能力を備える計画。バッテリーは2022年より吉利の中国発売のEVに搭載される。
大手リチウムイオンバッテリーメーカー国軒子会社との提携 ・2019年4月、国軒高科股份有限公司(Guoxuan Hi-Tech Co., Ltd.)の子会社の合肥国軒高科動力能源有限公司(以下、合肥国軒)と吉利新能源商用車が提携枠組み合意書の調印を発表。両社はNEVと駆動用電池システムの市場拡大で協力する。双方でマーケットリソースをシェアし、大口顧客を開発、バスの受注に向けて共同で注力する。
科力遠とHVに関する提携 ・2011年にパナソニックの湘南工場を買収した「湖南科力遠新能源股份有限公司(Hunan Corun New Energy Co., Ltd./以下、科力遠)」と吉利控股集団が2018年4月に提携合意を発表。両社はハイブリッド車及びその中核部品の分野で提携する。吉利控股集団は提携モデルの開発、製造、品質保証などを主導するとともに、両社の戦略提携計画に基づき、HEV/PHEVの省エネ・NEV生産拠点建設への投資を行う。科力遠は、提携モデルに搭載するハイブリッド動力システムとバッテリーパック(管理システムを含む)の性能開発とその他の技術サポートに責任を負う。
・2018年10月、科力遠は上海華普汽車に対し株式を発行し、両社が持つ「科力遠混合動力技術有限公司(Corun Hybrid Technology Co., Ltd/.以下CHS)」の株式36.97%を買収すると発表。買収完了後、CHSの株式は、科力遠が87.99%、吉利控股集団が2.97%、華普汽車が8.13%を保有することになる。
バッテリー研究院プロジェクト ・Geely Technology Groupと浙江省嘉興市秀洲区政府とのNEVバッテリー研究院プロジェクトの提携調印式が2019年4月に行われた。プロジェクトへの総投資額は30億元、セル研究開発センター、電源システム研究開発センター、分析試験センター、先端技術センターなどを建設する計画。1,000人余りのハイレベル人材を集める。

 

自動運転

自動運転技術、機械学習 ・2018年3月にAutolivとZenuityにより吉利汽車向けにレベル3の自動運転向け支援システムの開発・生産が発表された。
・Volvo CarsとAutoliv傘下のVeoneerとの合弁企業でADASとソフトウェアの開発会社であるZenuityは、2019年6月に吉利の指定サプライヤーとなり、傘下の各ブランドに対してVeoneerを介して製品提供が可能となった。また、他のOEMへの販売も可能となる。
・2019年8月にZenuityは、自動運転車向け高速機械学習の開発を目的に欧州原子力機構との提携を発表。欧州原子力機構は原子核研究機関で、自動車企業との提携は初となる。
高徳地図との提携 ・2018年9月、アリババの子会社の高徳地図と吉利が高精度地図分野で全面的に提携し、共にインテリジェント運転の発展に助力すると発表した。なお吉利汽車のインテリジェントエコシステム「GKUI」にも高徳地図のナビが活用されている。

 

コネクテッド

2021年に5GおよびC-V2X対応の量産モデルを発表 ・2019年3月、吉利控股集団は、Qualcommの子会社であるQualcomm Technologies及び高新興科技集団(Gosuncn Technology Group Co.,Ltd.)と提携合意書を結ぶととともに2021年に5GとC-V2Xに対応する量産モデルを発表した。Qualcomm Technologiesと高新興科技は吉利にQualcommの自動車用5Gプラットフォームをベースとした5GおよびC-V2X製品を提供する。
百度との提携 ・2019年7月の「Baidu Create 2019」で百度とコネクテッドカー、スマート運転、スマートホーム、EコマースなどのAI技術の自動車、モビリティ分野における応用、展開に関する合意を発表。
テンセントとの提携 ・2017年11月にテンセントと他のOEM(広州汽車、長安汽車、東風柳州、BYD)とともに「AI in Car」(インテリジェント音声サービス、コンテンツサービス、運営付加価値サービスなど5つの機能がベースのAIとエコシステムを融合させたシステム)を発表。
・吉利傘下で自動車のコネクテッド化及びインテリジェント化に注力し、デジタルコッピット電子製品、アクティブセーフティ製品などを展開するECARA(億咖通科技)とテンセント傘下の騰訊車聯(TAI:Tencent Auto Intelligence)と戦略提携合意書を結んだと2019年6月に発表した。
ネット通販大手の京東との提携 ・2018年3月にネット通販大手の「京東」との戦略的提携合意を発表した。吉利汽車の新型車は京東のIoVソリューションを採用し、京東のサービスプラットフォーム上のAI、IoT、ビッグデータなどの多方面へアクセスし、京東自動車サービスなどのリソースを整合することによってユーザーに音声認識、位置サービス、インテリジェント警告、車両管理、データ分析など一連のインテリジェントモビリティサービスを提供していく。
中国電信との提携 ・2018年11月に吉利控股集団は中国電信集団(China Telecom Group)との戦略的提携合意を発表。情報化の構築、V2H (Vehicle to Home)、クラウドコンピューティングおよびビッグデータ、5GおよびV2X、エッジコンピューティング、海外事業などの分野で提携する。

 

シェアリング

NEVのシェアリングサービスを展開 ・2015年5月に吉利控股集団傘下の「杭州優行科技有限公司」により、中国で初のNEVモデルのシェアリングサービスとして「曹操出行」が設立された。2019年9月時点で41の都市で運用されている。

 

軽量化

新素材の生産拠点 ・吉利新能源商用車が、「福建海源自動化機械股份有限公司(Fujian Haiyuan Automatic Equipments Co., Ltd.)」の全額出資子会社「福建海源新材料科技有限公司(Fujian Haiyuan New Material Technology Co.,Ltd.)とともに浙江省義烏経済技術開発区に12億元を投じて新材料生産拠点を建設すると2018年3月に発表。
・敷地面積160,000平方メートル、第1期に年産能力400トンの自動車用SMC(Sheet Molding Compound)製品とLFT-D(Long Fiber Thermoplastics-Direct)製品生産を2ラインおよび炭素繊維生産を2ライン構築する。2年以内の着工と稼働開始を目指す。第2期建設では、90,666平方メートルの敷地にSMC製品生産4ラインと炭素繊維生産4ラインを構築。

 

 

 



吉利汽車控股の販売状況:国内販売・輸出とも続伸、2019年上半期の販売台数は15%減

(台)

2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2018年
1-6月
2019年
1-6月
中国国内 358,130 484,363 744,191 1,235,361 1,473,070 757,931 613,061
輸出 59,721 25,734 21,779 11,755 27,768 8,699 38,619
合計 417,851 510,097 765,970 1,247,116 1,500,838 766,630 651,680

(資料:吉利汽車控股の年次/半期報告書より)

国内販売及び輸出状況

 「2017年に販売台数100万台」を目標に掲げた吉利汽車控股の2017年の販売台数は目標を上回る約125万台となった。2017年12月末日に1.6L以下の乗用車を対象とした減税政策終了以降も販売台数は伸び続け、2018年は前年比20.3%増の150万台超となった。中国国内の販売台数は、市場全体は落ち込んだものの吉利は前年比19.2%増の147.3万台の二桁増となった。

 近年の販売台数増の要因として、2016年上期に導入された大ヒットモデルSUVの「博越(Boyue)」の貢献が挙げられる。「博越」の販売台数(工場出荷)は、2016年は約10.9万台、2017年は約28.7万台、2018年は25.6万台。なお、2019年9月には小型排気量エンジンが設定されたSUV「博越PRO」が発売された。本モデルは、自動運転レベル2、アイシンの6速ATを搭載する。2017年以降は、SUVの「星越(Xingyue)」と「繽越(Binyue)」、セダン「繽瑞(Binrui)」、初のMPV「嘉際(Jiaji)」が新モデルとして投入され、「繽瑞」を除きHVとPHVが展開されている。また、2025年までに10モデルの投入を計画しているEVハイエンドブランド「Geometry」が投入された。

 2019年年初に目標販売台数を151万台に設定したものの、7月に目標台数を136万台に下方修正した。吉利汽車控股の発表によると2019年1-9月の販売台数は前年同期比16.0%減の958,110台、9月単月では前年同月比9.0%減の113,832台と大幅に減少している。

 輸出台数は2017年まで毎年下降し続けていたが、2018年は前年比2倍超の27,768台と上昇。2019年上半期(1-6月)は前年同期比4倍超の38,619台となった。主な輸出モデルは、「博越」と「遠景(Vision)SUV」で輸出台数の91%をこれらSUV2車種が占める。

博越 嘉際
博越 嘉際

海外展開

 海外展開は、2019年6月末時点16ヵ国で、販売拠点及びサービス拠点は249カ所を有する。2017年に年産6万台の合弁組立工場が稼働したベラルーシは、最大の輸出先でもあり、「博越」をベースとしたロシア向けモデル「Atlas」を生産している。2019年に入り2月に英国のCoventryにデザインセンター、5月にドイツのFrankfurtにエンジニアリングR&Dセンターの開所が発表された。これにより、デザインセンターは合計で5拠点、エンジニアリングR&Dセンターも合計で5拠点となった。

 

吉利汽車控股の主要国別販売台数

(台)

2015年 2016年 2017年
ベラルーシ N/A 4,430 4,071
 スリランカ 4,598 1,866 1,455
イラン N/A N/A 900
アルゼンチン N/A 436 837
スーダン 470 745 791
エジプト 3,559 4,800 586
オマーン 2,162 1,222 550
UAE 597 330 530
キューバ 1,628 1,785 401
バーレーン N/A N/A 304
サウジアラビア 6,965 3,893 N/A
チリ 985 N/A N/A
ウクライナ 816 N/A N/A
アルジェリア 619 N/A N/A
ウルグアイ 526 N/A N/A
カザフスタン 400 N/A N/A
その他 2,409 1,785 1,330

(資料:吉利汽車控股の年次報告書より作成)

 

吉利汽車控股の輸出台数推移

 

主な海外動向

ベラルーシ CKD工場稼働 ・2017年11月に敷地面積118ヘクタール、国営BelAZとの合弁会社BELGEEのCKD工場(年産6万台)が開設された。中国OEMでは初のベラルーシの合弁工場で、投資額約3億3,000万ドル以上。ロシア向けの輸出モデルの生産を主に担うとともにCIS地域全体を市場とする。
・ロシアで販売されているSUVのAtlasは「博越」がベース。
ドイツ R&Dセンターの開設 ・2019年5月、フランクフルト空港近くのRaunheimに研究開発センター「Geely Auto Technical Deutschland (GATD)」の開設を発表。NEVにおけるプレゼンス向上のため、今後数年間にエンジニアおよび専門技術者を約300名雇用する計画。
英国 デザインセンターの開設 ・2019年2月、英国Coventryでのグローバルデザインセンター「Geely Design UK」の開設を発表。今後5年間でデザイナーとスタッフを含め約100名の体制を整備する。
・Geely、Lynk & Co、Proton、LEVC の社内デザイン機能のサポートを担う。
ノルウェー LEVCのEVタクシーの導入 ・2018年1月にLEVCのEVタクシーの輸入業者にオスロのAutoindustriが決定した。
ブラジル 輸出業務の停止 ・ブラジルでの輸入業務の一時停止を2018年4月に発表した。なお、2016年4月にはブラジル市場からの一時撤退を表明している。
フィリピン 双日の販売代理店よりSUVを発売 ・2019年7月にSojitz G Auto Philippines Corporation(双日100%出資)が設立され、Geelyブランド車がフィリピンで輸入車として販売される。
・2019年9月にSojitz G Auto Philippines CorporationよりコンパクトSUVの「Coolray」の発売が発表された。

 

 

 



吉利控股集団の生産拠点:既存工場の増強、新規工場の建設

 2018年の上海モーターショーのプレス発表会で各プラットフォームへの電動化対応、様々なタイプの環境対応車投入を表明して以降、NEV製造を念頭に入れた既存工場の増強や新規工場の建設が今まで以上に加速している。

 新設工場の多くは吉利控股集団の本部がある浙江省で、とりわけ長江デルタ地帯の南に位置する寧波市は港湾都市。寧波市ではインテリジェントシティを目指し、2022年までに2万基の5Gインフラを建設し、あらゆる産業を下支えする計画がある。また、他の生産拠点のいくつかは国際列車(中欧班列)の始発駅(四川省成都、浙江省義鳥、重慶市)で、グローバル展開する上でも有利である。なお、海外生産拠点のベラルーシは「中欧班列」の経由地となっている。

 

中国国内既存工場(対象ブランド:Geely、Lynk & Co、Proton、Lotus、LEVC、Yuan Cheng Auto)

所在地 生産能力
(計画)
万台
備考
浙江省 寧波市 北侖 15 1999年8月に創立。Geely Autoの帝豪シリーズを生産。
杭州湾 30 2019年5月に年産8万台の拡充計画に調印。
春暁 16 Geely Autoモデル(ガソリン車、HV、PHV)以外にProtonブランド車も製造。
台州市 路橋(金剛工場) 16 2019年4月に稼働。CMA(Compact Modular Architecture)プラットフォームモデル(Lynk & Coモデル、Volvo X40、Polestar 2(2020年-))を製造。
臨海 30 2016年12月に調印された拡張プロジェクトにより、臨海の産業パークではコネクテッドカーやNEV関連の技術を推進させる。
金華市 義鳥 10 2018年8月に3万台のレンジエクステンダーMPVの生産が承認された。12月にLEVCのTX5がラインオフ。
杭州市 大江東 AMA工場 10 Geometryを生産。第二期プロジェクトが2018年下期より開始。EVセダン(8万台)、小型ガソリンモデル(2万台)の生産を計画。
湖南省 湘潭 32 HV及びPHVのクロスオーバー生産のために拡充。
四川省 成都 13 吉利汽車初のSUVモデルを製造した工場。
南充 10 2017年7月に量産開始。前身は東風南充汽車有限公司。NEV商用車のYuan Cheng Auto(遠程汽車)の小型トラックやバスを製造。なお、二期プロジェクトが2017年6月より始まった。
陜西省 宝鶏 24(60) 「宝鶏市自動車産業発展行動計画」によると二期完成後の2022年までに年産60万台が目標として掲げられている。
山西省 晋中 20 Geely Autoモデル及びGeometry Aを製造。
河北省 張家口 20 2017年設立、Lynk & Coモデルを製造。
貴州省 貴陽 30 PHV、BEV、ガソリン車、メタノール車の製造に対応可能な工場。
山東省 済南 12(30)

2017年4月に高新区と30万台生産能力拡大のプロジェクトを締結。

(資料:吉利汽車控股の年次報告書及び各種報道を元に作成/2019年9月時点)

注)LEVC(London Electric Vehicle Company)、Yuan Cheng Auto(遠程汽車)

 

計画中の生産拠点

所在地 計画生産能力
(万台)
備考
浙江省 湖州市 長興 15 レンジエクステンダーEV(13万台)、HV(2万台)
寧波市 杭州湾 PMA工場 30 2020年 BEVモデル
杭州湾 DMA工場 30 中・高級乗用車、総投資額130億元 
杭州湾吉利汽車部件有限公司 5 関連部品会社の工場でNEV乗用車(2モデル)を生産、2021年6月稼働
余姚 30 2019年4月にプロジェクト発表
梅山 30-40 2020年、総投資額67億元
陜西省 西安NEV工場 10 2020年(一期)
湖北省 武漢 15 2021年、Lotusモデルを生産
江西省 上饒 10 NEV商用車の生産
四川省 成都 BMA工場 30 ガソリン車3モデル、NEV 1モデルの生産を計画

(資料:吉利汽車控股の年次報告書及び各種報道を元に作成/2019年9月時点)

 

 

 



Daimlerとの合弁により、2022年グローバル市場にsmartのEVを投入

 吉利控股集団は、2018年2月に吉利控股集団トップの李書福 氏がDaimlerの筆頭株主になって以降、Daimlerグループとの関係を深化させている。2018年10月にプレミアムモビリティサービスの合弁会社設立に合意し、Mercedes-Benzのハイエンドブランドの配車サービスを提供。2019年3月には、次世代のsmartの製造を中国で行い、2022年にはグローバル市場に投入することが発表された。モビリティ領域では、吉利控股集団はDaimlerとともにAir taxi「Volocopter」にも出資している。

プレミアムモビリティの合弁会社を設立 ・Daimlerの子会社「Daimler Mobility Services」と吉利控股集団が2018年10月にプレミアムモビリティサービスの合弁会社設立に合意。合弁会社の本社は浙江省杭州市で出資は折半。中国の一部の都市で展開する本サービスは、当初はMercedes-Benz S-Class、E-Class、V-Class、Maybachのハイエンドモデルを導入している。将来的にはGeelyグループのハイエンド電動車の導入も計画。
・2019年5月に合弁会社「蔚星(Weixing)科技有限公司」が設立された。
2022年にsmartをグローバル市場に ・Daimlerグループと吉利控股集団が「smart」ブランドをグローバルで展開する合弁会社設立に合意、2019年3月に調印した。EVになる次世代のsmartは中国で生産され、2022年にグローバル市場に投入される計画。新体制では、Mercedes-Benzのグローバルデザイン部門がスタイリングを担当、吉利控股のグローバル研究開発センターがエンジニアリングを担当。
・中国が本部となる合弁会社は折半出資で2019年末に設立予定。
Air taxi分野への出資 ・2019年9月に吉利控股集団は2011年設立の エアモビリティ開発新興企業の「Volocopter」に出資を行った。DaimlerもVolocopterに出資しており出資比率はいずれも10%。吉利控股集団は中国でVolocopterの生産とマーケティングを担当する。

 



Protonをグループ傘下に、湖北省武漢に生産拠点を設立

 2010年以降、経営不振にあえぐ老舗OEMを中心に次々と出資を行いグループ傘下に取り込んでいる吉利控股集団は、2017年6月にマレーシアの国民車メーカーのProton親会社DRB-HICOMとProtonの株式49.9%を取得することに調印。8月にはNEV領域に関する戦略的提携合意及び中国での合弁会社の設立を発表した。Protonの中国工場は湖北省武漢に設立。Protonが吉利グループの傘下となることで、Proton子会社のスポーツカーメーカーであるLotusも吉利グループの傘下ブランドとなった。一部報道によると2020年にはマレーシアで10万台超を販売目標に掲げると報じられている。

 

新たにASEAN展開を視野に ・2017月6月、Protonの親会社のDRB-HICOMと吉利控股集団がProtonの49.9%株式取得に調印。これによりProtonが所有するLotusの株式51%も吉利控股集団に譲渡。
・2018年8月18日に吉利控股集団とProtonがNEV領域に関する戦略的提携合意に調印。また同日に、折半出資による合弁会社を中国に設立することが発表された。合弁会社では組立生産拠点を設立するとともに、中国内の販売網も構築する。
・マレーシア紙Paul Tanの9月の報道によると吉利がProtonに「博越(Boyue)」、「繽越(Binyue)」、「嘉際(Jiaji)」の知的財産権の使用と生産/販売の許可をしたと発表。また、Protonは、ブルネイ、インドネシア、マレーシア、シンガポールおよびタイでの販売権も取得。
・2018年12月、クアラルンプールでSUVのX70を発表。本モデルは「博越」がベース。


Volvo Car Group:2025年までに販売台数の50%を電動車に

PHVのPolestar 1

2022年に路橋工場で生産予定の「Polestar 2」(資料:Polestar)

 2010年にFordから吉利控股集団傘下となったVolvo Car Group(以下、Volvo Cars)は、順調に販売台数を伸ばし、2018年は前年比12.4%増の64.2万台となった。このうち、2018年6月に工場が稼働した米国における販売台数は、前年比20.6%増の9.8万台。Volvo Carsは、2018年4月に2025年までに販売の50%を電動車とすることを発表し、2019年から毎年新しい電動車を投入するとしている。電動車に採用されるプラットフォームは、SPA(Scalable Product Architecture)とCMA(Compact Modular Architecture)。

 2017年7月に電動ハイパフォーマンスブランド「Polestar」を発表した。2019年9月には新たにテストコースも備えた組立工場が四川省成都で竣工となりSPAプラットフォームのPHVセダン「Polestar 1」が生産される。また、CMAプラットフォームのEVセダン「Polestar 2」は、2022年初頭より生産が開始となり、6月から納車される。Volvo Carsは電動化を推進する上で、S60などに48Vマイルドハイブリッドも導入している。

 2018年6月に落成された米国Charleston工場では、2018年9月よりSPAプラットフォームの「S60」の生産が開始された。米国で生産された当モデルは中国を含むアジアや欧州への輸出が計画されていたが、米中貿易摩擦の影響を受け、2018年11月に中国への輸出計画の取りやめを発表。Charleston工場で生産した「S60」の大部分を米国市場向けに供給し、一部を欧州向けに輸出する動きとなった。

 

Volvo Cars Groupの業績推移 Volvo Carsの地域別小売販売台数

 

Volvo Carsの主な動向

ハイパフォーマンスブランド
「Polestar」
・Volvo Carsグループ傘下の電動ハイパフォーマンスブランドの「Polestar 1」を2017年7月に発表。
・発表当時に2018年半ば完成予定とされていた四川省成都工場は、2019年8月下旬に竣工となった。新たに建設された当工場では、中国およびグローバル輸出市場向けの車両を生産。2019年末までにデリバリー予定。
・2020年初頭には浙江省の路橋工場でEVセダン「Polestar 2」の生産が計画されている。
AB Volvoトラック ・吉利控股集団によるAB Volvoの株式取得が2018年6月に完了した。これにより吉利控股集団は筆頭株主となった。2017年12月にCevian Capitalと合意したA株8,847万株とB株7,877万株を取得したことでAB Volvoの株式8.2%を保有、15.6%の議決権を取得。
スタートアップ企業への投資 ・2019年7月、Volvo Cars Tech Fundを通じて、イスラエルのスタートアップ「MD Go」と「UVeye」に投資。
・メディカルAIに特化した「MD Go」の技術は、車両からの事故時のリアルタイム・データと医療知識を組み合わせ、事故現場で救急隊員が遭遇する可能性が高い怪我の種類に関して、自動的に早期または即時の予測を提供。情報提供は、クラウドベースのプラットフォームを通じて行われる。
・先進技術を活用した車両外部の自動検査により損傷・へこみ傷・こすり傷をスキャンするための高度な技術を開発しているUVeyeは、工場出荷時に小さな欠陥の検出が可能。最初のテストは、スウェーデンのトースランダ工場で2019年後半に開始予定。
・2019年5月、Volvo Cars Tech Fundを通じて、フィンランドの高性能な拡張現実(AR)ヘッドセットメーカーであるVarjoに投資。Varjo XR-1ヘッドセットは、高解像度で複合現実(MR)と仮想現実を提供。内蔵される高精度アイトラッキング技術では、ドライバーが運転状況を確認することが可能。
・2019年3月、Volvo Cars Tech Fundを通じて、子供向けオンデマンド・ライドシェアリング・サービスを提供する「Zum(ズーム)」に投資。ズームの最新のルーティング・アルゴリズムと機械学習の活用により、最も効率的なルートを作成し、ドライバーと車両を手配。保護者と学校の両方で、モバイル・アプリとオンライン・ダッシュボードを通じて子供の移動状況をリアルタイムで追跡可能。
・2018年10月、Volvo Cars Tech Fundを通じて、EV用充電装置を開発する「FreeWire」に投資。FreeWireの充電装置は、低電圧電力を利用する際の煩雑さを解消して急速充電の利用が可能。
Uberと自動運転モデルを共同開発 ・2019年6月、Uberと共同開発した自動運転システムを組み込んだ量産モデルのXC90を発表した。
・2020年代初頭の自動運転車導入のために、同様の自動運転ベースの車両コンセプトを使用し、SPA2プラットフォームをベースとした次世代モデルを投入する計画。
ファーウェイとの提携 ・2019年4月にファーウェイと中国市場における次世代コネクテッドカーに関する戦略的提携合意を発表した。
・ファーウェイのアプリケーションマーケットを導入することで、ユーザーはAndroidのインテリジェントコネクテッドアプリケーションの導入が可能。また、ファーウェイサービスプラットフォームのインテリジェントアシストを活用して、ユーザーはパーソナライズ、カスタム化サービスが可能。

 

Volvo Carsの生産拠点

所在地 生産能力
(計画含む)
万台
備考
中国 成都 15 中国国内のVolvo工場で最も歴史のある工場。拡張により年産15万台となる。
成都(Polestar工場) 3 2019年8月に完成。Polestar 1を生産。中国国内及び海外市場向けのモデルを生産。
大慶 30 SPAプラットフォームのモデルを生産。
台州路橋(CMA工場) 20 2019年4月に稼働。CMAプラットフォームのモデル(Lynk & Co、Volvo X40、Polestar 2(2020年-))を生産。
スウェーデン Gothenburg 30 SPAプラットフォームのモデルを生産。
ベルギー Ghent 30 CMAプラットフォーム(XC40、V40、S60)のモデルを生産。2019年後半にはLynk & Coモデルを生産予定。
米国 South Carolina州 Charleston 15 2018年6月に稼働。SPAプラットフォームのS60を生産。2021年からはXC90を生産予定。
マレーシア クアラルンプール(組立工場) n.a XC40、XC60、S90、XC90を生産。
インド バンガロール(組立工場) n.a 2017年6月に稼働。XC90、XC60、S90を生産。2019年末までにXC90 PHVを生産。

(資料:吉利汽車控股の年次報告書、Volvo Car Group annual report及び各種報道を元に作成/2019年9月時点)

 

 

 



吉利グループの中国販売台数(工場出荷台数)

メーカー 車種 モデル 2016年 2017年 2018年 2018年
1-8月
2019年
1-8月
吉利控股集団
(Geely)
MPV 嘉際 (Jiaji) - - - - 20,924
SUV 遠景 (Vision) S1 0 10,765 67,908 54,159 16,269
遠景 (Vision) SUV 49,447 127,042 113,309 81,197 49,276
遠景 (Vision) X1 0 20,476 11,911 9,945 2
遠景 (Vision) X3 0 31,233 116,944 84,518 53,313
星越 - - - - 9,685
全球鷹 (Gleagle) GX7 15,298 0 0 0 0
帝豪 (Emgrand) GS 60,521 150,584 157,638 109,641 64,410
博越 (Bo Yue) 109,209 286,885 255,695 177,533 142,960
領克 (LYNK & CO) - 6,012 0 37,005 0
領克 (LYNK & CO) 01 - - 89,405 27,810 34,352
領克 (LYNK & CO) 02 - - 21,751 7,411 15,106
繽越 (Bin Yue) - - 23,361 0 90,783
基本型乗用車
(セダン・
ハッチバック)
EC7 17,181 0 0 0 0
EC8 11 0 0 0 0
TX4 1,300 888 0 0 0
吉利遠景 (Vision) 137,687 145,005 143,851 105,743 51,107
吉利金剛 (Geely King Kong LG-1) 63,413 36,726 16,960 14,694 0
熊猫 (Panda (LC-1)) 7,178 1,084 0 0 0
自由艦 (CK) 260 0 0 0 0
帝豪 (Emgrand) 223,781 264,432 246,933 170,843 139,887
帝豪 (Emgrand) GL 30,037 124,112 148,531 102,248 54,834
博瑞 (Bo Rui (GC9)) 51,828 42,760 19,496 18,289 5,031
博瑞 (Bo Rui) GE - - 24,803 11,393 10,703
領克 (LYNK & CO) 03 - - 9,258 0 26,019
几何(Geometry) A - - - - 6,387
繽瑞 (Bin Rui) - - 33,084 0 53,230
合計 767,151 1,248,004 1,500,838 1,012,429 844,278
沃爾沃汽車
(Volvo Cars)
MPV XC90 392 0 0 0 0
SUV XC60 39,374 38,425 98,030 37,221 62,690
基本型乗用車
(セダン・
ハッチバック)
S60 29,608 27,573 19,213 13,011 5,219
S90 968 25,054 52,312 25,381 29,120
合計 70,342 91,052 169,555 75,613 97,029
康迪電動
汽車集団
(KANDI)
SUV 不詳 0 0 3,064 130 0
基本型乗用車
(セダン・
ハッチバック)
康迪 (KANDI) K10 3,185 574 0 0 0
康迪 (KANDI) K11 199 702 0 0 0
康迪 (KANDI) K12 1,499 9,347 1,203 1,202 0
康迪 (KANDI) K17 6,862 4,122 600 600 0
康迪 (KANDI) K22 0 0 398 0 0
康迪 (KANDI) K27 0 0 1,699 69 0
合計 11,745 14,745 6,964 2,001 0
吉利知豆
電動車
基本型乗用車
(セダン・
ハッチバック)
D1 11,201 25 0 0 0
D2 9,091 42,342 14,880 13,125 0
D3 0 117 456 372 0
知豆 D2S - - - 0 2,095
合計 20,292 42,484 15,336 13,497 2,095
吉利四川
商用車
有限公司
軽型トラック 652 5,427 4,749 1,208 4,333
軽型バス 442 12 0 0 0
軽型バス (シャシー) 71 21 6 6 0
重型トラック 168 140 28 27 7
大型バス 0 65 112 15 137
中型トラック 608 563 129 128 27
中型バス - - - 0 37
中型バス (シャシー) 20 0 0 0 0
合計 1,961 6,228 5,024 1,384 4,541
総合計 871,491 1,402,513 1,697,717 1,104,924 947,943

(資料:MarkLines データベース)

 

 

 



LMC Automotive生産予測: 吉利グループの生産は堅調な伸び、2022年には258万台となる見込み

(LMC Automotive、2019年8月)

Geelyグループの生産予測

  LMC Automotiveの生産予測(2019年8月)によると、Geelyグループの2019年の生産台数は前年比2.2%増の220万台になる見込み。その後も生産は引き続き伸び、2022年には対2019年比 17.1%増の258万台となる予測である。

  Geelyグループは、VWグループと似た新しいブランド構造を持つ。Volvoがトップブランドで、多くのブランドを統合したGeelyはローエンドである。グループの新たなハイエンドブランドLYNK&COは、VWやFordと競合し、GeelyとVolvo共同のR&Dセンター(CEVT)で設計された新しいプラットフォームに基づいた製品を特徴とする。

  2018年におけるSUVの需要は引き続き堅調で、中国ブランドは同セグメントの約55%を占め、Geelyと上汽(SAIC)の双方が特に優れた成績を残した。

  SUVでは、特に博越(Boyue)と遠景(Vision)シリーズがGeelyの成長を推進。Geelyグループは、セダンにおける現地ブランドの中で明確な勝者であり、EC7およびEmgrand GS / GLが貢献した。Volvo XC60とS90もまた全体的な販売を押し上げた。Geelyグループの新しいハイエンドブランドLYNK&COの最初のモデル01と02は確実に貢献しており、最初のセダンモデルの03はデビュー以来驚異的に成功している。繽越(Binyue)と繽瑞(Binrui)は、2019年に入ってから非常に優れたパフォーマンスを発揮し、将来の成長を牽引している。一方、嘉際(Jiaji)のデビューにより、GeelyはMPVセグメントで市場シェアを獲得することができた。

  Volvoの電動パフォーマンスブランドであるPolestarは、2020年末までに中国に20店舗をオープンし、プレミアムEVの需要を開拓することを目指している。最初の店舗は第3四半期に首都北京にオープン。2020年末までに、上海、深圳、杭州、成都、重慶、武漢、西安、南京、アモイの9つの主要都市に出店する予定である。Volvoは、2017年にPolestar Performanceを独立させ、HVのクーペPolestar 1とBEVのミッドサイズセダンPolestar 2を展開した。両モデルともに中国で生産される。Volvoは、2つのPolestarモデルを中国から西欧及び北米に輸出する計画だが、出荷開始時期は未定である。

  Volvo VEPエンジンファミリーの1.5L 3気筒および2.0L 4気筒ターボガソリンエンジンは、Geelyグループの主要なエンジンファミリーになると予想される。益々厳しくなるCAFCとNEVクレジットに対応するため、Geelyは10モデルのBEVを生産リストに追加した。Geelyは中国上位3社に入るNEVメーカーであり、アジア有数のBEVメーカーでもある。

  Geelyは、新しいスポーツカーLotusを含むハイエンド車の生産のために、武漢に90億元(13億米ドル)の組立工場の建設を開始した。武漢工場は、英国のノーフォークにある主要拠点以外で英国Lotus初の生産拠点となる。2年後に生産開始されるこの工場は、年間15万台(内燃機関車及び電動車)の生産能力を備える。Lotus以外のGeelyグループ傘下のどのブランドが武漢工場で組み立てられるかは、まだ明確になっていない。

  GeelyとDaimlerは、中国でモビリティサービスを提供するために、東部の杭州市に17億元(2億4600万米ドル)の合弁会社を設立した。新会社の所有権は、それぞれのグループのモビリティ子会社であるGeely Technology GroupとDaimler Mobility Servicesに均等に分割されている。モビリティベンチャーは、いくつかのMercedes-Benzモデル、つまりS-ClassとE-Classのセダン、およびMPVのV-Classを導入し、特定の都市でプレミアムモビリティサービスを提供する。2018年10月にGeelyとDaimlerが調印した合弁契約によれば、フリート車両は今後GeelyのハイエンドEVを含み拡大される。モビリティの合弁会社は、2018年2月にGeelyがDaimlerの9.7%の株式を取得したのに続く提携拡大の一環。 3月にはGeelyとDaimlerは、次世代のsmartのEVを構築するために折半出資の合弁会社を設立することに合意。この提携により、2019年末までに新しいパートナーシップが具現化され、2022年に新型smart EVの販売が中国国内外で開始される。

  欧州では、DaimlerとGeelyがsmartブランドを変革するための協力を発表。スロベニアのsmart forfourの生産が2022年までに停止される。RenaultのNovo Mesto工場は、2014年からsmart forfour(Renault Twingoと共通のプラットフォーム)を生産しており、2017年には生産台数5万台を達成。2019年6月よりNovo Mesto工場は、forfourのBEVのみを生産する。これは、今後数年間で生産量の見通しが下振れすることをすでに示唆している(現在LMC Automotiveは、2019年は生産台数わずか3.2万台と予測)。現時点では、次世代のforfour(2022年の予定)が中国で生産されることが確認されている。

  さらに、smartの次世代fortwo(2022年予測)もGeelyとDaimlerの合弁会社により中国で設計及び製造される見通し。Geelyはすべての新型smartを設計し、Daimlerはスタイリングを提供する。smartはすべてBEVとなる。

 

Geelyグループの市場・ブランド別生産予測(LMC Automotive, 2019年8月)

(台)

COUNTRY GLOBAL MAKE 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022
Geely Group Geely 785,364 1,275,678 1,340,696 1,283,839 1,240,976 1,273,833 1,369,338
Volvo 521,706 572,476 661,038 705,835 690,813 687,835 696,549
LYNK & CO 0 6,524 123,507 175,177 299,471 348,884 380,615
Polestar 0 0 0 1,010 26,565 50,485 60,230
Kandi 10,881 14,732 6,970 9,984 22,708 22,099 28,646
LEVC 1,345 1,125 1,443 3,159 7,969 14,053 19,674
Geometry 0 0 0 10,618 10,913 11,572 12,264
Lotus 1,262 1,436 1,486 1,376 3,049 4,658 6,146
Yuancheng 183 5,287 4,679 6,806 4,204 3,579 3,849
Zhidou 20,315 43,286 15,109 3,502 204 0 0
Geely Group Total 1,341,056 1,920,544 2,154,928 2,201,306 2,306,872 2,416,998 2,577,311
China Geely 780,207 1,274,394 1,334,289 1,262,327 1,214,144 1,243,598 1,337,637
LYNK & CO 0 6,524 123,507 175,177 299,471 348,884 380,615
Volvo 68,302 93,767 135,867 163,286 171,508 175,323 191,982
Polestar 0 0 0 1,010 26,565 50,485 60,230
Kandi 10,881 14,732 6,970 9,984 22,708 22,099 28,646
Geometry 0 0 0 10,618 10,913 11,572 12,264
Yuancheng 183 5,287 4,679 6,806 4,204 3,579 3,849
Lotus 0 0 0 0 1,432 2,209 3,418
LEVC 0 0 0 652 2,224 1,959 2,187
Zhidou 20,315 43,286 15,109 3,502 204 0 0
China sub-total 879,888 1,437,990 1,620,421 1,633,362 1,753,373 1,859,708 2,020,828
Sweden Volvo 203,167 238,888 314,651 285,455 299,815 315,677 263,720
Belgium Volvo 248,751 237,731 199,776 207,542 168,727 148,794 151,319
USA Volvo 0 0 6,257 42,567 43,122 40,561 81,954
Belarus Geely 4,950 213 4,118 18,453 23,349 26,630 28,050
UK LEVC 1,345 1,125 1,443 2,507 5,745 12,094 17,487
Lotus 1,262 1,436 1,486 1,376 1,617 2,449 2,728
UK sub-total 2,607 2,561 2,929 3,883 7,362 14,543 20,215
Malaysia Volvo 1,478 1,913 3,015 5,452 5,661 5,578 5,667
India Volvo 0 177 1,472 1,533 1,980 1,902 1,907
Iran Geely 0 1,065 1,999 1,241 1,496 1,694 1,883
Tunisia Geely 0 0 290 1,818 1,987 1,911 1,768
Russia Volvo 8 0 0 0 0 0 0
Geely 0 6 0 0 0 0 0
Russia sub-total 8 6 0 0 0 0 0
Uruguay Geely 207 0 0 0 0 0 0

Source: LMC Automotive "Global Automotive Production Forecast (August 2019)"
(Note) 1. データは、小型車(乗用車+車両総重量 6t以下の小型商用車)の数値。
2.本表の無断転載を禁じます。転載には LMC Automotive 社の許諾が必要になります。
モデル別やパワートレインタイプ別等のより詳細な予測データのご用命、お問い合わせはこちらのページへ


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キーワード
中国、吉利汽車、Geely、ボルボ、Volvo Cars、Daimler 、Lynk & Co、Geometry、Proton、Lotus、Polestar、LEVC、Yuan Cheng Auto、smart、新エネルギー車、NEV

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